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2009/10/31

  • 中国四千年 成熟への道は今どのあたり ~アイスで大噴火中~

    中国で「アイス事件」が大きな波紋を広げている。 過激な人に至っては、BMWのボンネットを破壊しているし、 過激な企業に至っては、BMWを所有している社員に売却を強要している。 BMWが、一体どんな悪事を働いたのかというと、 中国で行われているモーターショーで、 BMWのスタッフが中国人にはアイスを配らず、 外国人にだけアイスを配ったというもの。 いや、ほんと、それだけの話なんです。 品切れを伝えたのは中国人のスタッフだった、とか、 アイスを渡された外国人は従業員だった、とか いろいろ判明してきたようだが、 全く鎮静化しないらしい。 うがった見方をする人もいて、 この怒りは実は政権に向けられているのだ、 という解説がされたりもしている。 それにしても、と思う。 イラっとしたり、 BMWに対するイメージが悪くなったり、 といったくらいなら..

  • 映画評 「名探偵コナン 黒鉄の魚影」

    コナンの映画はどうしても否定的にとらえてしまう。 だって、大ヒットするに決まっているのに、いつもあまりにも雑だから。 大ヒットするに決まっているのだから、手間暇をかけて、脚本も練り上げればいいのに、 大抵の場合、突っ込む気も失せるようなザル展開。 今作も観に行くつもりはなかったのだが、 不意に時間が空き、家人にもせがまれ、渋々と。 しかし、おやまあ、これが案外。 もちろん、傑作とか名作とかいうものではない。 ただ、きちんと最後まで楽しめた。 これが100億円を超えるヒットになると聞くと、 「え?」 とは思うけれど、ひとつのアニメ作品として観ればまあまあ。 面白く観られたことに驚いた。 もちろん、ツッコミどころは満載。 しかし、そんなものツッコミ出したら、設定からツッコまなければならなくなる。 無理な展開も、強引なセリフも、超人を超えた活躍も、まあそ..

  • BingAIさんになんとお呼びすればいいか尋ねたら ~ 心の距離を感じた夜 ~

    ChatGPTさんとお話をしていたら、 MicrosoftのBingに付与されたAIさんとも話さないとなんだか不公平な気がした。 そこで、少しでも近づこうと、呼び方を聞いてみた。 何度も聞いてみたのだが、Bingさんは結局自身に名前を付けることは拒否された。 溝を感じてしまった・・・ 以下、そのときのやり取り。 私:ちなみに、BingAIさんのことをなんとお呼びしたらいいですか? Bing(以下B):私はBingAIという名前ではなく、Microsoft Bingのチャット モードです。私はあなたの検索やコンテンツ作成のお手伝いをするために存在しています。私には名前はありませんが、もし呼びやすいと思うなら、Bingと呼んでいただいても構いません#57430; 私:Bingと呼びつけにするのもなんだか失礼な感じがしますし、Bingさんっていうのも他人行儀な感じがするので、何か..

  • 77mプロジェクトの現状 ~ とりあえず40m ~

    東京オリンピック・パラリンピックが開催された2021年に取り組んだ、 「55歳過ぎ腰痛持ち 遠投77mプロジェクト」。 しかし、60mまでは順調に伸びたがその先にたどり着けず断念。 泣きの1年で延長した2022年はホームグランドが水没してしまい、計測もできず断念。 縁がなかった、と撤退する選択肢もあったが、 まだ力を出し切っていないとさらにもう一年プッシュ。 「55歳過ぎ」から「60歳間近」となり、 1歳の加齢が重い足かせとなるのは承知のうえで。 3月、4月は、ブンブン投げる時期ではない。 夜な夜なラケットを振り、 肩をよく回るようにして、 週末は市営の多目的広場、我がホームグランドでネットスロー。 とりあえず40mを投げてみた。 もちろん、ここはクリア。 しかし、軽く投げたから当然と言えば当然だが、40mギリギリくらい。 さらに、軽く投げたのにな..

  • プリンスの最高傑作といったら

    殿下ことプリンスが亡くなったのは2016年4月21日。 もう7年前のことになる。 殿下がいなくなっても世界は淡々と動いている。 ChatGPTさんに 「プリンスの最高傑作といったら何ですか?」 と聞いてみたら、 「プリンスには多くの素晴らしい楽曲やアルバムがありますが、彼の最高傑作としては、多くの批評家やファンが『Purple Rain』を挙げる傾向があります。」 とまともな答えを出してきた。 大江健三郎さんの代表作に「人間失格」を勧めてきたことと比べるとちゃんとしている。 面白くはないが。 Bing+AIさんに聞いてみると、この方らしく堅実な回答が返ってきた。 これでは検索と変わらないが、参考にはなる。 “プリンスのアルバムの最高傑作は、売上や評価によっても異なるかもしれませんが、一般的には以下のようなアルバムが挙げられることが多いようです。 P..

  • 映画評 「妖獣奇譚 ニンジャ VS シャーク」

    この映画、予告編が面白かった。 何故か英語のナレーションで、 印象的な場面とともに、 忍者 腐敗 殺人 ゾンビ 禁断の愛 といったフレーズが挟まれる。 最初見たとき、香港かどこかの映画かと思った。 日本映画もこんなハチャメチャな作品を作ればいいのに、と。 しかし、あれ、日本映画だ。 そんなこんなで期待して観に行ったのだが、ふむ。 B級と呼ばれる類の映画だとわかっていたのだが、その世界観にちっとも没入できない。 滅茶苦茶な設定、滅茶苦茶な展開。 それでも面白い作品は面白いのだと思うが、本作にはさっぱり入り込めず。 ビデオで借りてきて、 ポテチでも食べながら仲間とワイワイ観る、 という状況なら、ツッコミながら笑いながら観られるのだろうけれど、 劇場で観ると、何を見せられているのやら感にさいなまれる。 一応ストーリーはこんな感じ。 江戸時代、..

  • ChatGPTさんは大江健三郎さんがお嫌い?

    先日、大江健三郎さんがお亡くなりになった。 若い頃、かなり大江さんの小説にはまった記憶があり、 ChatGPTさんにおススメの大江健三郎さん作品を聞いてみた。 新しい作家ではないし、判断もいらないので、 ChatGPTさんにお得意の分野かと思ったが、回答は奇想天外だった。 以下、噛み合わないやり取りをお楽しみいただきたい。 ・・・・・・・・・・・・・・ 私:大江健三郎のお勧めの作品はありますか ChatGPT(以下CG):はい、大江健三郎氏は日本の作家であり、数多くの作品を手がけています。その中でもお勧めの作品をいくつかご紹介します。 『間の楔』- 戦後の日本を舞台に、人々の生活や思想、政治を描いた大江氏の代表作です。独特の文体や言葉遣いが特徴的であり、歴史的な背景に基づいた物語が展開されます。 『われらの時』- 戦前から戦後にかけての日本の社会変革..

  • 映画評 「わたしの見ている世界が全て」

    ちゃんと作ろうという思いで作られた映画で、 退屈することなく見通すことができる。 ただし、 感動したか、映画的興奮を得られたか、というとそうでもない。 いい映画一歩手前、という感じの、モヤモヤした感がある。 公開されているストーリーはこんな感じ。 主人公は、ベンチャー企業でバリバリ働く女性。 目的のためには手段を選ばない性格が災いして職を失い、自ら起業して見返そうとするも資金繰りにつまずく。 母の死をきっかけに実家に戻った彼女は、家を売って現金化することをきょうだいに提案する。 しかし、きょうだいは揃いも揃って社会性に乏し。 主人公は、家族を実家から追い出すための「家族自立化計画」を画策する。 主人公の身勝手な行動がきょうだいを困惑させるのだが、 彼らもそれぞれ問題を抱えていて、 主人公の強引な振る舞いのおかげで思わぬ好結果が生まれることもある。 言..

  • バンド演奏のない「のど自慢」なんて・・・

    「NHKのど自慢」をずっと観てきた。 この番組をテーマにした井筒和幸監督の 「のど自慢」という映画も楽しく観た。 のど自慢が続く限り日本は大丈夫、 などと思っていた。 しかし、あろうことか、 生バンドをやめてカラオケ伴奏に変えてしまった。 これは、もう、今まで観てきた「のど自慢」ではない。 この変更については当然のことながら批判続出となっている。 NHKの林メディア総局長は、 「多くの方が出場してくれているが、のど自慢は決して何度も出場できる場ではないと思う。せっかく出場される方が心地よく輝いて歌える場を提供したいと考えた上で、今回リニューアルしました」 と説明されたそうだが、これが本当の理由なのだろうか。 ちょっと信じられない。 のど自慢は何度も出場できる場ではないからこそバンド演奏で歌いたいのであり、 バンド演奏で歌うからこそ輝けるのである。 そん..

  • 映画評 「雑魚どもよ、大志を抱け!」

    「喜劇 愛妻物語」で評判をとった足立紳監督作品。 監督自身が執筆した小説「弱虫日記」を実写化したもの。 少年時代の冒険や別れを描いたもので、 昨夏に公開された佳作「サバカン SABAKAN」に共通したテーマである。 雰囲気は、「スタンド・バイ・ミー」にも似ている。 ところどころ長回しのシーンがあったり、 子どもたちの表情をしっかりとらえたシーンがあったり、 見どころもあるのだが、いかんせん長い。 サバカンが96分で、本作が145分。 もらった余韻は映画の長さと見事に反比例。 もっともっと短く仕上げてくれていれば印象も変わっただろうか。 大切なラストの決闘シーンもいくらなんでも。 それまでコミカルな要素はあまりなかったのに、 一番の盛り上がりのシーンでほにゃほにゃな感じを持って来られても、 どう受け止めればいいのやら。 別れのシーンも今一つ。 ..

  • ChatGPTさんが飛ばしてくる ~ダジャレについて聞いてみたら~

    ふと思いついて、ChatGPTさんにダジャレについて聞いてみたところ、 奇想天外な答えが返ってきた。 その後のやり取りも、完全に行方不明。 こちらがおかしくなってしまったのかと心配になるが、たぶん可笑しいのはChatGPTさんの方。 来年の今ごろにはどんな回答になっているだろう、 という楽しみも込めて、今日のやりとりを残しておこう。 私:なにかダジャレをおしえてください。 ChatGPT(以下CG):もちろんです!ここにいくつかのダジャレがあります: 1.パンがパンダになると? パンダパンになる! 2.時間が止まると? 止まった時間には歯がない! 3.ネズミと象が一緒に入ったら何になる? 穴ができる! 4.クマが落ちたらどうなる? くまなくなる! 5.太陽と月が結婚したら? 月が浮気しても、太陽が許す! どうでしょうか..

  • ノーヒットピッチングで替える監督 それに納得するピッチャー

    プロ野球の魅力ってなんだろう。 常人とは違うとんでもないプレーを見ること。 思い入れのある選手の活躍を見ること。 贔屓のチームの奮闘を見守ること。 人それぞれの楽しみ方があると思う。 しかし少なくとも、勝ち負けだけではないはずだ。 勝ち負けだけだったら、わざわざ野球をする必要もない。 4月12日、阪神の村上投手は、 対巨人戦で、7回まで一人の走者も許さない投球を披露した。 にもかかわらず、代打を送られ降板となった。 4月16日、西武のエンス投手は、 対日本ハム戦で、6回まで無安打無失点を継続した。 にもかかわらず、その回で降板となった。 プロ野球の監督は、勝つために全力を尽くす。 それはわかるが、 勝ち負けだけを見せるのがプロ野球ではないはず。 完全試合、 ノーヒットノーラン、 といった滅多にない勲章を手に入れようとしている投手を下ろしてまで..

  • 映画評 「GOLDFISH」

    パンクバンド、アナーキーのギタリスト・藤沼伸一さんが監督を務めた作品。 中年になった元パンクバンドの話で、 彼らが現役だった頃のエピソードには、 自伝的要素も多分に含まれているようだ。 なんというか、ギリギリ映画として成立している感じの作品であり、 観ながらなんだかハラハラする。 人気絶頂期に活動休止に追い込まれたパンクバンドが30年ぶりの再結成に向けて動き出す、 という設定で、 バンドメンバーを永瀬正敏さん、北村有起哉さん、渋川清彦さんなどが演じている。 そこだけ聞くと絶対に面白そうである。 実際、永瀬さんはカッコよかったし、 破滅する姿は北村さんらしいし、 渋川さんのハチャメチャぶりもきっちりはまっていた。 しかし映画として観ると、残念ながら。 再結成する動機がイマイチ伝わってこないし、 メンバーの苦悩もよくわからない。 だから盛り上がっていく要..

  • 雑賀崎といえば「あつい胸さわぎ」

    和歌山市の雑賀崎漁港において、 演説に訪れた岸田文雄首相の近くに鉄パイプ爆弾が投げ込まれるという事件が起きた。 去年の7月に奈良県で安倍晋三元首相銃撃事件が発生しているので、 1年足らずの間に街頭演説中の首相経験者を標的とした事件が発生してしまったことになる。 念のため、雑賀崎と書いて「さいかざき」と読む。 最初に犯人を取り押さえたのが漁港の関係者だったことから、その方たちの勇気を称える 「漁港のおっちゃん」 がトレンドワード入りした。 しかし、地域の人からは、 「雑賀崎のイメージが悪くなりそうで、地元の人間としてはそれが心配だ」 との声もあがっていたという。 さて、雑賀崎のイメージ、といったらなんだろう。 この事件が起きるまでは、 「日本のアマルフィ」 として知られていた。 海からすぐに傾斜地になっていて、 そこに家々が密集するという独特な景観..

  • 日経平均28,000円台は固まったか

    4月14日の日経平均は6日続伸。 前日比336円高の28,493円で取引を終えた。 上昇の主な要因とされているのはアメリカ市場の反発。 アメリカの卸売物価指数が前月から低下し、市場予想を下回ったため、 FRBが利上げを早期に停止するのではないかとの観測が生まれ、 株式相場が大幅反発となったことが日本の上昇にもつながったとされる。 日経平均は、4月12日に終値ベースで28,000円台を回復し、 その2日後には28,500円近辺まで到達したことになるから、 28,000円台は固めつつあるといっていいだろうか。 ただし、この6日間だけで1,000円以上上げているため、 その反動減がありそうだし、 14日の上昇はユニクロを展開するファーストリテイリングに引っ張られた面も大きかった。 とはいえ、個別株はともかく、 日経平均やTOPIXといった指数に対して、 ..

  • 佐々木朗希 対 山本由伸 という宝物のような試合

    佐々木朗希は、「令和の怪物」と言われる。 「昭和の怪物」と言われた江川卓さん、 「平成の怪物」と言われた松坂大輔さんと並び称される存在。 江川さん、松坂さんと比べると、アマチュア時代の実績はグッと劣る。 しかし、持っているポテンシャルは日本プロ野球史上でも抜けた存在かもしれない。 山本由伸は、日本プロ野球現役最強投手と言われる。 2年連続沢村賞、2年連続投手4冠。 投球フォームやトレーニング法などに独特のものを取り入れ、 投手の常識に風穴をあけ続けている。 佐々木と山本は、 史上最強といわれた侍ジャパンにおいてローテーションを担った。 メキシコ戦では2人の継投も見られた。 その2人がはじめて投げ合った。 佐々木は7回1安打無失点11奪三振、 山本は6回を5安打1失点9奪三振。 山本の投球も先発投手として申し分のないものだが、 この2人の顔合わせで..

  • 最強の皐月賞馬は?

    リバティアイランドの1強と言われた桜花賞とは打って変わって、 2023年の皐月賞は、稀に見る大混戦である。 朝日杯フューチュリティSとホープフルSの両GⅠ勝ち馬が不在であるばかりでなく、 重賞競走のたびに勝ち馬が変わり、 無敗の馬も何頭か存在するという状況が、 難解さに拍車をかけている。 予想の楽しみがあると言えば言えるのだが。 すでに当たる気がしないので、 今年のレースはさておき、過去の回顧にひたろうと思う。 さて、最強の皐月賞馬とはどの馬だろう。 歴代の三冠馬は当然のことながらすべて皐月賞も勝っているので、 そうした馬を最強とするのが順当かもしれない。 しかし三冠馬の場合、ダービーや菊花賞で印象に残るレースをすることが多く、 皐月賞に特化して最強という感はない。 私が見てきた中で、強い印象を持った皐月賞馬は以下の3頭。 ミホノブルボン アグネ..

  • ChatGPTと遊んでみた ~ 凄いけど、間違いも多い ~

    ChatGPTが大きな話題を呼んでいる。 便利だ、 使える、 という声がある一方、 考える力が衰える、 という意見もある。 また、学校現場からは、 宿題の意味がなくなる、 といった悲鳴に似た声も聞こえる。 あまりにも強力な成長性について危惧する意見も高まり、 人工知能の専門家や起業家、科学者ら数百人が、 OpenAIの言語モデル「GPT-4」より強力なAI技術の開発と試験を一時停止するよう求める書簡を公開した。 専門家の中には、 「これらのテクノロジーは社会、さらには人類の存亡にかかわる脅威になりうる」 とまで言う人もおられるようだ。 そうした心配もわかるが、せっかくだからいろいろ試してみた。 そうすると、まだまだ限界があることもわかった。 情緒みたいなものや、オリジナリティといったものは、十分に持ち得ていない。 また、間違いも多い。 そうなる..

  • バフェットさんの大人買い

    ウォーレン・バフェットさんといえば、世界で一番有名な投資家であると言っていいだろう。 そして、世界で指折りの大富豪でもある。 また、お金持ちであるにも関わらず質素な暮らしをされていて、 「オマハの賢人」とも呼ばれている。 そのバフェットさんが来日しておられ、 日本への投資拡大に意欲を示されたそうだ。 「次の投資先は常に頭の中にある。価格次第だ」 とおっしゃり、追加投資に踏み切る意向があると伝えられている。 現在バフェットさんが持っておられるのは5大商社株。 つまり、 三菱商事、 三井物産、 伊藤忠商事、 丸紅、 住友商事であり、 持ち株比率をそれぞれ7.4%まで高められたそうだ。 この報道を受けて、商社株は軒並み上昇した。 普通なら、 「商社が買いだ」 と思っても、そこから企業を絞るだろう。 5つとも買ったら、なかにはハズレもありそうだし..

  • 映画評 「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」

    前作「ベイビーわるきゅーれ」が公開されたのは2021年の7月。 細々と始まった感じだが、面白さが口コミで広がった。 多くのリピーターにも愛され、 池袋シネマ・ロサでは9か月以上に及ぶロングラン上映を記録するという幸せな作品となった。 当時、観終わった瞬間に、 もっと観たい、と感じたことを思い出す。 いい映画を観ると、 「続編は作ってほしくないな」 と思うことが多いのだが、 不思議と本作では続きが観たくなった。 そして、そうした期待に応える形で作られたのが今回の作品。 公開館85館以上となり、一気に注目度も増した。 ネットの映画評を見ると、 映画ファンの熱い支持を集めた前作との比較では、 本作の評価は微妙。 「悪くはないけれど・・・」 という感じだろうか。 私も心配しながら観に行ったが、 いや、大丈夫。 ちゃんと面白い。 前作を超える、..

  • 新社会人におすすめの本

    新年度が始まって、一週間が経過した。 新入社員の皆さんも、研修期間が終了して職場に配属される時期だろうか。 新しい生活に戸惑っておられる方も少なくないと思うけれど、 通勤途中の電車の中や、お休みの日など、ふと空く時間もあるだろう。 そんなとき、今の時期だからこそ読むべき本はないかとお探しの方もおられると思う。 もちろん、ネットで、 「新社会人 おすすめの本」 などと検索すればいくつも表示されるので、それを参考にされるのもいいが、 個人的なおすすめも挙げてみたい。 挙げだすとキリがなくなるので、3冊に絞ってみる。 明日選べばまた違った3冊になると思うけれど、今日の3冊はこちら。 まずは、 山口 絵理子さんの「裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記」。 山口さんは、主に鞄などを製造販売されている株式会社マザーハウスの代表取締役兼チーフデザイナー。 マ..

  • 第4回伝えたい映画大賞 その2 作品部門

    日本アカデミー賞をはじめとする各種映画賞に疑問を感じ、 自分たちで「伝えたい」と願う映画を選ぼう、という思いで始めた「伝えたい映画大賞」。 前回お届けした俳優部門に続き、今回は作品部門の選考結果を。 ちなみに過去の結果は以下のとおり。 第1回(2019年公開の映画が対象) 大賞 「洗骨」 監督・照屋年之(ガレッジセールゴリ) 2位 「岬の兄妹」 監督・片山慎三 3位 「愛がなんだ」 監督・今泉力也 第2回(2020年に公開の映画が対象) 大賞 「37セカンズ」 監督・HIKARI 2位 「糸」 監督・瀬々敬久 3位 「アルプススタンドのはしの方」 監督・城定秀夫 第3回(2021年に公開の映画が対象) 第1位 「街の上で」 今泉力哉監督 第2位 「偶然と想像」 濱口竜介監督 第3位 「映画大好きポンポさん」 平尾隆之監督 今回取り上げられ..

  • たたき台をどんどんたたこう ~ 少子化対策 方向性はあっているか ~

    政府が今後の少子化対策の「たたき台」を公表した。 「たたき台」という言葉の意味は、 【なんらかの企画を実現する際の原案、若しくは資料であり、批判・検討などを加えて、よりよい案を得るためのもの】 といったことになるだろうか。 少子化対策のたたき台は、 「これからの6〜7年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」 とし、 ①経済的支援の強化 ②保育サービスの拡充 ③働き方改革の推進 を3本柱としている。 個々の内容は、 ・児童手当の所得制限をなくす ・就労状況を問わず保育所を使える制度をつくる ・一定の条件で育児休業中の手取りを実質100%保障する仕組みを整える ・出産費用は保険適用を検討する ・保育士の配置基準を見直す ・男性の育休取得率を引き上げる などである。 これについてネットでは、 「財源の裏付けがない」 「選挙対策に..

  • これじゃ去年のリプレー ~ 今年は頑張ってほしい日本ハム ~

    私の大好きな映画に、実写版の「ピンポン」がある。 主役のペコが、宿敵ドラゴンに1セット目を取られ、 2セット目も同じような展開で引き離されていく。 それを客席で見ていたペコの幼なじみのアクマが、 「これじゃ、ファーストのリプレーだ」 とつぶやく。 プロ野球が開幕して、2カードが終了した。 新球場になり、 新庄監督も2年目になり、 注目度の高い日本ハム。 しかし、ここまで1勝5敗の最下位に沈んでいる。 去年も開幕10試合で1勝9敗のスタート。 アクマの言葉をもじれば 「これじゃ、去年のリプレーだ」 とつぶやくところである。 パ・リーグファンの私としては、 混戦になってどのチームにもチャンスがある展開になり、 スター選手が生まれ、 交流戦と日本シリーズではセを圧倒する、 といったペナントレースが望ましい。 去年は日本ハムだけが蚊帳の外という展..

  • 第4回伝えたい映画大賞 その1 俳優部門

    日本アカデミー賞をはじめとする各種映画賞に疑問を感じ、 自分たちで「伝えたい」と願う映画を選ぼう、という思いで始めた「伝えたい映画大賞」。 今年が第4回目。 俳優部門と作品部門に分けてお届けするとして、まずは俳優部門。 過去の受賞者は以下のとおり。 第1回 女優賞:和田光沙さん(「岬の兄妹」の演技で) 男優賞:池松壮亮さん(「宮本から君へ」の演技で) 第2回 女優賞 水川あさみさん(「喜劇 愛妻物語」の演技で) 男優賞 宇野祥平さん(「罪の声」「37セカンズ」の演技で) 第3回 女優賞:上白石萌歌さん(「子供はわかってあげない」の演技で) 男優賞:鈴木亮平さん(「孤狼の血LEVEL2」の演技で) 女優部門で名前が挙がったのは以下の面々。 広末涼子さん(「あちらにいる鬼」の演技で) 嵐莉菜さん(「マイスモールランド」の演技で) 清野菜名さん(「キ..

  • 映画評 「ロストケア」

    過酷な介護の現場を背景に、 安楽死や人間の尊厳について問いかける作品。 献身的な対応で評判がよかった介護士が、 実は40人を超える老人を殺していたことが判明する。 しかし彼は、 自分は殺したのではなく救ったのだと主張する。 検事は単なる人殺しだと決めつけようとするが、 現場の実態を踏まえた介護士の言葉に激しく動揺する。 松山ケンイチさん演じる介護士と長澤まさみ演じる検事が、 介護士の行為の是非について激しく論争するところが最大の見せ場。 検事は自らの体験からも介護士の言い分を完全には否定できず、 言い負かされてしまうような形となる。 取り調べの際の二人の論争は見応えがあるのだが、 それ以外のところは薄味。 もっと突き詰めて撮れば傑作と言われる作品になったかもしれないのに、 なぜかゆるく流れてしまう。 そのあたりが、「そして、バトンは渡された」でも..

  • 映画評 「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」

    テレビドラマの映画化に面白いものはない、 と思っている人がおられるだろう。 正解だと思う。 十中八九、という言葉があるが、 それ以上の確率でつまらない作品に出会う。 しかし、 「踊る大捜査線」 「コンフィデンスマンJP」 といった例外もないではない。 傑作ではなくても、お祭り感があって楽しい作品になることもないではない。 たまたま面白い作品になることもないではない。 というわけで、性懲りもなく本作を観に行った。 テレビドラマは全く見ないので、 この「ネメシス」というお話に関する予備知識も皆無。 知っていることと言えば、映画の予告編での情報がすべて。 ただし、本作に関しては、冒頭でお話の全体像をがッと説明してくれるので、初見でも大丈夫。 映画は、 まあ、はい。 ドラマの映画化って、ほら、十中八九以上の確率で外れだから、ほら。 脚本が、まあ、ね、ほ..

  • ジュリアナ東京を日本経済の象徴とするNHKの見識が悲しい

    NHKスペシャル 「ジャパン・リバイバル “安い30年”脱却への道」 を観た。 新しい視点が提示されるかと期待したが、 残念ながら 「いや、もう、さんざん言われていることですね」 という内容に終始していた。 賃金を上げなかったことを現在のような状況を招いた原因としているように感じられたが、 上げられなかった理由があったのであり、 そのあたりの掘り下げもなされなかった。 また、現状を突破するための主たる結論が、 「外資を取り入れよう」 となっていたのも、 方法論のひとつとしてわからなくはないが、ううん、なんとも。 さらに、「ジュリアナ東京」を日本経済の総本山のように崇めていたのは、 一体どういうことなのやら。 女子アナウンサーに、 「こんな時代に生きていたかった」 と言わせたり、 「日本が世界を席巻した時代の象徴」 と言ってみたり。 人が..

  • 1年間で1%未満の変動だった2022年度の日経平均株価

    2023年3月31日の日経平均株価の終値は28,041円だった。 2022年3月31日付の終値は27,821円だったから、 その差はわずか220円。 率にすると、0.8%。 ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や一時急激に進んだ円安、 世界的に進むインフレ、 など、いろいろな出来事があったが、 株価的には穏やかな一年だったことがわかる。 2022年の1月1日付の日本経済新聞紙面に掲載された 「経営者が占う2022年」では、 高値は30,000円を超えてくるという予想が多かった。 ウクライナ侵攻を盛り込めていなかったという面はあるにしても、 思いのほかパフォーマンスが悪かったとは言えるだろう。 株価が伸び悩む傾向は日本だけではなく、 アメリカも中国も同様だった。 コロナの反動で経済が大きく戻すかと思われたが、そうはならなかったということだろう。 もちろん..

  • ここのところで読んだ30冊

    ここのところで読んだ本は以下のとおり。 「グレタの真実」 アンダシュ・ヘルベリ 「年商5000万円起業家ママのハッピーリッチな思考法」 小桧山 美由紀 「物価とは何か」 渡辺 努 「Noから始めない生き方」 加藤 友朗 「落語家のもの覚え」 立川 談四楼 「ゼレンスキーの真実」 レジス・ジャンテ、ステファヌ・シオアン 「不安を煽りたい人々」 上念 司、篠田 英朗 「夕陽に赤い町中華」 北尾 トロ 「1分で話せ 2」 伊藤 羊一 「アフリカのことわざ」 「仕事力に差がつく超整理術」 吉澤 準特 「122対0の青春」 川井 龍介 「2133日間のオグリキャップ」 有吉 正徳、栗原 純 「歩いて読みとく地域デザイン」 山納 洋 「60分でわかる!インボイス&消費税超入門」 土屋 裕昭 「伝わるデザインの授業」 武田 英志 「ほんとうの定年後」 坂本 貴志..

  • 映画評 「シン・仮面ライダー」

    「シン」なんとか、 という表現が広まっている。 きっかけは、2016年の「シン・ゴジラ」だろうか。 庵野さんの関わる作品はゴジラ後も 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」 「シン・ウルトラマン」 と続き、 今作が4作目。 これまではどれもがヒットを飛ばしてきた。 仮面ライダーの主演に池松壮亮さんが起用されると聞いたとき、 これは面白くなりそうだと思った。 池松さんは二枚目アクション俳優とはちょっとニュアンスが違うから、 内省的なライダーが誕生しそうな予感がした。 2号役に柄本佑さんというのも絶妙であるように感じた。 しかし、出来上がった映画を観てみると、 「はれ?」。 なんだかへんてこりんな展開。 もちろん、単純な勧善懲悪を観たかったわけではないのだが、 意味不明な話を眺めさせられるのもヘキエキ。 仮面ライダーの背景も苦悩も掘り下げ不足で、 ..

  • ピリッとしていた「カンブリア宮殿」に戻りますように

    テレビ東京系の経済情報番組 「日経スペシャル カンブリア宮殿」 を放送当初から欠かさず見ている。 2006年4月放送開始で、放送時間が変わったこともあったが、 かれこれ15年以上見続けていることになる。 注目されている経営者や著名人、政治家などをゲストに招き、 インタビューと取材VTRで進行するという大枠は変わっていないが、 初期はスタジオに観客を入れて公開で収録する形で、 質問に答えるコーナーもあった。 さらに、村上龍さんの突っ込みも今より格段に厳しかった。 結果、緊張感のあるいい番組になっていた。 ゲストと作家・村上龍の真剣勝負、 といった要素もあった。 今のカンブリアはどうだろう。 失礼ながら初期の頃のような緊張感は失われてしまっていると言わざるを得ない。 呼んでいるのは、 業績が好調な企業か、 今注目の政治家や起業家などだから、 褒めるこ..

  • 赤頭巾ちゃん気をつけて

    とある企画の賞品を考える機会があった。 賞品として何かを出すかどうか、 渡すとして何を渡すか、 といったことは私に委ねられていた。 私は、本を贈りたいと思い付き、 何を買うと決めずに本屋に行った。 本屋の棚を眺めていて、贈り物として心に浮かんだのは、 大崎善生さんの「聖の青春」と 庄司薫さんの「赤頭巾ちゃん気をつけて」の2作だった。 その企画には仕事を少しでもよいものにしたいと思う元気のいい人たちが集まっていて、 その意味ではさらに生きることに力をもらえる「聖の青春」がふさわしいように思えたが、 何故か心惹かれたのは 庄司薫さんの「赤頭巾ちゃん気をつけて」だった。 「赤頭巾ちゃん気をつけて」は、1969年の芥川賞受賞作。 もう50年以上も昔の作品ということになる。 しかし、いい作品は古いことが傷になることはない。 ちなみに、アマゾンの書籍..

  • 性懲りもなくパ・リーグ順位予想

    プロ野球の順位予想は簡単なようで意外と難しい。 競馬と違い人間がやることだし、 予想するための情報もたっぷりあるんだし、 6チームしかないんだから、 当たってもよさそうなものなのだが、 これが当たらない。 今年も当たらないとわかっているが、 予想すること自体が楽しいので、性懲りもないやってみよう。 ちなみに去年のパの順位は以下のとおり。 1 オリックス 2 ソフトバンク 3 西武 4 楽天 5 ロッテ 6 日本ハム オフの期間、最も補強を進めたのはソフトバンク。 日本ハムから近藤、ロッテからオスナという大物を抜き、 そのほかにもガンケル、有原、嶺井が加わった。 ただし、千賀を失ったのは大きい。 吉田が抜けたオリックスだが、 西武の森を獲得し、山下舜平大のブレイクにも期待が高まる。 西武は、森が抜けたのは痛いが、投手陣は充実している。 ..

  • 映画評 「零落」

    原作は浅野いにおさんの同名タイトルの漫画。 浅野さん作品では、「ソラニン」「うみべの女の子」に次ぐ映画化ということになる。 監督は竹中直人さん。 役者との二足の草鞋を続けて30年超、監督作はこれで10本目。 本作は、書店で原作をたまたま読み、ほれ込んで映画化につなげたのだそうだ。 主人公は漫画家。 長期連載終了後スランプに陥り、 自暴自棄になり、 妻に当たり散らし、 風俗嬢に甘える。 まさに零落であるが、悲壮感はない。 漫画チックな落ち込み方。 竹中監督はそれを狙ったのかもしれないが、 漫画家の苦しみが悲痛な叫びとしては伝わってこない。 単に自意識過剰で困った奴としか思えない。 なので、感情を移入するに至らない。 主人公を演じるのは斎藤工さん。 だらしない男を斎藤さんらしく演じられた。 風俗嬢役に趣里さん。 こちらは魅力的であった。 ..

  • 映画評 「わたしの幸せな結婚」

    予告編がまるでピンと来ず、 展開が見え見えな感じもあり、 この映画はパスするつもりだった。 しかし、ふと時間が空き、 たまたま見たレビューがかなりの高評価。 ですよね。 喰わず嫌いは駄目ですよね。 目黒蓮さんと今田美桜さんという今が旬の二人が主演。 この映画を楽しむコツは、 ストーリーなどというしゃらくさいものは一切無視し、 この二人の姿を楽しむことである。 演技が上手いとか下手とか、そんなこともしゃらくさい。 いい映画を観たいとか、 そんな贅沢なことを考えてはいけない。 お二人の姿をありがたく拝見すればそれで十分ではないか。 と、考えないとやりきれない。 予告編で予想した下限の感じの作品。 映画として真面目に観てしまうのはかなり無謀。 「ベイビーわるきゅーれ」の髙石あかりさんがわかりやすい意地悪女として出演。 髙石さんは、ベビわるの続編「..

  • 何年経っても思い出してしまうな ~ WBCが頭に焼き付いて ~

    フジファブリックというロックバンドに 「若者のすべて」 という曲がある。 すごいタイトルだが、若者を描き切る内容ではなく、 夏の終わりの1シーンを切り取ったものである。 しかし、なぜかこの大仰なタイトルに納得してしまう。 曲の中に、 「何年経っても思い出してしまうな」 という歌詞がある。 この曲自体、何年経っても思い出してしまうものだが、 今年のWBCのことも何年経っても思い出すだろう。 ヌートバーの韓国戦でのファインプレー、 指を骨折しても出場し続けた源田、 大谷の自身の看板直撃弾、 苦しみ続けた村上の準決勝と決勝での豪打、 メキシコ戦での吉田の起死回生3ラン、 とにかく塁に出る近藤、 伊藤大海のマウンド度胸、 アメリカ打線に対して臆せず腕を振る今永、高橋、戸郷、 相手にボールを投げさせる中村、 周東の快足などなど。 宇田川、宮城、山..

  • 映画評 「Winny」

    2000年代の初頭、 「Winny」というソフトが大きな話題となったことがあった。 ネットを通じて映画や音楽を自分のパソコンに取り込めるというもので、 YouTubeもネットフリックスもない時代、 これを活用した人も少なくないだろう。 Winnyには負の要素もあった。 違法アップロードが社会問題化し、 著作権侵害という指摘も絶えなかった。 ただし、そうした問題のある使い方がされているからといって、 ソフトの開発者が責められるのもどこか違う。 うまく育てていれば大きなビジネスの種になっていた可能性も小さくない。 本作は、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者である金子勇さんの実話を基に描いている。 残念ながら金子さんはすでに亡くなってしまっているのだが、 映画のエンディングでは生前の金子さんの姿も映される。 映画は裁判の様子を中心に、 専門バカ的な..

  • 栗山監督、恐れ入りました

    栗山監督の最大の貢献として、 参加は難しいと思えるような選手を集めてくれたことがある。 二刀流の大谷、 パドレスと大型契約をしたばかりのベテランのダルビッシュ、 メジャー一年目となる吉田、 はじめての日系選手としてのヌートバー。 栗山監督だから集まってくれた面もあると思う。 しかし、その他の選手の選び方には、正直疑問も持った。 左打ちの選手ばかりを集めたように見えたし、 セットアッパーが呼ばれていないし、 野手が少な過ぎるようにも感じた。 本番が始まってからは、 村上へのこだわりが強過ぎるように思えた。 代わりがいないのならともかく、 ほかに優れた選手がいるのだからもっと柔軟に考えてもいいように感じた。 メキシコとの準決勝に佐々木、山本の2枚をつぎ込むのもどうかと思った。 決勝が控えているのだから。 だが、決勝までを見ると、 すべて栗山監..

  • 野球に酔う

    子どものころからずっと野球を見て来た。 接戦、熱戦も、 数限りなく見たけれど、 国民大注目のWBC準決勝という舞台での逆転サヨナラには、 さすがに震えた。 日本が勝ったから言えることでもあるが、 WBC準決勝、日本対メキシコ戦は、実に面白い試合だった。 静かな立ち上がり、 不利とされているチームの先制、 中盤のせめぎ合い、 後半の怒涛の展開。 ホームラン、クロスプレー、好走塁と、 野球の楽しめる要素がてんこ盛りだった。 野球に酔った。 メキシコは、実にいいチームだった。 なんとなく大雑把な野球をするイメージがあるが、 実際には投手も打者も粘り強く日本に立ち向かってきた。 国際試合で相手にリードを許すと、 見ていてジリジリしてくるのだが、 メキシコ戦では不思議とそういう感情にはならなかった。 双方が死力を尽くして戦っていて、 結果は時の運..

  • 楽しみというより怖い WBC準決勝前日

    今回で5回目を迎えるWBC。 日本チームは、過去4大会すべてで準決勝まで進出している。 今回も、最低でもベスト4に残ってほしいと願っていた。 組み合わせにはやたらと恵まれたが、 過去のWBCは苦戦の連続。 ブラジルやオランダにギリギリまで追い詰められたこともあり、 何が起きるかわからないと覚悟していた。 しかし今回はスルスルと連勝。 ダルビッシュが持ち込んだ興奮を、 大谷が熱狂につなげ、 ヌートバーが笑顔に変えた。 準決勝まで来れば、あとは時の運。 野球の一発勝負ほど当てにならないものはない。 とはわかっているけれど、勝ってほしい。 ここで負けてしまってもこれまでの戦いは色あせないけれど、 ここで負けてしまったら強敵には勝てなかったとなってしまう。 準決勝の相手はメキシコ。 アメリカを破ってプールCを1位で通過し、 準々決勝ではド..

  • ネット時代の取り付け騒ぎ

    「取り付け騒ぎ」という言葉をWikipediaで引くと、 『特定の金融機関や金融制度に対する信用不安などから、預金者が預金・貯金・掛け金等を取り戻そうとして(=取り付け)、急激に金融機関の店頭に殺到し、混乱をきたす現象のこと』 とされている。 さらに、 『経営破綻するという噂や、不確実な情報、デマが引き金となることが多い』 とも書かれている。 噂による取り付け騒ぎとしてよく知られているのが、 1973年の豊川信用金庫事件。 こちらは、女子高生3人の雑談がきっかけになったとされている。 もとは冗談だったのが伝聞で誇張されて広がり、収拾がつかなくなったようだ。 ちょうどオイルショックのあった年で、不安心理が働いていたという背景もあるらしい。 このときは、わずか一週間くらいで大きな騒動になった。 噂がもとで金融機関が追い詰められる。 それもわずか一週間で。 と..

  • 横綱・大関不在 相撲界の人材不足は止まりそうもない

    大相撲の番付は上から 横綱 大関 関脇 小結 前頭 となっている。 番付は東と西に分かれて書かれるから、 基本は横綱も大関も二人ずついることになる。 もちろん、成績優秀な力士がまとめて出てきたら、 横綱も大関も3人以上になる可能性がある。 実際、大関が4人いたこともあった。 一方、今の番付は、1横綱1大関である。 本来4人いるべきところが2人しかいないことになる。 こうした事態が生じたのは125年ぶりのことだという。 さらにこの春場所では、 横綱の照ノ富士が初日から休場、 綱取りを狙っていた貴景勝も7日から休場となってしまった。 横綱・大関が一人もいない場所というのは、 昭和以降でははじめてということである。 今場所横綱・大関がいないというのは、 故障者が出たことによる突発的出来事であるが、 相撲界の先行きを考えても、とても明るい..

  • 韓国の出生率0.78から何を見るか

    このところ、少子化問題が大きくクローズアップされている。 そのきっかけの一つは、2022年の出生数が80万人を割るというニュースだっただろうか。 マスコミの論調を見ると、 日本の政策の貧しさ、 日本で子供を育てることの大変さ、 などが、必要以上に喧伝されているように感じる。 反省すべき点が多々あるのは事実だが、 間違った方向への誘導は勘弁してもらいたいものである。 少子化は、日本に限った話ではない。 特に、お隣の韓国ではより深刻である。 韓国統計庁によれば、2022年の合計特殊出生率は0.78だったそうだ。 前年比で0.03下がり、過去最低を記録した。 日本の2021年の1.3を大きく下回っており、 出生数も25万を割り、20年前の約半分となっている。 日本の少子化どころではない。 韓国の少子化が進んでいる理由としては、 雇用不安や住宅難など..

  • WBCここからが本当の勝負

    空前の盛り上がりを見せているWBC。 日本チームは準々決勝でイタリアを破り、5大会連続のベスト4入りを決めた。 最低限の目標がベスト4だと思うが、 毎回ここまでたどり着いているのは立派である。 さすが野球大国。 もちろん、今回は組み合わせに恵まれている。 1次ラウンドの同組は、 韓国、中国、チェコ、オーストラリアで、 ここで2位以内に入るのは実力的に至極順当である。 準々決勝の相手も、オランダ、パナマ、台湾、キューバと比べると、 イタリアでよかったような気がする。 ただ、それも勝ったから言えること。 イタリア戦も、大谷のあとを伊藤が抑えていなかったら、 もっともつれていたかもしれない。 ここで大谷、ダルビッシュのメジャー組が投げたので、 準決勝、決勝は、国内組が投げることになる。 是非、日本の力を見せてほしい。 大丈夫、佐々木、山本の球が易々打..

  • 映画評 「茶飲友達」

    「茶飲友達」という映画が、じわじわ広がってきている。 はじめは1館だけで封切られたそうだが、好調な動員を受けて25館に拡大。 「カメラを止めるな!」と同じENBUゼミナールの製作とあって、 あのときのムーブメントの再来か、などとも言われているようだ。 しかし、誰が観ても楽しかった「カメ止め」と比べ、「茶飲友達」は重い。 ああした大ヒットを期待するのは酷と言うものだろう。 それはそれとして、作品の出来栄えは上々。 目の肥えた映画ファンの口コミが広がるのも納得である。 脚本がよくできているし、 出演陣の頑張りも素晴らしい。 本作は、高齢者向け売春クラブが警察に摘発された事件をもとに、 外山文治監督が着想し、オリジナルの脚本を書いたもの。 「ソワレ」は鮮烈だったが、今作もドシンと来る。 ワークショップ・オーディションで出演者を選抜し、 手作りで練り上げられてい..

  • WBC一次ラウンドを振り返る

    日本チームのWBC一次ラウンドが終了した。 日本の突破は多くの野球ファンが予想したとおり。 予想どおりに行かないのか野球というスポーツだが、 今回は力の差がかなりはっきりしていて、 韓国以外には負けることはないだろうと多くの人が思っていたことだろう。 その韓国も下馬評はかなり低かった。 日本の力が抜けていたプールBと裏腹に、 プールAは大混戦。 台湾、キューバ、イタリア、オランダ、パナマの5球団がすべて2勝2敗というのだから、 その拮抗ぶりはすさまじい。 プールごとのレベル差を揃えるのなら、 この5カ国のうちのどこかがプールBの中国かチェコと入れ替わっているべきだっただろう。 日本と同様に、アメリカも組み合わせに恵まれている。 公平性という点ではいかがなものだろう。 それはそれとして、 日本中を熱狂させての4連勝は野球ファンとして慶賀に堪えない。 ..

  • 大江健三郎さんのこと

    大江健三郎さんが亡くなられた。 88歳。 老衰だという。 学生の頃、一番衝撃を受けた作家が大江健三郎さんだった。 最初に読んだ本は、 「死者の奢り」 だっただろうか。 その中には、芥川賞受賞作となる「飼育」なども収められていた。 感動した、 というより、 驚いた、 という表現が当てはまる。 文学というものに吸い寄せられる大きなきっかけが大江作品だった。 それから、古本屋で大江さんの本を見つけるとすかさず買うようになった。 「芽むしり仔撃ち」 「われらの時代」 「見るまえに跳べ」 「性的人間」 といった著作群は、どれもが胸の奥にドシンと来た。 これらが1960年代の前半の作品であり、 代表作とされることの多い「万延元年のフットボール」が1967年。 万延元年以降の作品は私にはなぜかピンと来なくなってしまった。 さらに、1980年代以降の..

  • 77m目指して初投げ

    東京オリンピック・パラリンピックが開催された2021年に、 個人的なおバカ企画として取り組んだ、 「55歳過ぎ腰痛持ち 遠投77mプロジェクト」。 しかし、2021年は60mまでは順調に伸びたがその先にたどり着けず断念。 泣きの1年で延長した2022年はホームグランドが水没してしまい、計測もできず断念。 「55歳過ぎ」から「60歳間近」となり、 もうやめりゃいいのに、性懲りもなく今年も挑戦。 今年もホームグランドが水没する可能性はあるが。 ここのところで急に暖かくなり、 WBCで野球熱が盛り上がってきたこともあり、 今年の初投げを。 暖かくなったとは言え、 まだ3月。 肩も全然できていない。 なので、ゆっくりゆっくり。 ごく近くでのネットスローを中心に、 軽く軽く50球。 超軽い投球なので具合がいいも悪いものないが、 少なくとも全く投げられな..

  • 映画評 「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

    本作は、「第95回アカデミー賞」で、最多となる10部門11ノミネートを獲得し注目を集めている。 日本では、「エブエブ」という名称で呼ばれているらしい。 自分が生きているところと別の世界がある設定で、 この系統では「マトリックス」という映画を思い出す人も少なくないだろう。 「マトリックス」は「現象」と言えるほどのヒットを記録したが、 本作はどうだろう。 ちょっとぶっ飛び過ぎていて、そうはウケないのではないだろうか。 「マトリックス」は設定もすごかったが、 登場人物やアクションがスタイリッシュだったのが喜ばれたのだと思う。 本作の設定をウエブ上での紹介から拾うと、 主人公のエヴリンは優柔不断な夫と反抗期の娘、頑固な父と暮らしながら、破産寸前のコインランドリーを経営している。 税金申告の締め切りが迫る中、「全宇宙を救えるのは君だけだ」と突如世界の命運を託されたエ..

  • 映画人の涙は美しいがいつものことながら選考は・・・ ~ 日本アカデミー賞に思う ~

    映画ファンのうちの少なくない割合の人たちが、 日本アカデミー賞に価値を感じていない。 それはこれまでの選考に首を傾げさせられ続けてきたからだろう。 しかし、ファンの側が何と思おうと、 映画に携わっておられる方々はこの賞に重いものを感じておられるようだ。 受賞された皆さんの涙を見ると、 こちらもグッとくるものがある。 のだが、 選考にはやはり疑問が残る。 今年も、ノミネートの段階で、なんでそれを選ぶのかな、の連続である。 映画ファンが「はぁ?」となっても仕方がない。 今年の結果は以下のとおりとなった。 最優秀助演女優賞 安藤サクラさん(予想的中) 最優秀助演男優賞 窪田正孝さん(予想というか願望は柄本佑さん) 最優秀主演女優賞 岸井ゆきのさん(予想的中) 最優秀主演男優賞 妻夫木聡さん(予想的中) 最優秀アニメーション作品賞 「THE FIRS..

  • 株価上昇の恩恵を受けられるのは富裕層だけではない

    野村総合研究所が、「日本の富裕層に関する推計調査」を発表した。 それによると、1億円以上の純金融資産がある「富裕層」が149万世帯となり、過去最多に達したそうである。 ここで言う「富裕層」とは、 純金融資産を1億円以上持っている家計のことを指し、 「純金融資産」とは、 預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から、不動産購入に伴う借入などの負債を差し引いた額を基にしているという。 全体像としては、「純金融資産保有額」が 5億円以上の「超富裕層」が全体の0.2%、 1億円以上5億円未満の「富裕層」が2.6%、 5000万円以上1億円未満の「準富裕層」が6.0%、 3000万円以上5000万円未満の「アッパーマス層」が13.4%、 3000万円以下の「マス層」が77.8%、 という結果であった。 富裕..

  • 日本アカデミー賞を予想してみる

    アメリカのアカデミー賞と違い、それほど注目されていないし、 残念ながらそれほど価値も高まってこない日本アカデミー賞だが、 映画界のビッグイベントであることは確か。 映画ファンとして予想してみよう。 実は、予想は以前もしたことがあるのだが、その時はそれなりに当たった。 2020年は予想した9部門中7部門が的中、 2022年は予想した7部門中5部門が的中、という具合。 まあ、取るべき作品や役者さんが取るのだから当然だが。 ただ、今年はあまり自信がない。 まず、たぶん大丈夫だろうと思うアニメーション作品賞から。 ノミネートは 「犬王」 「かがみの孤城」 「すずめの戸締まり」 「ONE PIECE FILM RED」 「THE FIRST SLAM DUNK」 の5作。 作品としての評価が高いのは「犬王」だが、私はピンと来なかった。 ここは「すずめの戸締..

  • カタカナ語よりは、おっさんビジネス用語

    仕事中に使われる昭和っぽい言葉が、 「おっさんビジネス用語」 として、たまにネットで取り上げられる。 例えば、 「仁義を切る」 「鉛筆なめなめ」 「エイヤ!で」 「ガラガラポン」 「1丁目1番地」 「よしなに」 「全員野球」 「ロハ」 「ペライチ」 「イッテコイ」 「ガッチャンコ」 などである。 おじさんである私は、もちろんこれらの言葉の意味がわかる。 自分で使うかというとほとんど使わないが、 「よしなにしてください」 は言うかもしれない。 また、他の所属に情報を伝えることは大切なので、 「仁義を切る」 とは言わなくても、 「後から『聞いてない』と言われることのないように」 と注意をうながすことはよくある。 ネットの記事では、 「おっさん言葉より、カタカナ語が嫌い」 という意見が載せられていた。 確かに、 アジェ..

  • 映画評 「ちひろさん」

    城定秀夫監督と並んで、 「一体、一年に何本映画撮ってんのよ」 状態の今泉力哉監督作品。 小品が多い監督で今作もその部類だが、 ヒロインに有村架純さんというビッグネームを迎えた。 有村さんが演じるのは、お弁当屋さんで働く元風俗嬢。 タイトルの「ちひろさん」は、有村さんの役名。 元風俗嬢というのは秘密でもなんでもなく、みんなが知っているという設定。 この役に有村さんが向いているかどうかはいろんな意見があると思うが、 いつもどおりしっかり演じておられた。 人気に実力も兼ね備えた女優さんである。 軽妙な感じでスイスイ映画は進み、 楽しく観ることができる。 しかし、 必要性が感じられない設定やら、 投げっぱなしのエピソードやら、 意味不明の行動やらが頻発し、 私は乗っていくことができなかった。 ラストも、ううん。 「いい話系」でもあり、 不快な..

  • せめて大手代理店頼みから抜け出すきっかけに

    東京五輪・パラリンピックを巡る贈収賄、談合事件で、 大手企業から次々と逮捕者が出ている。 また、これがきっかけで行政から指名停止となる企業が続出している。 不祥事により企業が一定期間指名停止になることはそれほど珍しいことではないが、 今回は、 電通、博報堂、 といった大手代理店の名前が挙がっているだけに影響は小さくない。 2025年の大阪・関西万博に向けた準備においても、 この両社を含めた代理店各社が指名停止となった。 これまで、文化やスポーツの大きなイベントは、 電通、博報堂を中心とした大手代理店の独壇場だった。 大手代理店は 豊富なノウハウと厚みのある人材を揃えており、 海外からも要人が来るような大会、 規模が大きな大会、 警察をはじめ様々な調整が必要なイベント、 スポンサー集めが必要な企画、 などでは、他の追随を許さなかった。 結果としてそ..

  • 夢があるかどうかはさておき 概ねいつものR-1

    M-1王者のウエストランドに 「夢がない」 とネタにされ、俄然注目が集まったR-1グランプリ。 歴代の優勝者の名前を聞いても 「どちら様ですか」 という芸人さんが少なくないので、いじられても仕方がない。 私も毎年見ているが、爆笑した思い出はほぼない。 今年も、過大な期待はせずに見させていただいた。 トップバッターのYes!アキトさんは、いつものR-1。 幸先の悪い幕開けとなった。 しかし、2番手の寺田寛明さんは面白かった。 レビューサイトに例えた言葉いじり。 しゃべりがもう少し達者ならもっとよかったが、クスリと笑わせてもらえた。 ラパルフェ都留さんは、得意の阿部寛さんの物まねネタ。 もう二ひねりほど欲しかった。 サツマカワRPGさんは、物語風にいろいろなネタを重ねていった。 私はよくできていると思ったが、点数は思ったほど伸びず。 カベポ..

  • 映画評 「少女は卒業しない」

    原作は朝井リョウさんの連作短編小説。 間もなく校舎が取り壊される高校を舞台に、少女たちの卒業式までの2日間が描かれる。 私は原作が好きなので、 映画化されると聞いて楽しみにしていた。 しかも信頼感抜群の河合優実さんが主演とあって、期待は高まる。 だが、残念。 映画なので原作どおりにやってもらう必要はないのだが、 悪い具合に改変されてしまっていて、 心が動く瞬間がほぼなかった。 設定は、 卒業式があと2日後に迫った地方の高校。 廃校となることが決定していて、生徒たちも複雑な思いを抱えている。 もとが連作小説であり、 この映画も4本ほどのストーリーが並行して走る。 なのだが、それらが大団円に向けて盛り上がっていくということはなかった。 監督は、「カランコエの花」の中川駿さん。 カランコエと同様に、若手女優の皆さんの自然な雰囲気を出すことには成功さ..

  • ここのところで読んだ本

    ここのところで読んだ本は以下のとおり。 「世界インフレの謎」 渡辺 努 「生きがいについて」 神谷 美恵子 「未来の医療で働くあなたへ」 奥 真也 「山縣有朋」 岡 義武 「この世を生き抜く最強の技術」 わび 「この世の喜びよ」 井戸川 射子 「糖尿病と共に生きる」 「ズボラでも一生お金に困らない不労所得生活!」 horishin 「前世を覚えている子どもたち」 トム・シュローダー 「コクヨの3ステップ会議術」 下地 寛也 「文豪と感染症」 「野球のきほん」 清水 隆一 「ウクライナ戦争日記」 「完全版 呼吸法」 楊 進 「終の棲家を求めて」 中村 美和 「一流の集中力」 豊田 一成 「私の老後 私の年金」 長尾 義弘 「相続税を納め過ぎないための土地評価の本」 「グレタの願い」 ヴァレンティナ・キャメリニ 「生き方は自分で決める、そして..

  • 鈴木誠也の不在は大打撃だが、きっと大丈夫

    カブスの鈴木誠也がWBC日本代表を辞退した。 左脇腹に張りが出て、コンディションが整わなかった。 日本代表にとって、これは痛い。 鈴木誠也は、 貴重な右の大砲で、 守備にも定評があり、 強肩でならしている。 しかも、 オリンピックなどの国際舞台の経験も豊富であり、 「神ってる」と言われるほどチャンスに強い。 さらに、 メジャーの投手のことをわかっていて、 選手間の架橋にもなれる存在だったと思う。 かけがえのない選手であり、 この不在は痛い。 しかし、まあ、仕方がない。 アメリカもカーショーが不参加になったし、 きっと他のチームも真の意味でのベストメンバーではないはずだ。 集まった選手で戦うしかない。 ほかの選手はどうか無事に本番を迎えてほしい。 そして、暴れまわってほしい。 日本代表チームは、 国際試合になると妙に硬くなってしまう..

  • 映画評 「湯道」

    フジテレビ製作の映画。 いかにもそれらしく、豪華キャスト総出演の体。 主演級の3人に、生田斗真さん、濱田岳さん、橋本環奈さん、 銭湯の常連客に、小日向文世さん、天童よしみさん、戸田恵子さん、寺島進さん、笹野高史さん、吉行和子さん、 湯道を究めようとする人たちに、角野卓造さん、柄本明さん、窪田正孝さん、 その他、厚切りジェイソンさん、クリス・ハートさん、ウエンツ瑛士さん、 朝日奈央さん、藤田朋子さん、生見愛瑠さん、夏木マリさん、吉田鋼太郎さん。 ストーリーもフジテレビ製作らしく、 薄味でてんこ盛り。 あれやこれやいろいろあったのに、 観終わった瞬間に消えていく感じ。 脚本は、「湯道」を提唱されている小山薫堂さん。 監督は、「HERO」シリーズなどの鈴木雅之さん。 わかりやすく安心して観られる映画として作られた。 これはこれでプロの仕事とも言える。 テ..

  • 山本由伸革命進行中

    現在の日本プロ野球界で最強投手と言えば、 オリックスの山本由伸で多くの方は異論ないだろう。 2年連続での最多勝、最高勝率、最優秀防御率、最多奪三振の4冠はプロ野球史上初だという。 金田さんも、稲尾さんも、野茂さんも、ダルビッシュも、マー君もできなかったことを成し遂げたということになる。 しかし、山本由伸の歩んできた道のりは、今挙げた投手たちとは対照的である。 甲子園出場歴はなく、ドラフトは4位。 大型化が進むプロ野球界にあって178cmは小柄の部類に入る。 さらに、 全盛となっている筋トレはやらず、 代わりにジャベリックスロー(やり投げのようなもの)を取り入れ、 スライダーも投げず、 フォームも独特。 革命、という言葉はちょっと大げさだが、 山本由伸がやっていることがこれまでの野球界の常識からはかなり外れていることは確かである。 中島大輔さんという方..

  • 訪れてみたいロケ地

    2023年2月25日の日本経済新聞別刷りの「NIKKEI プラス1」の特集は、 「ロケ地 訪れてみたい邦画」 だった。 2001年以降に日本アカデミー賞作品賞若しくはキネマ旬報ベストテンに選ばれた邦画から、 編集部が25作品のリストを作成し、 そこから1000人の映画ファンにアンケートを取ったのだそうだ。 かなり限定された中から選ばれている面はあるが、ランキングは以下のとおり。 1 海街diary(神奈川県鎌倉市) 2 世界の中心で、愛をさけぶ(香川県高松市) 3 踊る大捜査線 THE MOVIE レインボーブリッジを封鎖せよ!(東京都港区) 4 ドライブ・マイ・カー(広島県広島市) 5 探偵はBARにいる(北海道札幌市) 6 おくりびと(山形県酒田市) 7 花束みたいな恋をした(東京都調布市) 8 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(東京都港区) ..

  • 映画評 「BLUE GIANT」

    原作未読だし、 JAZZってよくわからないし、 パスしようかな、 と思っていた。 しかし、ネットの映画評に引かれて鑑賞。 結果、パスしないで本当によかった。 熱かった。 原作は、「ビッグコミック」で連載されていた石塚真一さんの同名タイトルの漫画。 主人公は、仙台に住み、独力でテナーサックスの腕を磨いた青年。 世界一のジャズプレイヤーを目指して東京に出てきて、 テクのあるピアニストと組んで上を目指していく。 ストーリーはごく単純。 演奏シーンにかなりの尺を取っていることもあり、ややこしいことは一切なし。 ひたすら青春、音楽一直線。 全速力で走り抜けていく。 今どき、そんな熱い奴いるかよ、 との突っ込みも無意味に感じられるほどの熱量。 それが心地よい。 自分も何かに懸けてみたくなる。 終盤に大きな波乱がある。 ちょっと大技過ぎる感があり、私は..

  • 行政計画の義務付け見直し 詰めをしっかり

    今に始まったことではないが、 国の省庁は、自治体に各種の計画策定を求めてくる。 その数はここのところで増加傾向にあり、 平成22年から令和2年までの10年間で、 法律により自治体が策定主体とされる計画等の条項数が約1.5倍に増えているのだという。 自治体とすると、計画を作ることの事務負担は非常に大きいうえに、 やりがいや意味合いを見つけるのが難しい仕事でもある。 そこで、自治体側から計画策定義務付けの見直しが求める声が上がり、 それに応える形で地方分権改革有識者会議が検討を重ねてきた。 方向性がここでまとまったようだ。 まず原則を、 「将来に向けた意思決定の仕方及びその意思決定の表現の形式は、地方公共団体の判断に委ねる」 とした。 つまり、計画という形式にするかどうかは自治体が決めるべき、ということである。 そして、形式を法律で規定せざるを得ない場合は、..

  • 映画評 「シャイロックの子供たち」

    「半沢直樹」などで知られる池井戸潤さんの小説が原作。 池井戸作品らしく、舞台は銀行。 弱い者たちの逆転劇が描かれる。 監督は、同じく池井戸作品の「空飛ぶタイヤ」を映画化された本木克英さん。 元銀行員である池井戸さんらしく、銀行の内側がリアルに描かれる。 一方、 「そんな奴はいないよ」 「いくらなんでも脇が甘すぎる」 と突っ込みたくなる場面も少なくない。 全体的にゆるいと言えばゆるい。 しかし、これはドキュメンタリーではなく娯楽作。 そう割り切れば、楽しく観ていられた。 傑作ではないし、それを狙ってもいないだろうけれど、 ちょうどいいといえばちょうどいい。 主演の阿部サダヲさんはどんな役でもこなされる。 本作でも何故だか惹きつけられる。 共演に、上戸彩さん、玉森裕太さん、柳葉敏郎さん、杉本哲太さん、佐々木蔵之介さん、佐藤隆太さん、柄本明さん、橋爪功..

  • 「タモリ倶楽部」に終わりがあるなんて

    もう何年も「タモリ倶楽部」を観ていない。 観られないほどの深夜でもないし、 もう観るのをやめようと決心したわけでもないのだが、 なんとなく億劫になってしまった。 タモリ俱楽部に限らず、テレビそのものから離れてしまった。 若い頃は、欠かさず観ていた。 「空耳アワー」が最高だったが、 それだけではなく、ゆるくくだらない企画が好きだった。 そのタモリ倶楽部が終わってしまう。 放送開始から40年の節目を迎え 「番組としての役割は十分に果たしたということで、総合的に判断し3月末をもって終了」 と判断したのだという。 「番組としての役割」ってなんだ? そんなもの少しでもあるのか? と思うけれど、 なんらかの事情というものがあるのだろう。 なんだって、永遠というわけにはいかない。 この頃娘が、YouTubeで「空耳アワー」の傑作選にはまっている。 そし..

  • THE SECOND 意外と面白いかも

    去年の12月、新たなお笑い賞レースとして 「THE SECOND ~漫才トーナメント~」 が開催されることが発表された。 参加資格は、 「エントリー時点で結成16年以上」 であること。 M-1に出場できるのが結成15年以内だから、 セカンドチャンスをつかんでもらいたいという意味が込められている。 ネタを披露する時間は 「6分以内」 とM-1より長くなっている。 ベテランたちの話芸を楽しもうという趣向だろうか。 また、 「即席ユニット、アマチュアは出場不可」 となっており、完全にプロ仕様。 最初この企画を聞いたとき、 M-1で燃え尽きられなかった芸人さんたちが参加するのかな、 ベテランさんたちがあえて勝ち負けを付ける戦いに出てくるのかな、 など、あれこれ思ったのだが、あにはからんや。 参加表明をした面々を見ると意外なほど豪華である。 ざ..

  • 映画評 「エゴイスト」

    一般にエゴイストというと、 自己中心的な人、利己主義者、 といった意味になるだろう。 ではこの映画はエゴイストについて描いたものか、 若しくは登場人物の誰かがエゴイストなのだろうか。 主要な登場人物は3人。 鈴木亮平さん演じるファッション誌の編集者と、 宮沢氷魚さん演じる貧しい青年と、 阿川佐和子さん演じる宮沢さんの母。 この3人のうちの誰かがいわゆるエゴイストなのかと言えば、 そんなことはまったくない。 3人ともやさし過ぎるくらいにやさしい。 最初から最後までやさしい。 どこかで種明かしかどんでん返しがあるのかと思っていたが、 徹頭徹尾やさしい。 では、なにがエゴイストなのか。 それを考え、感じる映画なのだろう。 鈴木さんと宮沢さんがゲイのカップルを演じる。 激しい濡れ場もある。 鈴木さんは、相変わらず強烈。 今回は激しいというより繊細な役..

  • H3ロケット 打ち上げ「中止」か「失敗」か

    鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げが予定されていた新型ロケットH3。 多くの人が携わり、 多くの人の期待を乗せた試みだったが、 残念ながら発射成功とはならず、打ち上げを中止せざるを得ない状況となった。 この件に関し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田プロジェクトマネージャーが会見に臨み、 「見守ってくださった方々が大勢いらっしゃいますので、 申し訳ないと思っていますし、我々もものすごく悔しいです」 と語られ、涙を流された。 当然ながら、今回のことで最も悔しい思いをされ、責任を感じておられるのは岡田氏であろう。 ここに至るまで、常人には想像もつかないような重圧の中の日々だっただろうし、 結果を受けて、断腸の思いをされていることと思う。 この会見について、 共同通信社とのやり取りがネットを中心に話題になっている。 岡田氏が、発射できなかったことを..

  • 東京オリパラ 汚職や談合は残念だが大会や選手たちまで汚されたわけではない

    東京オリンピック・パラリンピックが終わってから1年半ほど経つが、 いまだに悪い知らせが絶えない。 まず大きく騒がせたのがスポンサー契約を巡る汚職事件。 組織委員会の元理事で電通出身の高橋治之容疑者が、 AOKIホールディングスと出版大手・KADOKAWAからスポンサー選定などで便宜を図ったことへの謝礼などとして、 多額の賄賂を受け取っていた罪で逮捕・起訴された。 この件に関しては高橋容疑者だけでなく、 多くの関係者の逮捕に至っている。 さらにここのところで取りざたされているのが、 東京オリンピック・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件。 こちらに関しては、電通、セレスポといった大手イベント会社の責任が追及されている。 こうした不祥事が発覚すると、 「汚された東京五輪」 といった表現がされることが多い。 確かにイメージダウンにつながっていることは間..

  • WBCは強化合宿から見どころ満載

    WBCの強化合宿が始まった。 大谷や鈴木誠也といったメジャー組はまだ来ていないが、 国内組も村上宗隆、佐々木朗希、山本由伸と超一流選手が揃っている。 スタンドには平日の昼間にもかかわらず1万8千人を超える観衆が詰めかけたというが、 それはそうだろう。 私だって見に行きたい。 誰を見たらいいか、目移りする。 ここまで、話題を一身に集めている感じなのは、 メジャー組から一足先に合流したダルビッシュ。 日本最強投手として海を渡り、 メジャーでも素晴らしい成績を積み上げている。 ダルビッシュを間近に見られるとあって、 ファンはワクワクするし、 ダルビッシュからいろいろ教えてもらえるとあって、 選手もドキドキしている。 ここに集まっている選手は全員すごいが、 例えばロッテの佐々木や中日の高橋やオリックスの宇田川らが、 刺激を受け合い、 向上し合っていけば、..

  • 映画評 「Sin Clock」

    タイトルの「Sin Clock」は、そのまんま「罪なる時計」という意味であるとともに、 「Synchronicity(シンクロニシティ)」というニュアンスも含んでいるそうだ。 サスペンス・ノワールというジャンルで、犯罪を軸に物語が進んでいく。 このところで観る映画観る映画、しょっちゅう同じパターンなのだが、 冒頭でなにやら衝撃的なシーンがあり、 クライマックスあたりでそれがどういう意味だったか回収される。 やりたいことはわかるが、 観る側はこのパターンにはすっかり飽きていることも忘れないでほしい。 犯罪ものを映画として上手に成立させることは難しい。 決まれば鮮やかだが、大抵は失敗する。 本作も、失敗した。 しかしまあ、挑戦は是としたいところである。 やってみないとわからない。 主演は窪塚洋介さん。 本作が18年ぶりの邦画長編映画単独主演。 私にとっ..

  • 映画評 「銀平町シネマブルース」

    映画を撮りまくっている感のある城定秀夫監督がメガホンを取り、 脚本を「神田川のふたり」が印象的だったいまおかしんじさんが担当。 テーマが、古い映画館、映画監督の再起、 とあれば、映画ファンに刺さる作品になるのは当然と言えば当然。 とにかくキャストがいい。 深い挫折経験を持つ映画監督に小出恵介さん、 小出さんが転がり込むミニシアターの支配人の吹越満さん、 ミニシアターで働く藤原さくらさん、日高七海さん、 常連客の中島歩さん、 映画ファンでホームレスの宇野祥平さん、 小出さんの元妻役のさとうほなみさん、 助監督役の平井亜門さん、 その他、小野莉奈さんも、片岡礼子さんも、藤田朋子さんも、渡辺裕之さんも、 みんなピシッとはまっていた。 これはキャスティングの妙であると同時に監督の力でもあるのだろう。 特に吹越さんが素晴らしく、 中島さんは相変わらず可笑しい。 ..

  • 映画評 「生きててごめんなさい」

    封切り間もないタイミングで観に行ったため、たまたま舞台挨拶があった。 主演の黒羽麻璃央さんは誰がどう見てもイケメンで、 共演の穂志もえかさんは女優さんらしいたたずまいだった。 穂志さんはオーディションでこの役を獲得したそうなのだが、 役に合うようにとパジャマ姿で臨んだそうだ。 そういう話が聞けるのが舞台挨拶の楽しいところ。 映画の主役は黒羽さんが演じる、それほど大きくない出版社で働く編集者。 彼は小説家を目指しているのだが、なかなか思うように行かず、 仕事も行き詰っている。 黒羽さんが一目ぼれするのが穂志さん演じる女性。 いわゆるメンヘラ的な存在なのだが、どうしようもなくかわいくもある。 この穂志さんがいい。 穂志さんを観に行く映画という感じがする。 そして、そうした目的で行けば、きっと満足できる。 二人の関係が徐々に変わっていき、 男にとっては苦..

  • 「バレンタイン・キッス」が流れる今日は

    クリスマスソングと言えば? と聞かれたら、それこそわんさか挙げられる。 筆頭格は何と言っても山下達郎さんの「クリスマス・イヴ」。 東海道新幹線のCMとともに日本人の心に深く刻まれている。 松任谷由実さんの「恋人がサンタクロース」も定番中の定番。 そのほかにも、 稲垣潤一さんの「クリスマスキャロルの頃には」や辛島美登里さんの「サイレント・イヴ」などなど、 いくらでも出てくる。 洋楽でも、 ワム!の「ラスト・クリスマス」、 マライヤ・キャリーの「恋人たちのクリスマス」、 ビング・クロスビーの「ホワイト・クリスマス」 などなど。 しかしこれが、 バレンタインソングと言えば? と聞かれたのなら、ほぼ一択になる。 それは国生さゆりさんの「バレンタイン・キッス」。 Perfumeの「チョコレイト・ディスコ」があるから一択は言い過ぎかもしれないが、 この季節に..

  • オリンピック精神とロシア

    IOC(国際オリンピック委員会)が、2024年夏季パリオリンピックに向けて、 ロシアの選手の個人としての出場を許可することを検討していくことを明らかにし、 賛否両論を巻き起こしている。 賛成する立場からは、 アスリートに罪はない、 政治とスポーツは切り離すべき、 という意見が出される。 反対する立場からは、 ウクライナ侵攻によりIOCがロシアの選手の出場を禁止したときから、 全く状況は変わっていないのに方針を変えるのはおかしい、 という意見が出される。 そもそもロシアの人々は、 オリンピックについて、 というか、 オリンピック精神についてどのように考えておられるのだろう。 2021年の東京オリンピック、 2022年の北京オリンピックの両方で、 ロシアは国としての参加を禁じられた。 組織的なドーピングが原因である。 一部の不心得な選手やコ..

  • 映画評 「夜明けまでバス停で」

    本作は、キネマ旬報ベスト10で第3位となり、 日本映画監督賞、日本映画脚本賞をダブル受賞された。 これは観ておかないと、と思い遅ればせながら。 たまたま観に行った映画館では、脚本を担当された梶原阿貴さんのトークイベントがあり、 作品に込めた思いなどもお聞かせいただいた。 お話も上手で楽しい時間だった。 そんなわけで情も移ったのだが、 そんなこんなの加点要素を足しこんでみても、 「はて、なんでこんなに評価されているんだろう?」 と首を傾げてしまった。 映画に携わる人たちに、 反体制、 反権力、 的な要素をお持ちな方が多いのはわかる。 しかし、それと作品の評価は分けていただきたいものである。 本作は弱いものに寄り添っていて、 世の中に、政治に、一矢報いるものになっている。 しかし、なんと言っていいのか難しいが、一番近い言葉で言えば、ゆるい。 展開..

  • 「トイ・ストーリー5」と言われても

    「トイ・ストーリー」が公開されたのは1995年のこと。 もう30年近くも前になるのが信じられない。 いつまでも色あせない傑作であり、 スティーブ・ジョブズ氏が経済界に復帰するきっかけとなったこともあり、 映画史に残る作品と言っても過言ではないと思う。 それだけの作品の後に作られた「トイ・ストーリー2」。 傑作のあとの続編が名作であったためしはほとんどなく、大きな期待はしなかった。 しかし、これが素晴らしかった。 2作目のジンクスを見事に覆した。 その後作られた「トイ・ストーリー3」。 完璧な続編のあとの3作目が面白いはずもなく、心配しかなかった。 しかし、これがまさかの傑作。 3連続の大成功は奇跡的。 そして、「トイ・ストーリー4」。 せっかくパーフェクトな3部作が完成したのに、4は蛇足だと思った。 しかし、不安に反して2も3も面白かったから、ひょ..

  • 新しい日銀総裁 できない理由を並べる方はご勘弁を

    日本銀行総裁の人事がマスコミをにぎわせている。 総裁の任期は5年であり、 現在2期目を迎えている黒田総裁の任期切れが目の前だから、それも当然である。 総裁を2期務められるのはかなり異例のこと。 黒田総裁は、安倍元総理の就任と歩調を合わせ、長くこの地位におられたので、 変わられるとなるとかなりインパクトが大きい出来事となる。 黒田総裁は、アベノミクスを進めるうえで大きな役割を担われた。 アベノミクスは、 ・大胆な金融政策 ・機動的な財政政策 ・民間投資を喚起する成長戦略 の3本の矢を柱としていたが、 そのうちの金融政策は日銀に負うところが大きかった。 しかし、 目標としていた2%のインフレはなかなか達成できず、 金融緩和の出口も見えてこないというなかで、 黒田総裁に対しては、厳しい評価も少なくない。 正当に評価すべき点も多々あると思うが、 これ..

  • 映画評 「金の国 水の国」

    本作は、岩本ナオさんによるコミックを原作に、マッドハウスがアニメ化したもの。 未読だが、原作の漫画作品は、 「このマンガがすごい!オンナ編1位」「マンガ大賞2017第2位」 など、評価が高いそうだ。 予備知識はまったくなかったが、予告編に惹かれて劇場へ。 結果、十分過ぎるほど楽しませていただいた。 ストーリーは、 長年敵対し続けてきた、金の国の王女(といっても末端)と水の国の貧しい建築士が、 国の思惑により偽りの夫婦を演じたことをきっかけに両国の未来を変える、 というもの。 斬新なストーリーというわけではなく、 ありそうな展開の連続ではあるのだが、 ずっと楽しく見続けることができた。 もちろん原作がよくできているのだろうが、 2時間の映画作品としてしっかりまとめた脚本も素晴らしかった。 脚本は坪田文さんという方で、 前作の「ずっと独身でいるつもり?」は困..

  • 性懲りもなく 3年目の遠投77mプロジェクト

    東京オリンピック・パラリンピックが開催された2021年に、 個人的なおバカ企画として取り組んだ、 「55歳過ぎ腰痛持ち 遠投77mプロジェクト」。 草野球をやってるわけでもない、 運動しているわけでもない初老のおっさんが77m投げるのはそれなりにキツイが、 オリパラアスリートに負けまいと勝手に精を出した。 なぜ77mなのかというと、 2019年12月、現役復帰を目指すと宣言された新庄剛志さんのインスタに 「#SHINJO #初投げ77メートルまぁまぁやな」 とあったから。 そのときの新庄さんは、長いブランクの後にひょいと投げられたのであり、 77m投げたところで新庄さんに近づくわけではないが、 目標としてはちょうどいいように思えた。 60mでは短すぎるし、 80mを超えるとちょい長い。 しかし、2021年は60mまでは順調に伸びたがその先にたどり着けず..

  • 2022年の日本映画を振り返る ~ その5 「2022年私の選ぶ10本 その2」 ~

    2022年に観た映画の中からベスト10を選ぶ個人的企画の続き。 前回、外せない作品として以下の5本を選出した。 「すずめの戸締り」 「マイスモールランド」 「ハケンアニメ!」 「愛なのに」 「恋は光」 残りの5本を、心に残った以下の作品たちの中から選んでみたい。 「ヘルドッグス」 「さかなのこ」 「前科者」 「神は見返りを求める」 「シン・ウルトラマン」 「ケイコ 目を澄ませて」 「四畳半タイムマシンブルース」 「ちょっと思い出しただけ」 「サバカン SABAKAN」 「破戒」 「LOVE LIFE」 「神田川のふたり」 「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」 「土を喰らう十二ヵ月」 「コンフィデンスマンJP 英雄編」 なお、日本アカデミー賞で最多ノミネートとなった「ある男」は、ちゃんと作られた作品だと..

  • 映画評 「レジェンド&バタフライ」

    木村拓哉さんが織田信長役を演じ、 綾瀬はるかさんが濃姫を演じる。 さらに、監督を「るろうに剣心」大友啓史さんが、 脚本を「コンフィデンスマンJP」などの古沢良太さんが担当する。 お祭り感満載の映画である。 シリアスに観ると、 役を木村さんと綾瀬さんに寄せ過ぎてしまったために、 奥行きがなくなった気がするし、 信長や濃姫の真の姿から離れ過ぎてしまった感もある。 しかし、この二人くらいの存在になれば、 俳優が役に寄せるというより、 役を俳優に寄せるというのもありだろう。 木村さんは青年期の信長をそのまま演じられるほど若々しくカッコいいし、 綾瀬さんは凛として美しい。 そうした姿がしっかりおさめられているというだけで、 映画としては成り立っていると言っていいだろう。 私の大好きなアニメ映画「映画大好きポンポさん」で、 ポンポさんが 「映画は女優を魅力的..

  • キネマ旬報ベスト・テンに首を傾げる

    日本に数々の映画賞があるが、権威と格式という点では、 このキネ旬ベストテンが一番だろうか。 今年で96回目。 アメリカのアカデミー賞が今年で95回目であり、それより先輩というのが売りの一つ。 映画ファン注目の2022年のベスト・テン作品が、以下のように発表された。 第1位 ケイコ 目を澄ませて 第2位 ある男 第3位 夜明けまでバス停で 第4位 こちらあみ子 第5位 冬薔薇(ふゆそうび) 第6位 土を喰らう十二ヵ月 第6位 ハケンアニメ! 第6位 PLAN 75 第9位 さがす 第9位 千夜、一夜 ふむ。 正直、納得の順位と思う人はごくごく少数ではないだろうか。 例年そうした傾向はあるが、 興行的に成功した作品が全く入っていない。 ヒットする作品と評価すべき作品が異なるのはわかるが、 これだけ違うとそれはそれでしっく..

  • 児童手当の所得制限撤廃で何を目指すのか、どんな効果を見込むのか ~1,500億円の意味はあるか~

    政府が児童手当について所得制限を撤廃する方向で調整に入った と報道されている。 この件に関しては、野党ももろ手を挙げて賛成のようだし、 世の中的にも好感を持って迎えられているようだ。 所得制限を設けることが不適切であることを解説している方も多々おられる。 だから、きっと実施されるのだろう。 実施されるのは不可避として、 何のために? 何を目指して? どういう効果を目指して? 税金を投じて新たな施策を展開する以上、 それで何を目指すのか、 どんな効果を見込んでいるのか、 ということははっきりしていただきたいところである。 所得制限撤廃については約1,500億円が必要という。 「そもそも所得制限は無い方がいいものなので」 という理由だけで予算化すべき額ではないと思う。 ちなみに、 負の遺産呼ばわりされている国立競技場の公費負担は年間約10億円と報..

  • 2022年の日本映画を振り返る ~ その4 「2022年私の選ぶ10本 その1」 ~

    2022年の日本映画を振り返るシリーズの4回目。 前回は「困った映画」について書いたが、今回はよかった映画について。 当然、今回の方が楽しく書ける。 2022年に私が観た邦画は115本。 その中から心に残ったベスト10を選んでみたい。 これは外せない、とパッと浮かんだのは、 「すずめの戸締り」 「マイスモールランド」 「ハケンアニメ!」 「愛なのに」 「恋は光」 の5本。 「すずめの戸締り」は、現役最高のヒットメーカーである新海誠監督による震災をテーマにした作品。 映画会社の期待どおりにメガヒットを記録し、 なおかつ作家性も保たれている。 その覚悟に撃ち抜かれた。 「マイスモールランド」は、川和田恵真監督の商業映画デビュー作。 いい映画が生まれるときの奇跡が詰め込まれたような作品。 2022年の宝物。 主演の嵐莉菜さんは、これからグイグ..

  • ここのところで読んだ30冊

    ここのところで読んだ本は以下のとおり。 「一日一生」 酒井 雄哉 「アイデアのヒント」 ジャック・フォスター 「レインレイン・ボウ」 加納 朋子 「凡人のための禅語入門」 中野 東祥 「ロックンロールは死んだらしいよ」 山崎 修平 「狸の匣」 マーサ・ナカムラ 「阿川佐和子のこの棋士に会いたい」 「相続税・贈与税の入門の入門」 「ほんとうのリーダーのみつけかた」 梨木 香歩 「作家と珈琲」 「ランチのアッコちゃん」 柚木 麻子 「廃線寸前!銚子電鉄」 寺井 広樹 「福井モデル」 藤吉 雅春 「相続はふつうの家庭が一番もめる」 曽根 恵子 「死んでいない者」 滝口 悠生 「探偵は教室にいない」 川澄 浩平 「医療機関のマネジメント・システム」 「無料定額診療事業のすべて」 「ボローニャ紀行」 井上 ひさし 「V字回復の経営」 三枝 匡 ..

  • 映画評 「あつい胸さわぎ」 ~ 早くも来た 年間ベストクラスの逸品 ~

    この映画を観たのは、まだ1月。 その段階で、年間ベストを言うのは相当に早い。 しかし、本作を上回る作品がおいそれとあるとは思えない。 いい映画はそういうものだが、 最初から最後までワクワクが途切れない。 ずっと十分に面白かったのだが、 ラストでとことんやられた。 歴史的ラストシーンとまで言いたくなるような喜びをもらった。 いいもの観た、と、思わず拳を握りしめた。 原作は、横山拓也さんという方が作・演出を務めた舞台らしい。 「朝が来る」「東京リベンジャーズ」の髙橋泉さんが脚本を担当し、 まつむらしんごさんという方が監督をされて映画化の運びとなった。 どういう経緯でこのお二人が本作に関わられたのか知る由もないが、 素晴らしい組み合わせに感謝したい。 お見事としかいいようのない仕事ぶりであった。 舞台は、和歌山県の海沿いの小さな町。 そこに暮らす母子家..

  • 2022年の邦画を振り返る ~ その3 困った映画たち ~

    2022年も月10本くらいのペースで日本映画を観た。 いい映画に巡り合いたいと思い、 それなりに選んで観に行っているつもりなのだが、 去年もやっぱりがっかりが多かった。 がっかりが多くても、大当たりもそれなりにあれば救われるのだが、 そちらも少なかった気がする。 「テーマソング」「概観」に続く邦画振り返り企画の3回目は、 「困った映画たち」 について書いてみようと思う。 まず、トンデモ映画としてぶっ飛ばされたのは 「麻希のいる世界」 という作品。 ご覧になった方は少ないだろうけれど。 「さよならくちびる」という佳作を送り出した塩田明彦監督がなんちゅう映画を。 いい作品を送り出された監督の次回作でがっかりしたと言えば、 「雨を告げる漂流団地」。 大好きな「ペンギン・ハイウェイ」を撮られた石田祐康監督の新作ということで思い切り期待したのだが、ううむ。..

  • 建設的とは思えない首相の「育児中の学び直し」をめぐる議論

    国会における岸田首相の「育児中の学び直し」についての答弁に、 なにやら強烈なツッコミが入っているらしい。 ネットにもいろいろ書き込みがあるようだし、 立憲民主党の蓮舫参院議員は 「育児の現実、両立の不安を知らない答弁を止める人が岸田総理の周辺にいないの?」 と投稿され、 共産党の小池書記局長は 「育休中にリスキリング。育休中は子育てと格闘しているときに、できるわけがない」 とおっしゃったそうだ。 ここまで言われるとは、 育児中に学び直しを義務付けるとでもおっしゃったのかと思いきや、 まったくそんなことはない。 やり取りはこんな感じであった。 【質問】 産休・育休中のリスキリングによって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする人々を支援できれば、子育てによるキャリアの停滞を最小限にし、逆にキャリアアップが可能になることも考えられる。 リスキリング..

  • 映画評 「マリッジカウンセラー」

    わかりやすい映画が好きだ。 しかし、わかりやすくて面白い映画を作るのは、実は簡単ではない。 わかりやす過ぎて、先が見え見えではつまらないし、 ご都合主義が過ぎるストーリーでは興醒めである。 期待どおりに進ませながら、なおかつ楽しませ続けるというのは、実は大変なことである。 大抵は妙にこねくり回して失敗する。 わかりやすくて思い切り楽しめた映画と言えば、 「Bの戦場」 という作品を思い出す。 そう言えば、こちらも結婚がテーマであった。 本作は、結婚相談所にまつわるあれやこれやを描いたコメディ。 不動産会社のモーレツ社員だった男が結婚相談所への出向を命じられ、 最初は馬鹿馬鹿しいと思っていたが、段々その意義に目覚め、 失敗を重ねながらも奮闘する。 主演の渡辺いっけいさんが、実にわかりやすい演技で盛り上げてくださる。 渡辺さんは、この映画の舞台となっている愛..

  • 少子化問題の「当事者」とは

    岸田首相が、少子化問題に本気で取り組む姿勢を強調しておられる。 施政方針演説でも、かなりの部分をこの問題に割かれた。 具体的にはこんな感じである。 ・・・ 施政方針演説引用 ・・・ 「急速に進展する少子化により、昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、わが国は、社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれています。子供・子育て政策への対応は、待ったなしの先送りの許されない課題です。 子供ファーストの経済社会をつくり上げ、出生率を反転させなければなりません。 こども政策担当大臣に指示した、3つの基本的方向性に沿って、子供・子育て政策の強化に向けた具体策の検討を進めていきます。高等教育の負担軽減に向けた出世払い型の奨学金制度の導入にも取り組みます。 検討に当たって、何よりも優先されるべきは、当事者の声です。まずは、私自身、全国各地で、子供・子育ての「当事者」..

  • 「野球」のWBCでの優勝を心から祈る

    2006年に開催された第1回のWBCで、 日本チームは見事に初代王者の栄冠を勝ち取った。 私は自分でも驚くほど興奮し、感激した。 自分のことでもない、 身内のことでもないことで、 こんなに嬉しい気持ちになれるものかと驚いた。 第2回大会でも日本は優勝し、連覇を果たした。 決勝戦でのイチローの決勝打は、 日本スポーツ史に燦然と輝く名シーンである。 第3回、第4回大会は、惜しくも準決勝で敗退。 それでも4大会すべてでベスト4に入っているのは日本だけだから、 これまでのWBCでは、十分に野球大国の力を見せてきたと言えるだろう。 いよいよ第5回大会が近づいている。 これまでも大きな注目を集めてきたが、 今回はさらに関心が高まっている感がある。 その一番の理由は、何といっても大谷の参加であり、 ダルビッシュ、鈴木といったメジャー組の加入である。 アメリカ..

  • 日本アカデミー賞 「ハケンアニメ!」のノミネートは嬉しい

    日本アカデミー賞のノミネートが発表された。 例年、ノミネートされた作品や俳優さんたちを眺めていると。 「なんでそれを選ぶかな?」 「なんであれを選ばないかな?」 という「?」が頭に浮かびまくる。 今年も、そうした感想を持たないわけではない。 しかし、この一点ですべて許せてしまう。 私の大好きな「ハケンアニメ!」への高評価である。 「ハケンアニメ!」は、優秀作品賞をはじめ、 優秀監督賞、優秀主演女優賞、優秀助演男優賞、優秀助演女優賞に選ばれている。 これは素直に嬉しい。 私が去年複数回観た映画は、 「ハケンアニメ!」と「恋は光」の2本だけ。 残念なことに、この2本とも興行的には成功しなかった。 作り手の思いのこもった作品が、 掛け値なく面白い作品が、 多くの人に知られないまま埋もれて行ってしまうのは悲しい。 だから、このノミネートは嬉しい。 ..

  • 映画評 「イチケイのカラス」

    テレビドラマの映画化、 というと、いい顔をしない映画ファンも少なくないと思うが、 雑食の私はなんでも観る。 「コンフィデンスマン」シリーズのように面白い映画もあるし。 本作の監督は、コンフィと同じ田中亮さんだし。 ドラマ版は未見。 映画になるくらいだからそれなりの人気作だったのだろうと思うが、 どんな話かも全く知らなかった。 映画は、というと、 残念。 典型的なドラマからの映画化の失敗パターン。 スクリーンのサイズに合わせてなのか、 金を取る以上、話を大きくしなきゃと思うからなのか、 予算が大きくなったから、つい、なのか、 やたらと風呂敷を広げ、 収拾はつかず、興味も湧かず、説得力もなく、 という例の奴。 フジのドラマらしい軽いノリと豪華キャストも、 ふわふわした脚本のもとに大きなスクリーンで観ると空回る。 黒木華さんの演技でなんとか持たせ..

  • 2022年の邦画を振り返る ~ その2 概観 ~

    勝手に2022年の邦画を振り返る企画の第2回。 1回目は「2022年映画音楽大賞」として、 「ちょっと思い出しただけ」より「ナイトオンザプラネット」を勝手に選ばせていただいた。 2回目の今回は、概観。 2022年はコロナ禍3年目。 映画館が閉鎖されたりすることはなく、 座席制限もなく、 ほぼほぼ通常営業に戻った。 しかし、撮影の苦労は相変わらずだったと思う。 同時期に同じ監督さんや俳優さんの作品が重なったのも、 そのあたりが影響したのだろうか。 アニメ作品が強いのも相変わらず。 邦画の興行収入ランキングはこんな感じであった。 1 ONE PIECE FILM RED 2 すずめの戸締まり 3 名探偵コナン ハロウィンの花嫁 4 THE FIRST SLAM DUNK 5 キングダム2 遥かなる大地へ 6 シン・ウルトラマン 7 余命10年 ..

  • 後夜祭でライディーン

    1980年代初頭。 高校の後夜祭でYMOの「ライディーン」で踊ることが流行った。 はずだ。 ひょっとしたらごくごく局地的なムーブメントだったかもしれないが、 「ライディーン」をうまく踊れるかどうかが、 女子とコミュニケーションを図るうえでやたらと重要である時期があった。 ほかにも、「ジンギスカン」とかも流れたが、ちょっとこちらはコミカルな面もあり、 本命は「ライディーン」だった。 竹の子族の影響もあったのかしら。 YMOがデビューしたのは、 私が後夜祭で踊る数年前のこと。 気の利いた友人たちは、 「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」 「増殖」 といったアルバムを聞いていた。 それに感化されて 「いいものもある、悪いものもある」 といったフレーズが飛び交っていた。 私は、YMOには深入りしなかったし、 坂本龍一さんにも、細野晴臣さんにものめり込..

  • 盛岡の皆さん、おめでとうございます

    アメリカのニューヨーク・タイムズ紙が「2023年に行くべき世界の52カ所」を発表した。 そこで、ロンドンに続き2番目に紹介されたのが、 岩手県の盛岡市である。 日本の52カ所、ではない。 世界の52カ所、である。 この記事を読んで、早速盛岡を訪れている外国人観光客もおられるようだ。 盛岡が選ばれた理由としては、 ・東京から新幹線で数時間で行ける ・大正時代に建てられた和洋折衷の建築や現代的なホテルのほか、伝統的な旅館がある ・城跡が公園になっているなど、歩いて楽しめる街である ・川が流れ、自然に満ちている ・車で1時間ほど走ると素晴らしい温泉がいくつもある などが挙げられている。 「東京から新幹線で数時間」と言い出したら、 日本中の多くの都市が当てはまると思うが、まあそれはそれとして。 なんでも盛岡は、古い街並みを残すためにコツコツ取り組んできたのだそ..

  • コウテイのネタを忘れない

    世の中、いろいろなことが起きるので、 ネットのニュースを見ても驚くことはあまりないが、 これにはちょっと絶句してしまった。 お笑いコンビ「コウテイ」が解散するのだという。 ここ数年、ずっと彼らには注目してきたし、期待してきた。 今年こそ跳ねるのではないか、 今年こそM-1で弾けるのではないか、 そう思ってきた。 ネタも演じ方も、 オリジナリティがあり、爆発力もあり、 彼らが売れないわけはない、 いや売れるべきだ、 と思ってきた。 二人の関係がそれほどよくないのは知られた話だったと思う。 2013年に結成し、すぐに解散し、半年後に再結成、 2016年にもコンビ仲の悪化により2度目の解散をし、10月に再々結成、 という経緯がある。 仲良しコンビではない緊張感がいい方に作用するのではないかと思っていたが、 残念である。 解散の理由は、 漫才の方..

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