気軽に読めて笑えるショートストーリーです。名作パロディーやファンタジー、ミステリーなどいろいろ書いています。
2分くらいで読めるショートストーリーです。 ブログでは、なるべくハッピーな話を書くようにしています。 伊東葎花のペンネームで、いろいろな文学賞に挑戦中です。
仕事から帰ると、すぐに部屋着に着替えて化粧を落とすの。 そしてビールとおつまみを用意して、ソファーに座ってテレビを見るの。 そこからが私の自由時間。ゆったりゆっくり自分時間を楽しみたいのに……。 どういうわけか気がついたら寝てるの。 ハッとして起きたらもう朝なの。 ビールは半分以上残っていて、テレビはつけっ放し。 疲れは取れず体も痛い。自己嫌悪に陥りながらシャワーを浴びて仕事に行くの。 ほぼ毎日…
つるの恩返し 「こんばんは。私は先日、あなた様に助けて頂いたつるでございます」 「えー、人違いじゃない? おれ、つるなんか助けたかな?」 「間違いございません。防犯カメラにしっかり映っておりました。その映像から、顔認証システムを駆使して調査いたしまして、あなた様にたどり着いたのでございます。ほら、これは確かにあなた様ですね」 「あっ、本当だ。おれ、つるを助けてたのか。すっかり…
カフェでコーヒーを飲もうと思ったら、カップに口紅が付いていた。 私はすぐに店員を呼んだ。 「カップに口紅が付いてるわ。取り替えてちょうだい」 若い店員は、間が抜けたような顔で言った。 「それ、お客さんの口紅っすよね」 「はあ? まだ一口も飲んでないわよ。ちゃんと洗いなさいよ」 「いや、でも。あー、まあ、わかりました」 若い店員は、首をかしげながらコーヒーを下げた。 何なの、あれ。あんな失礼な店員…
5月になると、おばあちゃんの家に黄色いバラが咲く。 世界中の光を集めたような明るい花が、フェンスに広がる。 おばあちゃんは白いテーブルと椅子を並べて、可愛いカップに紅茶を注ぐ。 まるで英国のアフタヌーンティみたいに優雅な時間。 降りそそぐ日差しと、あざやかなバラ。大好きなおばあちゃん。 「さあ春香ちゃん、紅茶はいかが」 「いただきます。おばあちゃま」 「昔ね、黄色いバラを両手いっぱい抱えて、プ…
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