~神経細胞の陰に隠れたスター~脳は、神経細胞、グリア細胞などで構成されています。これまで睡眠覚醒は主に神経細胞によって制御されていると考えられてきました。しかし、近年、睡眠覚醒におけるグリア細胞の役割に注目が集まっています。今度、北海道大学大学院理学
糖鎖ショップ(糖鎖サプリメント、ダイナトーサを販売中)店長の健康談話と、ひとりごと!
糖鎖ショップ:http://www.tousashop.jp/ の店長まるふくのブログです。糖鎖の働き、健康談話などを紹介しております。
~神経細胞の陰に隠れたスター~脳は、神経細胞、グリア細胞などで構成されています。これまで睡眠覚醒は主に神経細胞によって制御されていると考えられてきました。しかし、近年、睡眠覚醒におけるグリア細胞の役割に注目が集まっています。今度、北海道大学大学院理学
~"絆"によって生まれるオキシトシンの健康メリットの新事実~今度、慶應義塾大学医学部のグループは、先端医科学研究所および自治医科大学のグループと共に、社会的孤独が脳視床下部でのオキシトシンの分泌を減少させ、肝臓における脂質代謝異常を招くことで動脈硬化を
~腸内菌は脳で新しく生まれる神経細胞を正常に発達させるキープレイヤー~成体神経新生は、大人になってからも脳が新しい神経細胞を作り出す現象のことです。哺乳類では、特に海馬という脳の領域で起こることが知られています。ここで新しく作られた神経細胞は、記憶や学
食品に含まれる共役脂肪酸ががん細胞を死滅させるメカニズムを発見
~食品中成分を活用した新規がん予防・治療法の開発に期待~共役脂肪酸とは乳製品や肉製品に含まれる共役リノール酸や、(桐、ゴーヤ、ザクロなど)一部の植物体や種子中に存在する共役リノレン酸など、食品に含まれる特殊な脂肪酸の総称です。古くから抗腫瘍作用を有する
筋萎縮性側索硬化症(ALS)におけるオリゴデンドロサイトの異常がマウスの運動障害を惹起する
今度、名古屋大学環境医存研究所の堀内麻衣研究員、渡邉征爾講師、山中宏二教授の研究グループは、荻明男教授らと共同してALSの原因遺伝子産物であるTARDNA結合タンパク質43(TDP-43)がグリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイトにおいて過剰に発現する
~有効な末梢神経再生方法の開発に期待~今度、北海道大学大学院医学研究院の角家健特任准教授、鈴木智亮客員研究員らの研究グループは、軸索(神経細胞が情報を伝える導線に相当する部分)の再生を促す分子を発見しました(2024年12月10日リリース)。末梢神経
~交感神経の理解をメジャーアップデートへ~ヒトを含む動物のさまざまな臓器は、交感神経と副交感神経が拮抗的な制御を受けています。これらの自律神経は、全身の臓器を一斉に一方向に制御するものと捉えられており、個々の臓器に特化した精細な制御があるとはこれまで一
~機械学習により記憶の古さを示す多領域活動パターンを特定~今度、理化学研究所の研究チームは、海馬・前頭前野および扁桃体の間でのダイナミックな神経活動伝達パターンが、恐怖記憶が形成された時期を反映することを発見しました(2024年12月9日リリース)。
~3歳児神話に科学的な根拠はない~かねてより日本には、子どもは3歳までは家庭において母親の手で育てないとその後の成長に悪響を及ぼすという「3歳児神話」という考えがありました。この考えに合理的な根拠がないことは厚生労働省が言及していますが、いまでも完全に
~マウスの実験で発見、性差を考慮したシフトワーカーの健康管理に期待~ヒトの体には、約24時間周期で刻まれる体内時計が備わっており、睡眠・覚醒状態や生理活動などの日内変動が制御されています。不規則な明暗環境により体内時計が乱れると、肥満や糖尿病などの疾病
細胞の老化を高感度に可視化する画期的なラマン顕微画像化法を開発
~変性タンパク質を指標とした、新たな非染色可視化法~細胞老化は、老化現象の根底にあると考えられています。老化現象のわかりやすい例は、筋肉量の減少・骨密度の低下・皮膚の弾力性低下など、年齢とともに現われる変化・機能の衰えです。細胞の老化は幹細胞の枯渇を
~脳内のカンナビノイド受容体2型への刺激が認知機能障害を改善~カンナビノイド受容体2型(CB2)は免疫系の細胞に発現しており、刺激することにより病的な炎症を抑制して、細胞を保護する役割を果たしていますが、アルツハイマー病(AD)をはじめとする神経疾患に
~古代狩猟採集民が現代日本人へ残した遺伝的遺産~現生人類(ホモ・サピエンス)が、アフリカを出て日本に到達したのは約3万8千年前と考えられています。その後の詳細はまだ分かっていませんが、日本においては、約1万6千年前に狩猟採集を主たる生活様式とする縄文文
"痛みのない"電気刺激によってがん細胞の増殖と転移が抑制される
~電気刺激を用いたがん免疫の活性化による新たながん治療の開発に期待~がん(悪性新生物)は人類にとって最も重大な疾患の一つです。近年、生体が元来持つ免疫細胞の機能によってがん細胞を排除する「がん免疫療法」と呼ばれる治療法が様々ながんの治療に用いられていま
~採血を必要としないがんの検知技術への応用に期待~エクソソームは、全ての細胞が放出する微粒子(直径40~200nm程度)であり、細胞と細胞がコミュニケーションする時の情報伝達物質として体内で機能しています。マイクロRNAはエクソソームによって運ばれる
~免疫制御因子インターフェロンγが鍵を握る抑制機構~多発性硬化症は、本来なら私たちの身体に侵入した病原体を退治してくれるはずの免疫系が暴走して自身の神経組織を傷つけてしまう自己免疫疾患の一種です。発病原因ははっきりと分かっていませんが、30歳前後での発
~マウスのグリア細胞光操作で判明~同じような経験をしても、鮮明な記憶として残る場合と、跡形もなく忘れ去る場合があります。今度、東北大学大学院生命科学研究科の山尾啓煕大学院生と松井広教授は、脳内アストロサイトに光に反応するタンパク質を遺伝子発現するマウ
~大腸カメラ小腸・大腸ステップ生検による世界初の報告~今度、大阪大学大学院医学系研究科の谷内田真一教授、国立がん研究センター中央病院の斎藤豊科長の研究グループは、大腸内視鏡(カメラ)下小腸・大腸ステップ生検を行い、右側大腸と左側大腸について異なる臓器と
~分子メカニズム解明で「眠気」などの理解深める~近年、脳の神経細胞に存在するさまざまなたんぱく質のリン酸化と呼ばれる化学修飾の状態が、睡眠と覚醒に応じて動的に変動することが観察されてきました。一方で、睡眠と覚醒の制御に関わるリン酸化を促進するたんぱく
アミロイドβ線維の成長メカニズムを解明し、アルツハイマー病の進行を阻止する新たな手がかり
~停止状態を狙え~アルツハイマー病は、記憶や認知機能の低下を引き起こす深刻な神経変性疾悪です。その原因の一つは、脳内に異常に蓄積されるアミロイドβ(Aβ)というタンパク質です。このAβが積み重なって「線維」と呼ばれる塊を形成し、これか神経細胞に悪影響
浸潤性膵管癌は、悪性腫瘍の中でも特に予後が悪く、5年生存率が非常に低いことが知られています。従来の腫瘍マーカーであるCA19-9は、診断や予後予測に使用されていますが、全ての膵癌患者で有効とは限らず、特に手術後の早期再発リスクの評価には限界があります。こ
~オキシトシン神経の機能不全とその治療可能性~社会性の不調を伴う発達障害は、数百種類による遺伝的なリスク要因と、母胎内における環境要因とが複雑に交絡して発症に至ると考えられています。そのため、脳の中でどのような神経細胞が機能低下して社会性の不調に至るの
~遺伝子伝播により獲得された病原性と治療・予防への意義~ティザレラ菌は健康な人の糞便中にも存在する常在細菌ですが、ティザレラ菌B株は、他の細菌から「水平遺伝子伝播」によって驚くほど多くの遺伝子を取り込んだ“異型”細菌株と考えられていました。今度、理化
~腸内環境の制御による腸内細菌科細菌の抑制~近年、抗菌薬が効かない多剤耐性菌による感染症が、世界中で大きな問題となっています。特に多剤耐性菌の重症感染症を引き起こすことが知られている「クレブシエラ」や「大腸菌」などの菌は、腸内に住み着いて増えることが、
~治療法の開発による健康寿命の延伸に期待~歳をとると、骨格筋はなぜ萎縮するのでしょうか?筋の柔軟性もなぜ低下するのでしょうか?効果的な予防法や治療法は何でしょうか?簡単そうに聞こえても答えのは容易ではありません。酸化ストレス軽減や適度な運動というこれ
我々は、左右の足を交互に前に出して歩きます。この左右交互の関係性が崩れてしまうと歩行機能の低下を招くため、左右の足はきっちりと交互に前に出すように比較的厳密に制御されていると予想されていましたが、歩行における複雑な身体運動のために、その実態は未解明でした
長期間の薬剤曝露によって耐性化した細菌は自身の形態を変化させ、薬剤がない状態でも形態変化が持続していることを発見
~薬に強い菌は「見た目」が違う!~これまで、抗菌薬に曝露された細菌はその形態が変化することが知られていましたが、抗菌薬がない状態の薬剤耐性細菌の形態はあまり研究されていませんでした。今度、大阪大学大学院薬学研究科の大学院生池邉美季さん(博士後期課程)
全国8地域からなる大規模認知症コホート研究で糖代謝異常と海馬亜領域体積との関連を報告
糖尿病は、認知症の危険因子とされています。糖尿病が認知症を引き起こす原因として、動脈硬化性病変、微小血管症、糖毒性およびインスリン異常といった多様なメカニズムが提唱されていますが、その詳細は十分に明らかになっていません。今度、金沢大学、九州大学、岩手医
緑茶のカテキン成分EGCGは歯周病関連細菌に対して強い抗菌効果を示す
歯周病はう蝕(むし歯)と並んで歯科の二大疾患と言われ、歯を失う大きな原因の1つです。その歯周病を引き起こす病因の1つとされるのがプラーク細菌です。今度、東北大学大学院歯学研究科の高橋信博教授、鷲尾純平准教授、安彦友希助教、樋口真由大学院生らの研究グルー
~T細胞によるセルフとネオセルフとの識別能が原因であることを発見~通常、免疫細胞はウイルス等の感染細胞等を非自己(ノンセルフ)として認識して攻撃しますが、正常な自己の細胞は認識しません。自己免疫疾患では自己の細胞や組織に対する免疫応答が起きて攻撃してし
~老化時に起こる染色体構造変化と遺伝子発現変化を発見~個体が老化すると、腸幹細胞などの組織幹細胞は、がん化し過剰に増殖することもあれば、増殖能力を失う「幹細胞疲弊」という状態になることも知られています。幹細胞疲弊は、幹細胞数の減少や組織再生能の低下を
~医科歯科連携のさらなる促進に期待~「今度、大阪大学大学院歯学研究科の大学院生の井上萌さん(博士課程)、久保庭雅恵教授、大学院医学系研究科の片上直人講師、西澤均准教授、下村伊一郎教授、大学院工学研究科の福﨑英一郎教授らの研究グループは、糖尿病集中治療の
~家族性大腸腺腫症(FAP)から知る大腸がん発生のメカニズム~今度、大阪大学大学院医学研究科、東京工業大学生命理工学院、京都府立医科大学、国立がん研究センター中央病院の研究グループは、家族性大腸腺腫症(FAP)に特徴的な腸内環境を明らかにし、ポリープか
固形がんに対し強い抗腫瘍効果をもつCAR-T細胞の作成に成功
~「疲弊」に打ち勝つ新規のCAR-T細胞療法の開発~CAR-T細胞療法は、患者の末梢血からT細胞を採取し、体外でがんを認識する遺伝子CARを導入してがん細胞を攻撃できるようにしてから患者へ再び戻す治療法です。現在B細胞性血液悪性腫瘍に対し臨床応用され
さまざまな脳の疾患で、神経細胞が過剰興奮することにより、神経細胞の異常・脱落・変性などが起こることが知られています。これらの変化を引き起こす原因の一つとしてグリア細胞の役割が注目を集めています。アルツハイマー病、てんかん、脳卒中などのさまざまな脳疾患に
~炎症性腸疾患患者の睡眠状況に関するアンケート調査結果~潰瘍性大腸炎とクローン病に大別される炎症性腸疾患は、慢性の腸炎を起こす病気です。不眠や精神的ストレスなどが症状悪化の一因になると言われてきましたが、実際の確認はできてはいませんでした。今度、東北
~アミロイドβを標的とした新規治療法の開発に貢献~超高齢化社会を迎える日本では、加齢が主原因であるアルツハイマー病(AD)の患者数は年々増加し、医療経済や介護などの社会的負担も膨大になり、その病態解明と予防・治療方法の確立は喫緊の課題となっています。
~がんの早期診断などへの応用が期待~タンパク質のアスパラギン残基に結合する「N結合糖鎖」は重要な翻訳後修飾の一つであり、いわば細胞の「顔」として機能しています。例えば、血液型も細胞表面の糖鎖構造によって決まっています。この糖鎖の種類や量は細胞の状態に
世界初!生涯をとおして脳内でニューロンが作られ続ける新規メカニズムを発見
~認知障害やてんかん発作を抑えることに成功~記憶に重要な脳の海馬には成体(おとな)になっても神経(ニューロン)を作り続ける幹細胞があります。この神経幹細胞は増殖しながら、その一部が新しいニューロンとなります。成体の脳の海馬で新しいニューロンが生涯をと
子供時代のソーシャルキャピタルが成人期のウェルビーイングの鍵
~幼児期の社会的つながりの重要性~親子関係の質や親の関与が、子どもの社会的、感情的および認知的発達に与える影響は指摘されてきましたが、家族に限定されない、子ども時代のソーシャルキャピタル(SC)との関係性については十分に研究されていませんでした。今度
新年明けましておめでとうございます。本年も皆様のご健康の力添えができれば幸いです。今後も「糖鎖ブログ」を何卒宜しくお願いいたします。2025年 元旦
ミトコンドリアの品質を維持する薬が糖尿病や脂肪肝を改善させる
糖尿病は世界中の成人の10%近くが罹患する慢性代謝疾患です。身体に取り込まれたグルコースはミトコンドリアでエネルギー源として利用されますが、糖尿病患者の組織ではミトコンドリアの形態異常が報告されていました。今度、九州大学大学院薬学研究院の西田基宏教授、
~慢性腎不全治療の負担軽減に期待~慢性腎不全はわが国の成人の8人に1人が発症する国民病とされています。ある程度進行すると症状が急激に悪化し、人工透析生活を余儀なくされます。しかし、人工透析は患者の肉体的・精神的負担が大きいため、慢性腎不全の進行を遅延さ
閉経後骨粗しょう症と体重増加を引き起こす共通メカニズムを解明
閉経後女性では、骨密度の低下と内臓脂肪の増加による体重増加が起こります。骨密度の低下は、骨折リスクを増大させ、内臓脂肪型肥満は、脂質異常症、メタボリック症候群や女性特有の乳がんなど、さまざまな疾患の発症リスクを上げます。超高齢化社会の健康寿命を伸ばすため
~生殖免疫学と細胞接着分子の関与が明らかに~不育症は「流産あるいは死産が2回以上ある状態」と定義され、日本国内では妊娠を望むカップルの5%が不育症に罹患しています。主な原因として抗リン脂質抗体症候群、子宮奇形、夫婦の染色体転座が知られる一方で、これら
~IGFBP7による心筋細胞代謝抑制メカニズムを解明~今度、東京大学大学院医学系研究科の加藤愛巳特任助教、野村征太郎特任准教授、小室一成特任教授、油谷浩幸名誉教授らの研究グループは、心不全モデルマウスを用いて、世界で初めて心不全ワクチンの開発に成功しま
~アミノ酸の保有は認知機能高値、ケトン体は認知機能低値と関連~欧米等で行われた先行研究から、代謝物の組成と認知機能との関連が示唆されており、血液中の代謝物は認知機能低下の予測因子となりうることが報告されています。しかし、アジアにおいて数千人規模を対象と
~心血管疾患イベントを超えた広範なリスク評価の重要性が明らかに~高齢化社会に伴い不整脈疾患、特に心房細動は増加の一途を辿り、80歳以上では10人に一人が罹患することが報告されています。心房細動は、直接命に関わる病気ではありませんが、血液の流れが滞るこ
妊婦の⾎中重⾦属濃度と⽣まれた⼦どもの川崎病発症との関連について
~子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)~川崎病は主に5歳以下の小児に発症する全身の血管炎で、原因は不明です。症状は眼充血・口唇発赤・全身の発疹を特徴とし、これらの症状が水銀中毒に類似している点が1970年代より指摘されてきました。また、
~フェロトーシス細胞からの抗老化シグナルを発見~フェロトーシスは2012年に報告された鉄依存性の細胞死のことで、生体内でがん細胞を取り除く、がん抑制機構として働くことが明らかになっており、近年注目されています。しかし、がん抑制以外では、フェロトーシス細
~膵がんへホウ素を使った新たな治療法開発~ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)と呼ばれるがん治療法は、がんに集まりやすいホウ素薬剤を投与して、がんに薬が集まったタイミングで、がんの部位に中性子の照射を行い、ホウ素と中性子の反応でがんをやっつける治療法です。
~ランダム化比較試験を集約したシステマティックレビューの結果~近年、近視の増加が世界的な問題となっています。近視は、近くのものははっきりと見える一方で遠くのものがぼやけて見える屈折異常で、適切な眼鏡やコンタクトレンズ等で屈折矯正を行わないと日常生活に不
~ヒストンバリアントの低下が抗体産生細胞誘導の決め手~リンパ球の一種であるB細胞は、活性化するとプラズマ細胞という抗体を分泌する細胞へと分化します。プラズマ細胞はB細胞の最終分化型であり、増殖することなく抗体産生のみを行う特殊な細胞です。抗体は感染防
~肝がんの早期発見・早期治療へ期待~近年、脂肪肝を背景とした肝がんが増加しています。脂肪肝では、肝臓が硬くなり肝硬変に至ると高い頻度で肝がんが発生しますが、少し硬い程度でも一定頻度で肝がんが発生します。このような少し硬い程度の脂肪肝の患者さんは非常に多
~最新技術で明らかにしたゴルジ体の真の姿~タンパク質への糖鎖合成は、タンパク質の機能に必須であることが知られています。主要な細胞小器官であるゴルジ体は糖鎖をタンパク質上に合成する場ですが、これまで糖鎖を合成する酵素がゴルジ体のどこに分布するか解明されて
寿命がどのように制御されているかは生物学の重要課題であり、また、健康寿命の延伸は現代社会の喫緊の課題でもあります。これまで、無脊椎動物モデルである線虫やショウジョウバエでは、生殖細胞を除去するだけで寿命が伸びることが報告されていましたが、我々ヒトを含む
~進行性予測のための新規バイオマーカー同定~間質性肺炎は慢性経過で肺に線維化をきたす難病とされ、抗線維化薬を含む治療を行っても予後不良です。線維化の進行を抑えるために早期治療が望まれているものの、その進行を予測することは難しく、治療開始が遅れるケースも
~狭窄後のトドメが分裂の決め手~エネルギー産生を担うミトコンドリアは、細胞外の環境情報に応じて分裂と融合によるダイナミックな形態変化を示すことが知られています。ミトコンドリアの分裂では、ダイナミン様タンパク質 (酵母Dnm1/哺乳類Drp1) がミトコ
テロメラーゼ逆転写酵素がこれまで知られていなかった機序でがん化を促進することを発見
~肉腫を含むがんの新たな治療法の開発に期待~今度、国立がん研究センターを中心とする共同研究グループは、テロメアと呼ばれる染色体末端を伸ばすことでがん化に関わるとされてきたテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)が、これまでとは異なる酵素活性によって、以下の
~心身症の新規治療法開発への期待~内受容感覚とは、心拍や呼吸、消化管の動きなど体内の様々な部位からの情報の知覚のことです。最近では、認知訓練によってこの内受容感覚精度が向上することが示されています。前部島皮質(AIC)は内受容感覚を処理する脳部位とし
~ストレスが血液に蓄積する~心不全は息切れやむくみを初期の症状とし、心臓が全身の血液を送り出す臓器であることから最終的に多臓器不全を生じ、死に至る症候群です。現在、様々な内服薬のほか、心不全や突然死を予防する植込みデバイスが使用されています。しかし、
~糖鎖転移酵素阻害剤を用いた副作用のないがん治療~細胞内のシアル酸転移酵素の阻害は、新たながん治療戦略として期待されますが、既存の阻害剤は正常組織にも作用してしまうため、腎臓の機能障害などの副作用を引き起こすことが課題となっていました。今度、理化学研
~腸内細菌叢解析から解明~これまでに、パーキンソン病患者のショットガンメタゲノム腸内細菌叢解析が8報の論文に報告されてきました。しかし、健常者においても腸内細菌叢は国ごとに大きく異なることから国を超えてパーキンソン病と関連ある腸内細菌・細菌遺伝子・代謝
十分な水分摂取は腸内細菌叢と免疫系の恒常性を維持し腸管感染症に対する防御能を高める
~腸内環境の維持に飲水が重要であることを発見~水は身体の50%以上を占める生体構成要素であり、消化吸収や栄養素・老廃物の運搬、体温調節など、さまざまな役割を担う、生命にとって極めて重要な物質です。水分摂取の不足は代謝性疾患の発症や早期死亡などとの関連
~PHによって恒常性を維持する巧妙な仕組み~今度、理化学研究所の福田桂太郎上級研究員、天谷雅行チームリーダー、宮脇敦史チームリーダー、慶應義塾大学医学部の伊東可寛専任講師らの国際共同研究グループは、皮膚バリア機能を担う皮膚最上層の角層が、角層PH(水素
新しく生まれた神経の回路への組み込みがトラウマ記憶の減弱に寄与する
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の新たな治療法開発に期待PTSDは、トラウマとなるような出来事を経験または目撃した人に発症する可能性のある精神疾患です。WHO(世界保健機関)によると、世界の約3.6%の人が過去1年間にPTSDを経験していると言われる
~リソソーム関連疾患の病態把握への期待~今度、九州大学大学院医学研究院の研究チームは、糖飢餓状態ではリソソーム機能は実は低下すること、その機序としてリソソームの膜上には解糖系酵素が存在しており、それらの酵素がリソソーム機能を維持しているため、糖飢餓では
~ウイルス蛋白の蓄積阻害により、予防・治療できる可能性~今度、大阪大学大学院医学系研究科の木村志保子特任助教、上田啓次教授らの研究グループは、これまで未解明であった、インフルエンザ脳症の発症のメカニズムを解明しました。インフルエンザウイルスが脳血管内
~よく使われる遺伝子の傷は素早く治される~今度、名古屋大学環境医学研究所の岡泰由講師、中沢由華講師、嶋田繭子技術員、荻朋男教授らの研究グループは、アルデヒドによりできたDNAの傷が素早く治される仕組みを解明することで、遺伝性早老症や老化の原因の一端を明
~個別化されたより効果的な歩行リハビリテーションの開発に期待~脳卒中の患者の歩行速度は、日常生活の自立度と関連があり、リハビリテーションにとって重要な指標です。脳卒中の症状は、右脳と左脳のどちらに損傷を受けたかによって異なります。右脳はバランス、左脳
~副腎腫瘍の発生メカニズムの解明と副腎皮質疾患の治療への応用に期待~ヒトの副腎皮質は球状層、束状層、網状層からなる3層構造を形成し、3層特異的に、生命維持に不可欠なステロイドホルモン(アルドステロン、コルチゾール、副腎アンドロゲン)を分泌します。副腎
~ウイルスの生態解明やベクター開発への応用に期待~ヘルペスウイルスなど一部のウイルスは、持続感染性を有し、感染個体から免疫により排除されずに長期にわたって感染が維持されることが知られています。一方、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどを含む
~喘息の新規バイオマーカー同定~WHOの報告では、世界の喘息患者は約3億人に上り、そのうち25万人が喘息のために死亡しています。国内の調査では、成人の喘息有病率4.2%で増加傾向にあります。喘息の治療法が大きく進歩してきたものの、喘息は年々増加する傾向
~リソソームの破裂とリソファジーの機能低下が異常を拡大する~これまでにパーキンソン病患者の脳内では、αシヌクレインというタンパク質が異常となり、異常なαシヌクレインが細胞間を伝わり、次の細胞の正常なαシヌクレインを異常にしてしまい、脳内でどんどんαシヌ
~オミクス解析による分子病態理解と治療法開発への期待~自閉スペクトラム症(ASD)は、社会的コミュニケーションの問題と、限局された行動・興味を主な症状とする発達障害の一群です。最近のアメリカでの疫学調査では、8歳の子どもの2.8%程度がASDと診断され
~肥満や糖尿病の発症機序解明に期待~脂肪組織にはいくつかの種類があります。白色脂肪組織(WAT)はエネルギーの貯蔵や供給を行うのに対し、褐色脂肪組織(BAT)はエネルギーの燃焼に重要なミトコンドリアが多く、熱を生み出す組織として知られています。個体が
~日本人の50人に1人が斜視である~斜視は両眼の視線がずれいてる疾患です。複視が生じたり、遠近感がつかめなかったり、日常生活に支障をきたすことが多いですが、実際にどの程度の患者が存在して困っているのか、世界的に見ても全国調査を行った研究はありませんし、
~治療抵抗性の血小板減少症患者の解析から解明~今度、名古屋大学糖鎖生命コア研究所の近藤裕史講師らの研究グループは、The First Affiliated Hospital of Soochow University(中国)のルル・ホァン大学院生、Ok
~ラベルフリーの分光法で血中バイオマーカーを高感度検出~がん組織そのものへのアクセスが難しい脳腫瘍では、血液など患者さんの負担が少ない検体から疾患に関する情報を得ることが期待されます。特に、神経膠腫(悪性脳腫瘍のひとつ)の治療方針決定に際しては、腫瘍
~肥満による生活習慣病の画期的な予防・治療法へ大きな1歩~今度、名古屋大学大学院医学系研究科の研究グループは、大阪大学医学部附属動物実験施設、東京大学医科学研究所、名古屋大学環境医学研究所との共同研究により、加齢性肥満(中年太り)の原因となる脳の仕組み
~CHD8遺伝子変異による自閉症発症のリスク予測と実証~自閉症は「対人コミュニケーション障害」と「活動や興味の範囲の著しい限局性」を主な特徴とする神経発達障害であり、その発症頻度は総人口の約1.5%と非常に高い一方で、根本的な治療法や正確な診断方法など
腸内細菌叢が母親の育児ストレスや心身のレジリエンスに関連する
~腸内細菌叢・自律神経機能・身体状態から包括的にこころを支える支援を目指して ~育児ストレスは、母親の精神疾患(うつ病や不安障害など)や児童虐待のリスクを高める主因子のひとつです。母親の精神疾患リスクを予防・緩和するには、育児ストレスを起こす要因を明ら
~トロンボスポンジン1による強膜リモデリング~この50~60年の間で全世界の近視は爆発的に増加し、特にアジア圏では顕著であり、調査研究では東京都内の中学校において約95%の生徒が近視であることが明らかとなっています(2019年)。眼球は強膜(いわゆる
酸化ストレスは消化管がんの誘発要因と考えられていますが、どのように正常細胞をがん細胞へと変化させるのか、その仕組みは十分に理解されていませんでした。今度、九州大学大学院医学研究院、国立環境研究所、国立医薬品食品衛生研究所の研究グループは、酸化されたDN
~手綱核アストロサイトによる神経活動制御の解明~私たちは、えも言われぬ不安感に襲われることがあります。これは潜在的な危険を無意識に察した結果と言えます。したがって、不安は生存に有利ですが、不安が過剰になると適応障害にもつながります。今度、東北大学大学
~遊離糖鎖が肝臓から分泌~今度、理化学研究所の黄澄澄協力研究員、鈴木匡主任研究員らの共同研究グループは、血液中に存在する多様な"細胞外遊離糖鎖"が肝臓から分泌されていることを発見しました(2024年2月9日リリース)。鈴木主任研究員らはこれまで、糖鎖
~自己免疫疾患を防ぐ胸腺オートファジーの誘導機構を解明~免疫は、細菌やウイルスなどの外部からの異物を攻撃して生体を守るしくみですが、免疫の調節機構に異常が生じると自己免疫疾患を発症します。免疫において中心的な役割を果たす細胞はTリンパ球です。Tリンパ
網羅的なゲノム解析で成人女性の冷え症と関連する遺伝要因を発見
冷え症は、腰や手足などを冷たく感じ、痛みなどを伴うことが知られている状態です。女性に多く、その原因は、女性ホルモンの乱れや自律神経の失調など、さまざまな要因が考えられています。今度、慶應義塾大学医学部の呉雪峰研究員、吉野鉄大特任講師、三村將名誉教授、(
~泉質ごとに異なる腸内細菌が増加、温泉の効果解明に貢献~温泉は長い歴史を通じて、健康の増進や病気の治療に利用されてきました。日本には化学物質の種類と濃度により10種類の療養泉(泉質)があり、それぞれ効能が異なると伝えられてきました。一方で、それらが健康
~自己免疫疾患・アレルギーの新たな治療薬開発への応用に期待~病原体が体内に侵入すると、樹状細胞やマクロファージなどは、ウイルスや細菌を貪⾷・分解し、異物断⽚(抗原)を提⽰します。T細胞表⾯に存在するT細胞受容体(TCR)が抗原を認識すると、T細胞が活性
~腸の幹細胞では細胞死のフィードバック機構が働かない~組織幹細胞は、体のさまざまな組織に存在する未分化な細胞であり、組織の維持や再生に寄与しています。哺乳類やショウジョウバエなどのさまざまな生物において、組織幹細胞は死ににくいことが知られています。例
~日本人の飲酒行動を決定づける遺伝的構造の解明と食道がんリスクとの関連~これまでの研究で、人がどれだけお酒を飲むかは遺伝によっても影響を受けることが分かっています。お酒を飲むと、アルコールは主にアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドに分解され、アセ
分娩回数が多い女性ほど高血圧予防のための適切な体重維持が重要
60歳以上の日本人女性の約60%が高血圧を有しており、特に分娩と妊娠高血圧症候群は女性特有の高血圧のリスク因子であることが知られていますが、分娩回数と高血圧の関連についてコンセンサスが得られた見解はありません。今度、東北大学大学院医学系研究科の岩間憲之
抗老化候補物質NMN長期内服の健康成人における安全性が明らかに
今度、慶應義塾大学医学部の伊藤裕前教授、林香教授、山口慎太郎専任講師、坪田一男教授、安井正人教授、岡野栄之教授らの研究グループは、抗老化候補物質として注目されているNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)が、健康なヒトにおいて長期間安全に内服可能である
神経性やせ症(拒食症)における脳灰白質体積の減少と症状の重症度との関連を明らかに
~大規模共同研究が新たな知見を提供~拒食症の病態理解のための脳MRI研究は世界中で行われていますが、症例数が不十分であるため、結果の一貫性に疑問が呈されていました。これらの課題を受けて、国際的な共同研究組織は、世界中の研究施設から拒食症の脳MRIデー
B型肝炎ウイルスは肝細胞膜に存在する胆汁酸輸送体NTCPを受容体として利用し、肝細胞に感染することが知られています。今度、東京大学大学院薬学系研究科、横浜市立大学大学院生命医科学研究科、京都大学大学院医学研究科、国立感染症研究所の共同研究チームは、以下
今度、東京大学医学部附属病院、京都大学大学院医学研究科、江戸川大学社会学部、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構らの研究グループは、系統的レビューと要素ネットワークメタアナリシスを実施し、不眠症の認知行動療法の有効な要素を明らかにしました(2024年1月1
~病気の発見、予防、治療への糖鎖の利用を促進~従来型の方法では細胞内のRNA発現のみを解析可能であり、細胞表面に局在する生体分子である糖鎖の情報を直接解析できませんでした。糖鎖は多様性が大きく分岐構造があるなどの理由から、その解析には多大な時間と労力が
安全で効果的なアレルギー治療を可能にする経口ナノ粒子製剤の開発に成功
~乳幼児からはじまるアレルギーマーチを早期に断ち切る治療薬へ期待~花粉症をはじめとするアレルギーは国民病となっています。現在、舌下療法などのアレルゲン免疫療法が根治療法として広く用いられていますが、口の中やのどの腫れ、かゆみなどの副作用の発症率が高く、
知的障害関連タンパク質LG13が脳内の神経伝達を制御する仕組みを解明
近年、LG13遺伝子の変異が遺伝性の知的障害を引き起こすことが報告されていましたが、その機序はこれまで明らかにされていませんでした。今度、名古屋大学大学院医学系研究科の宮﨑裕理助教、深田優子准教授、深田正紀教授らの研究グループは、生理学研究所の大塚岳助
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~神経細胞の陰に隠れたスター~脳は、神経細胞、グリア細胞などで構成されています。これまで睡眠覚醒は主に神経細胞によって制御されていると考えられてきました。しかし、近年、睡眠覚醒におけるグリア細胞の役割に注目が集まっています。今度、北海道大学大学院理学
~"絆"によって生まれるオキシトシンの健康メリットの新事実~今度、慶應義塾大学医学部のグループは、先端医科学研究所および自治医科大学のグループと共に、社会的孤独が脳視床下部でのオキシトシンの分泌を減少させ、肝臓における脂質代謝異常を招くことで動脈硬化を
~腸内菌は脳で新しく生まれる神経細胞を正常に発達させるキープレイヤー~成体神経新生は、大人になってからも脳が新しい神経細胞を作り出す現象のことです。哺乳類では、特に海馬という脳の領域で起こることが知られています。ここで新しく作られた神経細胞は、記憶や学
~食品中成分を活用した新規がん予防・治療法の開発に期待~共役脂肪酸とは乳製品や肉製品に含まれる共役リノール酸や、(桐、ゴーヤ、ザクロなど)一部の植物体や種子中に存在する共役リノレン酸など、食品に含まれる特殊な脂肪酸の総称です。古くから抗腫瘍作用を有する
今度、名古屋大学環境医存研究所の堀内麻衣研究員、渡邉征爾講師、山中宏二教授の研究グループは、荻明男教授らと共同してALSの原因遺伝子産物であるTARDNA結合タンパク質43(TDP-43)がグリア細胞の一種であるオリゴデンドロサイトにおいて過剰に発現する
~有効な末梢神経再生方法の開発に期待~今度、北海道大学大学院医学研究院の角家健特任准教授、鈴木智亮客員研究員らの研究グループは、軸索(神経細胞が情報を伝える導線に相当する部分)の再生を促す分子を発見しました(2024年12月10日リリース)。末梢神経
~交感神経の理解をメジャーアップデートへ~ヒトを含む動物のさまざまな臓器は、交感神経と副交感神経が拮抗的な制御を受けています。これらの自律神経は、全身の臓器を一斉に一方向に制御するものと捉えられており、個々の臓器に特化した精細な制御があるとはこれまで一
~機械学習により記憶の古さを示す多領域活動パターンを特定~今度、理化学研究所の研究チームは、海馬・前頭前野および扁桃体の間でのダイナミックな神経活動伝達パターンが、恐怖記憶が形成された時期を反映することを発見しました(2024年12月9日リリース)。
~3歳児神話に科学的な根拠はない~かねてより日本には、子どもは3歳までは家庭において母親の手で育てないとその後の成長に悪響を及ぼすという「3歳児神話」という考えがありました。この考えに合理的な根拠がないことは厚生労働省が言及していますが、いまでも完全に
~マウスの実験で発見、性差を考慮したシフトワーカーの健康管理に期待~ヒトの体には、約24時間周期で刻まれる体内時計が備わっており、睡眠・覚醒状態や生理活動などの日内変動が制御されています。不規則な明暗環境により体内時計が乱れると、肥満や糖尿病などの疾病
~変性タンパク質を指標とした、新たな非染色可視化法~細胞老化は、老化現象の根底にあると考えられています。老化現象のわかりやすい例は、筋肉量の減少・骨密度の低下・皮膚の弾力性低下など、年齢とともに現われる変化・機能の衰えです。細胞の老化は幹細胞の枯渇を
~脳内のカンナビノイド受容体2型への刺激が認知機能障害を改善~カンナビノイド受容体2型(CB2)は免疫系の細胞に発現しており、刺激することにより病的な炎症を抑制して、細胞を保護する役割を果たしていますが、アルツハイマー病(AD)をはじめとする神経疾患に
~古代狩猟採集民が現代日本人へ残した遺伝的遺産~現生人類(ホモ・サピエンス)が、アフリカを出て日本に到達したのは約3万8千年前と考えられています。その後の詳細はまだ分かっていませんが、日本においては、約1万6千年前に狩猟採集を主たる生活様式とする縄文文
~電気刺激を用いたがん免疫の活性化による新たながん治療の開発に期待~がん(悪性新生物)は人類にとって最も重大な疾患の一つです。近年、生体が元来持つ免疫細胞の機能によってがん細胞を排除する「がん免疫療法」と呼ばれる治療法が様々ながんの治療に用いられていま
~採血を必要としないがんの検知技術への応用に期待~エクソソームは、全ての細胞が放出する微粒子(直径40~200nm程度)であり、細胞と細胞がコミュニケーションする時の情報伝達物質として体内で機能しています。マイクロRNAはエクソソームによって運ばれる
~免疫制御因子インターフェロンγが鍵を握る抑制機構~多発性硬化症は、本来なら私たちの身体に侵入した病原体を退治してくれるはずの免疫系が暴走して自身の神経組織を傷つけてしまう自己免疫疾患の一種です。発病原因ははっきりと分かっていませんが、30歳前後での発
~マウスのグリア細胞光操作で判明~同じような経験をしても、鮮明な記憶として残る場合と、跡形もなく忘れ去る場合があります。今度、東北大学大学院生命科学研究科の山尾啓煕大学院生と松井広教授は、脳内アストロサイトに光に反応するタンパク質を遺伝子発現するマウ
~大腸カメラ小腸・大腸ステップ生検による世界初の報告~今度、大阪大学大学院医学系研究科の谷内田真一教授、国立がん研究センター中央病院の斎藤豊科長の研究グループは、大腸内視鏡(カメラ)下小腸・大腸ステップ生検を行い、右側大腸と左側大腸について異なる臓器と
~分子メカニズム解明で「眠気」などの理解深める~近年、脳の神経細胞に存在するさまざまなたんぱく質のリン酸化と呼ばれる化学修飾の状態が、睡眠と覚醒に応じて動的に変動することが観察されてきました。一方で、睡眠と覚醒の制御に関わるリン酸化を促進するたんぱく
~停止状態を狙え~アルツハイマー病は、記憶や認知機能の低下を引き起こす深刻な神経変性疾悪です。その原因の一つは、脳内に異常に蓄積されるアミロイドβ(Aβ)というタンパク質です。このAβが積み重なって「線維」と呼ばれる塊を形成し、これか神経細胞に悪影響
近年、LG13遺伝子の変異が遺伝性の知的障害を引き起こすことが報告されていましたが、その機序はこれまで明らかにされていませんでした。今度、名古屋大学大学院医学系研究科の宮﨑裕理助教、深田優子准教授、深田正紀教授らの研究グループは、生理学研究所の大塚岳助
~がん患者の口腔清掃の重要性を明らかに~口腔内細菌であるミュータンス菌は、歯周炎などがあると血液循環に侵入して様々な臓器に影響を及ぼすことが報告されてきました。一方、血管炎症は血栓形成促進に働きます。がん患者の合併症として血栓症が知られており、死亡原
~現実的な実験データの制約下で適用可能なモデル~アルツハイマー病は、脳の神経細胞が徐々に変性する進行性の疾患です。主に高齢者に見られ、記憶力の低下や認知機能の障害が特徴です。原因は完全には解明されていませんが、アルツハイマー病患者の脳では、神経細胞の変
~新規の化合物iCDM-34がウイルスゲノムの合成を抑制~今度、東京慈恵会医科大学、慶應義塾大学、理化学研究所、京都大学、明治薬科大学の共同研究により、B型肝炎の完治が見込まれる新たな抗ウイルス薬の候補、iCDM-34(ピラゾール含有新規低分子化合物)
~パニック障害などの原因究明に期待~不安障害には、全般性不安障害、社会不安障害、強迫性障害や、パニック障害などいくつかのサブタイプが存在し、家族間で遺伝が認められるなど遺伝的な要因が原因の一つと考えられている精神疾患です。世界中で2億8000万人以上
~好酸球が多いがんは予後良好~食道がんは、病理学的には扁平上皮がん(SCC)と腺がんに分類されます。日本を含むアジアでは、ほとんどが食道SCCであり、発生の最大のリスク要因は、喫煙や飲酒です。食道SCCの男女別の発症の割合は6対1で多くが男性であり、非
~若齢期のみのアミノ酸摂取制限により寿命延長が可能~食餌制限が寿命延長効果を示すことはさまざまな生物で確認されており、ヒトについてもさまざまな食事制限による健康増進法が提唱されています。中でも、アミノ酸であるメチオニンは寿命に大きな影響を与えることが知
~生理・病態・環境・ホルモン・遺伝子などの影響を一つの因子で説明~今度、大阪大学大学院医学系研究科の下村伊一郎教授、福原淳範寄附講座准教授、シンジフン寄附講座助教らの研究グループは、ヒトの脂肪組織量を規定する因子としてHSP47を同定しました(2023
~かゆみ治療のためのSTAT3阻害薬開発の重要性を示唆~今度、理化学研究所の髙橋苑子研究員、落合惣太郎基礎科学特別研究員、岡田峰陽チームリーダーらを中心とした共同研究グループは、皮膚炎に伴うかゆみの伝達に、感覚神経における転写因子STAT3の活性化が重
24年4月30日(火)アップ1/30受け取り生後1歳半までの口腔細菌叢の変化を高精度に同定~離乳期の食習慣が1歳6か月児の口腔細菌叢形成に影響することが明らかに~私たちの口腔には膨大な数の細菌が生息しています。近年、この口腔細菌叢のバランス異常がむし歯や歯周
~長年の謎であった冬眠時の概日リズムのメカニズムの理解に貢献~私たちの身体を構成する細胞や臓器は約24時間のリズム持っており、心と体の健康に重要です。その24時間のリズムを制御しているのは、概日リズム中枢と呼ばれる脳の深部の視交叉上核という部分の神経細
~治療法の開発による健康寿命の延伸に期待~歳をとると、骨格筋はなぜ萎縮するのでしょうか?結合組織はなぜ増えるのでしょうか(筋の柔軟性の低下)?一見簡単そうな問でも答えるのは容易ではありません。筋の加齢変化に関連する遺伝子発現変化が多数報告されていますが
乳がんは、日本や欧米など世界的に女性が罹患する最も多いがんです。最新の統計では、生涯のうちに日本人女性の9人に1人が乳がんに罹患することが見込まれ、さらに、罹患者数のみならず死亡数も増加傾向にあり、大きな問題になっています。診断技術や分子標的薬の進歩な
~がん幹細胞によるマクロファージの老化がカギだった!~免疫系をもつ動物に「がん」が発生するのはなぜでしょうか。近年、「がん」の発端となる細胞として「がん幹細胞」が提唱されました。がん幹細胞を標的とした治療を行えば、理論上はがんの根治につながる可能性があ
~骨格筋の代謝物を標的とするサルコペニア治療法の開発に期待~糖尿病は、転倒や骨折や寝たきりに結びつくサルコペニアのリスク増加と関連しますが、サルコペニアに対する有効な治療法はありません。最近、糖尿病の治療薬であるナトリウム-グルコース共輸送体2(SG
~アルツハイマー病のスクリーニングに有用な可能性~わが国で認知症に罹患した人は2025年には675万人と推計されており、そのうち多くをアルツハイマー型認知症が占め、その数は466万人と予測されています。加えて、より若年から発症する若年性のアルツハイマ
~肺腺がんの予防・早期発見にむけた手がかりとして期待~肺がんはがん死因の一位であり、日本では年間に約7万6千人、全世界では約180万人の死をもたらしています。肺がんの中でも最も発症頻度が高く、増加傾向にあるのが肺腺がんは、肺がんの危険因子である喫煙と
~マウス糖尿病の治療に成功~多くの糖尿病は、血糖値を下げるホルモン(インスリン)を産生する唯一の細胞である膵臓のβ細胞が減少することで血糖値が上昇し発症します。このβ細胞を体内で増やす治療法が世界中で求められていますが、現在のところ開発されていません。
~液滴を介した転移促進タンパク質の分解でがんの遠隔転移を克服できる可能性~現在までに、がん細胞の増殖を抑制する薬剤として数多くのチロシンキナーゼ阻害薬(TKIs)が開発されています。これらTKIsは分子標的治療薬に分類され、少ない副作用で高い治療効果が
~経口免疫療法前後での小児の調査~食物アレルギーの基本的な対処法は、アレルゲンの除去のみでした。しかし、近年、経口免疫療法の有効性が報告されています。経口免疫療法はアレルゲンを少量から徐々に増やして摂取することで、免疫寛容を誘導します。また、免疫寛容