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子どもの王様 (講談社ノベルス) 新書 – 2012/8/7殊能 将之 (著)子どもの王様 (講談社文庫)殊能将之講談社2016-02-12子ども向けの企画により書かれた、殊能センセー最後の作品。主人公の小学生の男子の視点から描写された学校や団地、そして登場人物たちがとてもリアルで、子
「未発表短篇集」殊能将之未発表短篇「犬がこわい」「鬼ごっこ」「精霊もどし」にデビュー作『ハサミ男』刊行に関して友人宛てに綴った「ハサミ男の秘密の日記」を収録。「犬がこわい」犬嫌いの被害者と殺人者の視界的な転回。殊能将之らしい短篇ではあるが、犯罪小説として
「キラキラコウモリ」殊能将之「キラキラコウモリ」は、アンソロジー集「9の扉」に収録された短編。リレー小説で、二人目の法月綸太郎さんが出したお題「コウモリ」を受けての約20ページの短編小説。殊能将之さんの最後の作品らしい。短篇といっても、その物語の舞台はく
「モスクワに出現した悪魔の一味が引き起こす不可解な事件の数々。」クレムリンに拝跪している悪魔の一味が戦争を引き起こしている。悪霊であった共産主義、あるいは独裁政権よりもたちが悪い。悪魔たちは何者も恐れず、原発でさえ、攻撃する。この時間にもたくさんのウクラ
「闇よ落ちるなかれ」L・スプレイグ・ディ・キャンプ / 岡部宏之古代ローマの終末期にタイム・スリップしたアメリカ人がその現代科学知識を駆使しつつ繰り広げる歴史改変もの。すごくおもしろい。ディ・キャンプはコナン系の人だと思っていたので、こんな歴史ものを書いてい
今年の冬は雪ばかり。というか大雪ばかり。腰の痛みが癒える間もなく、次の雪が積もっていく。ばかばかしくて、忙しくて、コロナどころではない。というかこんな時期にコロナになってしまったら、日乗と家庭が成り立たない。人間というのは、たいへんなことが目の前にあると
『巨匠とマルガリータ』ブルガーコフ「モスクワに出現した悪魔の一味が引き起こす不可解な事件の数々。焼けつくほどの異常な太陽に照らされた春のモスクワに、悪魔ヴォランドの一味が降臨し、作家協会議長ベルリオーズは彼の予告通りに首を切断される。やがて、町のアパート
『一私小説書きの日乗』(文藝春秋、2013年2月、2014年 角川文庫)西村賢太が2月5日に死去。54歳。タクシー乗車中に意識を失ったらしい。この人の小説は読んだことはないが、「本の雑誌」に連載していた日乗はなぜか面白くて読んでいた。ただの大酒飲みなのだが、
「邪神の神」高木彬光を読む。1956年に発表したクトゥルー神話もの。ラブクラフトがはじめて訳されたのが1955年なので、日本ではじめてのクトゥルー神話作品のようだ。名探偵・神津恭介が邪教の像をめぐって、推理劇を繰り広げる。ホラーではあるが、変格ものに近い。神
明智小五郎もの。とってもギミック。殺人事件の犯人の暗い心情がとても昭和らしい。明智の恋人、文代と小林少年も活躍するので、ちょっとした活劇的な流れもある。この小説は1931年(昭和6年)に書かれたらしいけど、その面白さは色あせない。まあ読者を選ぶのだとは思うけれ
「いま私が考へるのは、ジヨイスがその沢山の作品をまだ一つも書かず、古詩の訳など試みてゐた時分、シングがまだ一つの戯曲も書かず、アラン群島の一つの島に波をながめて暮してゐた時分、グレゴリイが自分の領内の農民の家々をたづねて古い民謡や英雄の伝説を拾ひあつめて
「Fifty-one Tales は悉ことごとく短い物ながら、すべてが草の露のように透明な涼しい智とユーモアに光っている。誰にでも愛されるのはこの本であろうと思う。」底本:「時事新報」時事新報社 1921(大正10)年6月8日~10日
「故郷を持たない人たち、つまり東京人種が無数に軽井沢にあつまつて来てゐた。別荘をもつてゐる人たちはその自分の家に住みついて、不自由ながらもどうにか夏の生活をはじめ、私たち宿屋組もいろいろの工夫をして、なるべくふだんの生活に近い暮しをしようとしてゐた。」「
「フィオナ・マクレオドはイオナ島について書いてゐる中で、聖セントマイケルは大古の海洋の支配者マナナーンと同じ存在であつたらうと言つてゐる。」「フィオナ・マクラウドといえば、芥川龍之介最後の恋人として知られる松村みね子の名訳『かなしき女王』や、荒俣宏訳『ケ
「日にあたりながらそのイモを見てゐて、私は前にどこかでたくさんのイモが積みかさなつてゐる愉しい光景を見たやうに思つて、考へてゐると映画で見たのだつた。もう十五六年も前だらうか日比谷映画劇場で見た「アラン」に出る景であつた。」アランは1934年公開のイギリスの
片山広子は翻訳家の松村みね子のことだとは知らなかった。松村みね子の方が筆名。「今は世にないアイルランドの詩人イエーツが書いた舞踊劇の一つに「鷹の井戸」といふのがある。その鷹の井戸がこの世にあるとしたら、どの辺にあるのだらうか?」wikipedia 片山広子
村上春樹『騎士団長殺し』 第2部「遷ろうメタファー編」読み進むうちにこれは「ねじまき鳥クロニクル」の続編だという思いが湧き上がってきた。どちらの作品も「穴」を通して、現実と非現実を結ぶ通路が開かれる。そこから本質的に物語は異貌の世界へ変容していく。どこかで
「ウェイクフィールド / ウェイクフィールドの妻」N・ホーソーン (著), E・ベルティ (著), 柴田 元幸 (翻訳)古典的な名作と呼ばれる「ウェイクフィールド」と、その舞台そのものを妻の視点から描き直した「ウェイクフィールドの妻」。ボルヘスが言うように、確かに傑作の名編
「復活の日」小松左京小松左京のムックを読んでいて、この映画に触れていたので、引っ張り出してきた。このSFを読み直している人は多いと思う。読み始めてまず「プロローグ」がとても雅文な表現になっていることに少し驚く。南洋の美を示している箇所で「酩酊船」(バトー・イ
イギリス文学と映画秦 邦生三修社2019-10-02「イギリス文学と映画」とあるように、主に文学者の側からみた映画のありようを論じている。そのありようは、「アダプテーション」という言葉で集約されていく、解読の流れが第一部のケース・スタディによく表れている。「アダプテ
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