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2009/10/31

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  • 映画評 「再会長江」

    中国・南京に在住で、 関連のSNS総合で約1000万人を超えるフォロワーを抱えるとされる 日本人監督の竹内亮さんの手によるドキュメンタリー。 舞台挨拶があったこともありほぼ満席の客席に、 中国人のお客さんも相当数来られていた。 竹内監督は、10年前にNHKの番組で長江を撮影したのだが、 その際「長江源流の最初の一滴」にたどり着けず、後悔があったのだという。 本作は、2021年から2年をかけて行った長江6,300kmをたどる旅のドキュメンタリー。 タイトルに「再会」とあるのは、道中で10年前に撮影した友人たちと再会しながらゴールを目指すため。 映画を観て、今さらながら感じるのは、 中国の広さ、 中国の多様さ、である。 気候や風俗が土地土地によって全く違うだけではなく、 様々な民族が暮らしている。 日本の尺度ではまったく測れない。 また、この10年間の..

  • 吹きまくってくれてこそネリ

    去る3月6日、 井上とネリが東京ドームで闘うことが発表された。 悪童、と呼ばれるネリがその際には妙に殊勝で、 過去にとんでもない迷惑をかけた山中慎介さんに謝ってみせたりした。 しかし、試合は試合で楽しむとして、 前段階はいろいろ煽ってほしい。 優等生ばかりではつまらない。 プロレスのレベルまでやることはないが、前景気も大切。 ネリは、そんなことを思ってくれたのだろうか。 それとも単にそういう人なのか。 井上戦が近づくにつれて、いろいろ吹くようになってきた。 曰く、 「彼の試合を見てきたが、過大評価されている。普通の平凡なファイターだ」 「私が見る限りスピードがあって、賢い。パワーもある。だが、パンチを打つときに隙ができる。そのときこそ私の出番だ」 「彼にはリスクがある。(契約に)再戦条項はない。それは彼が自信過剰だからだ。彼は楽勝だと思っているが、意..

  • 2年目の「THE SECOND」 成功を祈るけれど過度な期待は禁物かしら

    結成16年以上の漫才コンビが競い合う賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」。 芸歴が長くなり、M-1グランプリに出場できなくなった芸人にセカンドチャンスを与えるというコンセプトで始まった企画である。 出場資格があるのは結成16年以上のプロのみで、 過去に全国ネットの漫才賞レース番組で優勝したことがあるコンビは出場できない。 ネタの持ち時間は、M-1より長めの6分。 去年、第1回の放送を見たが、 残念ながら笑えるネタはあまりなかった。 また、一回戦で金属バットがマシンガンズに負けてしまったのは興ざめだった。 100人の観客が審査を行うというシステムがよくないと思うので、 今年もそのシステムを採用するのなら、またガッカリしそうである。 2年目となる「THE SECOND」の最終決戦に臨む8組が決定した。 それは、 タモンズ、ハンジロウ、タイムマシー..

  • 映画評 「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」 ~ いくらなんでも・・・ ~

    観に行っておいてなんだが、 最初からいい映画であることを期待してはいなかった。 家人がファンといえばファンなのでコナン映画をちょくちょく観に行くが、 当たりと言える作品に巡り合うことはごく稀。 まあ、制作陣も、映画ファンを相手にしているわけではないだろうけれど。 私が観たのは夜8時半からの回だったが、劇場はほぼ満席。 なんでも、公開初日だけで、 観客動員数63万人、興行収入9.6億円を記録する大ヒットスタートだったという。 ふむ。 大ヒットが約束されているシリーズで、 予想どおり大ヒット。 ならば、これでいいのだろう。 コナンファンの皆さんが面白いと思えるのなら、それでいいのだろう。 いいのだろうけれど。 面白くなくても仕方がない、 と覚悟して観に行ったが、 私の覚悟など甘いものだった。 面白くなさは、想像を超えていたから。 脚本のひどさ、演..

  • 自治体の給与が高いと問題か

    埼玉県内のとある市の給与が高いらしいことがニュースになって報じられていた。 なんでも、 ラスパイレス指数が全国1位なのだそうだ。 これに対して、知事が、 「住民の理解と納得を得られる給与水準であることが重要」 とおっしゃったらしい。 この発言について、 「知事が苦言」 という見出しがついていたネット記事もあったが、 一般的なことを話されているだけにも取れる。 そもそも、このラスパイレス指数というもの自体、 どこまで真剣にとらえるべきなのか。 ラスパイレス指数の問題点として指摘されるのは、 ・国と地方の公務員で比較の対象となる職員が違う ・手当分が配慮されていない などである。 この指数が高いと本当に給与が高いと言えるのか、 国家公務員と比べることになにほどの意味があるのか、 入口の段階から疑問がある。 もっとそもそも論で言えば、 自治体が国家..

  • 日本株大幅下落もここで慌てない

    19日の東京株式市場は大幅反落。 日経平均は前営業日比1,011円35銭安の37,068円35銭となった。 下げの要因としては、 米連邦準備理事会(FRB)が利下げの時期を遅らせそうな観測が流れたこと、 中東情勢が緊迫化していること、 アメリカ市場で半導体株が低下したこと、 などが挙げられている。 個別株では、 これまでの株高をけん引してきた東京エレクトロンやアドバンテストが大幅に下げた。 ただし、プライム市場の騰落数は、値上がり86銘柄、値下がりが1,554銘柄だから、 まさに全面安だったと言える。 一時41,000円を超えた日経平均が、 今は37,000円。 あっという間に4,000円下げたことになる。 4,000円下げたというと大変な下げに思えるが、 率にすると約1割である。 暴落とは言えない。 それに年初が33,000円くらいだった..

  • 映画評 「アイアンクロー」

    子どもの頃、プロレスごっこをしたときの定番の必殺技は、 足四の字固めであり、 コブラツイストであり、 アイアンクロー鉄の爪であった。 アイアンクローは、相手の顔を鷲掴みにするだけなので誰にでもできるし、 加減もしやすいし、見た目もわかりやすいので重宝した。 アイアンクローと言えば、フリッツ・フォン・エリックだが、リアルタイムで見た記憶はない。 録画の白黒映像で、馬場さんに迫っているシーンが印象的だった。 全日本プロレスのマットで見ていたのは、 フリッツ・フォン・エリックの子どもたちである ケビン、デビッド、ケリーの三兄弟。 正直なところ、この3人にはお父さんと比べてあまり迫力はなく、 かといってうまさもなく、 まあ、若く華はあったが、それほど印象的なレスラーではなかった。 エリック家については呪われた一家と呼ばれていることは知っていて、 次々と不幸に襲..

  • 地域手当の弊害がここにも ~ 裁判官さんもご立腹の様子 ~

    日本国憲法第80条第2項に以下のような規定がある。 第80条 (略) 2 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。 この規定の適用を巡って、現職の裁判官が国に対して訴訟を起こすらしい。 津地裁の竹内浩史・部総括判事が、 「勤務地で地域手当の支給額が減るのは裁判官の報酬の減額を禁じた憲法に違反する」 として、 国を相手取り「減額分」の支払いを求めて名古屋地裁に提訴するというのである。 竹内判事は、 2020年に大阪高裁から名古屋高裁、 21年に同高裁から津地裁に異動され、 地域手当の割合が下がったことで実質的に報酬が3年間で計約240万円減ったのだそうだ。 「不合理な制度で多数の裁判官が不満を訴え、若手も辞めている。なんとかしないと地方に行く裁判官がいなくなってしまう」 とおっしゃっているとい..

  • 映画評 「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」 ~期待を大きく上回る出来栄え ~

    漫画ファンから熱烈な支持を集める浅野いにおさんのコミックの映画化。 原作は未読で、例によって予備知識なしで鑑賞。 ここのところ邦画にはびこる前後編公開だが、個人的には否定派。 というか嫌い。 映画にするのなら2時間に収めるべきだし、 後編の前振り的に前編を作るのも納得できない。 去年公開された「東京リベンジャーズ」とかひどかった。 だから、本作についても今一つ乗り切れない感じで映画館へ。 しかし、これが面白かった。 どんな話なのか予備知識なく観に行き、 予告編から、女子高生のゆるふわコメディかと思っていたのだが、 いやいや、深い怖い。 物語の設定は、巨大な宇宙船が東京上空に浮かんでいるというもの。 その状況にも慣れ、 不思議な均衡が保たれているが、 一方で、 いつ世界が終わってもおかしくない、 といった妙な緊張感にも包まれている。 二人の..

  • 成瀬が天下を取った

    全国の書店員が「いちばん売りたい本」を投票で選ぶ「本屋大賞」に、 「成瀬は天下を取りにいく」が選ばれた。 「成瀬」については、個人的な思い入れも深く、 本屋大賞にまで登り詰めたことに感慨を覚えた。 「成瀬は天下を取りにいく」の舞台は、滋賀県大津市。 滋賀県出身者としてはそそられた。 そして、最初のエピソードが「西武大津店」の閉店をめぐるもの。 主人公の成瀬あかりは、タイトルどおりに我が道を行く行動力を見せ、 それが周りを引き込んでいく。 しかし、天下を取る、といってもそんな大それたことをするわけではない。 西武のユニフォームを着てテレビに映り込む、とか、 友達とM-1の予選に出る、とか、そんな。 それがいい。 私がこの本を読んだのは去年の春。 読み終わった瞬間に思ったのは、 「これで西武大津店は永遠の命を持った」 ということだった。 日本中で、..

  • 第5回伝えたい映画大賞 その2 作品部門

    日本アカデミー賞をはじめとする各種映画賞に疑問を感じ、 自分たちで「伝えたい」と願う映画を選ぼう、という思いで始めた「伝えたい映画大賞」。 前回お届けした俳優部門に続き、今回は作品部門。 ちなみに過去の結果は以下のとおり。 第1回(2019年公開の映画が対象) 大賞 「洗骨」 監督・照屋年之(ガレッジセールゴリ) 2位 「岬の兄妹」 監督・片山慎三 3位 「愛がなんだ」 監督・今泉力也 第2回(2020年に公開の映画が対象) 大賞 「37セカンズ」 監督・HIKARI 2位 「糸」 監督・瀬々敬久 3位 「アルプススタンドのはしの方」 監督・城定秀夫 第3回(2021年に公開の映画が対象) 大賞 「街の上で」 監督・今泉力哉 2位 「偶然と想像」 監督・濱口竜介 3位 「映画大好きポンポさん」 監督・平尾隆之 第4回(2022年に公開の映..

  • なんにせよ強烈に盛り上がっている山川の凱旋

    ソフトバンクにFA移籍した山川穂高選手が、 埼玉西武ライオンズの本拠地であるベルーナドームに凱旋した。 球場の雰囲気がどのようになるか、試合前から注目を集めた。 西武の選手がFAで移籍するのは見慣れた光景だが、 山川の場合、 女性スキャンダルのあとだったこと、 2023年シーズンを棒に振ったのだからせめてあと1年残れなかったのかと多くの人が思ったこと、 移籍のあいさつが十分でなかったこと、 などからファンとの間に遺恨が生まれた。 ベルーナドームで行われた西武対ソフトバンク3連戦の初戦、 山川は大ブーイングで迎えられた。 スタメンで名前が紹介されるときに始まり、 打席に入るたびに大音響のブーイングが響いた。 それはそれは、すさまじいものだった。 山川の打撃成績は4打数1安打、3三振。 ヒットもゴロのセンター前だったから、西武投手陣に軍配が上がったと言..

  • 30年連続営業赤字 近江鉄道の復活はあるか

    私は滋賀県出身である。 近江鉄道の駅が最寄で、でかけるときにはいつも利用していた。 その頃も駅がにぎわっていた記憶はないけれど、 近年は経営難に拍車がかかってきているようだ。 ピークの1967年に1126万人だった輸送人員が、 2022年には433万人と3分の1程度にまで下落したのだという。 なにより厳しいのは収支状況。 1994年度以降、なんと30年連続で営業赤字なのだそうだ。 鉄道会社なので踏みとどまっているが、 これだけ赤字が続くようでは普通の企業なら持ちこたえることは難しいだろう。 近江鉄道も 「全線無料デイ」や 駅や沿線をイベント会場に見立てた「ガチャフェス」 などで、沿線のにぎわいづくりを目指してきているが、現状は厳しい。 赤字ローカル線については廃止という選択がなされることもあるが、 近江鉄道は全線継続となった。 ただし、その条..

  • 第5回伝えたい映画大賞 その1 俳優部門

    日本アカデミー賞をはじめとする各種映画賞に疑問を感じ、 自分たちで「伝えたい」と願う映画を選ぼう、という思いで始めた「伝えたい映画大賞」。 今年が第5回目。 俳優部門と作品部門に分けてお届けするとして、まずは俳優部門。 過去の受賞者は以下のとおり。 第1回 女優賞:和田光沙さん(「岬の兄妹」の演技で) 男優賞:池松壮亮さん(「宮本から君へ」の演技で) 第2回 女優賞 水川あさみさん(「喜劇 愛妻物語」の演技で) 男優賞 宇野祥平さん(「罪の声」「37セカンズ」の演技で) 第3回 女優賞:上白石萌歌さん(「子供はわかってあげない」の演技で) 男優賞:鈴木亮平さん(「孤狼の血LEVEL2」の演技で) 第4回 女優賞:嵐莉菜さん(「マイスモールランド」の演技で) 男優賞:磯村勇斗さん(「前科者」「PLAN75」「ビリーバーズ」「異動辞令は音楽隊!」「さかなのこ..

  • 日本のプロ野球の試合時間は長過ぎるが、ピッチクロックにも弊害があるようだ

    日本のプロ野球の試合時間は長い。 正直なところ、長過ぎる。 打撃戦の結果長くなるならまだわかるが、 どんな試合でも長い。 2023年シーズンの平均試合時間は3時間7分だったというが、 もっともっとスピードアップできると思う。 とにかく、不要な間合いが多過ぎる。 一方、去年からピッチクロックが導入されたメジャーの試合時間は 2023年で2時間40分。 延長の仕組みなどが違うので単純に比較はできないが、 30分近く短いことがわかる。 最初ピッチクロックの仕組みのことを聞いたとき、 野球の「コク」がなくなるのではないかと思った。 特に終盤の重大な場面などはじっくり時間をかけてもいいのではないかと感じた。 しかし始まってみると、試合のスピード感が違う。 どんどん進んでいって気持ちがいい。 しかし、ピッチクロックにも弊害があるようだ。 それは、投手の故障..

  • 植田総裁 エコノミスト採点は77点

    日本銀行の植田和男総裁が就任1年を迎えるに当たって、 産経新聞と日本経済新聞が主要エコノミストにアンケートを行った。 産経新聞が20人、日本経済新聞が16人と人数にばらつきはあるが(ダブっている人も少なくないが)、 点数はお揃いの77点。 特に合格点が設定されているわけではないが、77点はなかなかの高得点。 植田総裁の1年間は順調な滑り出しだったと言えそうだ。 前任の黒田氏がサプライズを好み、 「黒田バズーカ」などと呼ばれたのと対照的に、 植田総裁は市場と丁寧にコミュニケーションをとりながら政策を進めている。 評価する声の中にも、 「サプライズを起こすことなく、事前に市場に織り込ませるよう努力している」 との指摘があった。 また、慎重さが評価される一方で、 「政策判断は大胆で思い切りが良い」 との意見もあった。 もちろん、評価する声ばかりではな..

  • 映画評 「オッペンハイマー」 ~ 良作だが、思ったより ~

    クリストファー・ノーラン監督作品。 クリストファー・ノーランといえば、 「ダークナイト」「インセプション」「テネット」など数々のヒット作、評判作を生み出してきた現役屈指の映画監督。 その作品の日本公開がなかなか実現しなかった。 不人気作であればともかく、 全世界で10億ドルを超える興収を上げるメガヒットとなっているにも関わらず。 原爆、という日本人の琴線に触れるテーマであること、 広島、長崎の惨状が描かれていないこと、 映画「バービー」とのタイアッププロモーションが配慮に欠けたこと、 など、考慮しなければならない点はあるにせよ、 公開されないなどということにならなくてよかった。 賛否が分かれるから、 批判する人がいるから公開しない、などとなってしまうと、 表現は成り立たない。 丁寧に作られた良作だと思うが、 もっと賛否分かれる内容だと予測していた。 ..

  • 新年度の朝もモーニングサテライト きっと大学で学ぶより勉強になる

    私の朝は、テレ東系「ニュースモーニングサテライト」(モーサテ)で始まる。 モーサテが始まったのは平成10年、1998年のこと。 もうかれこれ四半世紀以上。 開始当初から毎朝観続けている。 関東以外へ出張した朝は、 懸命にモーサテを映すチャンネルを探す。 モーサテで扱うのは、経済情報。 芸能ニュースもスポーツニュースも取り上げない。 占いもなければ、 もちろん、じゃんけんもない。 天気予報はある。 しかし、お堅いだけの番組ではない。 日替わりで出演する証券会社のアナリストや大学教授は話術に長け、 ユーモアのセンスも持ち合わせている。 ほかの番組に出ているコメンテーターと違い、 知識と経験に裏打ちされた発言を、自らの責任のもとに行っている。 無意味な皮肉や当てこすりはない。 金曜日には「パックンの眼」というコーナーもある。 4月からメインキャスタ..

  • 日銀が金利を上げようとする一方で世界は利下げへ

    日本銀行は、2024年3月の金融政策決定会合において、 マイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げを行うことを決定した。 いわゆる「金融政策の正常化」は、これで終わりというわけではなく、 さらなる利上げに向かっていくのだろう。 慌てず、時間をかけてということになるとは思うが。 一方、世界の動きは真逆である。 つまり、利下げの方向に動いている。 3月21日、スイス国立銀行は、主要金利を25ベーシスポイント引き下げ、1.50%とすると発表した。 主要中央銀行としては、現在の局面で初の利下げということになる。 しかしこれはスイスに限った話ではなく、 欧州中央銀行もアメリカも利下げに向かっている。 このうちアメリカは、 予想以上に経済が強くインフレも進んでいることから、 利下げの時期が遅れる可能性が指摘されている。 また、アメリカが利下げしている時期に..

  • 低反発バットで公立校にチャンスが広がるか

    今年のセンバツから高校野球に新しい基準のバットが導入された。 主な変更理由は、投手のけがを防止することだが、 打撃戦が続くことによる投手の消耗を押さえる狙いもあるという。 新基準のバットの直径は、従来より3ミリ細い最大64ミリ未満。 また、打球部の金属は1ミリ厚くし、反発力が抑えられた。 日本高校野球連盟による実験では、 従来型のバットより反発性能が5~9%減少、 打球の初速も約3~6%減少したという。 飛距離は5mほど短くなったというが、 実戦での影響はそれ以上であるように感じられた。 わかりやすく影響が現れたのがホームランの数。 金属バット導入後のセンバツでのホームラン数の推移は以下のとおり。 1975年:11本 1984年:30本(最多記録/PL学園のKKコンビの活躍) 1992年:7本(ラッキーゾーンの撤去) 2022年:18本 2023..

  • 映画評 「四月になれば彼女は」

    佐藤健さんと長澤まさみさんという最強クラスの二人が恋人役で共演。 元カノ役に森七菜さん。 強力な布陣だが、予告編は全くピンと来ず、映画評も今一つ。 あまり期待していなかったが、 うん、まあ、それなりに観ることができた。 実年齢で言うと、佐藤健さんが35歳、森七菜さんが22歳。 映画の中の話なので実際の年齢と食い違っていてももちろん構わないのだが、 この二人を大学時代の先輩後輩とした設定はどうなのか。 イマイチ映画に入り込めない理由のひとつはここ。 どうしても森さんを起用したかったのだろうか。 素直にもう少し年齢の近い女優さんを起用すればよかったのに。 長澤さん演じる恋人が結婚を目前に姿を消してしまい、 佐藤さんが彼女を探すうちに、自分と元カノの真の姿を見つけていくというストーリー。 現実世界でも失踪は頻発していて、 そこに誰もが納得できる理由などないと思..

  • 映画評 「ペナルティループ」

    「人数の町」の荒木伸二監督作品。 「人数の町」はなんとも不思議な映画だった。 本作は人殺しを繰り返すというタイムループもの。 乱造されている感のあるタイムループ映画だが、新しい味付けがあるのだろうか。 と期待したが、ううむ。 新機軸がなくはないが、納得感も切迫感も説得力もなく。 誰にもどこにもどの瞬間にも感情移入ができず、 ひたすら時が流れていく。 コメディ的な要素があり、そこいらを楽しむしかないのだが、 笑えるまでにはほど遠い。 去年観た「神回」という映画に似たテイスト。 「神回」の方がずっと切実だったが。 主演に若葉竜也さん。 共演に伊勢谷友介さん。 お二人のバディぶりがそれなりに愉快ではあった。 終盤、タイムループの謎が明かされるのだが、 あんなことなら謎のままの方がよかった。 映画はエンタテインメントであり、 アイデア一発勝負..

  • ハイツ友の会 ちゃんと面白かった

    お笑いコンビ・ハイツ友の会が解散を発表した。 清水さんはそのまま芸人を引退され、西野さんはピンで活動を続けていかれるとのことである。 ハイツのネタは、日常会話のような低いテンションで、 小さい毒舌をつぶやくスタイル。 こうしたスタイルの漫才師は以前からいるが、 なかなかブレイクまでは至らない。 スタイルの新奇さに慣れてしまうと、 面白みがなくなってしまうからだろうか。 その点ハイツは、 だんだん面白くなってきているような気がした。 ネタの内容も、披露する腕も上がり、 賞レースでも確実に成果を残しつつあった。 当たりハズレはあり、 常に爆笑というわけにはいかないが、 まだ結成して5年。 大きな可能性があった。 残念。 清水さんは、 「実際に今やめようと思える程度にはこの職業での活動に満足したことも、理由の1つです」 とし、 「やめる人たちと..

  • ここのところで読んだ30冊

    ここのところで読んだ30冊は以下のとおり。 「日本一長く服役した男」 NHK取材班 「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」 三戸 政和 「リボルバー」 原田 マハ 「メモの魔力」 前田 裕二 「木曜にはココアを」 青山 美智子 「光る牙」 吉村 龍一 「サービスの達人たち」 野地 秩嘉 「セルフ・コーチング入門」 本間 正人、松瀬 理保 「桜のような僕の恋人」 宇山 佳佑 「カオスなSDGs」 酒井 敏 「スーパーリッチ」 太田 康夫 「ロシア語だけの青春」 黒田 龍之助 「ゴッホとゴーギャン」 木村 泰司 「けいどろ」 荒木 涼 「プレヴェール詩集 やさしい鳥」 「いま、先生は」 朝日新聞教育チーム 「米国債投資」 ようへい 「夜長姫と耳男」 坂口 安吾 「これからの経営に必要な41のこと」 岩田 松雄 「洞爺丸はなぜ沈んだか」..

  • 経済の重大事件 自分が選ぶなら

    日本経済新聞土曜日の別刷り「NIKKEIプラス1」では、 「何でもランキング」として毎週いろいろなベスト10が紹介されている。 例えば、 「文豪気分で散策 東西の名湯10選」 「『昭和』にタイムスリップ? おすすめ体感スポット10選」 など様々である。 2024年3月30日付紙面では 「知っておきたい50年の経済史」 と題して、ここ50年間での経済関係での世界の大ニュースが紹介されている。 ランキングは以下のとおりである。 1位 ニクソン・ショック(1971年) 2位 世界金融危機(2008年) 3位 ベルリンの壁が崩壊(1989年) 4位 第4次中東戦争(1973年) 5位 日経平均、3万8915円に(1989年) 6位 WHOがパンデミック宣言(2020年) 7位 プラザ合意(1985年) 8位 鄧小平氏「南巡講話」(1992年) 9位 日銀..

  • 野球がある幸せ

    細田守監督の傑作アニメ映画「時をかける少女」。 未来から来た少年・千昭が主人公の少女・真琴に、 この時代が好きな理由として、 「野球もあるし」 という。 野球好きの真琴は驚いて、 「え、野球なくなっちゃうの?」 と聞き返す。 野球がなくなったら嫌だ。 いつかなくなるとも思えないけれど、 いや、どうなるかわからない。 野球がある喜び、野球を観ることができることへの感謝は忘れないようにしよう。 春になり、 甲子園ではセンバツが佳境、 メジャーも本格的にペナントが始まり、 日本のプロ野球も開幕した。 野球爛漫である。 センバツはどうしても夏ほどは盛り上がらないが、 それでも球児たちの全力プレーが地域に元気をもたらしてくれる。 メジャーでは一平さんの事件が思い切り水を差してしまったが、 それはそれとして日本人選手たちの活躍を応援したい。 日本の..

  • 新宿からアルタがなくなる

    伝説の番組「笑っていいとも!」は1982年にスタート。 以来30年間にわたって、 「お昼休みはウキウキウォッチング」であった。 いいともを収録していたのが、新宿駅前のアルタ。 アルタで買い物をしたことがある人はあまり多くなかったかもしれないが、 アルタは新宿のランドマークであり続けた。 恥ずかしながら(別に恥ずかしくもないが)、 いいともを2回観に行ったことがある(友達が応募してて・・・)。 テレホンショッキングのゲストは、中条きよしさんと田代まさしさんだった。 このお二人が当たりかどうかは各自でご判断いただきたい。 その「新宿アルタ」が、2025年2月末での営業終了を発表した。 このことを伝える記事中の関係者の話では、 「どうするかや閉館の理由は公表していない」 ということらしい。 携帯やスマホがない時代、 新宿で待ち合わせと言えばアルタ前だ..

  • 映画評 「ゴールド・ボーイ」 ~ 金子修介監督健在! ~

    平成ガメラシリーズは3作撮られた。 1995年の「ガメラ 大怪獣空中決戦」に始まり、 1996年の「ガメラ2 レギオン襲来」 1999年の「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」まで。 この監督をされたのが金子修介さんである。 平成ガメラシリーズは私も大好きであるが、特に一作目が秀逸だった。 その後、金子監督は「デスノート」で大ヒットを飛ばされたが、 ここ数年は比較的おとなしめであったように思う。 しかし、本作で健在ぶりをしっかり示された。 御年68歳。 若い。 みずみずしい。 原作は中国の小説及びドラマであるらしい。 それを、沖縄に移して撮っている。 沖縄はこの映画の舞台としてぴったりだった。 主演は岡田将生さんということになっているが、 タイトルに「ゴールド・ボーイ」とあるように、少年がストーリーを動かしていく。 岡田さんは残忍な犯罪者なのだが、そ..

  • パ・リーグ順位予想 ~ 今年の日本ハムは大穴ではない ~

    プロ野球の順位予想をしてみようと思う。 なるべく私情を排して。 毎年やっているのだが、なかなか当たらない。 今年もきっと当たらないが、一所懸命考えよう。 セはよく知らないので、パだけなのも例年どおり。 ちなみに、3月27日のスポーツニッポン紙でも評論家によるパの順位予想がなされていて、 23人の平均点を順位化すると以下のようになるらしい。 1位 ソフトバンク 2位 オリックス 3位 西武 4位 ロッテ 5位 日本ハム 6位 楽天 去年の順位は、 1位 オリックス 2位 ロッテ 3位 ソフトバンク 4位 楽天 5位 西武 6位 日本ハム なお、オリックスとロッテのゲーム差は15.5の超独走、 一方、ロッテから楽天までの差はわずか1.5だった。 これらを踏まえつつ各チームの戦力を分析してみる。 まずは前年度ぶっちぎりで優勝したオリッ..

  • 映画評 「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」

    「止められるか、俺たちを」の続編となっているが、 続きものの感じはしない。 前作は白石和彌監督で、かなり強烈な手触りだったが、 本作はやわらかい仕上がり。 主人公が故若松孝二監督であり、 実話をもとにしているという点だけが共通点。 本作は、若松監督が名古屋にミニシアターを立ち上げられたエピソードをベースに、 そこに集まった映画に魅せられた人たちの物語。 やわらかいといっても、映画に対する熱はしっかり残っている。 そして、ちゃんと楽しめた。 前作と今作、どちらが好きか、 と問われたら、ヒリヒリした前作になるが、 今作もなかなか。 若松監督役に前回に続いて井浦新さん。 一癖も二癖もある役をけれんみたっぷりに演じられた。 映画館の支配人役に東出昌大さん。 このところの東出さんの活躍は目覚ましい。 映画作りに励むがなかなかものにならない女子学生に芋生悠..

  • iDeCoの拡充は素直にいい知らせ

    3月25日付日本経済新聞の一面に、 iDeCoが拡充されるとの記事が掲載された。 これは喜んでいいニュース。 iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)とは、 個人が加入し、加入者自らが運用商品などを選び、 その成果によって受け取る金額が変わる年金制度のこと。 開始当初は60歳までしか掛け金を出せなかったが、 近年の改正で65歳までに延長された。 今回の改正では、これがさらに70歳までに延長されるという。 さらに、これまで月に1.2万円が限度とされてきた公務員の拠出額が、 2万円に増額されるという。 iDeCoは公的年金の補完的な意味で導入されたものであり、 活用をうながす仕掛けがたんまり施されている。 具体的には、 ・iDeCoで積み立てた掛金は所得控除の対象になる ・iDeCoで得た運用収益には税金はかからない ・退職金や年金として受け取る際も控除..

  • なかなか咲かない桜もよき哉

    近年、やたらと早い時期に桜が咲くことが多かった。 例えば去年の東京は、 平年の開花日が3月24日なのに、 3月14日に咲き、 3月22日には満開になってしまった。 咲いてくれるのなら3月でも4月でもいいようなものだが、 なんとなく3月に満開、 4月に葉桜というのは調子が狂う。 入学式と桜花賞は、 満開の桜の下で迎えたい。 花吹雪の下、 緊張で赤らんだ新入生の顔を見るのはよき哉。 阪神競馬場の桜並木を背景に、 3歳牝馬たちがしのぎを削る姿を見るのはよき哉。 桜が咲かないと、 いつ咲くかいつ咲くかとやきもきする。 そのじれったい時間もよき哉。 今年も、3月上旬の時点では平年より早めの開花が予想されていた。 それがここのところの寒の戻りで、 桜のつぼみが固くなった。 この調子でいけば、 東京も4月に入ってからでも桜が楽しめそうである。..

  • さや香の「見せ算」も「唐揚げ」もそれをやった心持ちも嫌いじゃない

    2023年のM-1グランプリは、令和ロマンの優勝で幕を閉じた。 1stラウンドを首位通過した「さや香」は、 最終決戦で「見せ算」と呼ばれるネタを披露し、 7人の審査員から1票も入れてもらえなかった。 見せ算を見せられている会場はきょとんとしており、 まったくウケていない状況だったので、この結果はまあ仕方がない。 しかし私はさや香に勝ってほしいと願っていたので、 審査員の投票結果を見た後、少しの間落ち込んだ。 3月14日、21日のテレビ朝日系「アメトーーク!」は 「賞レース2本目やっちまった芸人」 をテーマとしていて、当然のごとくさや香も呼ばれていた。 ほかに、チョコレートプラネット、笑い飯、ロッチも参加していたが、 このテーマにふさわしいのは「チンポジ」の笑い飯と「見せ算」のさや香だろう。 「見せ算」については、 何が面白いのかわからない、 客に考..

  • 朗報 「あの本、読みました?」のレギュラー放送化

    新聞のテレビ欄は、テレ東系を中心にさらうようにしている。 去年の11月、そんな私の探索網にかかったのが、 「あの本、読みました?」 というタイトルの番組。 テレビ東京、それもBSだが、の木曜夜10時から4週間放送された。 本好きのための情報番組、というコアな内容。 「明日読みたい本が見つかる!」 というのがキャッチコピー。 番組内の一つのコーナーとしてベストセラーや話題の本を取り上げる、 というのならわかるが、 一時間まるまる本についてというのは、まさにBS。 やっぱりテレ東。 MCは鈴木保奈美さん。 なんでも大の本好きらしい。 番組の中では、 保奈美さん流の本屋さんの歩き方が紹介されていたり、 本の帯を特集していたり、 なかなかマニアックな内容。 保奈美さんは本好きの大人らしく落ち着いた雰囲気で、 それでいて知ったかぶりな感じはなく、 ..

  • 映画評 「変な家」 ~また来た、トンデモ映画。そこにまた斉藤由貴さん ~

    先日、監督:内田英治さん、主演:土屋太鳳さんの 「マッチング」という映画を観た。 これがなかなかのトンデモ映画で、今年中にこれに匹敵するような作品を観るのは難しいかと思えた。(褒めてません。念のため) ※「マッチング」の映画評はこちら。 https://matoko.blog.ss-blog.jp/2024-03-01 しかし、この「変な家」もかなりのトンデモぶり。 ぶっ飛び方、取っ散らかり方はハンパではない。 もとは、「変な間取り」の裏に隠された驚きの真実に迫る展開で話題を集めたYouTube動画。 それを小説化した「変な家」もベストセラーとなり、 今回映画化となった。 前半は、まずまず楽しめる。 主人公のオカルト専門の動画クリエイター役に間宮祥太朗さん、 ミステリー愛好家の設計士役に佐藤二朗さんという二人のコンビが、 それほど熱心にではなく「変..

  • 水泳のオリンピックへの道は険しい

    パリ・オリンピックの競泳日本代表の座をかけた 「国際大会代表選手選考会」が東京アクアティクスセンターで開催されている。 オリンピックに派遣する選手の選考は、 それぞれの種目で独自のやり方を取っている。 注目された卓球のように、 一定期間のポイントによって決める種目もあれば、 マラソンのように複数のレースで決めるパターンもある。 オリンピックに派遣する選手の選考に求められるのは、 公平さもさることながら、 オリンピックで勝てるかどうか、 という点だと思う。 ただし、実際にオリンピックで勝てるかどうかはやってみなければわからないので、 どうしても主観的な要素を排除することができない。 そのため、選ばれた選手・選ばれなかった選手で、悲喜こもごもとなることが多い。 その点、水泳はわかりやすい。 基本的に、「国際大会代表選手選考会」での一発勝負。 それまで..

  • テスラ株はどこまで下がるか

    アメリカの電気自動車企業の代表格であるテスラの株価下落が続いている。 現在の株価は170ドル近辺。 2011年に付けた最高値では410ドルを超えていたから、半分以下になった格好である。 近年の業績が振るわないというわけではない。 過去五年間の売上高の推移は以下のとおりであり、順調に右肩上がりになっている。 決算期 売上高 2019.12 24,578百万ドル 2020.12 31,536百万ドル 2021.12 53,823百万ドル 2022.12 81,462百万ドル 2023.12 96,773百万ドル では、なぜ株価が下がっているかというと、 ・成長はしているが、思ったほどではなかったこと ・2024年の決算に不透明感が漂っていること ・もし「EV嫌い」とされるトランプ氏が大統領になったら一層逆風になりそうなこと などが原因とされている。 ..

  • 映画評 「PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」 ~ 投げっぱなしだが不快ではなく ~

    映画の中でのフリは解消するのがルールだと思う。 投げっぱなされるとモヤモヤする。 しかし、実際の生活では映画のように2時間で完結したりはしない。 家庭内での問題は何かで優勝したから消えてなくなるわけではないし、 地域の課題も跡形もなく解決されることなどない。 この映画では、登場人物の周辺が丁寧にではなく結構乱暴に描かれ、 何も解決しないままに終わってしまう。 映画のルールとしてはいただけないし、 モヤモヤした方も少なくないだろう。 私も、それはないよなあ、と感じつつ、本作に関してはそれでもいいかと思えた。 テーマは、高校生の「eスポーツ」大会。 実際にあった話をモデルにしているということだが、 ドラマチックな展開はないので、本当に実話ベースなのかもしれない。 野球やサッカーのように、 汗まみれ泥まみれの特訓シーンはない。 三年間の努力もない。 そ..

  • オープン戦、OB戦に3万人 観るスポーツとしての野球人気衰えず

    野球人気の衰退が心配されている。 実際に、野球をする子どもたちは減っている。 少年野球はなかなかチームが組めなくなってきているし、 高校野球でも9人揃わない学校が増えてきている。 一方、観るスポーツとしての野球の人気は、 衰えるどころか高まってきているように感じる。 3月16日には各地でオープン戦が行われた。 当然ながらオープン戦であり、真剣勝負ではない。 観に行く側もそれをわかっているはずなのに、 ペイペイドームのソフトバンク対西武戦には36,000人、 バンテリンドームの中日対阪神戦にも30,000人。 大盛況といっていいだろう。 さらに、ベルーナドームで行われた西武のOB戦にも28,000人。 チケットは完売だったという。 ちなみに、松坂、清原抜きである。 長い間、野球はチームで行うプロスポーツとしては、 ほぼ唯一の存在として君臨してき..

  • 金利のある世界への復帰

    日銀が3月18、19日に開く金融政策決定会合で、 マイナス金利政策の解除を決める見通しとなったと、 大きく報じられている。 かねてから、マイナス金利の解除は3月か4月と言われていたので、 ここでの解除に驚きはないが、 それでもやはり大きな転換点である。 利上げは2007年以来17年ぶりのことになる。 マイナス金利の解除は、 いわゆる「金融政策の正常化」のために日銀としてはなんとしてもやりたかったことだろうが、 過去にはすぐに解除を取り消した前歴がある。 1度目の解除は2000年8月。 しかし、当時はITバブルが崩壊していく時期に重なっていて、 2001年には再びゼロ金利への回帰を決定せざるを得ない状況となってしまった。 2度目は2006年7月。 翌2007年2月にも追加利上げに踏み切ったのだが、 2007年から2008年にかけては世界金融危機が発生..

  • 映画評 「マイホームヒーロー」 ~ 心配していたとおりの残念さ ~

    正直、予告編からあぶない予感はしていた。 テレビドラマの映画化ということで危険な香りもしていた。 観てみなければわからないから劇場に足を運んではみたものの、 心の準備はしていた。 しかし、それでもやはり、ため息。 ドラマを映画にしたときの典型的な残念例。 いい映画を作るという執念がどこにも漂わない。 原作は、「週刊ヤングマガジン」連載の人気コミック。 映画は、悪い意味で漫画。 きっと原作はもっとちゃんとした作品なのだと思う。 佐々木蔵之介さん演じる主人公が、趣味で推理小説を書いているということで、 その知識がどこかで活かされるのかと思いきや、不用意かつ行き当たりばったりの行動の連発。 最後の最後まで。 娘役の齋藤飛鳥さんは、お元気にされていた。 主人公の妻役の木村多江さんは、役割を果たされていた。 どんなに俳優陣が頑張っても、この脚本と演出では報われな..

  • 今、春ですよ、春を楽しみましょう ~ 暑いの寒いのばかり言わないで ~

    5月頃、暑い日が続き始めると、 「冬が終わったと思ったら、もう夏。 この頃は、春がない」 と嘆く人がにょきにょき出てくる。 11月頃、北風が吹き始めると、 「夏が終わったと思ったら、もう冬。 この頃は、秋がない」 と嘆く人がわんさか現れる。 お気持ちはわからないでもないが、 本当にそうかしらん。 実際、このところの陽気はしっかり春だし、 来週からのお花見シーズンは春真っ盛りだし、 ゴールデンウィーク頃も汗ばむ日だってあるだろうけれど、 体を動かすにももってこいの季節だろう。 春はちゃんとある。 もちろん、秋だってちゃんとある。 それを感じることができていないだけで。 それをめでることができていないだけで。 今、春ですよ。 暑くなってから、春がなかったと嘆くのはもったいないですよ。 今、春ですよ。

  • 本屋さんを救いたい ただし、本屋さんの頑張りも必要

    本屋さんの減少が続いている。 この状況を打破するために、経済産業省が動き出したようだ。 なんでも、大臣直属の「書店振興プロジェクトチーム」を設置し、 読書イベントやカフェギャラリーの運営など、個性ある取り組みを後押しする方策を検討するのだそうだ。 本屋さんは、 出版物の不振、紙離れ、新古書店の台頭、ネット書店の広がり、 などなどの逆風下にあり、その数を減らしている。 2013年に全国1万5,602店あった書店の総店舗数は、22年に1万1,495店に減ったのだという。 また、全国の市区町村のうち、 地域に書店が一つもない無書店自治体がおよそ4分の1にのぼるという調査もある。 経済産業省は、本屋さんはただ本や雑誌を売っているだけではなく、 地域文化を振興する重要拠点であると位置づけ、支援する考えのようだ。 本好きとして、こうした動きは歓迎だが、 街から本屋..

  • 映画評 「コットンテール」

    監督のパトリック・ディキンソンさんは、イギリス・アイルランド出身で、 オックスフォード大学と早稲田大学で日本映画を学んだ方らしい。 本作では脚本も務めていて、日本とイギリス両国での監督自身の物語に動機づけされた作品。 長編監督デビュー作という。 妻を亡くした不器用な男が、 妻の遺言に従ってイギリスのとある湖に散骨に行く。 疎遠となっていた息子とともに向かうのだが、気持ちはすれ違い、 ことあるごとに衝突してしまう。 というお話。 妻を亡くした主人公をリリー・フランキーさんが演じる。 息子役に錦戸亮さん、妻役に木村多江さん。 若い頃のリリーさんと木村さん役を工藤孝生さんと恒松祐里さんが演じる。 画面での登場は少ないのだが、この工藤さんと恒松さんがよかった。 二人をもっと見ていたかった。 工藤さんはリリーさんになんだか似ていた。 父と息子がぶつかり、 ..

  • 株価は上がったり下がったり ~ もう一段の下げがあっても驚かない ~

    3月11日の東京株式市場は全面安。 日経平均株価は、一時、前週末終値比で1,100円を超えて下落。 終値は868円安の38,820円となった。 下げ幅は、2年9か月ぶりの大きさ。 下げの要因は、 ・前週末のアメリカ市場でエヌビディアをはじめとするハイテク株が大幅に下落したこと ・日本銀行の政策変更観測を材料に円高に振れたこと ・ここまでの上げが急ピッチだったことの反動 といったところだろうか。 900円近い下げとなると、下げ幅はかなり大きいように見えるが、 率にすると2%強。 株価が上昇して分母が大きくなっているので、 変動幅もどうしても大きくなる。 去年の1月に25,000円そこそこだった日経平均が、 1年ちょっとで40,000円。 日本株がバブルかどうかはさておき、 このスピードでの上昇が続くはずはない。 40,000円近辺で一進一退を続け..

  • 映画評 「52ヘルツのクジラたち」 ~ 原作どおりでなくても構わないけれど ~

    2021年本屋大賞を受賞した町田そのこさんのベストセラー小説の映画化。 原作を読んだが、 大好きにはならなかったもののそれなりに楽しめた。 それを成島出監督が映像化するとのことで、期待して劇場に足を運んだ。 原作は単行本で260ページ。 長過ぎるということはないが、当然すべてを映像化することはできない。 どこを膨らませてどこを削るか、 脚本家と監督の腕の見せ所である。 最初のシーンで、洒落た家と美しい風景が映る。 ここで気持ちを掴まれた。 成島監督の「八日目の蝉」のような心に残る作品になるかと思えた。 しかし、そこからはうまくいかなかった。 基本的には原作に忠実に進むのだが、 ブツ切りな感じで、気持ちが入り込まない。 描くべきところが描き切れておらず、 誰にどう感情移入すればいいのか、最後までつかめなかった。 主演の杉咲花さんの演技は今回も強..

  • 結構面白かった今年のR-1 ~ 夢があるかどうかはさておき ~

    「R-1グランプリ2024」が開催され、 街裏ぴんくさんが優勝された。 ぴんくさんは、「R-1には夢があるんですよ!」と叫ばれたが、 さて、去年の優勝者は誰でしょう? R-1を家族で見るのには、ちょっとした勇気がいる。 しんどいネタが続いてしまうことがありがちで、家の空気まで重くなってしまうからである。 The Wにも共通した現象。 今年も相当な覚悟でテレビに向かったが、いやいやどうして、これが結構面白かった。 トップバッターの 真輝志さんはさておき、 2番手ルシファー吉岡さんの婚活パーティのネタでクスリとさせられた。 こういうことなくもなさそう。 続く、街裏ぴんくさんはピンと来なかったが、 kento Fukayaさんのマッチングアプリネタ、 寺田寛明さんの国語辞書コメントネタでは、どちらもくすぐられた。 わーわーにぎやかなぴんくさんより、私はこのお..

  • いい映画っぽい映画が評価される日本アカデミー賞

    日本アカデミー賞が発表された。 結果は以下のとおり。 最優秀作品賞 「ゴジラ-1.0」(予想的中) 最優秀アニメーション作品賞 「君たちはどう生きるか」(予想的中) 最優秀監督賞 ヴィム・ヴェンダースさん(私の予想は山崎貴さん) 最優秀主演男優賞 役所広司さん「PERFECT DAYS」(私の予想は鈴木亮平さん) 最優秀主演女優賞 安藤サクラさん「怪物」(私の予想は杉咲花さん) 最優秀助演男優賞 磯村勇斗さん「月」(予想的中) 最優秀助演女優賞 安藤サクラさん「ゴジラ-1.0」(私の予想は松坂慶子さん) 受賞された皆さん、おめでとうございます。 今後とも、いい映画を届けてください。 さて、毎年日本アカデミー賞を見て思うことは、 ノミネート作品に説得力がない、 いい映画っぽい映画が評価される、 ということである。 ..

  • バブル期とはけた違いの利益を上げている日本企業

    どう考えても、日本株の上げ方は速過ぎる。 今年に入ってから、日経平均で6,000円ほども上げている。 これはいくらなんでもスピード違反だろう。 どこかで調整が入るのが自然だと思う。 3月7日には500円ほど下げたが、この先もっと下げても驚かない。 しかし、今の株式相場がバブルかといえば、 必ずしもそうではないだろう。 バブル期のPERが約60倍だったのに対し、 今は20倍を割り込む水準。 買われ過ぎとまでは言えないと考えるのが普通ではないか。 実際、企業の稼ぐ力は上がっている。 先日、日本経済新聞に日本企業の純利益ランキングが、 1989年と2023年を比較する形で掲載されていた。 これによると、 1989年も2023年も1位はトヨタなのだが、 1989年の純利益が3,462億円であるのに対し、2023年は2兆4,513億円。 さらに、2023年では..

  • 日本ボクシング史上に残る2024.5.6 ~ ネリには要注意 ~

    かねてから取りざたされていた一戦がついに実現することとなった。 2024年5月6日、 ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥と元世界2階級制覇王者ルイス・ネリが闘うことが、正式に発表されたのである。 場所は東京ドーム。 同所でのボクシングの開催は、マイク・タイソン以来34年ぶり。 タイソンは歴史的な大番狂わせで負けてしまったが、井上はどうか。 ネリは、日本では徹底的に評判が悪い。 山中慎介さんとの試合の際、 薬物違反、体重超過を繰り返したのでそれもやむを得ない。 しかし、はまったときの強さは半端ない。 怖さという点では、ドネア以上と思える。 さらにこの日は、他に以下の3つの世界戦が組まれた。 1日に4試合の世界戦は、日本初だという。 WBA世界バンタム級タイトルマッチ 王者・井上拓真 対 同級1位・石田匠 WBA世界フライ級タ..

  • 映画評 「18歳のおとなたち」 ~ 映画への真摯が感じられない ~

    低予算で作られた映画。 多大な期待をする方が悪いのかもしれない。 観に行った方が悪いのかもしれない。 しかし、あぁ。 若者が映画を作る姿を描く映画。 映画を作る映画は、熱いものであってほしい。 映画を作る映画は、映画への愛に満ち、映画に真摯に向き合ったものであってほしい。 そう願うのは、野暮ですか? そう願うのは、無茶ですか? 映画が始まって数分で、もうへなへな。 一体どんな設定なのやら。 奇想天外というのではなく、 愛がない熱がない。 映画を作るのは大変。 なぜなら、いろいろな人の協力を得なければならないから。 そこにドラマが生まれる。 本作では、それさえも描かれない。 この企画にGOが出て、 この脚本でOKとなって、 この作品で上映となるメカニズムが私には理解できない。 いいとか悪いとかという前に、 真摯さが感じられない。 ..

  • 日本アカデミー賞を予想してみる

    3月8日に授賞式が行われる、今年47回目を迎えた日本アカデミー賞。 回を重ねても重みは増さない。 なぜなら、 ちゃんとした作品を選ばないから、 変な作品を選ぶから。 それはそれとして、賞を獲得された方は嬉しそう。 確かに、受賞者は悪くない。 素直な気持ちで、今年の賞の行方を占ってみよう。 まずは、アニメーション作品賞。ノミネートは以下の5本。 「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」 「君たちはどう生きるか」 「映画 窓ぎわのトットちゃん」 「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」 「BLUE GIANT」 このなかで一番好きな映画は「BLUE GIANT」だが、賞レースにおいて宮崎さんに勝てるとは思えない。 「君たちはどう生きるか」の受賞が固いだろう。 優秀監督賞のノミネートは以下の5人。 ヴィム・ヴェンダース「PERFECT DAYS」 森達也「福田..

  • 映画評 「罪と悪」 ~ ラスト30分が残念も見応えある力作 ~

    本作は、これが長編デビューとなる齊藤勇起監督のオリジナル脚本作品。 それは力が入る。 そして、気持ちばかりが先走ることなく、しっかり観させる映画として成立させていた。 次回作が楽しみになる監督である。 いい作品であったがゆえに、気になる点もいくつか。 まず、はじめからそれが前提となっている、 クリント・イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」との類似である。 下敷きというより、リメイクのようにさえ感じた。 初監督作品のオリジナル脚本であれば、世の中にないものを撮られればよかったように思う。 まあ、日本版「ミスティック・リバー」を撮りたかったということなのだろうけれど。 もう一点は、終盤のへなへな感である。 真相が明らかになるにつれ、どんどん興趣がそがれ、観ている側の気持ちが冷めていく。 それまで緊張感のある映像を積み上げてこられたのに、 なんでそん..

  • 日本ボクシング界 活況も一般的な知名度はもうひとつ

    「SPAIA」というAIやデータ解析をテーマにしたスポーツメディアが、 『ボクシング黄金時代!日本の現役世界王者はアメリカに次いで2位の9人』 と題した記事を掲載している。 現在、日本にボクシングの世界チャンピオンは9人いるが、 これは世界で2番目に多いのだという。 そのアメリカでも15人というから、人口比で言えば日本の方がかなり多い。 こうなるとボクシング大国と言っていいだろう。 その9人の王者は以下のとおり。 井上尚弥(統一スーパーバンタム級王者) 井上拓真(WBAバンタム級王者) 中谷潤人(WBCバンタム級王者) 井岡一翔(WBAスーパーフライ級王者) 田中恒成(WBOスーパーフライ級王者) ユーリ阿久井政悟(WBAフライ級王者) 寺地拳四朗(WBA・WBCライトフライ級王者) 重岡優大(WBCミニマム級王者) 重岡銀次朗(IBFミニマム級..

  • ここのところで読んだ30冊

    ここのところで読んだ30冊は以下のとおり。 「謎々将棋・囲碁」 「職場の発達障害」 岩波 明 「14歳からの瞑想超入門」 ベルナール 「駒音高く」 佐川 光晴 「リッツ・カールトン型から入る仕事術」 高野 登 「思索の淵にて」 茨木 のり子、長谷川 宏 「アメリカの編集者たち」 常盤 新平 「サクッとわかるビジネス教養 マネジメント」 「村の名前」 辻原 登 「ゆるゆるスモール起業のススメ」 泉澤 義明 「JR上野駅公園口」 柳 美里 「怪物に出会った日」 森合 正範 「チャリング・クロス街84番地」 ヘレーン・ハンフ 「日本人の勝算」 デービッド・アトキンソン 「福翁自伝」 「マリコ/マリキータ」 池澤 夏樹 「水曜の朝、午前三時」 蓮見 圭一 「おわらない夏」 小澤 征良 「かつどん協議会」 原 宏一 「超・ハーモニー」 魚住 直子 「..

  • 映画評 「マッチング」 ~ 出た!年に1本クラスのトンデモ映画 ~

    予告編からして悪い意味で「ヤバい」雰囲気満載だった本作。 「ミッドナイトスワン」の と言われ続ける内田英治さんの原作・脚本・監督ということもあり、 期待四分の一、嫌な予感四分の三で鑑賞。 結果、 嫌な予感は的中。 いやはやなんとも、 滅多にないクラスのトンデモ映画だった。 マッチングアプリを題材とした猟奇殺人が描かれる。 ジャンルとすると、サスペンススリラーとなるのだろうが、 謎解きの面白さは全くないし、 スリルも恐怖も感じない。 ただ、あまりにも滅茶苦茶かつ突拍子もない展開と、 皆の振り切ったような大げさな演技に、 笑いがこみ上げてくることを抑えきれなかった。 つい、何度か声を上げて笑ってしまった。 劇場ではコメディ映画でも滅多に笑わない私が・・・。 だってもう、 とにかくハチャメチャ、ハラホロヒレハレなんだもの。 原作・脚本・監督を務め..

  • 映画評 「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」

    「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」が、大ヒットスタートを切った。 公開から3日間で興行収入は22.3億円。 22億円といえば、この段階ですでに立派なヒット作である。 ちなみに初動の規模感としては、 「すずめの戸締まり」が18億円、 「ONE PIECE FILM RED」が22億円、 「THE FIRST SLAM DUNK」は12億円。 それぞれ、公開時期などが違うので単純な比較に意味はないが、 22億円という数字の大きさはわかる。 「ハイキュー!!」は、原作は未読であるが、テレビアニメを観てきた。 超能力バトルにならない真面目なスポーツ漫画であり、 登場人物の背景やつながりが丁寧に描かれ、それが伏線となって試合中に効いて来る。 バレー好きな人にはズバズバ刺さるだろうし、 あまりバレーを見ない人でも十分に楽しめる。 ただ、描写が細かいがゆえに、..

  • ザッカーバーグさんが日本のマックを絶賛 ~ 今度、モス行ってみてください ~

    メタ社のCEOマーク・ザッカーバーグさんが来日中である。 岸田首相とも面会し、AIについて議論を交わしたらしい。 そのザッカーバーグさんが、日本のマクドナルドを絶賛されたそうな。 なんでも、日本のマクドナルドは世界的に評価が高く、 海外からの旅行者に人気だという。 ザッカーバーグさんはマックで食べている様子を、 自身の会社で展開しているインスタグラムで公開し、 「日本のマクドナルドは10点満点中10点。ミシュランの星を与えます」 (Japanese McDonald's: 10/10. Give these guys a Michelin star.) とコメントした。 まあ、何を美味しいと思われても自由だし、 美味しいと感じられることは素晴らしいことだが、 マクドナルドを味で選んでいる日本人はそれほど多くはないように思う。 少なくとも、 モスバーガ..

  • 卓球でラブゲームを避けるのが馬鹿馬鹿しいように、野球の暗黙のルールとやらも馬鹿馬鹿しい

    韓国で行われていた世界卓球で、 日本の木原美悠さん、平野美宇さんが、 格下の選手を相手に11-0のラブゲーム勝ちを収めた試合があった。 これについて、 「卓球ではラブゲームを作らないのがマナーでは?」 という声がSNSで見られたそうである。 個人的には、お情けで1点献上する方がよっぽど失礼かと思うが、 そうした振る舞いをする選手がいたことも事実のようだ。 この件について日本卓球協会専務理事の宮﨑義仁氏の見解が紹介されていた。 「少なくともトップ選手の世界では、ラブゲームを避けるプレーなんてほとんど見られないし、今後もないと思います」 として、さらに 「こんなバカらしい話題は、早くなくなったらいいのにと思います」 おっしゃるとおりだと思う。 似たようなものとして、プロ野球にも意味不明の「暗黙のルール」なるものがある。 Wikipediaにも項目があるの..

  • 中谷潤人は「ネクストモンスター」というかすでにモンスター

    2月24日、両国国技館で「トリプル世界戦」が行われた。 日本人3選手は、3選手ともに見事な戦いを披露した。 WBA世界バンタム級王者の井上拓真は、9回KOでジェルウィン・アンカハスを破り初防衛に成功、 WBC世界バンタム級王座に挑んだ中谷潤人は、アレハンドロ・サンティアゴを6回KOで下して3階級制覇、 WBO世界スーパーフライ級王座決定戦では田中恒成が、クリスチャン・バカセグアに3-0の判定で勝利し、井岡一翔、井上尚弥に続く、日本人3人目の4階級制覇、 といった具合である。 3選手ともにストーリーがあり、 井上は兄のあとを追い、 中谷は次代のモンスターとしての成長を続け、 田中は井岡へのリベンジを狙っている。 全員に遠い先に見据えているものがあり、 そこに向けて素晴らしいステップを踏み出した。 3選手に拍手を送りたい。 3選手ともにいい試合だったので、..

  • ちょっと意外なゴールドマンが選ぶ「7人の侍」

    「マグニフィセント・セブン」という映画がある。 邦題は「荒野の7人」。 黒澤明監督の名作「7人の侍」の舞台を、 西部開拓時代のメキシコに移した描いたリメイク作品である。 近年、アメリカの株式市場で「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる銘柄が注目を浴びてきた。 その7社は、GAFAMとまとめられることの多い、 アルファベット(グーグルを傘下に持つことからG) アマゾン メタ(旧フェイスブックであることからF) アップル マイクロソフト の5社に テスラ エヌビディア を加えたものである。 この7銘柄は、その時価総額を合計すると、 実に1,800兆円にもなり、それだけで東証上場企業全体の2倍になるという。 2024年2月24日時点でのアメリカ市場での時価総額ランキングで、 この7社はすべてトップテンに入っている。 そんな折から、なんでもゴールド..

  • 映画評 「ダム・マネー ウォール街を狙え!」

    タイトルの「ダム・マネー(Dumb Money)」とは、 直訳では「愚かな資金」という意味になる。 マーケットにおいては、冷静な状況判断ができない投資家のお金のことを指すのが一般的らしい。 この映画は、ダム・マネーと蔑まれがちな零細個人投資家が、 大金持ちのファンドマネージャーたちに一泡吹かせた実際の物語を描いている。 私も、零細ではあるものの個人投資家の端くれであり、 この映画の題材となったゲームストップ株のアメリカ市場での騒動はなんとなく知っていた。 しかし、海の向こうのこととて、詳細までは把握していなかったので、 ふむふむと思いながら観ることができた。 偶然が重なった結果の稀有な騒動であったと思うが、 こういうことが起きるのが、人間の参加する市場の怖いところであり、面白いところである。 ただし、感動したり、胸がすくような思いになったかというと、 そこま..

  • 素直に祝いたい 日経平均の史上最高値&ダウ超え

    2月22日の東京株式市場は急伸。 終値は前日比836円52銭高の3万9,098円68銭となり、 約34年ぶりに史上最高値を付けた。 これまでの最高値は1989年の大納会日である12月29日。 このときは、年明けから急落し、そのまま奈落の底へ沈んでいった。 今回は年末でも年度末でもないし、そうはならなそうだ。 まずはめでたい。 ついでに、といってはなんだが、ダウの値も超えた。 日経平均は円表示で、 ダウはドル表示。 単純に比べるものでもないのだが、 一時はダウの7割以下の値になっていたことを考えると、 近年はアメリカ株以上に上昇を続けていることがわかる。 これもめでたい。 この日の上昇は、朝の段階から予想されていた。 きっかけは、アメリカの半導体企業エヌビディアの超好決算。 売上高が前年比3.7倍、 純利益が8.7倍と市場予想を大きく上回る数字を提示..

  • 映画評 「一月の声に歓びを刻め」

    三島有紀子監督が、自身が47年間向き合い続けてきた過去の出来事をモチーフに撮りあげたドラマ、 ということらしい。 実体験をもとにしているとのことだが、商業作品として劇場公開されている以上、 それはそれ。 観る側とすると、実際にあったことなのかどうかはさておき、 面白いかどうか、心を揺さぶられるかどうか、ということが大切になる。 そして本作は、 実に退屈だった。 退屈な映画は多いが、 大抵はあそこがああだったらとかあの展開がああだったらとか、 なんとか言いたくなる部分がある。 本作の場合、そうしたこともなく、ひたすら退屈だった。 オムニバスのように分かれていて、 北海道・洞爺湖、伊豆諸島の八丈島、大阪の堂島の3カ所が舞台となる。 しかし、なぜその3カ所なのかさっぱり伝わらない。 3カ所のうち、ここだけは面白かったということもない。 洞爺湖パートの主..

  • ワークマンの再進撃はあるか

    ひところ、テレビや新聞などいろいろなメディアが、 ワークマンを散々もてはやしている時期があった。 もともとは職人向けの作業着が中心だったが、 その機能性や値段の安さに注目が集まり、 ブームが広がっていった。 ワークマンもその勢いに乗り、 アウトドアやスポーツウエアを扱う「ワークマンプラス」、 女性をターゲットとした「#ワークマン女子」 と業態を拡大していった。 その好調ぶりに株価も反応し、 2015年1月当時に1,400円そこそこだったものが、 2020年7月頃には10,000円を超えていた。 飛ぶ鳥を落とす勢い、とはまさにこのこと。 しかし、アパレル系の流行り廃りを読み切るのは難しい。 その後は期待どおりの伸びとはなっていない。 既存店売り上げが減少に転じ、 2024年3月期の業績予想も下方修正された。 10,000円を超えた株価も、 ..

  • 映画評 「身代わり忠臣蔵」

    私が子どもの頃、十二月になると必ずテレビや映画で忠臣蔵が取り上げられていた。 当時は、王道のストーリーだったように思う。 近年もポツポツ忠臣蔵をテーマにした作品が撮られているが、 ちょっとひねりを効かせるパターンが多いように感じる。 幕府や吉良側に焦点を当てたり、コミカルな要素を加えたりなど。 本作もそうした作品の一つ。 「身代わり」という設定を加え、コメディ映画として描いている。 主演はムロツヨシさん。 今や、立派な主演級俳優であり、 コメディ映画といえばこの人、的な空気もある。 ならば、もう少し面白くできなかったか。 身代わりという要素が加わっただけで、 そこから派生した展開も、 そこから発展した笑いもなし。 さらに、最後のドタバタシーンは完全に余計。 尺をやたらと取ったのに、ちっとも笑えない。 ドタバタすればするほど、観ている側は冷めて..

  • フェブラリーステークスは今後も空き家状態か

    中央競馬の主戦場は芝、 地方競馬はダート、 というすみ分けがなされている。 しかし、芝では強い中央馬がダートでは地方馬に苦戦、 というわけではなく、中央の馬はダートでも強い。 中央の馬に開放されている地方の格付けの高いレースでは、 大抵地方の馬が蹴散らされる。 中央競馬で行われるGⅠ競走は、年間24レース。 そのうちダートで行われるのは2レースしかない。 であれば、そのレースが日本におけるダート最強馬を決めるレースであってほしいところだが、 近年はそうはならない。 強豪馬が海外を目指すからである。 まずは2月の後半にサウジカップが行われる。 昨年、日本のパンサラッサが優勝して大きな話題となったが、 こちらの1着賞金が1,000万ドル。 日本円で15億円。 3月の後半にはドバイワールドカップ。 こちらも昨年日本のウシュバテソーロが優勝したが、 ..

  • 映画評 「夜明けのすべて」

    瀬尾まいこのさんの同名小説の映画化。 瀬尾さんの作品はどれも面白いが、 映画になったときに面白いかどうかはわからない。 「そして、バトンは渡された」とか、とても残念なことになっていた。 監督は、「きみの鳥はうたえる」「ケイコ 目を澄ませて」で続けて評判をとった三宅唱さん。 主演は、松村北斗さんと上白石萌音さん。 松村さんはパニック障害、上白石さんはPMS(月経前症候群)と、それぞれに病気を抱えている役を演じる。 最初はすれ違う二人が、 互いの状況を理解する中で支え合っていけるようになる。 他の登場人物もいろいろと抱えているのだが、掘り下げはない。 すべて、ごくごくあっさりと描いていく。 お涙ちょうだいになるのは嬉しくないが、 もう少し伝えてくれないと感情移入はできない。 感情移入させないためにわざとやったのかもしれないが、 正直物足りない。 光石研..

  • 止まらない株高にはGDPのマイナスもお構いなし

    日本の2023年の名目GDPがドイツに抜かれ、 世界3位になったということが大きく報道された。 しかし、このことは随分以前から予想されていたことで、驚きはまったくない。 一方、10~12月の国内総生産がマイナス成長となったのは驚き。 エコノミストの予想は概ねプラスであり、 マイナスになるかどうかより、 プラス幅の方に注目が集まっていたからである。 GDPの名目値による世界での位置付けが下がり、 直近期はマイナス成長。 そうなったら株価はどうなるか。 普通は下がるだろうが、 実際は下がるどころか急上昇。 日経平均は、一気に史上最高値をうかがうところまで駆け上がった。 今の日経平均の水準が高過ぎるのかどうか、 バブルと言えるような状況なのかどうか、 それにはいろいろな見方があるだろう。 ただし、上げ方が急過ぎることは確かだと思う。 上げてもいい..

  • 映画評 「違う惑星の変な恋人」

    四角、いや五角関係を描いた恋愛コメディ。 このシチュエーションで、ダメ男役に中島歩さん。 そりゃ面白くなる。 他の4人は、莉子さん、筧美和子さん、綱啓永さん、みらんさん。 監督は、「階段の先には踊り場がある」の木村聡志さん。 「階段の~」はまったくはまらなかったが、今作は楽しく観ることができた。 ストーリーどうこうより、会話を楽しむ作品。 役者さんたちの掛け合いが絶妙でクスっとさせられる。 どうでもいいと言えばどうでもいい話だが、 それでしっかり引き付けていた。 脚本も演出も演技もよかったからだろう。 私は一定年齢以上の人に伝わる小ネタにくすぐられた。 キャプテン翼の石崎くんとか。 見直したのは筧美和子さん。 グラビアアイドルのイメージが強かったが、しっかり女優さんになっていた。 面白く、 十分に楽しめたのだが、 映画的快感があったかと言え..

  • 映画評 「熱のあとに」

    大抵の映画を予備知識なしに観に行く。 面白いか面白くないか、 予想もつけずに劇場に向かう。 本作の場合、橋本愛さんと仲野太賀さんが出演していることだけを頼りに観に行った。 下調べなしのためか、外れることも多い。 それは仕方がない。 当たることだってあるんだから。 そして今作は、かなり大きめの外れだった。 上映時間は127分。 体感時間は200分を軽く超えた。 終わってほしい映画に限ってなかなか終わらない。 愛についての作品なのだろうか。 しかし、誰の愛も響かない。 共感できないのはいいとして、なんとも思えない。 後半になってそれまで絡んでいなかった人間が湧いてくるのも興醒め。 いや、どういう脚本。 どういう演出。 役者さんに罪はないとは思いつつ、 役者さんで観るか観ないかを決めている人にはあまりにも酷な作品。 主演のお二人、事前に脚..

  • 人口減がデフレの通説?

    日本経済新聞が一面で「物価を考える」という連載企画を開始した。 2月12日付の連載一回目の大きな見出しに 「『人口減デフレ』の通説覆す」 とあった。 人手不足による賃上げが要因の値上げが増えてきて、 「人口が減ればモノやサービスの需要が落ち、デフレになる」 という通説が通用しなくなってきている、というのである。 ええっと。 人口減少がデフレの原因? 人口が減ればデフレになるのが通説? なんだろう、それ。 これがテレビのワイドショーや自称エコノミストの方の発言なら別にいいのだが、 日経の、 それも一面の記事、 となると、さすがにいかがなものだろう。 人口減少がデフレの原因、 と考えている人がいないとは言わないが、 それが通説になっているとは思えない。 あくまでも俗説であろう。 根拠が薄弱だし、 経済学的にも成り立たない話である。 実際..

  • 「自分が持っている株だけ上がってない」わけではないですよ

    株式相場の好調が連日のように伝えられる。 新聞やネットはもちろん、 テレビのワイドショーでも取り上げられるようになり、 日経平均の最高値更新も現実的なものとして語られている。 個々の投資家に目を転じても、儲かっている人は多いだろう。 一方、儲かっていない人も少なからずおられると思う。 いや、意外と結構な割合でおられるのではないか。 「株価全体は上がっているのに、自分の持っている株だけが上がっていない」 という気持ちになっている方もおられるかもしれない。 しかし、そんなことはない。 むしろ、 「株全体は下がっているのに、日経平均は上がっている」 という日もある。 2月9日の日経平均株価は、一時34年ぶりに37,000円を突破し、前日比34円プラスで終えた。 そんな全体的には好調ムードの相場において個々の銘柄はどうだったかというと、 プライム市場の銘柄..

  • 映画評 「哀れなるものたち」 ~ いやはや、凄い、エグい ~

    ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞、 アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞ほか計11部門にノミネート。 そうした受賞歴を見ると、名作、感動作、であるように思われるかもしれないが、 本作はそうした一般的な評価とは一線を画している。 いやはや、とんでもない作品である。 主演は、「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンさん。 そんなトップ級の女優が、 体を張る張る。 張る張る張る。 ストーンさんは、本作ではプロデューサーも務めているとのことで、 いや、そうでもなきゃ、ここまでやらんでしょう。 ここまでは他の人にはさせんでしょう。 原題は「Poor Things」。 邦題の「哀れなるものたち」は、ほぼほぼ直訳とわかる。 さて、何が、誰が、Poorなのだろう。 男か、女か。 人間そのものか。 束縛する心か、 性欲か。 ..

  • 株は上がるもの

    アメリカの株式市場が好調である。 ニューヨーク株式市場でS&P総合500が史上初めて5,000ポイントの大台を突破した。 10年前は2,000ポイントを割り込んでいたので、 この間に3,000、4,000と大台を次々乗り越えてきたことになる。 これだけ上がると、 「バブルではないか?」 という疑問の声が上がってくる。 実際、予想利益に基づく株価収益率(PER)は20倍近辺となっており、 これまでの平均の15倍から比較するとやや過熱感がある。 それでも市場では楽観視する意見が多いようだ。 実体経済が強いことに加え、 FRBによる利下げも見え始めているからだろうか。 私の朝は、テレビ東京系の「ニュースモーニングサテライト」で始まる。 2月9日の番組内でもアメリカの株高が伝えられたのだが、 出演されていたマネックス証券の広木さんは、 「株は上がるもんなん..

  • 映画評 「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

    去年の秋ごろ、初めて予告編を観て、 「この映画は観なくていいな」 と思った。 だって、日本映画お得意のタイムスリップもので、 男が女の頭をなでなでしたりしてるんだもの。 オチも見え見えだし。 しかし、これが思わぬ大穴大ヒット。 実写映画でこの規模の作品であれば興収10億行けば御の字、 20億行けば大ヒット、 という感じかと思うが、 この映画は35億円を超え、さらに客足を伸ばしている。 となると、後学のために観に行こうとなる。 原作は、SNSを中心に話題を集めた汐見夏衛さんのベストセラー小説。 設定は、戦時中の日本にタイムスリップした現代の女子高生と特攻隊員の青年の切ない恋の行方を描いたラブストーリー、 というわかりやすさ。 映画は、想像していたとおりの内容。 思ったより面白かったということもないし、 ヒットしているわりにつまらなかった、 とい..

  • 2023年の日本映画を振り返る その6 「2023年私の選ぶ気になる男優賞」

    2023年の日本映画から個人的に気になった女優賞、男優賞を選ぶ企画。 ちなみに女優さんは、 「春画先生」から北香那さん 「銀河鉄道の父」から坂井真紀さん 「遠いところ」から花瀬琴音さん の3人を選んだ。 なお、日本アカデミー賞での主演男優賞ノミネートは、 阿部サダヲさん「シャイロックの子供たち」 神木隆之介さん「ゴジラ-1.0」 鈴木亮平さん「エゴイスト」 水上恒司さん「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」 役所広司さん「PERFECT DAYS」 ブルーリボン賞での主演男優賞ノミネートは、 稲垣吾郎さん「正欲」 神木隆之介さん「ゴジラ-1.0」 鈴木亮平さん「エゴイスト」 東出昌大さん「Winny」 松山ケンイチさん「ロストケア」 役所広司さん「PERFECT DAYS」 横浜流星さん「春に散る」 といった感じだった。 私のノミネ..

  • 映画評 「ゴールデンカムイ」 ~この映画には大ヒットしてほしい~

    原作は未読で、アニメも未視聴。 予備知識もほとんどない中で映画館に。 ズッコケる日本映画が多い中で、本作も心配の方が大きかった。 しかし、 愉快、痛快、爽快。 よく撮られた。 よく作られた。 原作の再現性が話題になっているようだが、 もとを知らないので、そこはわからない。 それでも、個々のキャラクターの濃さ、深さはよく伝わってきた。 グイグイ引き込まれた。 主演は、実写化請負人の山崎賢人さん。 山崎さんの映画は、それこそ何本も何本も観てきたが、 この映画で凄さを再認識した。 まさに主演俳優。 「キングダム」との掛け持ちは微妙だが、山崎さんでなければならないのだろう。 アイヌの娘役に山田杏奈さん。 「ひらいて」などで、映画ファンにはすでに信頼されていた山田さんだが、 本作でその地位をさらに強固なものにされることだろう。 この二人と協力..

  • 映画評 「スタンド・バイ・ミー」

    新所沢パルコの閉店に伴い、 新所沢レッツシネパークも閉館となる。 何十年もお世話になった映画館がなくなってしまう。 そのシネパークが、閉館前最後の1か月で、 『シネパークで楽しむ最後の映画たち』と題したさよなら興行を実施している。 ラインナップは以下のとおり。 もちろん、名作揃いである。 『あん』 『ヴイナス戦記』 『おくりびと』 『きっと、うまくいく』 『グレイテスト・ショーマン』 『この世界の片隅に』 『SRサイタマノラッパー』 『スタンド・バイ・ミー』 『トップガン』 『トップガン マーヴェリック』 『となりのトトロ』 『翔んで埼玉』 『ボヘミアン・ラプソディ』 『南極料理人』 『マトリックス』 『スタンド・バイ・ミー』は1987年の日本公開。 リアルタイムで観た記憶はなく、テレビで視聴。 一時、スティーヴン・キングに凝った..

  • キネマ旬報ベストテンで思う ~明るく弾けようぜ、日本映画~

    キネマ旬報が、2023年日本映画ベストテンを発表した。 1位は、すでに発表されていたとおり、「せかいのおきく」。 2位以下は次のような順位。 第1位 せかいのおきく 第2位 PERFECT DAYS 第3位 ほかげ 第4位 福田村事件 第5位 月 第6位 花腐し 第7位 怪物 第8位 ゴジラ-1.0 第9位 君たちはどう生きるか 第10位 春画先生 「ほかげ」とか「福田村事件」とか「花腐し」とか「春画先生」とか、 いかにもキネ旬らしい順位である。 興行的に成功した作品は「ゴジラ-1.0」と「君たちはどう生きるか」くらいだろうか。 ベストテンに入った映画は、概ねどれもいい映画だと思う。 作者の思いのこもった、さすがの作品が選ばれている。 ただ、暗い作品が多い。 暗い作品が悪いとは思わないし、 暗いだけの作品が評価されているとも思わないが..

  • 喫茶店が閉まるということ

    お店が閉まるというのはどんなお店でも切ないものである。 その店に思い出があればなおさらだが、 たとえ思い出が無くても、 今まであったものがなくなるのは寂しい。 そこで働いていた人のこと、 そこで流れていた時間のこと、 などを考えるとなおさら。 どんなお店でも閉まるのは残念だが、 なかでも本屋さんと喫茶店がなくなるのは特に胸に応える。 過ごした時間ごと消えてしまう気がするからだろうか。 先月、所沢にある「ペルレイ」という喫茶店が閉店した。 入口に1938と掲げてあり、これが開店の年だとすると、 戦前から、90年近く続いてきたことになる。 そのお店にしょっちゅう行っていたかというとそんなことはなく、 せいぜい年に数回程度だった。 近くでコーヒーを飲む際には、ドトールやタリーズで手軽に済ませることが多く、 ペルレイに行くときは、少し構えていく感じだった..

  • 2023年の日本映画を振り返る その5 「2023年私の選ぶ気になる女優賞」

    各種映画賞には、俳優部門がある。 それにならって、2023年の日本映画から女優賞、男優賞を選んでみたい。 演技が優れていたというか、気になったというか、誰かに伝えたいというか。 まずは女優賞。 最優秀を一人と決めず、3人ほど選ぼう。 ちなみに日本アカデミー賞での主演女優賞ノミネートは、 綾瀬はるかさん「リボルバー・リリー」 安藤サクラさん「怪物」 杉咲花さん「市子」 浜辺美波さん「ゴジラ-1.0」 吉永小百合さん「こんにちは、母さん」 ブルーリボン賞での主演女優賞ノミネートは、 綾瀬はるかさん「リボルバー・リリー」 安藤サクラさん「BAD LANDS バッドランズ」 松岡茉優さん「愛にイナズマ」 宮沢りえさん「月」 吉永小百合さん「こんにちは、母さん」 といった感じだった。 ふむ。 両賞はかなり共通した人を選んでいる。 こうした賞で選..

  • ロシアとの距離は遠のくばかり ~メドベージェフ氏の発信に失望~

    ウクライナへの侵攻後、 日本とロシアの関係は悪化の一途を辿っている。 これはやむを得ない。 ロシアにはロシアの言い分があるのだろうが、 現在の日本の価値観とは相いれないものがある。 ただし、ロシアは隣人であり、 長く付き合ってきた歴史がある。 文化面でも大きな影響を受けてきた。 未来永劫ピリピリとした関係であり続けていいとは思えない。 しかし、メドベージェフ前大統領のSNSでの発信を読むと、 これはもう距離を取り続けるしかないのかと思えてしまう。 岸田首相が、施政方針演説でロシアとの領土問題の解決と平和条約締結の方針を堅持すると述べたこと対して反応したということだが、 伝えられている発信は以下のとおりである。 「『北方領土』に関する『日本人の感情』など知ったことではない」 「悲しむサムライは伝統的なやり方、切腹で人生を終わらせることができる。..

  • ここのところで読んだ30冊

    ここのところで読んだ30冊は以下のとおり。 「社会的共通資本」 宇沢 弘文 「暇と退屈の倫理学」 國分 功一郎 「スマホ脳」 アンデシュ・ハンセン 「卵の緒」 瀬尾 まいこ 「若者の読書離れというウソ」 飯田 一史 「なぜ、脱成長なのか」 「夢をかなえるゾウ2」 水野 敬也 「市場と権力」 佐々木 実 「君たちに明日はない」 垣根 涼介 「プリティが多すぎる」 大崎 梢 「ロケット・ササキ」 大西 康之 「国境を越えたスクラム」 山川 徹 「こぽこぽ珈琲」 「淀川八景」 藤野 恵美 「おれのおばさん」 佐川 光晴 「お探し物は図書室まで」 青山 美智子 「近江商人」 末永 国紀 「これ一冊で大人の発達障害がわかる本」 「ウィステリアと三人の女たち」 川上 未映子 「ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?」 「できる大人の語彙力」..

  • 映画評 「サイレントラブ」

    「ミッドナイトスワン」の内田英治さんの監督・脚本作品。 新しい代表作を撮らない限り、内田監督はずっと「ミッドナイトスワンの」と言われ続ける。 幸か不幸かこの作品の後も、 「ミッドナイトスワンの」と言われ続けることがほぼ確定している。 本作は、声を捨てた青年と視力を失った音大生の恋愛物語。 青年役に山田涼介さん。 音大生役に浜辺美波さん。 お綺麗なお二人を起用し、純度の高いラブストーリーを撮ろうとされたのだろうが、 設定もストーリーもトンデモ奇天烈で、 とてもではないが映画に入り込めない。 それぞれが意味不明の行動を連発。 さすがにこれでは感情移入ができない。 あそこをこうしたら、 というレベルではなく、ず~っとへんてこりん。 まあ、おとぎ話と割り切れば、へんてこりんでもいいのだが、 不要としか思えないバイオレンスシーンまであって。 やれやれ。..

  • 規制で株価はなかなか上がらない ~中国当局の動きに既視感~

    中国の株式市場がさえない。 今年に入ってから元気がない、 というレベルではなく、もう数年単位で下げている。 2年前と比較すると、 日経平均が30%ほど上がっている一方、 上海総合は逆に20%ほど下がり、 香港ハンセンに至っては40%近くも下がっている。 中国では不動産価格が大幅に下落しており、 そこへ持ってきて株価も底を抜けてしまうと経済に大きなダメージとなる。 そのため、当局がテコ入れを行っている。 ここで発表されたのは、譲渡制限株式の貸し出しの禁止。 未保有の株式を借りて売却することで利益を得る「空売り」を制限し、 株安を阻止する狙いとされている。 こうした中国当局の動きには、既視感がある。 日本でも似たようなことをやって来たからである。 「空売り」は、株の下げを予想した投資を行い、 下がれば儲かる手法である。 空売りが増えれば、株..

  • 2023年の日本映画を振り返る その4 「2023年私の選ぶ日本映画ベスト10 その2」

    2023年の日本映画を振り返るシリーズの4回目。 今回は私が2023年に観た日本映画から心に残った10本を選んでみたい。 前回示したこれは外せない、とパッと浮かんだ4本は、 「あつい胸さわぎ」 「福田村事件」 「せかいのおきく」 「ゴジラ−1.0」 残り6作品を選ぶためのノミネートは以下の13作品。 ここから絞り込む。 「リバー、流れないでよ」 「波紋」 「BLUE GIANT」 「月」 「茶飲友達」 「遠いところ」 「BAD LANDS バッド・ランズ」 「怪物」 「マリッジカウンセラー」 「金の国 水の国」 「Winny」 「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」 「神回」 「怪物」は、是枝裕和監督作品にしては粗が目立った気がする。 他のほとんどの日本映画と比べると完成度などにおいて群を抜いているが、 今回はご遠慮いただこう。 ..

  • パリ五輪でのメダル予想

    パリオリンピックは7月26日に開幕する。 あと、ちょうど半年。 アメリカのグレースノートというデータ会社が、各国のメダル獲得数を予想している。 それによると、日本のパリ五輪でのメダル獲得数は56個と見込まれている。 内訳は、 金15 銀15 銅26 である。 ちなみに東京では、 金27 銀14 銅17 と、史上最多58個のメダルを獲得した。 メダルの総数はあまり変わらないが、 金メダルは大幅に減ると予想されている。 東京五輪では、 自国開催という有利さに加え、 野球、ソフトボール、空手といった日本の得意種目も正式種目となっていた。 それらが抜けてしまうから、メダルが減るのはやむを得ない。 ただし、新競技のブレイキンでも強みを発揮できる可能性はある。 体操の橋本さん、柔道の阿部兄妹といった連覇のかかったエース級は金メダルが予想されてい..

  • 日本の物価は安いか 安いとしてその原因は賃金の低さか

    ビッグマック指数について伝えているネット記事があった。 2023年の「世界のビッグマック価格ランキング」の上位は以下のとおり。 1位 スイス 7.73ドル 2位 ノルウェー 6.92ドル 3位 ウルグアイ 6.86ドル 4位 アルゼンチン5.99ドル 5位 ユーロ圏 5.82ドル 6位 スウェーデン 5.74ドル 7位 デンマーク 5.65ドル 8位 アメリカ 5.58ドル 9位 スリランカ 5.56ドル 10位 コスタリカ 5.41ドル 日本は3.17ドルで44位とされている。 ビッグマックの価格は「ビッグマック指数」と言われる。 世界中で大体同じ材料で同じようなサイズで作られているため、 各国の物価の目安にされている。 ビッグマック指数について伝えているネット記事では、 日本の物価が海外と比べて安いのは、賃金が低いから、 とさ..

  • 映画評 「エス」

    「エス」? んな映画知らないなあ、 という方がほとんどであろう。 関東でも1館だけで上映している作品なので、知らなくて当然である。 そして、知らなくて正解である。 私は何でこの映画のことを知ってしまったのだろう。 映画情報のサイトだろうか。 ああ、なんでそのサイトを見てしまったのか。 ああ、なんでこの映画を観ようと思ってしまったのか。 110分間の作品なのだが、 後半の95分くらいは、 早く終わってくれることを願った。 しかしその願いは叶わず、無限のような110分となってしまった。 私の席の周りでは、安らかな寝息が響いていたが、まあ、そうだろう。 なんでも、監督ご本人に逮捕歴があり、 それをもとにした作品とのことである。 ならば、もう少しなんとかならないのだろうか。 リアリティも切実感も伝わってこなかった。 役者さんは無名の方々で、 そ..

  • 順当&らしい 日本アカデミー賞のノミネート

    第47回日本アカデミー賞のノミネート作が発表された。 アメリカのアカデミー賞に日本映画3作がノミネートされたことについてはニュースでも大きく取り上げられたが、 日本アカデミー賞については平穏。 優秀作品賞は以下の5作。 「怪物」 「ゴジラ-1.0」 「こんにちは、母さん」 「福田村事件」 「PERFECT DAYS」 まあ順当かな、と思わせられるラインナップ。 「怪物」「PERFECT DAYS」はカンヌ国際映画祭で賞を取った作品だし、 「ゴジラ-1.0」はアカデミー賞にノミネートされている。 「福田村事件」も国内の各種映画賞にノミネートされている。 日本アカデミー賞らしいのは「こんにちは、母さん」。 山田洋次監督作品が公開されたら、機械的にノミネートされる仕組みになっているようだ。 作品の良し悪しはさておき。 他の映画賞では、石井裕也監督の「月..

  • トヨタの時価総額が日本企業史上最大になったというが

    全体の地合いが強い中、大型株も好調。 その流れに乗って、トヨタ自動車の株式時価総額が日本企業で史上最大となった。 その額、約48兆8,000億円。 いつのどの会社を上回ったかというと、 1987年にNTTが記録したもの。 1987年と言えば、いわゆるバブル経済真っただ中。 NTTはその2年前に民営化されたばかりだったが、 政府がその株を売り出すに当たって、国の保証付き的な妙な安心感も広がり、 買いが買いを呼ぶような状況となった。 1次売り出し価格119万7,000円に対し、 初値が160万円、 その後、318万円まで高騰。 当時の時価総額世界一となった。 この時のNTT株の上昇は全く実態を伴っていなかったと言えるが、 今回のトヨタは、それに比べれば地に足がついたもの。 PERは10倍そこそこだから、 過大評価というよりむしろ市場平均以下である。 ..

  • 映画評 「ある閉ざされた雪の山荘で」

    もちろん、これだけ裏切られ続けているのだから、 今さら日本映画に過度な期待を持つことはない。 それでも、最低限の仕事はしてもらいたい。 そう望むのは罪でしょうか? この映画、冒頭のシーンから、 映画に対するほのかに残された期待をガラガラと崩していく。 アイマスクをして若者たちがバスに揺られている。 どうやら外を見てはいけない設定のようだが、 え、こんなの簡単に取れますけど。 全員アイマスクをして大荷物を抱えているのだが、 次のシーンでは全員バスを降りている。 え、どうやって。 バスを下りたらアイマスクを取ってもいいらしいのだが、 え、どうして。 もうここまでの段階で、作り手の怠慢ぶりがひしひしと伝わる。 ちょっとおかしくないですか、 とか、誰も何も言わないのだろうか。 何かを考えて撮影に臨んでいる人は一人もいないのだろうか。 それでも映画館に..

  • 映画 「カラオケ行こ!」

    「リンダリンダリンダ」「オーバー・フェンス」「1秒先の彼」 などの山下敦弘さんの監督作品。 漫画原作をどう料理されるか楽しみにしていた。 あらすじはこんな感じ。 中学校で合唱部の部長を務める男子生徒が、ある日突然、見知らぬヤクザにカラオケに誘われる。 ヤクザの依頼は歌のレッスンをしてほしいというもので、組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを免れるため、どうしても歌がうまくならなければならないのだという。 何もかもが違う二人は徐々に親しくなっていくが・・・ というもの。 どう考えても無理がある設定だが、 コメディ映画であり、 細かいことは言いっこなし。 しかし、映画である以上、誰かに感情移入をさせてもらいたいし、 ストーリーに引き込んでももらいたいのだが、 どちらもなし。 笑えもしない。 せめて、歌に対する思いみたい..

  • 2023年の日本映画を振り返る その3 「2023年私の選ぶ日本映画ベスト10 その1」

    2023年の日本映画を振り返るシリーズの3回目。 前回は「困った映画」について書いたが、今回はよかった映画。 残念ながら2023年は不作の一年だったが、 いい映画選びは楽しく。 2023年に私が観た邦画は112本。 その中から心に残った作品10本を選んでみたい。 これは外せない、とパッと浮かんだのは、 「あつい胸さわぎ」 「福田村事件」 「せかいのおきく」 「ゴジラ−1.0」 の4本。 「あつい胸さわぎ」は、複雑な母娘愛に、乳がん、初恋といった要素を絡めながら描いた佳作。 和歌山市雑賀崎漁港の風景も美しい。 主演の吉田美月喜さん、常盤貴子さんに加え、佐藤緋美さんの好演も忘れがたい。 「福田村事件」は、関東大震災直後のデマや流言が飛び交う中で実際に起こった虐殺事件を題材にした作品。 テーマはセンセーショナルだが、偏って煽ることなく、しっかり物語..

  • 圧巻! 壮観! 快感! 映画「ゴールデンカムイ」!

    映画ファンである。 映画はあまたあるが、 日本映画を中心に観ようと決めている。 洋画の方が面白いし、よくできていると思うけれど、 そこまで手が回らない。 だけど、日本映画には裏切られてばかりで、さすがにこの頃しんどくなってきた。 もう、どうしようかしら、と。 しかし、「ゴールデンカムイ」である。 期待半分不安半分、 いい作品である予感半分、 外れ作品である悪寒半分、 楽しみ半分心配半分、 で観に行った。 だって、毎度期待して映画館に足を運んで、ことごとく裏切られているんだから。 しかし、「ゴールデンカムイ」である。 いや、よく撮った。 監督さんをはじめスタッフの皆さん、 役者の皆さん、 大変な撮影だったと思う。 よく撮られた。 苦労は報われています。 壮大なスケール。 緊張感のあるアクション。 とことん個性的で魅力的な登場人物。..

  • 中国も直面する人口の急減

    中国国家統計局の発表によれば、 2023年末の総人口は22年末比208万人減の14億967万人になったとのことである。 人口減少は2年連続。 減少幅は前年の85万人より拡大した 日本の人口も減少しているが、年間60万人程度。 中国は元の数字が大きいため、減少幅も桁違いである。 中国の人口減少の原因は、御多分に漏れず少子化。 「一人っ子政策」はすでに廃止されており、 複数の子供を育てる世帯を対象に補助金を支給するなどの対策を進めているようだが、 少子化の流れが止まらない。 少子化の原因としては、 若者の雇用不安、 子育てにかかる費用の高騰などが挙げられている。 日本も少子化が国家的課題だが、 人手不足も相まって少なくとも若者の雇用不安はそれほどでもない。 中国の若者の失業率は20%を超えているというから深刻である。 中国は不動産バブルが崩壊し、 ..

  • 映画評 「笑いのカイブツ」

    この映画の原作を読んだことがあり、 とんでもない人がいるなあ、と思った記憶がある。 原作者のツチヤタカユキさんは「伝説のハガキ職人」であり、 笑いに憑かれた男である。 これを、岡山天音さん主演で、 仲野太賀さん、菅田将暉さん、松本穂香さんを共演に迎えて映画化。 期待を高めざるを得ない。 主人公が異常なテンションで笑いに取り組んでいたことは原作を読んで知っていた。 それが映像でどう表現されているか楽しみにしていた。 しかし、その異様さがあまりにも延々と続き、 途中からは映画に寄り添うことができなくなった。 不器用とか、真っすぐとかではなく、 単に変な人間。 人間関係が苦手、とかいうレベルではなく、 自分以外の人間に心を寄せることができない。 そんな人に笑いを作られても。 映画の中で披露される大喜利も、 最後の漫才も、 残念ながらガツンと来るもの..

  • 名目GDPで日本を抜いたドイツも喜べなさそう

    経済の大きさを測る指標として一番わかりやすいのがGDP。 さらに、比較がしやすいのが名目GDP。 長く世界2位だった日本は、 10年ちょっと前に中国に抜かれ、ここのところ3位だった。 ただし、その地位もどうやら危ういようだ。 2023年の名目GDPでドイツに抜かれることがほぼ確実視されている。 通常、GDPの逆転は、 抜く側の成長が抜かれる側の成長を上回ることから起きる。 しかし、今回の逆転はそうではない。 日本の2023年の実質GDP成長率見込みは+1.7%。 2022年の+0.9%を大きく上回っている。 一方、 ドイツの2023年の実質GDP成長率は‐0.3%。 2020年以来のマイナス成長に落ち込んでいる。 2023年がマイナス成長になるのはG7ではドイツだけ。 ユーロ圏の足を引っ張る形にもなっている。 そんなドイツのGDPがなぜ日本を抜く..

  • 映画評 「無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語」

    本作は、北海道のアマチュアプロレス団体「新根室プロレス」を追ったドキュメンタリー。 アマチュアプロレス団体、という語義矛盾が早くもおかしい。 リングネームというか、それぞれのキャッチフレーズにくすぐられる。 例えば、 疑惑の実況 ロス三浦 盗撮実況 MCマーシー といった、ちょっとアブナイものから、 プロレスファンならわかる以下のような面々。 例えば、 東洋の神秘 グレートカブキ ならぬ、糖尿の心配 グレート京劇 超獣 ブルーザー・ブロディ ならぬ、恥獣 ブラージャブロディ 不沈艦 スタン・ハンセン ならぬ、不信感 ズランハンセン エルボーの貴公子 三沢光晴 ならぬ、エロ坊の奇行師 二沢光晴 超人 ハルク・ホーガン ならぬ、超暇人 ハルク豊満 しかしこの映画は、単に笑えるだけではない。 主催者のサムソン宮本さんの生き様を描いていて、 これが胸熱..

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