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  • オヤジのあくび608

    なだいなだ「とりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きよう」を読む くねくね道のように、長い時間かけて移動していた距離が、飛行機や新幹線の利用によりすごく短縮されている。調べ物だってだいたいのことでよければ、パソコンやスマホでわかってしまう。ではその余っているはずの時間を何に使っているのか? 人生そのものも寿命が延びて、その分を何に活かしているのか? なださんの問いに自分自身の答えが用意できているのか? こういう問題提起の仕方がボクは若い頃から好きだった。 直接なださんの講演を拝聴したのは、2003年1月奈良で開かれた日教組の全国教研基調講演。この集会が開かれると市内に黒塗りの車が増え自治体か…

  • オヤジのあくび607

    有田秀穂「脳からストレスを消す技術」を読む 涙の数だけ強くなれるよ〜🎵という歌があった。この本の中身を言い当てているような歌詞なのです。 筆者によると二大ストレスとは、まず「依存症」=快楽が途切れることから抜け出せない状態。アルコールで考えれば分かりやすいですね。もう一つは「逆恨み」。これは良かれとして行った行為が正しく評価されない。相手から想定していた反応が返ってこない状態だと言います。 人をストレスから解き放つのは、涙と坐禅だと筆者は言う。坐禅については、6年間も自分を追い込み(修行).ストレスには勝てないことを悟ったお釈迦様の話が出てくる。確かにお釈迦様は坐禅を組んでいらっしゃる。結果腹…

  • オヤジのあくび606

    宮本延春「オール1のおちこぼれ、教師になる」を読む オール1。相対評価だった時代の5・4・3・2・1は、全体の数%の子に1が自動的に付けられる仕組みになっていて、人の可能性を引き出す方法とは言えなかった。ボクも相対評価の時代に仕方なく数人の子に1を付けたことがあったし、自分が生徒の時に1を付けられたこともあった。 筆者は執筆現在高校教師をしているが、「信頼」を前提にしたタブー破りの「特別扱いの補習」。いいじゃないですか! 極論を言えば、全ての生徒が特別扱いされるべきだと思うのです。 ところで、学力不振で九九や分数がわかっていなかった筆者が、勉強に目覚めて、なぜ高校教師になったのか? それは彼女…

  • オヤジのあくび605

    「君たちはどう生きるか」を観て 戦争の最中、入院していた母親を亡くしてしまう主人公。燃える街の映像は高畑監督の「火垂るの墓」を思い出す。宮崎監督は、おばあちゃんキャラがお好きなようで、今回もすごい声優陣が屋敷で働くおばあちゃんたちの声をアテている。ストーリー終盤の重要人物大叔父の衣装には、王蟲の目のようなデザインが施されている。 さて、そんな中で出演時間が長いのは、菅田将暉が好演しているアオサギ。千と千尋のカオナシのような存在で、真人を異世界に誘なう。ボク的には異世界の海で真人を助けてくれる人が、建物の入り口付近で別れたキリコおばあちゃんと同一人物であることが、最初わからなかった。今回はトトロ…

  • オヤジのあくび604

    鎌田實「○に近い△を生きる」〜「正論」や「正解」にだまされるな を読む この本の冒頭はかなり衝撃的で、18歳の著者が大学進学を巡って父親の首を絞める場面から始まる。別に殺人は至らず、進学は親の支援なしではあるが果たされて、著者は自由を獲得したと書いている。 第一章では、様々な別解的な生き方が紹介されるが、一番頁数を割いているのが、ベースキャンプだと言う結婚(=パートナーとの生活)について。武田鉄矢さんの奥様が「私はあなたのおしめを洗うために結婚した」と言えば、鉄矢さんは「世界中で俺だけが、お前が一番美しかった20歳のころを覚えている」と答える。何だか微笑ましい。 続いて石井光太さんとの対談の中…

  • オヤジのあくび603

    千葉雅也「勉強の哲学 来たるべきバカのために」を読む 本書のはじめに「来たるべきバカとは、新たな意味でのノリを獲得する段階である」と書いています。道具的な言語使用から玩具的な言語使用へ。漫才のツッコミとボケがアイロニーとユーモアに対応していることを例に引きながら、浮いた語りの分析が勉強の本質につながると言う。そしてコードの転覆を図る。 ぼくなりにこんなことかな? と考えてみた。例えばテレビから食レポが流れてくると「美味しい!」が決まり文句=コードになる。しかし、学校教育の現場を離れたので書いてしまうが、給食はおいしい日もあれば、・・・な日もある。何校が転勤するとわかるが学校差もある。材料とレシ…

  • オヤジのあくび602

    布施克彦・大賀敏子「なぜ世界の隅々で日本人がこんなに感謝されているのか」を読む 本書に初めに登場する国は、マーシャル諸島。アメリカによる核実験の影響を受け、日本の第五福竜丸が被爆したことで知られる。最近では温暖化による海面上昇の影響が深刻だ。そこで金物屋を営む、元日本人で現マーシャル人から話が始まる。 タイトルから想像できるが、本書にはG7に代表される先進国は登場しない。最近あるニュースで知ったのだけど、G7合計のGDPより非G7である国々の上位7ヵ国のGDPの方が大きいという。世界はGDPを中心に動いていると勘違いしてはいけないのだ。 南アフリカで現地の識字率を上げるために活躍しているハスヌ…

  • オヤジのあくび601

    隈研吾「なぜぼくが新国立競技場をつくるのか」を読む 隈さんは、ボクより二歳年上で東京オリンピックを二回経験している。だから丹下健三さんの設計による代々木の第一第二体育館のデザインから強い衝撃を受けた世代なのだ。 新国立競技場を始めとして、隈さんが手がけた建築物には木材がたくさん使われている。隈さんは木の面白さはどこでも手に入る小さくて安い材料をベースにしてどんなものでも作ってしまう「平凡さ」「民主性」にこそあると言う。対極にあるコンクリートは、どんな巨大なものでも自由に作れる「偉大なる特注」で限界をわきまえない無知が宿ってしまうと述べます。 コロンビア大学留学時代、徹底的なディベートで鍛えるロ…

  • オヤジのあくび600

    養老孟司・久石譲「耳で考えるー脳は名曲を欲する」を読む 環境と音楽について語り合っている箇所があり、日本で組み立てたパイプオルガンの調整が大変な話が出てくる。西洋音楽の響きは、乾ききった石造ホールで育まれたものだ。アカペラだって合唱だって、残響が巨大空間に響く環境で生まれた。翻って木造寺院から生まれた日本の声楽=声明は、残響を前提としていない。むしろ母音の語尾を引き延ばすことで、残響がない環境を補っているかのようだ。 話題はどんどんジャンプして、情報化と情報処理の違いについて養老さんが言及する。作曲家久石譲さんがやっていること、音楽をつくって人に伝え演奏できるようにすることは情報化で、発信され…

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