原左都子が冒頭の用語である「反出生主義」なる言葉に触れたのは、今回が生まれて初めての事である。要するに、「人間の出生を否定的に捉える考え方」のことを指すようだが。とりあえず、2025.06.14付朝日新聞夕刊より「反出生主義は偏った考えか古代ギリシャ源流人生への無条件な礼賛を疑うそれは哲学」と題する記事の一部を、以下に引用しよう。「自分なんて生まれてこなければよかった」。人生に行き詰った時、そう思ったことがある人は少なくないだろう。人間の出生を否定的に捉える反出生主義という考え方に賛意を占めずアカウントも出てきている。ご自身も反出生主義だという哲学者の小島和男・学習院大学教授(49)に、どんな考え方なのかを聞いた。小島さんによると、反出生主義は南アフリカのケープタウン大学で成就をしていた哲学者が2000年...「反出生主義」との考え方