オヤジのあくび669
高田康成「キケロ」を読む 「ローマの雄弁の最高の父」であり、同時に「軽佻浮薄な不幸な老人」でもある。いったいこの真反対な言われようから人々は、どのようなキケロ像を描けばよいのだろう。 まずは雄弁家としてのキケロ。スッラから逃れるようにギリシアへ留学に向かった20代の頃。その頃の彼は胃弱で痩せており、スピーチは粗く柔らかさに欠けており、激しい熱のこもった話し方になると調子が高くなり、周りがハラハラする程だったという。発声法が身についていなかったのだ。これは現代の日本の政治家にも言いたい。まずは基礎的な発声技術を身につけてほしい。 彼は「発想論」の始めでこのように書く。「雄弁なき英知は国政に有益で…
2024/07/31 02:22