chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館) https://blog.goo.ne.jp/avantgarde-october

「マーメイド クロニクルズ〜第三部配信中!」「第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中!

財部剣人
フォロー
住所
未設定
出身
茨城県
ブログ村参加

2010/03/19

arrow_drop_down
  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第3章−5 ルールは変わる(再編集版)

    未だ何人も訪れたことがなく、今後も誰も訪れないであろう西インド諸島とアゾレス諸島の狭間、インド洋「バミューダトライアングル」。その2万里を越える海底に、四次元空間につながる海主ネプチュヌスの城がある。きらめく宝石のように飾り立てられた100の部屋は、マーメイド、マーライオン、セイレーンなど、海主の眷属たちの住処。陽の光さえ届かぬ深海底にひっそりとたたずむ城の回りでは、赤、青、黄、緑、オレンジにかがやく魚、エイ、鮫たちが泳ぐ。水龍とマーライオンが戦う姿が描かれた広間では、青みがかった白銀の髪をなでるネプチュヌスが黙りこくっている。彼のマリンブルーの眉毛がわずかな海流に揺れた時、ネプチュヌスが思念を発した。(一同のもの、面をあげよ)海神界の親衛隊長シンガパウムの一族が、呼び寄せられていた。「忠義をつくすもの」でマー...マーメイドクロニクルズ第二部第3章−5ルールは変わる(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第3章−4 異母兄弟姉妹(再編集版)

    だが、ここでも我の愛への呪いは生きていた。マクミラは、まるで我のイヤな部分だけを受け継いだかのような冷たい、だが美しい娘に成長した。ミスティラは、まるでひた隠しにしてきた我の弱い部分だけを受け継いだかのような、だがやさしい娘に成長した。マクミラとミスティラを見ていると、自分のイヤな部分を見せつけられているようで、どうしても愛することができなった。アルトロラーベとお主は、ずっと不思議に思っていたであろう。なぜお主たちが人間界から来た父の証である、とがった犬歯を持たぬか。その理由は、お主たちが行方不明となったコロネウロス様以外いないと思われていた最高神プルートゥ様の息子であるからじゃ!いつもアルトロラーベが帽子を目深にかぶっているのも、とがった犬歯がないことを見られぬため。骸骨顔のお主の場合は、しみじみ顔を見られる...マーメイドクロニクルズ第二部第3章−4異母兄弟姉妹(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第3章−3 閻魔帳(再編集版)

    まだプルートゥ様への未練は断ち切れなかったが、人間界から来たとは思えぬオーラになぜか惹きつけられた。大将軍殿と思念を交わすようになって、秘密はアポロノミカンのせいとわかった。「串刺し公」と呼ばれたほどの情け容赦もない戦歴は、本来、無間地獄に落ちるほどの罪状にもかかわらず、同時に人民のために一片の私心も持たずに治世を行った大将軍殿はミノスにも審判不可能であったのじゃ。閻魔帳には、“ドラクール”ことヴラド・ツェペシュは冥界にて魔族たちと戦うべしと書かれていた。その時は、まさか将来、我と婚姻の議を執り行うことや親衛隊の大将軍にまで出世すると予測したものは誰もおらなんだ。だが、話はそれだけではなかった。プルートゥ様が略奪婚によってペルセポネと契りをむすんだ時、我はすでにお主たち兄弟の卵を産んでいたのじゃ!サラマンダーの...マーメイドクロニクルズ第二部第3章−3閻魔帳(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第3章−2 ローラの告白(再編集版)

    (母と大将軍殿(註、ヴラド・ツェペシュはかつて冥界の大将軍)以外、誰も知らぬことじゃが、兄弟姉妹で一番不幸な将軍には知る権利があるやも知れぬ。これから言うことは他言無用。愛に「呪い」をかけたのは、我じゃ。我の「燃やし尽くすもの」という名は、サラマンダーの女王だからなのではない。愛を燃やし尽くす定めゆえについた名なのじゃ)ローラは遠くを見る目つきをして続けた。(あれは数千年の昔。我はプルートゥ様の寵愛を受け有頂天であった。サラマンダーの女王から冥界の王妃へ!これ以上ない夢を見ていた。だがプルートゥ様は我を捨てて、あの美しいがおとなしいだけが取り柄のペルセポネを選ばれた。我は呪った。我が君を、我が運命を、そして愛のすべてを。その後、大将軍殿と婚姻の議をおこなったのは、あてつけ婚だったのじゃ・・・・・・)(あてつけ婚...マーメイドクロニクルズ第二部第3章−2ローラの告白(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第3章−1 スカルラーベの回想(再編集版)

    スカルラーベがおそれながらと名乗り出る。(お待ちください。今度こそ私にも機会をお与えください)筋骨隆々とした体躯がふるえている。(お前もか?)プルートゥが応じる。(魔女たちの力を考えればアルトロラーベが加勢しても必ず勝てるとは限らぬ。よし、短気を直す修行をしてまいれ。ただし、お主らがマクミラとミスティラを助けられるのは人間界時間で三ヶ月とする)スカルラーベは、なんとしても人間界に行かねばと感じていた。「愛」の名の下に決定がなされた以上、己が眷属にかけられた呪いをとくためにも。ある日、ローラとスカルラーベは思念を交わした。何人にも弱みを見せないどころか、この偉丈夫に弱みがあるなどとは信じるものさえいないスカルラーベが泣き笑いをしていた。(クッ、クッ、クッ・・・・・・)通りすがったローラはただごとでないと感じた。(...マーメイドクロニクルズ第二部第3章−1スカルラーベの回想(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ第二部再編集版 序章〜第二章バックナンバー

    「第一部神々がダイスを振る刻」をお読みになりたい方へ第二部のストーリーマーメイドの娘ナオミを軸とする神々のゲームを始めたばかりだというのに、再び最高神たちが集まらざるえない事態が起こった。神官マクミラが人間界に送られた後、反乱者や魔界からの侵入者を閉じこめた冥界の牢獄の結界がゆるんできていた。死の神トッド、悩みの神レイデン、戦いの神カンフ、責任の神シュルドが堕天使と契って生まれた魔女たちは、冥界の秩序を乱した罪でコキュートスに閉じこめられていた。「不肖の娘たち」は、彼女たちを捕らえたマクミラに対する恨みをはらすべく、人間界を目指して脱獄をはかった。天主ユピテルは、ゲームのルール変更を宣言した。冥界から助っ人として人間界に送られるマクミラの兄アストロラーベとスカルラーベ、妹ミスティラは、彼女を救うことができるのか...マーメイドクロニクルズ第二部再編集版序章〜第二章バックナンバー

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第2章−8 愛とは何か?(再編集版)

    (なんじゃ?)(ほとんど戦闘能力を持たぬミスティラを送り込んでも、足手まといにはなっても助っ人にはほど遠いかと)(それでは誰が適任と申すか?)(妹の汚名をそそぐは兄の使命かと)(うるわしい兄妹愛よのう)愛か?またしても、ここで・・・・・・思わずアルトロラーベが、独り言の思念をつぶやく。例によって何かよからぬことを思いついたのか、プルートゥが意地の悪そうな笑みを浮かべている。(ローラよ、愛とはなんじゃ?満足のいく答えをしたならばアストロラーベの願いをかなえてやろうではないか)沈黙を守っていたサラマンダーの女王ローラが思念を返す。(わたくしに・・・・・・愛とは何かと、問いまするか?)(そうじゃ、あえてお主に問うておる。「愛するとは、お互いに見つめ合うことはなく一緒に同じ方向を見つめること」などと、戯言はまさか言うま...マーメイドクロニクルズ第二部第2章−8愛とは何か?(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第2章−7 裁かれるミスティラ(再編集版)

    いつも不機嫌なプルートゥの顔が、なぜか機嫌よさそうに見える。(これより我が名にかけて、ミスティラの裁きをおこなう。アストロラーベよ、代理の神官として神事を執り行うがよい)ミスティラをかわいがっているアストロラーベに、この役は酷であった。しかし、マクミラ無き今、最高位の神官の地位をついだミスティラを裁けるものなど、元神官の経験を持ち、冥界親衛隊の軍師役の彼以外にはなかった。実の兄によって妹が裁かれる場面に、プルートゥは興味津々だった。(ミスティラ殿、何か言い残したいことは?)ミスティラが、はかなげでかよわいが、きっぱりとした思念を伝える。(アストロラーベ様、何も申し上げることなどございません。一刻も早く罰を受け、我が眷属にこれ以上の恥をかかせずにすませたいと願うのみ)かわいらしい顔に不釣り合いな“ドラクール”の眷...マーメイドクロニクルズ第二部第2章−7裁かれるミスティラ(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第2章−6 アストロラーベの回想(再編集版)

    (我が足下にひざまずくがよい。これよりミスティラの裁きをおこなう)冥界中にプルートゥの思念が響き渡った。呼びつけられたのは、ミスティラの父で「吸い取るもの」“ドラクール”こと、かつての大将軍ヴラド・ツェペシュ、さらに母で「燃やし尽くすもの」サラマンダーの女王ローラ。いつも通りヴラド・ツェペシュと並ぶときは、美しい人間の女性の姿を取る。居並ぶは、彼らの長男で親衛隊の軍師「あやつるもの」アストロラーベ、次男で「荒ぶるもの」大将軍スカルラーベであった。魔女たちによって鍵を壊された牢獄から抜け出した魔物たちを退治したばかりとあって、アストロラーベの漆黒のマントと軍服はボロボロになっている。スカルラーベのドクロで作られた鎧も傷だらけであった。四人とも責任感が強くプライドも高いだけに、ミスティラの裁きに抗弁する気はなかった...マーメイドクロニクルズ第二部第2章−6アストロラーベの回想(再編集版)

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、財部剣人さんをフォローしませんか?

ハンドル名
財部剣人さん
ブログタイトル
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館)
フォロー
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館)

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用