口中にて
初めて見聞きする、という言葉と出会うことがよくある。その度に「知らなかった」と己の浅学を嘆くのだが、考えてみれば、SNS全盛の今は、日々あらたな言葉が生み出され、人の目に触れるところとなっているのだから、大方の場合のそれは、別に嘆くことはないし、ぼくの学びが浅いわけでもない。そんななか、先日聞いたのが「口中丼」。ふむ。初耳ではあるが、意味は容易に想像できる。そして実際、そのとおりではあった。白飯を主食とし,主菜,副菜,汁から構成される日本の食事様式は室町時代に完成した(らしい)。その基本的な食べ方は、飯と汁、飯と菜を交互に食べていくというものだ。つまり、飯と汁や菜を交互に食べ、口の中に残る汁や菜の味で、味が薄い白飯を食う。この食べ方を「口中調味」と呼ぶ。いつからそう呼ぶようになったかは定かではない。定説に...口中にて
2024/09/27 07:47