気軽に読めて笑えるショートストーリーです。名作パロディーやファンタジー、ミステリーなどいろいろ書いています。
2分くらいで読めるショートストーリーです。 ブログでは、なるべくハッピーな話を書くようにしています。 伊東葎花のペンネームで、いろいろな文学賞に挑戦中です。
「こんにちは」 「はい、どなたかしら?」 「私、木枯らし1号です」 「あら、木枯らし1号さん。さっきから窓ガラスがガタガタ揺れてるのは、あなたの仕業だったのね」 「面目ない。これでも極力抑えているんです」 「それで、何の御用かしら」 「あの、ほんの少しでいいので、休憩させてもらえませんか。ほら、今年は寒くなったと思ったらまた暑くなって、気温が安定しないじゃないですか」 「本当にそうね」 「ですか…
(実花) 「着いたよ」 家の前で車を止めて、正人が言う。 前はわざと遠回りして送ってくれたのに、今じゃサイドブレーキも引かないで「早く降りろ」って言わんばかり。 「じゃあね」 さっさと降りて家に入る。あーあ、もう潮時かな。 長く付き合いすぎて、ときめきもないわ。 (正人) 「じゃあね」 実花のやつ、さっさと家に入るもんな。 前は車が見えなくなるまで見送っていたのに。テールランプで「アイシテル」…
柊子が大きなスーツケースを持って家に来た。 「冬物を取りに来たわ。なんかさあ、急に寒くなったよね」 柊子はスーツケースからTシャツや、夏物のワンピースを出してクローゼットに仕舞い、代わりにセーターやコートを取り出した。 「いや、ちょっと待って。どうして夏物置いていくの?」 「えっ、だってさすがに着ないでしょう。もう11月だよ」 「そうじゃなくて、僕たち離婚したよね。ここはもう、君の家じゃないよ」…
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