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北川村
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北川村
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2008/07/22

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  • 口中にて

    初めて見聞きする、という言葉と出会うことがよくある。その度に「知らなかった」と己の浅学を嘆くのだが、考えてみれば、SNS全盛の今は、日々あらたな言葉が生み出され、人の目に触れるところとなっているのだから、大方の場合のそれは、別に嘆くことはないし、ぼくの学びが浅いわけでもない。そんななか、先日聞いたのが「口中丼」。ふむ。初耳ではあるが、意味は容易に想像できる。そして実際、そのとおりではあった。白飯を主食とし,主菜,副菜,汁から構成される日本の食事様式は室町時代に完成した(らしい)。その基本的な食べ方は、飯と汁、飯と菜を交互に食べていくというものだ。つまり、飯と汁や菜を交互に食べ、口の中に残る汁や菜の味で、味が薄い白飯を食う。この食べ方を「口中調味」と呼ぶ。いつからそう呼ぶようになったかは定かではない。定説に...口中にて

  • 私的「読む」の現在地

    ぼくの「読み」が、ほぼ電子書籍になってからどのくらいの月日が経ったのでしょう。探し出すあてもないのですが、いずれにしても、十年ではきかないはずです。しかし、最初にそれをしている人を見たのは、しっかりハッキリと覚えています。山手線の車内でした。席に座ってiPadで本を読んでいるのは、四十代とおぼしき男性でした。「ふ~ん、これが噂の電子書籍というやつか」指でスワイプしながら本を読んでいる男を、珍奇なものを見るかのような目で見ていたであろうぼくの手には新書(もちろん紙です)がありました。『日本辺境論』(内田樹)です。その男の姿は、多大な影響を受けた新書の外観とともに、ぼくの網膜にしっかりと刻みこまれ今に至っています。「やっぱ紙やないと」そう思ったぼくの「読み」が、その後、ほぼKindleに変貌してしまうとは、ま...私的「読む」の現在地

  • 〈私的〉建設DX〈考〉その17 〜新しい技術を活かすのはプロの技術とシロートの発想です〜

    三遊亭圓丈発「新作を演じるのに必要なのは、プロの芸と素人の発想だ」3年前に亡くなった三遊亭圓丈の言葉だそうです。現代新作落語のパイオニア(同じ「新作」でも圓丈以前と以後では大きく異なっているような気がするので)であり旗頭であり大家として、あとにつづく噺家たちに大きな影響を与え、一部では神のように崇め奉られるほどの存在だった圓丈がどのような意味でそう言ったのか、今となっては定かではありませんが、ぼくはこれを「芸」=「技術」と置き換えることで理解し、耳にするなり、ぼくが求めてきたのはまさにそれなのだと膝を打ちました。もちろん「芸」は技術を含みはしますが、「技術」のみをもって「芸」だとするのはあまりにも乱暴にすぎる解釈でしょう。技術はあくまでも芸の一部であり、「芸=技術」でもな「芸く技術」でもなく「芸>技術」で...〈私的〉建設DX〈考〉その17〜新しい技術を活かすのはプロの技術とシロートの発想です〜

  • キレる老人

    きのう受講した、とある講習会でのことです。講習会といっても、業界で通常よくあるような技術者もしくは技能者を相手としたそれではなく、ある「業」の登録資格にからむものであったがゆえに、受講者の年齢層も比較的高いように見受けられました。おそらく、4時間という限られた時間内で定められた内容のすべてを伝えるように命ぜられているのでしょう、おまけにそのあとには試験がついているときているものですから、講師はおそろしく早口で、そのなかに重要なポイント(つまり試験に出る)の伝達が入るのですから、「聞き逃すまいぞ」とばかりの受講生たちの真剣さが会場に充満していました。さてそれは、始まって1時間も経っていたでしょうか。「ここ大事ですからね。チェックをしておいてください」講師が言いました。間髪を入れず会場の静寂を打ち破るような声...キレる老人

  • 〈私的〉建設DX〈考〉その16 ~揺り戻し~

    YAHOOニュース9/176:44配信より******【シリコンバレー共同】米IT大手アマゾン・コムは16日、従業員に原則として週5日、職場に出勤するよう要請したことを明らかにした。来年1月からこのルールの適用を開始する。アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は従業員宛ての書簡で「企業文化と社内チームを強化するため」と狙いを説明した。******Amazonでは今、少なくとも週3日の出勤が義務づけられているのだといいます。それに2日をプラスする、つまり、コロナ禍を契機として全世界にリモートワークが広がる以前の状態に戻すということ。しかも、職場に各自が作業をするためのデスクを割り当てる制度も復活させるというのですから、「へぇーあのアマゾンがねえ」と思わず二度読みをしたことでした。同じく共同通信が、4月2...〈私的〉建設DX〈考〉その16~揺り戻し~

  • 発気揚々

    ♪これがネたまるかネよんべの夢にねーとチャッチャッ好きなあのこの手をひいておんしゃなんならおらシバテンよおんちゃん相撲とろとろうチヤチャッチャッはっけよいよいはっけよいよいはっけよいよいはっけよいよいソレのこったのこったまだまだのこった♪「しばてん踊り」の一節です。シバテンとは高知県や徳島県に伝わるカッパのような姿形をした妖怪のことで、全身が毛深く、背は子どものように低いが怪力の持ち主です。だからでしょうか、その最大の特徴はといえば、人間を見ると相撲をとろうとすること。「おんしゃなんなら(オマエはなに?)」という問いかけに対し、「おらシバテンよ」と名乗り、間髪を入れず「おんちゃん(おじさん)相撲とろ」と挑んでくる上記の歌詞は、まさにその様子をあらわしたところです。といっても、土佐に古くから伝わる妖怪シバテ...発気揚々

  • 爺と少年

    夏のあいだぼくに課せられた任務のひとつに孫との川遊びがあります。やらなければならないことは幾つもあるのですが、そのなかでも重要項目として位置づけされるものです(ちなみに誰に頼まれたわけでもないのですが)。「爺いの出る幕ではないのでは」とお思いの方もたくさんいるでしょうが、そこはそれ、今という時代の子どもたちが相手なれば、昔なら先輩たちの姿を目で見て覚えたようなことでも、大人がていねいに教えてやった方がよいことが多々あります。見るところ、「川で遊ぶ」というのはそのうちの一つでしょう。そう思うがゆえに自らにその任務を与え、数年が経ちます。もちろん、相手は年々成長し、こちらは年々衰える。これが自然の理なのですから、いつまでもつづけることはできないでしょうが、ただ今のところは、まだまだ大丈夫。ということで、淵、瀬...爺と少年

  • 〈私的〉建設DX〈考〉その15 ~バランシングバー~

    ******中島西部邁先生がよく言っていたのは、現代というのは非常に変化が激しいので、まさにサーカスで綱渡りをしているようなものである、と。綱渡りをするときに、非常に重要なのは何かというと、あのバランシングバーである、と。あの棒というのが、死者からやってきた「伝統」とか「基準」というもので、これがあるがゆえに、細い、危なっかしい道を渡ることができる。みんな、バランシングバーには意味がないというふうに思いがちだけど、これが大切なんだと言っていたんです。(『ええかげん論』土井善晴、中島岳志、P.160)******公共建設業におけるDXを考えれば考えるほど、アナログを捨ててはいけないという思いが強くなってきているぼくには、このメタファーが腑に落ちます。そもそも、デジタルとアナログを二項対立的な図式で語るのが、...〈私的〉建設DX〈考〉その15~バランシングバー~

  • 心変わり

    そのメッセージが届いたのは4年前の夏の夜でした。届け主は14歳。中学2年生です。インスタグラムメッセージ上での長いチャットをかいつまみ、最重要事項だけピックアップすると、「高校を卒業したら礒部組に入りたい」と、そういう内容です。「待ってます」と返したぼくも、さすがにそのことをずっと覚えておけるはずはなく、いつしか忘却の彼方へと消え去っていました。突然思い出したのは数日前です。あの子は今、何年生だ?足し算をすればすぐにわかることですが、念のため指を折って数えてみると、ちょうど高校3年生です。さっそく連絡をとってみました。「進路は決めましたか?」しごくあっさりと、県外の建設会社に就職する旨の返事がありました。「がんばりや」と返したぼくはもちろん、彼の心変わりを責める気はありません。なんとなれば、「歳歳年年人同...心変わり

  • プロだぜ俺は

    渦中の兵庫県知事が、予約制夕食を当日に取りたいと言い出し、断られたあげくに激怒してこう言ったというニュースが全国を駆けめぐりました。「オレは知事だぞ」真偽のほどは定かではありませんが、本当だとしたら、それはもうタチの悪い冗談としか受け取れないソレを指して、ある芸人が「そんな言葉は人生で一回も使わない」とコメントしたとか。「そうでもないぞ」とぼくは思います。その手の言葉や態度を何度か見聞きしたことがあるからです。たとえば「オレは社長だぞ」すぐに幾人かの顔が思い浮かびました。その他、権力をもつ人が言いがちなのがその言葉「オレは◯◯だぞ」です。一方、ただの平社員が「オレはひらだぞ」と大見得を切ればそれはそれで格好がよいのですが、そんな人はそうそう存在するものではありません(と言いつつ、ぼくの親父がそうだったこと...プロだぜ俺は

  • 贅肉

    Audibleで藤本義一の講演録『言葉と文字』を聴き、打ちのめされたのは先月の初めでした。にもかかわらず、それから3度も繰り返して聴いてしまったのは、そのショックが真っ当な言説を聴いたがゆえのものだったからでしょう。言葉と文章はちがうと氏は言います。例として挙げたのが次の言葉です。私は妻と結婚して三十年がたった。氏によると、これは文章ではなく言葉なのだそうです。理由は、贅肉がつきすぎているから。ではどうすれば文章となるのか。この言葉を例題として、段階的に贅肉を削ぎ落としたのが次の流れです。まず「私」という主語を切る。妻と結婚して三十年がたった。しかしこれではシロート以下だそうです。次にするのは「妻」を切ることです。結婚して三十年がたった。これがわかるのが、ものを書き始めてだいたい5年ぐらい経ったころだとか...贅肉

  • おじさんたちの「ちゃんづけ」

    つぐみちゃん月に一度の社内安全パトロール日は、同時に数少ない外食ランチの日でもあります。先月のそれは、ぼくよりひとつ年上の労働安全コンサルタントさんと、四十代前半の男女4名、計6名が参加して先々週の半ばに行われました。問題が起こったのはその席でのことです。向かい合った前期高齢者ふたりの会話は、時節柄もあって、自然とパリオリンピックの話題になりました。「つぐみちゃん、帰って来るらしいねえ」「えらかったねえ、つぐみちゃん」4名のうちのひとりが口をはさみます。「誰ですか?つぐみちゃんって」ぼくとコンサルタントさんは、思わず「え?」という顔を見合わせ、ほとんど同時にその声の方を向きながら、ほぼ同じタイミングでこう言いました。「つぐみちゃんはつぐみちゃんよ」「だから誰ですか?」どうしようもない年寄りたちだという顔を...おじさんたちの「ちゃんづけ」

  • 「慣れ」の力

    昨夜、たてつづけに鳴ったLINEの着信音に、早めの就寝を決めこんでいたぼくが起こされたのは10時になる前でした。目を閉じて1時間も経っていないというのに、なぜだか不機嫌にもなることなく、パッチリと目が覚めたので確認してみると、娘からです。送られてきたのは、400字詰め原稿用紙3枚に綴られた孫の読書感想文でした。最初の3割ほどは、きれいな字で書かれており、文章もまあまあしっかりしているのですが、集中力がつづかなかったのか、あるいは気力の限界ゆえか、その後がいけません。見るからに、そして読めばなお、どんどんとまとまりのない文章になっていくのがあきらかでした。とはいえ爺バカです。内容はわるくないのになあ。ついつい身びいきしたくなってしまうぼくがいました。そのあと幾つかのやり取りがあり、しばらくして、送られてきた...「慣れ」の力

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