小説再開までいましばらくお待ちください 小説(森野日菜) - カクヨムkakuyomu.jp 紗枝&陸編ただいま連載中。毎朝7時ごろ更新しています…
いろんな恋のカタチ。ちょこっと胸がきゅんとなるお話です。暇つぶしにケータイでも気軽に読めます!
ものすごく胸があったかくなって、ちょっぴり切ない気持ちになりたくなって書き始めました。私自身、もうそういう時間は通り過ぎてしまいましたが、もう一度そんな切ない時間を取り戻したい!
小説再開までいましばらくお待ちください 小説(森野日菜) - カクヨムkakuyomu.jp 紗枝&陸編ただいま連載中。毎朝7時ごろ更新しています…
いつもMy sweet home~恋のカタチ。を読んでくださっているみなさま。 ありがとうございます。 ここのところ休みがちでなんかホント自分のダメさに落ち込…
いつもMy sweet home~恋のカタチ。をご覧くださってありがとうございます。 真緒&初音編のつづき、をお送りしてまいりました。 二人は純粋に出会って惹…
北都家の広いリビングで北都夫妻、初音の父、そして真緒が向かい合った。 「・・少し浜松へ行くのが早くなりました。」 ゆっくりとした口調で初音の父が口を開いた。 …
「でもね。一つだけ言えるのは。ぼくらの結婚は何の計算もない、どこにでもある何の変哲もない普通の結婚だってこと。誰に何を言われようと関係ない。何も知らない人たち…
「もう。いいです、」 愛は真緒の言葉を遮るように静かに言った。 「え、」 「・・彼が好きなこと、好きなものなんか。知らなかった、」 ガラスの向こうの景色を見た…
初音は翌日の早い新幹線で帰って行った。 真緒は勉強のため机に向かっていたが、何となく悶々としていた。 そして。 見るからに不機嫌そうにやってきた愛に真緒は立…
「・・いっぱい。言いたいことあったのに。初音さんが・・これまで抱えてきた悩みとか。苦しみとか。・・わかっちゃうから!わかっちゃうと・・なんも言えないよ、」 ワ…
「毎日、楽しかったけど。やっぱり無理に無理を重ねてるから一人の部屋に帰るとものすごく落ち込む。自分だけこんな楽しい思いをして。 天音を高野に絶対に渡さないって…
『ここへ来たのは。父や弟のためだ。今さら都合よく高野に来るとか。絶対にしたくなかった、』 彼の涙を見てしまったから。 私にとって『はじめての人』。 愛は初音…
真緒は彼女の言葉に激しく動揺し 「・・利用なんか。彼を利用しようだなんて思ってないです。あたしそんなに賢くもなんでもないです、」 目をそらして急ぎ足でパウダー…
「当時の話。知ってらっしゃいました?」 愛は真緒に挑戦的に言った。 「・・いえ。初音さんはあまりその時のことを話したがらないので。しばらくは高野の方、というこ…
「そうそう。もう仕事の話やめようぜ!って誰かが言うんだけど。結局また話が戻っちゃって。酔っぱらっても仕事の話だったもんなあ、」 原はワインをぐっと飲んだ。 「…
またしても真緒の心の中はモヤった。 「言いたい人には言わせておきなさい。高野楽器は社長にお子さんがいないから、余計にあなたにピンスポが当たっているだけだから。…
「まあそうなる感じはあったから。そのまんまやんて思ったけどねー」 NCでは紗枝やプロジェクトのリーダーだった宮崎に婚約の報告をした。 「で、いつ入籍するの?」…
南はその言葉にしばらく考えた後 「真緒ちゃんさあ、最初の結婚の前に。一度お見合いの話来てたんよ、」 神妙に話し始めた。 「え?」 志藤は手を止めて振り返った。…
その写真を見て真緒はまたしても何となく心にじめったものがよぎった。 「みんな若いなあ。 ほら藤原なんかまだ毛あるじゃん、」 「部長も痩せてましたよ、」 それを…
「北都さん、野々村が来た時最初はね。みんな胡散臭いなって思ってたんですよ、」 リーダーだった前島が笑った。 「え、そうなんですか?」 真緒は少し驚いた。 「だ…
「久しぶり。元気だったか?」 社長室に入ってきた専務の矢田部は初音にハグするように握手をした。 「ご無沙汰しております。本当に・・その節はお世話になって、」 …
初音は高野楽器の元上司らに会うために上京した。 「え、真緒さんも?」 「ええ。ご一緒していいかしら、」 すっかり出かける支度をした格好で言われた。 「・・う…
「・・彼女は。この色は好きやろか、」 父は自分が選んだ壁紙を初音に見せた。 「うん、好きそうや。彼女の部屋な、豪華絢爛でもなんでもなくて社長令嬢にしてはほんま…
真緒と初音のストーリーのつづきになります。『Shooting Star』編をご覧ください! 父が浜松へ行くのが9月半ば。 あれから少しずつ資材を買って来…
もう桜が咲いてしまいました。 みなさんお久しぶりです。 My sweet home~恋のカタチ。 いつも読んでくださってありがとうございます。 昨年11月にい…
My sweet home~恋のカタチ。を読んでくださっている皆様。 いつもありがとうございます。 昨年11月半ばからずーっとお休みしてます。 すみません。 …
My sweet home~恋のカタチ。 今年もありがとうございました。 連載の頻度も少なくなり、自分が一番残念に感じています・・ 毎年仕事柄年末が死ぬほど忙…
My sweet home~恋のカタチ。をご覧くださっている方々 いつもありがとうございます。 ただいま小説お休み中・・・ ちょっと再開がいつになるか今の所わ…
My sweet home~恋のカタチ。 いつもご覧くださってありがとうございます。 いちおう今日はひなたや暖人たちのお話はおしまいです。 いやー あの小さか…
「そっかあ。いいお母さんだねえ、」 ひなたは弁当を佑真と向かい合わせで食べていた。 「おれ。武蔵野農大の久慈キャンパス、狙ってみようと思う。」 いつも弁当の他…
佑真は店の裏の食事場に降りて行った。 「あれ、宏樹は、」 「今日は塾。」 母が味噌汁をよそってくれた。 「・・ねえ、」 「ん?」 「もし。東京以外の大学行きた…
そして。 刺激を受けた人間がもうひとり。 これは・・ おもしろいぞ・・ 佑真は家に帰って、もらった資料を読み漁った。 何となく生物関係の道に進みたい、とい…
「ハルは。これからはあたしが見たことがない景色をたくさん見るんだね、」 香織はしみじみとそう言った。 「・・そうかもね。ってことは。おじいちゃんもお母さんのこ…
「え?ひなたちゃんが学祭に?」 その晩暖人は母に珍しく電話をしてみた。 「もう大変。サークルの先輩とか『かわいいかわいい』とか言って寄ってきちゃって、」 「そ…
「おれを産んだお母さんのことは・・正直あんま覚えてない。別に会いたいとも思わないしお父さんもお母さんもそのことは口にしない。それこそ健人は普通に同じお母さんか…
「お母さんが言うには。おれが小学校1年生の時。学童クラブの帰りに黙ってお母さんの住んでたマンションに行っちゃって。めちゃくちゃ心配したことがあってさ。それ以来…
御園から学部や学科の話を聞いた後、 「きみは?やっぱり栄養学?」 佑真に話が振られた。 「あ、自分は・・。生物、特に水産モノっていうか・・養殖とかも興味あるし…
「マジかあ、そうかあ。こんなカワイイのかあ・・」 悶絶するその学生を見て佑真は 一緒に来てよかった・・ とやや胸をなでおろした。 「あ。おれ。応用生物科学部栄…
「お父さんの会社の同期の息子・・?」 だらけていた佑真はいきなりしゃきっとなった。 「うん。昔ウチの近くに住んでて。よく遊んだの。あたしより2個上で今大学一年…
「お父さん、ですか?」 ゆうこが尋ねると 「・・うん。」 香織はその余韻に浸った。 そして 「あ、いけない。カバちゃんに連絡しなくちゃ。・・っていうかあたしが…
「・・仕事辞めて学校のPTA役員になったりして。けっこう重宝されたみたいですよ。そういうの見てると。わかります、」 暖人は苦笑いをした。 「今は町内会の理事み…
暖人はパウチされた栞のようなものを取り出した。 「なに? 四葉のクローバー??」 ひなたはその押し葉を覗き込んだ。 「そう。これ。まだ東京にいた頃サッカーやっ…
「カバちゃんからもちょっとハルのこと構いすぎだって注意されるくらい。ウザい母親になっちゃって。余計に反抗期になった時ギスギスしちゃってねー。あたしがこんなにも…
「子離れするって難しい、」 香織はぽつりとつぶやいた。 ゆうこは布団を整えながら彼女を見やった。 「東京の大学に行きたいってハルが言い出した時も。わかってるん…
「おれは!絶対に山岳部はやめない!ちゃんと勉強は頑張ってやるし絶対に4年で卒業もする!」 暖人は力強く立ち上がった。 子供の頃はどちらかと言うと気が優しくて…
香織はぽかんと口を開けて呆然としてしまった。 暖人は反省しているし、学校に行ってなかった理由もわかった。 しかし。 「・・聞いてないんですけど、」 やや震える…
暖人と香織の間に緊迫した空気が流れた。 そこで 「ま、まあ。香織さん。座って下さいな。 ホラ、あんたたちは部屋に行ってなさい。涼は先にお風呂入っちゃって。みん…
子供たちはなんだかんだでワイワイと楽しそうに話をしていたが。 なぜいきなり暖人がここを訪れたのか。 ゆうこと志藤はそのナゾで何となく視線を合わせた。 「暖…
「ちょっとあんたさっきカレーコロッケ2個食べたでしょ?こっそり3個目いってんじゃないよ、」 「は? おれ2個目ですけど?」 「ウソばっか! 昨日もそう言って梨…
My sweet home~恋のカタチ。 いつも読んでくださってありがとうございます。 ただいま小説お休み中なんですけど カクヨムの方では今日で香織&樺沢編が…
My sweet home~恋のカタチ。 お読みくださってありがとうございます。 今日の回でようやく ようやく 真緒&初音編終了しました。 なんやかんやで休み…
今日は ほぼ内装が出来上がったカフェレストランで、スタッフを集めての慰労会がある。 そこで決定した店の名前も発表になる。 「わ・・」 始めて中に足を踏み入れ…
笑った後、天音はふいっと真面目な表情になって 「・・ようやっと。野々村家の幸せが、来よった、」 静かに目を伏せた。 「え、」 初音が彼を見た。 「・・兄ちゃん…
真緒はそこまで気づいていなかったので、真太郎の目の付け所に驚いた。 「ああ、この人は努力の人だって。ひょっとして真緒と会社を興すことになっても絶対に大丈夫だっ…
それには思わず南が 「え、・・本気?」 と聞いてしまった。 「はい。でも。すぐ、というわけではなく。真緒さんも資格を取るために勉強してますし、ぼくもまだまだ素…
「すみません、遅くなってしまって。今日出社していたものですから・・」 客人は初音たちの母、有希子だった。 すると、ゆかりが彼女に駆け寄って 「ちょっと!ユキち…
何とか落ち着いて、真緒と天音が東京に戻ってきたのは出発してから3日後のことだった。 「・・どしたの、ソレ・・」 帰ってきた真緒を見て両親宅にいた南は驚いた。 …
「じゃあ、これごみ集積場に持って行きますね。」 「ああ、重いから。おれ持って行く、」 「大丈夫。このくらい、」 キャッキャウフフする二人を見て。 「・・な…
着替えている彼に背を向けながら 頭がいい人だとは思っていたけれど。 こんなにも勉強をしているなんて。 真緒はそれに驚きと感動を覚えていた。 そういえば。 兄真…
「あの、」 真緒は遠慮がちに作業中の初音に声をかけた。 「これ、」 おにぎりとお茶を差し出した。 「・・ありがとう。」 軍手を取って手にしようとする彼に 「あ…
家がめちゃくちゃになっても。 笑って。 真緒はいつもとかわらぬ風太の明るさに胸を痛めた。 「今・・住まいはどうしてるんですか、」 「ああ。店は市街地にあるから…
初音は首に掛けたタオルで顔を拭った。 「・・真緒さん?」 彼女がなぜここにいるのか。 自分に向かって走ってくるのか。 それを理解する間もなく 「初音さん!」 …
半日ほどで役所までは着いた。 「よ・・っと。 これで全部かな、」 北都が送ってくれた物資を天音がレンタカーで借りてきたバンに乗せた。 「さすが北都会長ですねえ…
翌朝 「あれからは連絡ないです・・。たぶん避難所の仕切りとかで忙しいんやと思うんですよね。家の方に降りてこられたら携帯も通じるようになると思うんですけど何もな…
「初音?? どこにいるの?大丈夫なの??」 母の慌てた声が聞こえる。 「今公民館や。みんな無事や。近所の人らも。まだ家周辺の様子はわからへんのやけど。だいぶ雨…
真緒はNCに出社して雑務をこなしていたが正直気もそぞろでうっかりすると泣いてしまいそうなくらい心配だった。 「・・野々村さんから連絡まだないの?」 紗枝が心配…
My sweet home~恋のカタチ。 いつも読んで下さってありがとうございます。 能登地方の豪雨災害、映像を見る度あまりの惨さに言葉を失います。 地震から…
相変わらずものすごい雨の音がする。 「初音、はよう!」 父の呼ぶ声に 「すぐ、行く! 車に乗って待っとって!」 初音は叫んだ。 あの浮き玉のチャームがどこかに…
『ええか。じいちゃんはおばちゃんとこの車に乗せて行ってもらったから。お母ちゃんと支度をして。お父ちゃん、この辺の人らに避難するように言うてくるから。すぐ戻るか…
いつもの朝だった。 東京はまだ梅雨明けの宣言が出ていなかったが朝からいい天気で。 真緒はいつものように黙々と朝食を摂っていた。 ニュースを見ようとテレビをつけ…
父はまっすぐに真緒を見て 「真緒も。自分が信じたことに突き進んでほしい。前の結婚のことが不幸だったとかそんなこと絶対に考えずに。お前はきちんと乗り越えてる。人…
父は羊羹に黒文字を入れながら 「・・感性は。おれとおまえはとても似ている、」 静かに言った。 「え、」 「昔からそう思っていた。おまえのセンス。いつも感心して…
少しでも自分が彼にとっての『価値』であるよう勉強も仕事もさらにギアを上げて頑張った。 カフェレストランのメニュー開発もシェフたちや栄養士などの専門家を中心に…
この前のお休みに再び映画をひとりで観てきました。 前に書きましたように今回は三谷幸喜さん脚本・監督の スオミの話をしよう です。 三谷さんと言えば「古畑任三…
「この前。あんなこと言っちゃって。ごめん、」 真緒は気まずそうに真太郎に謝った。 「え?」 「・・全部ひとり占めにしてって。」 「ああ・・」 少し照れ臭そうに…
真太郎が帰宅して一息ついていると、 「あ・・帰ってた?」 真緒がやってきた。 「ん?」 「あのー・・。 インテリアコーディネーターもワインアドバイザーも。一次…
「あ、お疲れ様です。」 午後、そのまま出社してきた真太郎に社長室で執務をしていた高宮は一礼した。 「留守の間ありがとう。何か急ぎの要件は?」 「いえ、今の所は…
本当に静かで。 鳥の声と木々の葉が風に揺れる音しか聞こえない。 「北都Gの総帥の妻であっても全く夫婦同伴のパーティーにも出ないし、女優も引退状態だし。父は仕事…
「わ・・ きれいですねえ・・」 翌朝早く、真太郎は初音にホテルまで迎えに来てもらい彼の家の近くの小高い丘に登った。 そこからは朝日に照らされ少し霞んだような山…
北都Gを継いだこの社長は。 まだ40手前で。 自分とそう年も変わらない。 どんなスーパーマンだと思っていたけれど。 初音には真太郎が等身大の青年に見えた。 …
「ぼくにとって、ここはやっぱり大切な場所で。大きなお金を動かすことはできませんが農業にも誇りを感じています。その気持ちと。何かをやりたい、という思いもあって。…
「そんな妹が。あなたと一緒に会社を作りたい、初音さんでなければ意味がない・・って言った時。ぼくはいったい妹にこれまで何をしてきてやれたのか、いや何を見てきたの…
「実は。当社、NCからもあなたに引き続き仕事をしてもらえないかと要望もあるんです、」 真太郎はまっすぐに初音を見た。 「えっ・・」 目を見開いてしまった。 「…
「真緒ちゃん、何とか頑張ろうとしてるみたいだよ、」 南は遅くに帰宅した真太郎の脱いだスーツの上着をハンガーにかけた。 真緒と二人で話したことは南にも黙っていた…
「名前?」 NCでの会議で紗枝はメンバーに資料を手渡した。 「代理店の人とも話し合って候補はいくつか上がっているんだけど。ピンと来なくて。もう時間もないしいろ…
先々週の日曜日。 映画「ラストマイル」見てきたんですよ。 ひとりで。 映画をひとりで観るって初めての経験だったのですが、好きな時に好きな作品をふらっと見に行く…
もちろんこのことに関してまだ初音からYesの返事ももらっていない。 心が揺れた。 迷った。 でも。 あの光景を見てしまったから。 紗枝に連れて行ってもら…
「これで彼の仕事の進め方の素晴らしさの理由がわかったよ。これは高野じゃなくても手放したくないよ。・・たたき台だけ作って丹波に帰ってしまったって。まあ・・天音く…
「・・ここのスペース。もったいなくないですか。このワゴンの向きを変えて。お客さんが入って来る方に向けて。売れ筋のものは奥の方に陳列してもみなさん探して買ってく…
「だから! 10年くらい前に高野で音楽配信のアプリ開発してて。その発案者である兄ちゃんを伯父さんも母も、いや会社の上層部もその腕を買ってて。その時も高野で正式…
リアクションのない真緒に紗枝は怪訝そうに 「どしたの?」 と顔を覗き込むと 「う・・」 真緒はぽろぽろと涙をこぼしてしまった。 「・・真緒さん、」 「う、嬉し…
あれから初音からこの動画メールが特に説明もなく送られてきて。 例の件のことは全く音沙汰なし。 必ず返事をしますから の彼の言葉を信じるしかないのだが。 …
「ごめんなさいね。あなたに黙って、」 母の声は穏やかだった。 「いや。ええねんけど。でも・・北都会長の奥様とそんな関係だったとは。びっくりした、」 初音は部屋…
「今朝。NCに行ったら高原さんが徹夜で仕事してて。」 真緒はぼうっと話し始めた。 「あんなにすごい人なのに。めちゃくちゃ勉強してるんだよね。あたし。この年から…
「明るくしてたけど。相当傷ついただろうし。本当につらかっただろうし。それでも何とか立ち直って頑張ろうとも思っただろうし、」 母の言葉が真太郎の胸に突き刺さる。…
事業部を出ていくと、はす向かいにある秘書課から真太郎が出て来てばったり会ってしまった。 うっ・・ 真緒は一瞬足を止めたが絵にかいたような フン!! をしてその…
でも。 真緒はつっぷした格好のまま思った。 あたしが頑張ればいい。 高原さんのようにはなれなくても。 自分を生かせる分野の勉強をして。 資格を取って。 一人前…
「・・資格?」 真緒はポツリと言った。 「なんでもいいのよ。何か取れると自信にもなるし。これからの仕事に役立つかもしれないし。」 「なんか。考えもしなかったで…
「・・起業を軽く考えてるあいつの性根が許せないんだよ。ホント苦労もせずにこれまでのほほんと生きてきたくせに、」 そして絞り出すように真太郎は新聞をテーブルに乱…
南がそっと二人の間に入った。 「・・もう、やめよう。お互い傷つけたって何も生まれない、」 冷静にそう言った。 「・・あたしが。ホントに・・なんも考えてなくて。…
それにはカチンときて 「え、偉そうに言わないでよ!真太郎は昔から自分が頭がいいと思ってあたしのことなんかバカにして!自分一人でホクトの社長に収まったような顔し…
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