『大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起 (集英社新書)』を読んだよ。もう一度、大学とは何か。副題は「トップユニバーシティーからの問題提起」。ここでのトップユニバーシティーとは、苅谷先生のオックスフォード大学と吉見先生の東京大学のことなんだと思う。ということで、本書はこの二人の先生の対談をまとめたもの。大学を取り巻くあれこれを話しているけれども、テーマは結局は「大学とは何か」に尽きると思う。では、どのような対談になっているのか。まずは、ビジョンの話。いずれにしても、さっき言ったように、大学は何を目指すのかという軸をちゃんと設定して、大学人が意識を変えるということが求められ…
『深海生物学への招待 (幻冬舎文庫)』を読んだよ。光合成だけではなく。辺境生物学者とかいうタイトルでNHKのTV番組「爆問学問」に登場したことのある筆者・長沼毅氏。番組では科学界のインディ・ジョーンズとか言われて、世界各地の辺境地を旅する姿が紹介されていたような…。 そんな長沼先生が辺境の地の一つである深海に生息する生物とその特徴を紹介するのが本書。特にチューブワームという深海底に生息する奇妙な生物がどのような生態なのかを明らかにするよ。では、深海の生物を発見する意義はどんなところにあるのだろうか。いや、熱水生態系の発見が有する本当の意義は、単に深海観を変えたことではなく、むしろ、われわれの生…
『キャッシュレス覇権戦争 (NHK出版新書 574)』を読んだよ。電子マネーだけではなく。いわゆるスマホ決済が普及し始めたのは去年。消費税増税に伴うキャッシュレス還元もその契機になったんだと思うけど、PayPayの還元大キャンペーンも普及に大きく貢献したのだと思う。自分自身も電子マネーは使っていたけど、QRコードは使っていなかったから。そんなわけで、本書のテーマはキャッシュレス。2019年2月の発刊だから、今となってはちょっと古いという感じもするけれども、最新情報よりもそもそものキャッシュレスの狙いとか、キャッシュレス先進国である中国の事情とかが十分に参考になるよ。 では、その事情とは何か。中…
『新聞記者 (角川新書)』を読んだよ。権力との戦い。映画『i-新聞記者ドキュメント』を観て初めて知った筆者。映画の冒頭では取材ターゲットに対して執拗に食い下がり、コメントを求めようとする筆者が映し出され、その迫力に圧倒される。本書はその筆者、望月衣塑子が自身の生い立ちから取材に対する考え方、そして、実際の取材をドキュメントとしてまとめたもの。本書の冒頭は筆者の新聞記者になるまでのストーリー。官房長官の記者会見での質問で出る大きな声と度胸は、演劇で鍛えられたものだったのか…。 その記者会見について、権力者に対して記者が質問をぶつけることは当たり前のことで、本来であればもてはやされるようなことでは…
『高大接続改革: 変わる入試と教育システム (ちくま新書1212)』を読んだよ。どちらかというと教育システムの話。少し前に2021年度からの大学入学共通テストのやり方が急遽変更になったりとかでメディアに取り上げられていたけれども、その構想が発表されたのが2016年。これは、本書のタイトルにあるように「高大接続改革」の一貫であると言われているけど、そもそも「高大接続改革」って何?という感じで分かり難い。受験生やその親に取っては、「入試の方法が変わる!!」ということが最も関心があるところなんだろうけど、そもそもの背景とか意図があるはず。それを解説したのが本書。2016年秋の発刊なので、大学入学共通…
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