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2007/08/04

1件〜100件

  • 塩の湿地に消えゆく前に [book]

    ケイトリン・マレン/早川書房/お薦め度 ★★★★ MWA賞最優秀新人賞受賞作 謎解きのない?サスペンス ふたりの女の死体が<サンセット・モーテル>のすぐ裏の湿地に、二本の棒線のように並んでいる・・・八週間後には、さらに女が五人増えることになる・・・七人の女、七つの警告。 こんな書き出しで始まる・・・ ボードウォーク沿いで占いの店を出している少女クララ、ある日、行方不明の少女の叔父が来店、少女の話を始める。サイキック、霊能者、じゃなくても少女の身に何か悪いことが起こったことは明白だった。 それ以来クララは不気味なビジョンに襲われるようになる。それらは占いに来た女性客や、失踪中の女性に関係があると思われ、さらにビジョンは強くなる。 ニューヨークからアトランティックシティに逃げ帰ってきたリリー、少しお金を貯めようと閑散としたカジノのスパで働き始める。カジノに出禁のクララと初対面でブ..

  • ファズイーター [book]

    深町秋生/幻冬舎/お薦め度 ★★★★ シリーズ第五弾 おまけのおまけ!? 千波組は破たん、組長の有嶋は失脚したのだが、四ヶ月前の事件を契機に、かつての傘下の組員にタブーの薬に手を染めさせ、荒稼ぎをしている。八神瑛子のアンテナはその情報をキャッチ、配下一味を一網打尽にする。 一方、上野署管内の交番勤務の若い巡査が何者かに刺される事件が発生。なぜ、新人を交番にひとりにしたのか世間の非難を浴びる。まだ、品川で起きた刑事射殺事件も未解決のままなのに・・・警察への報復なのか? ハ神は失脚した有嶋がことを急いていることから近々大きな花火をあげるのではないかとあたりをつけ、情報収集を急ぐ。 有嶋と警察への報復がいつしか交わり、大きな花火へと点火する。この辺は柚月裕子を彷彿させる? 確かに武闘派八神の面目躍如だが、いかんせん新鮮味に欠ける。最初におまけのおまけと書いたのはそういうこと。新たな..

  • 過ちの雨が止む [book]

    アレン・エスケンス/東京創元社/お薦め度 ★★★★ 「償いの雪が降る」の続編 大学を卒業したジョーはAP通信社の記者となっていた。ある日、編集長からジョーの書いた記事が上院議員の名誉を棄損したとして訴えられたと知らされる。それと同時に、自分と同じ名前の人物の死体が発見され、凶行の疑いがあると書かれたプレスリリースを渡される。 ジョーの父親は彼が生まれた時、消え、いまどこに住んでいるのかもわからない。顔も知らない実父かもしれない!? 編集長から警察で撮られた古い顔写真を受け取り、父という神話に骨がつき、肉がつきはじめた。 早速、車を飛ばし現場の町へ向かい、聞き込みをはじめる。誰もが死んだ男について芳しくない印象をもっていることがわかってくる。 父親捜しと同時に殺人事件の真相を追うジョーに、自閉症の弟ジェレミーの後見人争いで袂を分かった母親の影、恋人ライラから受け取った母親からの手..

  • 王女に捧ぐ身辺調査 [book]

    アリスン・モントクレア/東京創元社/お薦め度 ★★★★ ロンドン謎解き結婚相談所シリーズ第二弾 エリザベス女王在位70周年、プラチナ・ジュビリー、の年に本書を読むなんて・・・ アイリスとグウェンの結婚相談所に持ち込まれた案件は、グウェンのいとこ、英国王紀に仕える、からだった。エリザベス女王が想いを寄せるギリシャのフィリップス王子について、王子の母親、アリス、のスキャンダルを臭わす脅迫状、<タルボットがコルフ島で見つけたものを持っている。彼が知っていたことを知っている。返してほしいかアリスに訊け、値段は追って知らせる>、が届いたとのだという。 戦時中は特殊作戦の訓練を受けて情報部の仕事していたアリスン、人を見る目は確か、上流階級の出身、シングルマザー、夫は戦死、のグウェンの対照的なふたりが活躍するシリーズ第二弾。 息の合ったコンビがそれぞれの得意分野でアンテナを張り巡らせ、ある時は..

  • 笑う死体 [book]

    ジョセフ・ノックス/新潮社/お薦め度 ★★★★☆ 三部作の二 休業中のホテル、警備員が殴られ、客室で<笑う死体>が発見される。現場に駆けつけたのはレイトショー、深夜勤務、のエイダン。死体は歯も指紋もなく、末期がんを抱えていた。 更に、スラックスに縫い付けられた紙片、”タマム・シュッド”、”終わった”と記された、と預かり証”831”が・・・ 第一作、私は未読、により忌み嫌われる警官を演じなければならないエイダン。負の遺産、公私とも、特に私の方は少年期の暗い過去が並行して語られる、が付きまとう汚職警官、いつ切り捨てられてもおかしくない人物設定が本シリーズの肝。 エイダンのバディの上司サティが異才?を放つ。ふたりはパートナーでありながらお互い憎しみ合っている。 警察小説+犯罪小説+謎解き小説と多才な顔を見せる本書、三部作の一、「堕落刑事」も手にしたい。

  • 母の日に死んだ [book]

    ネレ・ノイハウス/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆ シリーズ第九弾 孤独死による腐乱死体、死後10日ほど経過、遺体は邸の主人であるテオだった。家はおよそ20室、孤児院を営みたくさんの子が暮らしていたようだ。 屋外のゲージには息絶え絶えの愛犬と人骨が・・・ゲージの床下を剥がしてみるとラップフィルムにくるまれた3人の遺体が出てきた。 テオの妻リタ、自殺?、は生前、里子の世話に心血を注いでいた。 里子たちの人間関係、里子と夫妻の関係、ラップフィルムにくるまれた他の未解決事件、行方不明になったのは母の日の前日か当日・・・ドイツ全土に広がる連続殺人事件!? ピアの妹キム、司法精神科医、の過去がサブストーリーとして事件にかかわり、700頁の超大作を一気読みさせる。

  • 噤みの家 [book]

    リサ・ガードナー/小学館/お薦め度 ★★★★☆ D・D・ウォレン・シリーズ 仕事部屋で頭を撃ち抜かれ夫の遺体、銃を手に持った妊娠中の妻イーヴィは逮捕されたが容疑を否認する。彼女は16年前誤って銃を暴発させ父親を射殺してしまった過去を持っていた。 16年前の事件でイーヴィを知っていたD・Dウォレン刑事が捜査に乗り出す。一方、D・Dの秘密情報者のフローラは射殺された夫を知っていた。フローラを誘拐監禁したジェイコブと三人で酒場に居合わせてたことがあった。 16年前の事件、今回の事件があらぬ方向へ舵を切る。D・D、フローラ、FBIの特別捜査官、実話犯罪マニアの特別チームが真相を追う。 先の読めない展開が読者をくすぐる。どう決着をつけるのか想像しながら読み進める。最初と最後では景色が全く違う物語。

  • 死亡告示 [book]

    ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 二分冊その2 短編五編、中編一編収録 表題の「死亡告示」、経歴、大けがを負った事件、出自、功績、同僚の証言、葬儀の日程、はリンカーン・ライムのものだった。 リンカーン・ライム・シリーズを再整理するにはもってこいの死亡告示!?ついつい忘れてしまったものを思い出させる。 しかも過去の小説化されたシリーズについても言及、連続誘拐殺人犯を取り上げた「ボーン・コレクター」、中国の人身密売人”蛇頭”を捕らえるまでを描いた「石の猿」、頻繁にライム元警部と捜査協力しているアメリア・サックス刑事が南北戦争直後に発生した事件を捜査した「12番目のカード」、ニューヨーク市の電力網を凶器とする殺人者を追う「バーニーング・ワイヤー」などがある、と。 中編の「永遠」は新たなシリーズ化を予感させる?主人公のキャラ、統計とデータを通して世界見る、と真逆な..

  • シルバービュー荘にて [book]

    ジョン・ル・カレ/早川書房/お薦め度 ★★★★ 遺作 ロンドンでトレイダーをしていたジュリアン、仕事をやめ書店主となったが、商売はうまくいっていない。そんな彼のもとをエドワード・エイヴォンという男が訪ねてきた。父のことをよく知っていて、地下室に興味を示し、ある提案を持ち掛けられる。 イギリスの情報機関「部」で国内保安の責任者を務めるプロクターのもとを若い女性、リリー、が母親から手紙を言付かった、と訪れる。プロクターは重大な事態が起きていることを知り、調査を開始する。 やがて、その調査はジュリアンの周辺に迫る。 一見関係ないように思える物語がいつしか交錯する。シルバービュー荘に集うエドワード、デボラ夫婦、その娘のリリー、ジュリアン。エドワードとデボラは元スパイ、死期の近いデボラからのメッセージは・・・ 静のスパイ小説、家族内でもシェア出来ない過去、現在・・・最後のリリーの言葉が響..

  • 匿名作家は二人もいらない [book]

    アレキサンドリア・アンドリューズ/早川書房/お薦め度 ★★★★ サスペンス・ミステリー 作家志望の編集アシスタント、フローレンス・ダウロ、フロリダとニューヨークのギャップに圧倒され?何も書けなくなったいた。しかも上司との良からぬ関係を持つに至り、危うい行動に出てしまったことで出版社を首に・・・ そんな窮地を救ってくれたのはベストセラーの匿名作家、モード・ディクソン、何とフローレンスをアシスタントに採用してくれたのだ。都会を離れ隠遁生活を送っているモードの家に住み込むことになった。 フローレンスの仕事は手書き原稿のタイプ、調べ物、雑用、メールの返信代行・・・特にモードの手書き原稿は乱筆のため判読不能の部分が多く、フローレンスの作家志望の拡大解釈がどんどんエスカレートしていく。 そんな折り、モードの急な思い立ち?の取材旅行、モロッコ、に同行、フローレンスが起こした自動車事故、モードを..

  • 平凡すぎて殺される [book]

    クイーム・マクドネル/東京創元社/お薦め度 ★★★★ ダブリン・トリロジー(三部作)第一弾 顔のパーツは各カテゴリーでもっともよくあるタイプ、まったくもって平凡な青年ポール。訳あって入院中の老人を慰問?する”おばあちゃんのなだめ屋”を務めている。 ある日、慰問した老人に誰かと間違われて刺されてしまう。老人はガンを患っていてポールを刺したのち亡くなる。老人は元ギャング、三十年前に人質が誘拐犯と駆け落ちした事件?に関わっていた。 老人の最後に立ち会ったことで組織からあの手この手で狙われる羽目になるポール。 そんな彼に手を差し伸べる?看護師ブリジッドと天敵刑事バニー、三人で組織の秘密を暴きだす・・・ 前半部分がスローな展開なのでかみ合わない会話が面白く響かない。しかし、怒涛の結末は圧巻。第二弾に期待したい。

  • 悪い弁護士は死んだ [book]

    レイフ・GW・ペーション/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆ シリーズ第三弾 悪い弁護士、マフィアお抱え、は死んだ。ベックストレーム警部にとっては人生最良の日だった。死因は鈍器による殴打に見えた。しかもベランダで愛犬も殺されていた。ふたつの死体にはなぜか四時間のタイムラグが・・・ 最良の日の一週間前、ベックストレームのもとへ狂気の沙汰としか思えない案件が二件、一件目はウサギが飼育放棄され保護された件、二件目は王室にゆかりのある男爵がサザビーズのカタログで殴られた件・・・ タクシー運転手からの情報、弁護士が殺された日に犯人らしい男を轢きそうになった、が寄せられる。 ベックストレームの元に旧知の美術商から耳寄りな、お金になりそうな、話が持ち込まれる。弁護士からコレクションの鑑定を頼まれたという・・・その件に暴行を受けた男爵が絡んでいるらしい。 狂気の沙汰の事件、弁護士殺害事件、美術コ..

  • クライ・マッチョ [book]

    N.リチャード・ナッシュ/扶桑社/お薦め度 ★★★★☆ 1975年の作品 クリント・イーストウッド監督&主演映画の原作 主人公はロデオスターのマイク・マイロ、38歳、落馬事故のあと雇い主、ハワード、から首を宣告される。その穴埋め?として、ハワードからメキシコで離婚した妻と住む息子、ラフォ、を誘拐してテキサスに連れて来たら5万ドルを払うという提案を受ける。 メキシコに向かうマイク、母親の口をついて出た言葉は「わたしの息子ラフォはとんでもない怪物なの!」。8,9歳の頃から、現在11歳、母親のもとを離れ、路地や賭博場で生きている、と。 闇の闘鶏場でラフォを見つけるマイク、警察のガサ入れに乗じラフォと対峙、ラフォは北行きを選択した。通じ合わないふたりの道中が始まる。 警察に追われる?ふたり、主要道路を避け、乾燥地帯や砂嵐のなかを進んだり、荒涼とした山々や田舎町をめぐる逃避行・・・田舎町..

  • フルスロットル [book[

    ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 短編集第Ⅰ巻 「クリスマス・プレゼント」、「ポーカー・レッスン」に続く第三の短編集。五月刊行の「死亡告示」が第Ⅱ巻。同時でもよかったのに・・・ 六編収録、キャサリン・ダンス、リンカーン・ライム、ジョン・ペラムもの、スタンドアローンが三編とう構成。 ジョン・ペランムって誰だっけ?2002年の「ヘルズ・キッチン」以来耳にしていないロケーションスカウト。久々の「もの」なので新鮮に映る!? 短編の名手だけにツイストを期待しすぎの面も大いに?ありの第Ⅰ巻。第Ⅱ巻期待しています!

  • ブルックリンの死 [book]

    アリッサ・コール/早川書房/お薦め度 ★★★★ エドガー賞最優秀ペーパーバック賞受賞 離婚して実家のあるブルックリンに戻ったシドニー、黒人女性、は変貌する地元、都市再開発、富裕層、のブロック・パーティの催しで<褐色砂岩>の邸宅めぐりを企画する・・・ 調査の手伝いに名乗りを上げたのは向かいの家に越して来たセオ、白人の男性、恋人?のキムと同居。 図書館で、近所の住民に、地元の<褐色砂岩>の邸宅について調べ、聞くうちに、親しい、古くからの住人が突然姿を消し、連絡が取れないことに気づく。何かおかしいことが起きているのだろうか!? 言葉にするとこういうことなのだが、文章を読み進むのが少々辛い前半。そこを我慢すれば、最優秀ペーパーバック賞の恩恵に預かれるはず。 都市再開発の陰謀を描いたスリラーなのだが、結末は「荒野の七人」、シドニーとセオ、的な西部劇?が待っている。前半と後半のギャップがエ..

  • 天使の傷 [book]

    マイケル・ロボサム/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ サイラス&イーヴィ・シリーズ第二弾 前作「天使の嘘」でフィギュアスケートの女子チャンピオンが惨殺された事件に巻き込まれた臨床心理士のサイラスと嘘を見抜く特殊能力を持つイーヴィ、ふたりの交流が犯罪を解決した。 シリーズ第二弾の本書は両者を交互に語り手にする形で、深い傷を持つ少女イーヴィと秘めた過去を持つサイラスを深堀しながら話が展開していく。 元警視の死体が発見される事件が発端、当初は自殺と思われたが、不審な点が多く、第二、第三の死者も現れる。元警視は児童連続誘拐殺人事件を退職後も追い続けていた。犯人は逮捕され、獄中で殺害されていた。何か気がかりなことがあったのか? 警察の捜査に協力するサイラス、元警視が残した捜査資料の中に「エンジェル・フェイス」、マスコミがつけたイーヴィの呼称、と書かれたメモを見つける。 天使の傷、イーヴィの..

  • 死まで139歩 [book]

    ポール・アルテ/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ ツイスト博士シリーズ、13年ぶりの邦訳 前作「七番目の仮説」は2008年、本書は2021年のの邦訳 「靴の怪事件」、5年間も施錠された家、密室状態、に墓地から掘り出された死体が・・・積もった埃には足跡ひとつなし。家のなかには139足の靴が・・・ 密室の謎のほかに謎の美女に迫る危険、白紙の封筒を一日かけ同じ場所へ配達するために雇われた人たち、宝石強盗団、墓地から聞こえる叫び声、死体で発見される配達人と靴、しゃがれ声の男・・・目一杯ひろげられた風呂敷をツイスト博士はどう回収していくのか!? それにしても愉しい一冊ですね。頁数といい、最後の一文といい、時代といい、登場人物といい・・・どれをとっても秀逸。

  • 警部ヴィスティング 悪意 [book]

    ヨルン・リーエル・ホルスト/小学館/お薦め度 ★★★★ 未解決事件四部作の第三弾 二人の女性に対する暴行殺人の罪で服役中のトム・ケル、第三の殺人を告白、死体を遺棄した場所の現場検証の立ち会いを許可される。国家犯罪捜査局はトム・ケルを刑務所から移送する。 警部ヴィスティングらは死体の遺棄された場所が管轄内のため警備につく。 トム・ケルは手足を拘束されているため転倒を繰り返す。弁護士からの申し入れで足枷が外されると、一瞬の隙をついてトム・ケルは森へ向かって走り出す。その直後爆発が起こり、姿が消えた・・・ 共犯者、”アザー・ワン”、がいることが囁かれていたが、手錠を外し、銃を手に発砲となると、その存在は明白。 警察のドキュメンタリー作成のためカメラをまわしていたリーネ、ヴィスティングの娘、も現場に居やわせ、父親と共にトム・ケルと”アザー・ワン”の行方を追う。 ストーリーはシンプルだ..

  • ケイトが恐れるすべて [book]

    ピーター・スワンソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆ 秀逸なサスペンス ロンドンに住むケイトはボストンに住む又従兄のコービンと半年間住居を交換することにした。お互い逢ったこともないのに・・・ ボストンの住居はロンドンの住居の何倍もの大きさ、戸惑うケイトを更に悩ませる事件が発生する。隣に住む女性が死体で発見される。元カレ、向かいの棟の住人はコービンと女性は付き合っていた、と。 ケイトはコービンにメールで真意を確かめたがコービンは否定する。誰が嘘をついているのか? ケイトが抱えるトラウマ、不安障害、コービンと友人?が共有する過去、殺された女性の向かいの男の「裏窓」的行動、連続殺人・・・サイコ・サスペンスの要素をふんだんに盛り込んだ一冊。

  • 阿片窟の死 [book]

    アビール・ムカジー/早川書房/薦め度 ★★★★ シリーズ第三弾 1921年12月、英領カルカッタ。阿片窟で夢心地のウィンダム警部、夢を破ったのは警察のガサ入れ。中国人女の道案内で難を逃れるが、目の前に現れたのは両眼をえぐられ腹を刺された男だった。 当然事件になっているはずだと思いきや、死体の目撃情報はなし。 更に別の場所で同様の死体が発見される。被害者は看護婦・・・ インド帝国警察は事件より優先順位の高い事柄を抱えていた。ガンジーが唱える非暴力不服従運動が激化するなか、エドワード皇太子、大英帝国の王位継承者、がカルカッタ入り、歓迎会、ガーデン・パーティーが催される予定になっていた。 インド人部長刑事パネルジーの家族は非暴力不服従運動に傾倒するなか、職務と私情の狭間で揺れながら、ウィンダムのサポートにまわる。 三人目の被害者、次のターゲットと思われる人物の失踪、復讐、マスタード..

  • レイン・ドッグズ [book]

    エイドリアン・マッキンティ/早川書房/お薦め度 ★★★☆ エドガー賞最優秀ペーパーバック賞受賞作 ジョーン・ダフィー・シリーズ第五弾にして初めて手にする一冊。 古城の中庭に女性の死体が発見された。正門以外に城内に入る方法は18メートルの外壁を超えるしかない。城の管理人は午後六時に門を締め、十時に見回り、次の日の七時まで密室状態だったという。 当初は自殺の線が濃いように思われたが、被害者は<フィナンシャル・タイムズ>の記者、フィンランドからの要人の取材に着いてきた、司法解剖の結果、死亡推定時刻は閉門前だったことが判明する。 古城の管理人が情況証拠から犯人と断定、逮捕される。 そんな折り、警視正が車の下に仕掛けられた爆薬で殺された。犯行声明は出ていないがIRAの手によるものと思われる・・・ 女性記者のメモに絡むフィンランドの要人、元軍人のセキュリティ部門の責任者、それらをコーディ..

  • 底惚れ [book]

    青山文平/徳間書店/お薦め度 ★★★★☆ 「江戸染まぬ」の続き 「江戸染まぬ」で俺の想いと芳の想いが結末で違え、芳に刺される。金創医、戦さ場で刀疵なんかを手当てしてきた医者、のお陰で一ヶ月で江戸に戻れた。その間の治療代とお礼は芳が置いて行った小判で賄えた。 江戸に戻った俺は芳の里へ行ってみたが、そこには芳の姿はなかった。それならひと悶着起こせば世間が騒ぎ、芳に知れるのではないかと考えるがなかなか実行に移せない。 そのうち女郎になって岡場所にいると思うようになる。入江町の千三百人の女郎を当たることにする。そんな折り、路地番の頭、銀次に出会い俺の運命は変わる。 銀次の計らいで俺が女郎屋を営むことに・・・女郎にやさしい?素人経営者として。噂はたちまち広がるが芳はいまだ見つからない。芳と一緒に働いていた下女、信の力を借り、ビジネスはどんどんどんどん拡大する。 芳の行方を待ち続ける俺に銀..

  • 跳ぶ男 [book]

    青山文平/文藝春秋/お薦め度 ★★★★★ 傑作 弱小藩、藤戸藩、のお抱え道具役(能役者)の長男、屋島剛、十五歳、切り立った岩の上、石舞台、で独り稽古を積む・・・ 三つ歳上の同じ能役者の息子、岩船保、幼き頃から英才の誉れ高く、十七歳にして藩校の長を務める。その保が刃傷沙汰を起こし切腹を命じられたことから剛の運命が急変する。 わずか十六歳で急逝した藩主の身代わりを務め、能を武器に細い糸を縒ってその紐を組む企ての要に据えられてしまう。 保の志「この国をちゃんとした墓参りができる国にする」と保の遺した三つの言葉ー素晴らしい役者。想いもよらぬことをやる。うらやましいーの行方を見届けるために役目を演じる。 与えられた期間は七ヶ月。これぞまさにミッション・インポッシブルだ。 ラストの「想いもよらぬこと」にあっぱれ!!!

  • 黒き荒野の果て [book]

    S.A.コスビー/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★☆ マカヴィティ賞、アンソニー賞、バリー賞受賞作 南部の町で自動車整備工場を営むボーレガード、かつては裏社会の凄腕ドライバー、今はまっとうな暮らしをしている。 近くのモールに競合店ができ工場は火の車、金策に奔走するボーレガード、事は巧く運ばない。そんな折り、昔の仲間から持ちかけられた話は宝石店強盗の運転役。最後のシノギにするはずだったが・・・ ストーリーは至ってシンプル、目新しいものではないが、凄腕のドライバーだけあってカーアクションの描写が秀逸、しかもボーレガードの妻、子供、おじ、いとことの家族愛?が悲しくも温かい。 ノワール、犯罪小説ではあるが読了感爽やかな?一冊。

  • ハンマー・オブ・エデン [book]

    ケン・フォレット/小学館/お薦め度 ★★★★☆ 「これが私の最高傑作」エドガー賞受賞作家ケン・フォレット 事件の発端はダム建設によるヒッピーコミューンの明渡しだった。 何とかカリフォルニア州知事にダム建設を中止させるため、コミューンのリーダー・プリーストらはあることを思いつく。インターネットの掲示板に、四週間後に地震を起こすと知事に宣言する。平和を愛するグループが、やむにやまれず過激な手段に訴えるんだということで、「ハンマー・オブ・エデン(エデンの鉄槌)」と名乗った。 そのための準備は整っていた。プリーストらは地震波を起こすために必要なサイスミック・バイブレーター(地震波を起こすには三つの方法がある。地価爆発、重量物落下による衝撃、サイスミック・バイブレーター)をすでに手に入れていたし、地震学者の妻・メラニー、プリーストの愛人のひとり息子と一緒にコミューンで暮らしている、は地震学の..

  • アリスが語らないこと [book]

    ピーター・スワンソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★ 因果応報!? 大学生のハリーのもとへ父の死の一報が届く。転落死だ、と・・・急遽実家に戻ると気が動転した継母のアリスが待っていた。父の死の様子を聞いてもうわの空?ハリーはしっくりしないものを感じる。 刑事から父は転落する前に殴打されていたと聞かされる。悲劇なのか?しくまれた殺人なのか? 物語は現在と過去を行き来する。父の死を巡る現在、アリスを巡る過去。現在の中に父の不倫相手?の出現と死、過去の中にアリスの周りで起こる母、友人の死・・・ それらが反転する結末は秀逸。圧巻のサスペンス。それにしても性的な関係、エピソードが多過ぎ。

  • 完璧な家族 [book]

    リサ・ガードナー/小学館/お薦め度 ★★★★ 「棺の女」の続編 事件は突然起こった。幸せそうな?な家族、母親、その恋人、次女ローラ、長男マニー、が銃殺されたのだ。長女ロクシーは事件が発生する前に二匹の犬を連れて姿を消した・・・ D・D・ウォレン、ボストン市警殺人課の部長刑事、は現場に異様な殺意を感じ取った。緊急事態警報を発令し、長女の行方を追う。 もうひとり長女を追う人物が・・・前作「棺の女」で472日監禁され生還したフローラ・デイン、今は自警団を自任、被害者の救済にあたっている。 物語はロクシーの手記、完璧な家族と題する、が捜査の合間に挟まれた形で進行する。 母親の飲酒による家庭崩壊、ロクシーとローラは、マニーと別の里親に預けられる。マニーとは真逆な劣悪の環境下、イジメにも耐えながら生活せざるを得なかった。 エスカレートするイジメ、ロクシーはローラを守ろうとするが、ローラは..

  • あきない世傳 金と銀12 [book]

    高田郁/角川春樹事務所/お薦め度 ★★★★ シリーズ第十二弾 五十鈴屋江戸本店、吉凶、織り交ぜての十年、小紋染めを町人のものとし、麻疹禍には鉢巻用として江戸紫の小紋染めの切り売り、創業からの帯結び指南、反物の裁ち方指南、湯帷子を寛ぎ着としての浴衣へ、力士と揃いの浴衣・・・真っ先に浮かぶ凶は妹、結。そして音羽屋忠兵衛による仕打ち・・・ 待望の浅草太仲間から浅草呉服太物仲間への道筋が見えてきたものの、奉行所から出た沙汰は、冥加金千六百両を出せば結成を許すというものだった。 一難去ってまた一難、奉行所と幸の知恵比べが始まる。 太物から絹織まで扱いアイテムが増え、それに伴い顧客も町人から名家、豪商と拡がり、商いはすこぶる順調だったが、幸のなかには一抹の不安が・・・お客が「買いたい」というものが何なのか曖昧になってきている気がする。 五十鈴屋が百貨店化してきた。果たしてそれが顧客にとって..

  • 森から来た少年 [book]

    ハーラン・コーベン/小学館/お薦め度 ★★★★ 前二作と趣を異にする 刑事弁護士ヘスターは孫のマシュウから学校で周りから虐められているナオミを助けてほしいと依頼される。ヘスターが協力を仰いだのは亡き息子の親友ワイルド、34年前に森で発見された今は男、当時は少年。 ナオミが消えた、最初は<48時間チャレンジ>、わざと姿を消し、親を慌てさせ、もっと悪いことが起きるのではないかと心配させるゲーム。二度目はそうではないようだ。 ナオミが消息を絶つと同時に、大物プロデューサーの息子、マシュウのクラスメオトのクラッシュが誘拐される。 ヘスターとワイルドがタッグを組み、調査を続ける。 トランプ似?の次期大統領候補、それに敵対する社会活動家、支援者の大物プロデューサー夫婦、一家の警備主任、囚人・・・消息、誘拐と誰がどうかかわっているのか全く読めない展開と衝撃の真実。 ハーラン・コーベンの術中..

  • キャピタル ダンス [book]

    井上尚登/角川書店/お薦め度 ★★★★ 起業家、ビジネスモデル、キャビタルゲイン・・・ マイクロソフトの買収を断ったことで、シリコンバレーで「ビル・ゲイツを振った女」として知られる、日本生まれの中国系女性・林青、通称アオ。その彼女が日本でサーチェンジの会社を設立する。会社の名前はビル・ゲイツを振ったメールソフト・タコにちなんで、タコボールと名付けられた。 何とかタコボールを軌道に乗せるためぎりぎりの資金と戦うアオ。 上場後、有利にことを運ぼうとするベンチャーキャピタルとの駆け引きなど、ネットバブル崩壊後のITベンチャーの現実を踏まえながら物語は進行する。 ネット、ベンチャーに明るい方は、イントロが少しかったるいかも!? 後半は井上尚登お得意の胡散臭い香港の連中が登場し、本来のミステリーの様相を呈する。 経済小説+ミステリー=経済ミステリー

  • 探花 隠蔽捜査9 [book]

    今野敏/新潮社/お薦め度 ★★★★ シリーズ第十一弾 科挙、旧中国で行われた官僚登用試験、でトップ合格者を状元、二番手を榜眼、三番目を探花と呼んだ。国家公務員試験を科挙になぞらえたら、ハ島、福岡から赴任した神奈川県警警務部長、が状元、警視庁の伊丹刑事部長が榜眼、神奈川県警刑事部長、竜崎が探花というわけだ・・・ 横須賀署管内で殺人事件が起きる。目撃者は刃物らしいものを持った白人の男が米軍基地へほうへ走り知り去った、と。基地での交渉を踏まえ、捜査本部へ県警本部長が行くべきかどうか検討中に、八島部長が放った一言、ここは王将が動くことは必要ない、飛車でも動かして相手の出方をみるべし、で竜崎が捜査本部へ向かう。 ここから竜崎流の戦いが始まる。捜査はお前たちに任せる、責任は俺がとる・・・ 八島の福岡での不穏な噂が事件の周辺に漂い始めると、竜崎は直接八島と面談、噂を確認する。さすが直球勝負。 ..

  • 三時間の導線 [book]

    アンデシュ・ルースルンド/早川書房/お薦め度 ★★★★ グレーンス警部シリーズ集大成 事件の発端は死体安置所からの一報、死体が一体多い、アフリカ出身とみられる男性、死因は酸欠による窒息死、・・・ さらに身元不明の女性の亡きがらが安置所に出現。謎を追うグレーンス警部らは悲惨な、信じがたい光景を目にする。コンテナの中に68名の死者と5つの服の山を。 服に縫い付けられた電話からある人物の指紋が発見される。その人物とは元潜入捜査員ピート・ホフマン・コズロウ、前二作にも登場、グレーンスと大きなかかわりを持った・・・ グレーンスは西アフリカに飛ぶ、二週間の休暇でストックホルムに帰ろうとしていたピート・ホフマンを無理やり説得?真相究明を託す。 密航ビジネスの組織に潜入、真相究明までの時間は二週間、ホフマンは潜入するために一か八かの賭けにでる。 密航ビジネスの出口と入口、アフリカとストックホ..

  • スリープウォーカー [book]

    ジョセフ・ノックス/新潮社/お薦め度 ★★★★☆ 2022年版「このミス・・・」海外編第3位 12年前の一家惨殺事件で終身刑を言い渡されたマーティン・ウィック、ガンの余命宣告を受け、病院へ移された。その護衛を仰せつかったエイダンとサティ、目的はもうひとつ一家惨殺事件で死体が見つかっていない長女の行方を聞き出すこと・・・ 緑のトラックスーツを着た女が現れ、病室から火の手が上がる。ウィックは死に、エイダンも意識不明の重体。 エイダンとバディを組むよう命じられたのはナオミ・ブラック巡査、はみ出し者に観察者? 確かに警察小説なのだが、ノワール、エイダン自身、警察内部、事件の周辺、でもあり、謎解き要素もありと、いいとこ取りの一冊。充分に愉しめました。

  • C.H.E. チェ [book]

    井上尚登/角川書店/お薦め度 ★★★★井上尚登は只者ではなかった! 時代はゲバラ没後30年の1997年。リベルタ共和国。謎の婆さん・マリーナを国外に連れ出すことを請け負った、ヨシヒコ・ヤザワ、旅行会社を営む日系三世、旅行会社で働く大友、たまたま居合わせた旅行者・智恵。 国外脱出に失敗した四人が警察軍に追われるところから物語は始まる。 どこからともなく聞こえるゲバラを歌ったサルサ。同僚の失踪を追う元新聞記者。ゲバラと同名の路上駐車屋。ゲバラの遺品を集める大金持ち。リベルタ共和国を影で操る財閥・・・胡散臭い人物たちが織りなす革命物語。 物語の根底には、常に自由を求めてやまなかったエルネスト・チェ・ゲバラの意志が存在!? 登場人物の多さもなんのその、一気に読ませてくれます。 井上尚登には「胡散臭さ」が似合う!? 題名の「C.H.E.」とは、スペイン語..

  • 冤罪法廷 [book]

    ジョン・グリシャム/新潮社/お薦め度 ★★★★☆ 新境地!? 非営利団体<ガーディアンズ・ミニストリーズ>、フリーランスの協力者を含めて4名の組織、の一員である専任弁護人ポスト、冤罪死刑囚の自由を取り戻すことを生業、お金に無縁の、にしている。 ポストは弁護士でありながら神学校に入学、牧師となった経歴の持ち主。6人の冤罪死刑囚を抱えるポストの喫緊の課題は、弁護士を射殺のたとして終身刑を言い渡された男の再審請求・・・ 事件を調べれば調べるほど、いい加減な情況証拠、証人、司法制度により有罪を宣告された。 しかも、再申請求の審問会の傍聴席に不審な男たちが・・・ グリシャムの新境地とも言える法廷での丁々発止のやり取りではなく、裁判の壁、判事の壁、警察の壁、証言の壁、冤罪事件の闇、を少しずつ解き崩していく気の遠くなるような作業を見事に描き出している。 アメリカの司法制度への強烈な批判を併..

  • 女たちが死んだ街で [book]

    アイヴィ・ポコーダ/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ MWA賞最優秀長編賞候補作 15年前、13人の女が喉を掻き切られた連続殺人、未解決のまま捜査は終了・・・かつての事件に酷似した殺人が起こる。被害者は前回同様セックスワーカーの女たち。 犯人は同一人物か?なぜ15年もたって?中断されていたのか? 連作短編集?のようなプロット、しかも6人の女たちの視点で・・・フィッシュフライ店を営むドリア、被害者のひとりが娘。ストリップクラブのダンサー、ジュリアナ。チビの刑事エシー。パフォーマンス・アーティストのマレラ。その母で教会の活動家のアケネ。15年前の事件の生き残りのフィーリア。 6人の繋がりは15年前の事件から直接、間接に影響を受けながらその後を過ごしている。しかもいろんな差別を受けながら・・・ 差別を色濃く浮き彫りにする都市LA、LA物語と言ってもいいのかもしれない!? 一種独特雰囲..

  • 僕が死んだあの森 [book]

    ピエール・ルメートル/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 心理サスペンス 12歳の少年アントワーヌは隣家の六歳の男の子レミを殺した。殺すつもりはなかった。いつも遊んでいた犬が死に、仲間はずれになった孤独感?が積み重なり、枝がミレのこめかみを殴ってしまった。 死体を遺棄し、家に戻るアントワーヌ。ミレの安否を気遣う村の人々・・・殺人の朝から村に嵐がやってくるまでの3日間、揺れに揺れる、罪と罰と恐怖、アントワーヌの心を揺さぶる心理サスペンス。 これ以上はネタばれになってしまう。ルメートルの筆が冴えわたる一冊。 われらが痛みの鏡/早川書房を先に手にしてしまった・・・

  • 北緯43度のコールドケース [book]

    伏尾美紀/講談社/お薦め度 ★★★★ 江戸川乱歩賞受賞作 沢村依理子、警部補への昇進を機に所轄への配属となった。その前は道警本部の刑事企画室に所属していた。今年の誕生日で36歳になる。警官になって7年、博士号を持つ大学院出の幹部候補生!? 侵入窃盗犯が見つけた女児の遺体、5年前に起きた誘拐事件、お蔵入り、の被害者と判明する。犯人は身代金と一緒に札幌駅で電車に轢かれた。5年もの間、共犯者?が育てていたのか!? この事件がメインテーマなのだが、兎に角おテンコ盛り。道警内部の抗争、13年前の管理売春事件と酷似した死体遺棄事件、警務部からの呼び出し・・・ 時系列が巧く整理されていないためか、右往左往させらてしまうが、魅力的なアイデア、謎解きが欠点を補ってくれる。久々に愉しめた江戸川乱歩賞受賞作。次作に期待が持てる新人発掘!?

  • 魔の山 [book]

    ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ コルター・ショウ・シリーズ第二弾 懸賞金ハンター、ショウが追跡する若者ふたり、教会を襲撃、を難なく見つけ出したが、眼前でひとりの若者が崖から身を投げた。教会襲撃は冤罪だったのに・・・ 自殺した若者はカルトグループ、オシリス財団、の研修を受けていた。前作同様、更に首を突っ込むことになる。調査を始めたショウは同カルトグループを取材、記事にした記者が殺されていたことを知る。 カルト施設に潜入調査を決意する。 丸腰のショウ、援軍なし、外部との連絡手段なし、24時間の監視下・・・孤独な戦いが始まる。 前作にも書いたが、リー・チャイルドの「宿敵」、ジャック・リーチャーの潜入捜査、を彷彿させる。本書ではショウのサバイバリストとしての能力が遺憾なく発揮されている。 次作への導入部も記されたおまけ付き!

  • ゲストリスト [book]

    ルーシー・フォーリー/早川書房/お薦め度 ★★★★ 孤島ミステリー!? 孤島で催される豪華な結婚式、花嫁はウェブ雑誌の創始者、花婿はサバイバル番組の主演スター、花嫁介添人、妹、花婿介添人代表、パブリックスクール同級生、花嫁の親友夫妻、結婚式を仕切るウェディング・プランナー、それぞれの視点で物語は進む。 祝福の嵐?の裏で蠢く思惑。花嫁宛の手紙ー花婿は自分を偽っている。詐欺師で嘘つきだ。あの男と結婚するなー、過去の遺恨、過去の秘密、姉妹の秘密・・・ 婚礼の夜、事件が起こる。 暴風雨の孤島で起こる群像劇を現在、過去を交差させて描くサスペンス。前半の緩いテンポを切り抜ければ、後半は一気読み。ちょっと残念なのはすべての謎がクリア―になっていないこと。

  • 警告 [book]

    マイクル・コナリー/講談社/お薦め度 ★★★★ ジャック・マカヴォイ・シリーズ第三弾 消費者問題を扱うニュース・サイトの記者、元ロサンジェルス・タイムズの記者、ジャック・マカヴォイはロス市警の刑事の訪問を受け、殺人事件についての聴取をされる。 被害者の女性は一年前、マカヴォイが一夜を共にした相手だった。死因は環椎後頭関節脱臼・・・記者魂に火がつき事件を調べ始めたところ、同じような死因をもつ事件がいくつかあることが判明。被害者たちはある会社に自分のDNA鑑定を依頼している共通点があった。 かつての恋人、元FBI捜査官レイチェル・ウォリングを巻き込んで犯人を追いつめるという趣向・・・ DNAビジネスに内在する危険性をマカヴォイとレイチェルに追わせる意欲作!? 最後にマカヴォイからレイチェルへ大胆な提案、次作の布石、がなされる。

  • 最後の審判 [book]

    ロバート・ベイリー/小学館/お薦め度 ★★★★☆ シリーズ完結編 トム・マクマートリーの手によって死刑囚となったボーン・ウィーラーが看護師の手を借り、脱獄に成功する。殺し屋のマニー・レイエスも一役買っていた。 ボーンの目的はトムの愛する家族、仲間に審判を下すため・・・ 検事長ヘレン・ルイスの指示でおのおのに警察の護衛がついたが、それをあざ笑うかのように、ボーの妻、検査官が撃たれて亡くなり、地区検事はICUで瀕死の状態。 更に、トムの孫ジャクソンが拉致されるに至り、法をかざしても意味のない相手、ボーン、の土俵で闘うことを選択するトム、病魔に侵された痛々しいトムだが、孫のため最後の役目を果たそうとする。サポートするのはチーム・マクマートリーの面々・・・ 前三作とは趣を異にする完結編、まるで西部劇?のような・・・読者としては充分に愉しませてもらった四部作でした。

  • 文学少女対数学少女 [book]

    陸秋槎/早川書房/お薦め度 ★★★★ 本格ミステリ2022、第三位 表題通り、文学少女、陸秋槎、と孤高の天才、数学少女、韓采蘆が織りなす連作短編集。 犯人当て小説の欠点、あやまりを誰かに見てもらう必要に迫られる秋槎、普段誰も近づかない采蘆に自ら接近、ふたりの問答が始まる。 途中の面倒くさい?数学的考察は置いといて、どんどん読み進むべし。そうすれば華文青春ミステリ、百合小説、が見えてくる。 読了感爽やかな一冊でした。

  • 老虎残夢 [book]

    桃野雑派/講談社/お薦め度 ★★★★ 江戸川乱歩賞受賞作 武侠ミステリー、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公にした、であり孤島ミステリーでもある。 蒼紫苑は武術家の梁泰隆に拝師して十八年、日夜研鑚したにもかかわらず奥義を継承することは叶わず、名だたる三人の武侠から一人を選び、奥義を授ける、と言われる。 泰隆には恋華という十八歳の養女、金国の役人に家族を殺された、がおり、食事の世話などをさせている。 屋敷はハ仙島にあったが、泰隆は湖上の楼閣の道場で寝泊まりをしている。 三人の武侠が八仙島にやってくることで事件は起きる。小宴会の翌朝、孤島で毒を飲まされ、ヒ首で刺された泰隆の死体が発見される。 犯人は五名の中のひとり、弟子として師父の謎の死を解明するため紫苑が立ちあがる。 限定された中での犯人探しは行きつ戻りつ、五人の動機が検証されていく。ネタばれになるのでこれ以上言えないが..

  • 彼と彼女の衝撃の瞬間 [book]

    アリス・フィーニー/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆ 第一級のサスペンス! 産休明けの元ニュースキャスターに席を譲る形となったアナ、生まれ故郷の町で起きた殺人事件の取材に回される・・・ 殺人事件を捜査するのは地元警察の警部ジャック、アナとジャックの事件簿が交互に語られる。 更に、二人の章の間に犯人とおぼしき人物の章が挿入され、ミスリードがミスリードを生む構成になっている。 前作の「ときどき私は嘘をつく」よりサスペンス感が増した出来映えになっている。今年のベストミステリーに入れるべき一冊!?

  • 彼と彼女の衝撃の瞬間 [book]

    アリス・フィーニー/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆ 第一級のサスペンス! 産休明けの元ニュースキャスターに席を譲る形となったアナ、生まれ故郷の町で起きた殺人事件の取材に回される・・・ 殺人事件を捜査するのは地元警察の警部ジャック、アナとジャックの事件簿が交互に語られる。 更に、二人の章の間に犯人とおぼしき人物の章が挿入され。ミスリードがミスリードを呼ぶ構成になっている。 前作の「ときどき私は嘘をつく」よりサスペンス感がました出来映えになっている。今年のベストミステリーに入れるべき一冊!?

  • ブラックサマーの殺人 [book]

    M・W・クレイヴン/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ シリーズ第二弾 前作、ストーンサークルの殺人、同様、重大犯罪分析課のワシントン・ポーと分析官ティリー・ブラッドショーがタッグを組み、ふたりを上司のステファニー・フリンが後方支援する。 かつてポーが娘殺しで刑務所送りしたカリスマシェフ、ジャレド・キートン、六年後、殺された娘エリザベスが生きて姿を現した。血液検査の結果、娘はエリザベスに間違いなかった。 すべての証拠が冤罪を指し示す中、ポーとブラッドショーは捜査に加わる。絶対絶命のポーに起死回生は訪れるのか・・・ 前作を凌ぐ?シリーズ第二弾、次作が待ちどうしい!

  • 2021年ベストミステリー 国内編編 [book]

    年間「国内編ベスト6」 第一位「黒牢城」/米澤穂信/KADOKAWA 第二位「白骨街道」/月村了衛/早川書房 第三位「パラダイス・ガーデンの喪失」/若竹七海/光文社 第四位「六人の嘘つき大学生」/浅倉秋成/KADOKAWA 第五位「あと十五秒で死ぬ」/榊林銘/東京創元社 第六位「泳ぐ者」/青山文平/新潮社

  • 2021年ベストミステリー 海外編 [book]

    年間「海外編ベスト10」 第一位「自由研究には向かない殺人」/ホリー・ジャクソン/東京創元社 第二位「ブート・バザールの少年探偵」/ディーパ・アーナパーラ/早川書房 第三位「ヨルガオ殺人事件」/アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社 第四位「オクトーバー・リスト」/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋 第五位「宿敵」/リー・チャイルド/講談社 第六位「父を撃った12銃弾」/ハンナ・ティンティ/文藝春秋 第七位「ホテル・ネヴァーシンク」/アダム・オファロン・プライス/早川書房 第八位「もう耳は貸さない」/ダニエル・フリーマン/東京創元社 第九位「ファントム亡霊の罠」/ジョー・ネスボ/集英社 第十位「誘拐の日」/チョン・ヘヨン/ハーパーBOOKS

  • 初夏の訪問者 [book]

    吉永南央/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 紅雲町珈琲店こよみシリーズ第ハ弾 紅雲町に現れた、親切だと評判の50過ぎくらいの男、丹野学、ある日、草を訪ね「私は村岡良一」です、と・・・ 3歳のとき、水の事故で亡くした息子? 今回の縦糸は元夫、離縁、息子が絡み合うお草さんの封印された?過去・・・ 横糸は寿司屋夫婦、兄は眼科医、弟は薬局を営む兄弟の話と前作に続き久実の恋愛模様の続き。 物語の紡ぎ方が上手い作家ですね!

  • 黄色い実 [book]

    吉永南央/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 紅雲町珈琲屋こよみ・シリーズ第七弾 「小蔵屋」の従業員、元スキー選手の森野久実と山男で謎男、一ノ瀬公介の恋愛模様と久実を巻き込んだレイプ事件の謎解き。 久々の本シリーズ、ほっこりしたい気分にはぴったり。お草さんは相変わらずお元気、仕事に日常の謎に・・・ 季節も年末から年初めにかけてと、ちょうどぴったりな設定。 由紀乃さんの具合が悪そうだったが、後半から元気を取り戻し?一安心。シリーズものなので脇役の日常も物語の横糸。続けてシリーズハ弾も・・・

  • 時は殺人者 [book]

    ミシェル・ビュッシ/集英社/お薦め度 ★★★★ フレンチ・サスペンス 父の実家、コルシカ島、をバカンスでいつも訪れる私、クロチルド、の一家、27年前の8月、父、母、兄、私の乗った車が崖から転落、私以外は亡くなった。 事故後初めて、夫、娘を連れてコルシカ島を訪れるクロチルド、彼女に届いた一通の手紙、母の筆跡で私と母しか知らない事柄が書かれていた。母は生きているのか? クロチルドは当時のことを知る人を訪ね、調べ始めると同時に不可解なことが身辺で起きる。金庫に入れた財布が盗まれる?知らぬ間に朝食の支度がされている・・・ 母の死の疑惑がますます膨らむ。 物語は27年前のクロチドの日記とクロチドの現在が交互に語られる。健康的で明るい過去、少女時代、と夫との関係がギクシャクしている現在、42歳の弁護士、の対比が眀と暗!? 前作「黒い睡蓮」同様、筆者の持つ独特の雰囲気、フレンチ・サスペンス..

  • 木曜殺人クラブ [book]

    リチャード・オスマン/早川書房/お薦め度 ★★★☆ ユーモア・ミステリー!? 高級高齢者施設で毎週催される<木曜殺人クラブ>、創始者?のひとり、元警官のペニーが署から持ち出した未解決事件ファイルに目を通し、見落としがないか検討、推理する会なのだ。 現在のクラブ員は四人、エリザベス、ペニーとクラブを立ち上げ人物、元精神科医のイブラヒム、元労働運動家のロン、元看護師のジョイス。 木曜クラブのメンバーに本物の殺人捜査を行うチャンスが巡ってくる。施設の共同経営者であり建設業者のトニーが撲殺される。メンバーの二人が事件前、施設の経営者イアンとトニーが口論している現場を目撃していた。 クラブのメンバーだけでは捜査情報が手にはいらない。そこで施設に講習に来ていたドナ巡査を捜査班に加わえる策を弄し、まんまとそれに成功する。警察と一体?になって事件を追う木曜クラブのメンバー。 全体のほっこり感は..

  • 誠実な嘘 [book]

    マイケル・ロボサム/二見書房/お薦め度 ★★★★ 戦慄のスリラー!? メガン、恵まれた家庭に育ち、高学歴、ブロガー、スポーツ・キャスターの夫、二人の子供に恵まれ、三人目を妊娠中・・・ アガサ、父親を知らず、辛い子供時代、既婚者に騙され妊娠、子供とは引き離される、一度結婚はしたものの死産、離婚・・・今は妊娠中? メガンを崇拝するアガサ、メガンの好み、スケジュールを把握、同じマタニティウェア、同じヨガ教室・・・まるでストーカー!? アガサに見えるメガンは完璧?だが、事実はそうではない。メガンが抱える問題は、三人目の妊娠に夫は不満をおぼえ、夫婦関係はぎくしゃく、夫の友人との秘密・・・ アガサの抱える秘密は嘘の上塗り!? 崇拝される側、崇拝する側、メガンとアガサの秘密を守るための嘘に違いはあるのだろうか・・・ ちょっとだけ出産日が早いアガサがメガンに仕掛けた罠は? CWA賞作家の..

  • しゃばけ [book]

    畠中恵/新潮社/お薦め度 ★★★★☆ 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞 シリーズ第一弾 娑婆気(しゃばけ) 俗世間における、名誉・利得などのさまざまな欲望にとらわれる心 病弱な一太郎が人目を盗んで外出した夜、人殺しを目撃。それを機に、連続殺人が起こる。妖怪と一緒に事件解決に乗り出す一太郎。 続編に「ぬしさま」。 2004/07

  • 狼たちの城 [book]

    アレックス・ベール/扶桑社/お薦め度 ★★★★ スパイ小説!? ユダヤ人古書店主イザーク、一家がポーランドに移送されると聞き、頼ったのは元恋人でレジスタンスに関わっていると聞くクララ、彼女が用意した新しい身分はゲシュタポ特別捜査官アドルフ・ヴァイスマン。 アドルフ・ヴァイスマンの任務は城内で起きた女優殺人事件の捜査、イザークはその役を演じきるため、ゲシュタポの心臓部へ向かわざるを得ない。 素人スパイはその役を演じ切れるのか?クララが用意した身分は何のため?本物のヴァイスマンは?ゲシュタポの動きは?レジスタンスは何を画策しているか? 様々な謎がもつれ合い、真実が明らかになっていく・・・最後の捻りもいい! 一気読みのスパイ・冒険小説。

  • インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー [book]

    皆川博子/早川書房/お薦め度 ★★★★ 三部作完結編 一部、二部とのつながりがイマイチしっくりこない。前二作で活躍した外科医ダニエルの弟子エドとクラレンスは英本国から独立戦争中のアメリカへ補給隊員として派遣される。 国営軍と叛乱軍が対立、そこに先住民<モホーク>が複雑な立場で参戦する。エド、クラレンス、コロニスト<植民地開拓者>の父、先住民の母を持つアシュリー、モホークらが遭遇する事件、補給船船長の謎の死、売春宿で変死した軍曹、娼婦の伯母の小屋で起きた放火・・・ 一方、時は遡りアシュリーの家庭教師で友人のモーリスから依頼を受けた記者ロディが、エドと対峙し、アシュリーの死?の真相に迫って行く。 国営軍と叛乱軍、それに翻弄されるモホーク、インディアンの少数民族、支配しようとする者たちと抵抗する者たちの殺戮と差別・・・何度も繰り返されてきた悲劇が・・・ 弱気者に味方するエドの姿が気高..

  • 検事長ゲイツの犯罪 [book]

    シェルドン・シーゲル/講談社/お薦め度 ★★★★☆ ドリームチーム弁護団。シリーズ第二弾! 依頼人は現職の地区検事長ゲイツ。前作、「ドリームチーム弁護団」では、同僚の無実をはらすため刑事弁護士と地区検事として戦ったふたり。今回は立場を同じくして戦うとは・・・ カリフォルニア州の司法長官選挙に立候補中のゲイツ。選挙対策会議で遅くなり、そのままホテルに泊まることにした。朝、目が覚めてみたら、部屋に死体があったと、拘置所からわたし宛に電話が入る。 こんな素晴らしい朝に、どうして「法と秩序くん」と話さなければならないんだ?依頼人は大手法律事務所からわたしを追い出した張本人だし、この二年間は喧嘩が絶えなかった・・・ 死体は窒息死。顔は灰色のガムテープで覆われ、ベッドの支柱に手錠で手足を繋がれていた。ちなみに「女性」ではない。 ここでドリームチーム弁護団のおでまし!わたしことマイケル・デー..

  • ドリームチーム弁護団 [book]

    シェルドン・シーゲル/講談社/お薦め度 ★★★★☆ 「うかうかしていられないぞ、グリシャム」!?主人公のマイク・デイリーは大法律事務所を辞め、本当はクビ、事務所を去る当日、ふたりの同僚がオフィスで死体で発見される。パートナー(アメリカではパートナーとアソシエイトという分け方をする)のホームズとその部下でアソシエイトのダイアナ。警察が犯人として逮捕したのは、デイリーの親友の弁護士ジョエルだった。彼は独立したばかりの刑事弁護士として親友の弁護にあたることになる。デイリーと一騎打ちするのは、同じ法律事務所のパートナーで新しく地区検事に就任したスキッパー・ゲイツ。なかなか憎い配役。一方のドリームチーム弁護団?はデイリー、元妻で弁護士のロージー、デイリーの弟ピート。殺人容疑で捕まった元同僚への死刑判決を覆せるか?法律事務所内の腐った人間関係、被害者の私生活、主人公と元妻との不思議な関係などを法廷シ..

  • 黒牢城 [book]

    米澤穂信/KADOKAWA/お薦め度 ★★★★ 戦国ミステリー 織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠もった荒木村重、和睦のために有吉城へ遣わされた黒田官兵衛、和睦は不成立、官兵衛は土牢に幽閉される。所謂、<有吉城の戦い>。 城内で起こる不可解な事件、真相究明にあたる村重は土牢の官兵衛を訪ね、事件のあらましを語り、アームチェア・ディテクティブ?官兵衛の意見を聞く。 四章仕立て、一章から三章までは安楽椅子探偵の面目躍如となるが、最後の四章は軍師・官兵衛VS城主・村重の軍議、官兵衛の企ては如何に!? 土牢の中で難事件を射抜く官兵衛、このプロットが本書の肝、著者のアイデアにあっぱれ! 新たな時代小説の書き手の誕生!?

  • 短編回廊 [book]

    ローレンス・ブロック編/パーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★☆ 「短編画廊2」 アートから生まれた17の物語 寄稿者は前作「短編画廊」とほぼ同じ、リー・チャイルド、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーヴァー、ジョー・R・ランズデール、S・J・ローザン・・・ 読み手としては、まず絵画、版画、彫刻、壁画・・・があって、そこからインスパイアーされ、紡がれた物語がどんなものなのか想像しながら読み進む。 ジェフリー・ディーヴァーはラスコーの壁画、S・J・ローザンは北斎の版画「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」、リー・チャイルドはルノワールの絵画、ローレンス・ブロックはダヴィデ像・・・ アートと物語を対比させながら、想像しながら読み進む贅沢な一冊。 「短編画廊3」もあるのかな!?

  • チェスナットマン [book]

    セーアン・スヴァイストロプ/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★ バリー賞新人賞受賞作 コペンハーゲンで発生する若い母親を狙った連続殺人事件、被害者は身体の一部を切断され、死体のすぐそばには栗人形<チェスナットマン>がおかれていた。 栗人形には一年前に誘拐、殺害?された、社会問題大臣の娘の指紋が付着していた。犯人は捕まり既に収監されている。 重大犯罪課刑事トゥリーンのパートナーはユーロポーロの連絡担当官ヤン、型破りな仕事ぶりが上司の不興を買い、古巣のコペンハーゲン警察へ一時預かりとなった、捜査に身が入らないヤン、互いに一匹狼なのでなかなか理解しあえない。 収監されている犯人、社会問題大臣に再度聞きとりを行い、1年前の解決したはずの事件を蒸し返すふたり。そんななか新たな殺人事件が・・・ ふたりの一匹狼的視点と推理から事件に迫って行く展開はなかなか面白い。..

  • 裁かれる判事 [book]

    スティーヴ・マルティニ/集英社/お薦め度 ★★★★☆  シリーズ第四作 警察組合内部の不正を調査する大陪審が召集され、マドリアニはルノーに頼まれ警察官の代理人となる。大陪審の判事はマドリアニの宿敵(いつもいつも宿敵が出てくる本シリーズ!?)アコースタ。 こともあろうに、売春教唆の現行犯でアコースタ判事が逮捕され、その弁護を依頼される。なんという皮肉なプロット・・・ 検察側は犯行の情況証拠を固めると共に、決定的な物証まで用意していた。前回同様、警察組合からの妨害・・・苦戦を強いられるマドリアニ。 今回もまた?あっと驚く結末がまっている!さすがスティーヴ・マルティニ! 2002/12

  • 重要証人 [book]

    スティーヴ・マルティニ/集英社/お薦め度 ★★★★☆ あっと驚く結末! ポール・マドリアニ・シリーズは、「情況証拠」(角川文庫)が第一作。本書はシリーズ第二作目。その後、「依頼なき弁護」(集英社文庫)、「裁かれる判事」(集英社文庫)、「弁護人」(講談社文庫」と続く。 今回は旧友の頼みをうけ、やもえず検事として事件解決に力を尽くすことになる。検察局内にはマドリアニの検事職を快く思わないメンバーがおり、内外の敵を相手に戦う。 カップルばかりをねらった三件の連続殺人事件の容疑者が逮捕された。事件解明が進むにつれ、マドリアニは、犯人は別にいるのかもしれないと思うようになる。しかし、公判は始まってしまう。 被告側弁護人はマドリアニの宿敵、チェンバース。内なる敵からの情報漏洩、妨害・・・ 二転三転する結末とは?1994年の刊行だが、古さを感じさせないリーガルサスペンスのベストセラー!? ..

  • 評決の代償 [book]

    グレアム・ムーア/早川書房/お薦め度 ★★★★ リーガル・ミステリー 大富豪の娘ジェシカが行方不明になる。やがて黒人教師ボビーが逮捕され、殺人罪で起訴される。死体はみつからないまま・・・ 陪審員12名のなかに選ばれたマヤ・シール、彼女以外は有罪を主張する。マヤは陪審員をひとりづつ説得、無罪の評決を勝ち取るが、世間、マスコミのバッシングは容赦なかった。 陪審員のひとり、黒人男性のリックは早々と主張を翻し、マスコミとともにマヤへの批判を繰り広げる。 マヤは批判に耐えながら、刑事弁護士の道を歩むことになる・・・ 10年後、TV番組の企画で当時の陪審員、11名、1名欠席、の同窓会?が催される。マヤも上司の指示?で参加することに。番組の前夜、マヤとリックはマヤの部屋で口論となる。リックが明日みんなの前でサプライズがある、と。 マヤが頭を冷やすため部屋を出ても..

  • ヨルガオ殺人事件 [book]

    アンソニー・ホロヴィッツ/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆ 「カササギ殺人事件」の続編 わたし、スーザン・ライランド、元編集者で今はクレタ島のホテルの経営者、はイギリスのホテルの所有者トレーハン夫妻から娘のセシリーの失踪事件について調べ、8年前、彼らのホテルで起きたフランク・パリス殺害事件と関係があるかどうかつきとめてほしいと依頼される。 殺人事件の犯人は捕まり、終身刑を言い渡され収監されていた。 失踪前、セシリーは殺人事件の真相をある本の中で見つけたと夫妻に電話をしていた。ある本とはわたしが編集者としてかかわった、アラン・コンウェイ、前作にも登場、のアティカス・ピュント・シリーズの「愚行の代償」だった。 「カササギ殺人事件」同様、作中作と現在形と二度も謎解きを味わえる趣向になっている。 <アティカス・ピュント>は<名探偵ポアロ>、著者はBBCのテレビド..

  • 弁護人 [book]

    スティーヴ・マルティニ/講談社/お薦め度 ★★★★☆  弁護士ポール・マドリアニ・シリーズ第五弾。 宝くじで州始まって以来という多額の賞金を当てたヨナの依頼は、誘拐された孫娘・アマンダを取り戻して欲しいというものだった。 アマンダの母親・ジェシカは二年間、コロナの女子刑務所で服役していた。その間、一時的にヨナ夫婦が保護者になり、今は永続的な保護者になっていた。 半年前にジェシカは出所し、ヨナのもとを訪ねた。しかたなく孫娘との面会を許した。そのことが事件のきっかけとなる。 ジェシカは元の悪い癖を取り戻し、自分の娘を道具として使うことを考えはじめた。裁判所で二週間に一度アマンダを連れ出していいという許可をもらってきた。 ところが三週間前、面会期間が終わっても、ジェシカはアマンダを返しに来なかった。ジェシカが連れてきたのは女性擁護組織の主宰者・ゾランダだった。口論の末..

  • ダークライン [book]

    ジョー・R・ランズデール/早川書房/お薦め度 ★★★★☆  ストーリーは少年冒険小説的な展開、舞台は1958年、アメリカが光り輝いていた時代、南部の片田舎、十三歳のスタンリーは地中から恋文?の入った箱を掘り出す。姉のカルドニアと一緒に恋文の主を探しているうちに、過去の殺人事件?を知り、その謎へと迫っていく。 ドライヴ・イン・シアターを営む両親、黒人のメイド、暴力を振るう内縁の夫、飲んだくれの映写技師、町の実力者、愛犬・・・スタンリーを取り巻くさまざまな人々と時代背景。その中で謎解きの経過と共に成長していく主人公・・・どことなく、スティーヴン・キングの「スタンド・バイ・ミー」を彷彿させる。 手法は冒険小説的かもしれないが、ゆっくり流れる時代と謎解きは一級のミステリー! 2003/04

  • 機龍警察 白骨街道 [book]

    月村了衛/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ シリーズ第六弾 国際指名手配の男がミャンマーの奥地で逮捕された。日本への移送に指名されたのは機龍兵搭乗要員の姿、オズロフ、ラドーナの3名、しかも丸腰での・・・ 指名手配犯は国産機甲兵装開発のため製造された着脱式複合装甲モジュールの試作品を持ち出し、どこかに隠蔽したらしい・・・ 収容所は紛争地帯の真っただ中に位置し、少数民族の武装勢力と国軍が対立を続けているところ。 日本大使館の外務省専門調査員、ミャンマー警察を加えた行軍が始まる。 一方、国内では捜査二課が国産機甲兵開発に絡む不可解な金の流れを追っていた。 ミャンマーでの敵か味方かわからない泥沼の戦い、国内では裏金がミャンマー、政界へ還流し、その中心に城木理事官の親族がかかわっている。これらが並行して語られる。 バックグランドとして現在のミャンマー、軍によ..

  • 自由研究には向かない殺人 [book]

    ホリー・ジャクソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆ ブリテッシュ・ブックアワード受賞 17歳の少女ピップ、自由研究で得られる資格をとるため選んだ課題は、5年前、この町で行方不明になった、アンディ・ベルの捜査に関するもの。 情報のおもな入手方法は、失踪事件の専門家へのインタビュー、失踪事件を報道した地元ジャーナリストへのインタビュー、新聞記事・・・ 指導教官からのコメント、事件に巻き込まれたどちらのご家族ともいっさい連絡はとらないこと。もし守れない場合は、あなたの自由研究は不合格となります。 事件はアンディの失踪だけに止まらず、彼女と付き合っていた少年、サル、が第一容疑者として浮かび上がり、自殺したとされた。 物語は関係者のインタビューが作業記録として記されて行く。記録が重なるごとに容疑者リストに身近な人物の名前が増えて行く。 調査の途中で脅迫メモ..

  • アイスマン [book]

    ジョー・R・ランズデール/早川書房/お薦め度 ★★★★☆  昨年末刊行された「ボトムズ」はMWA賞受賞作。それをも凌ぐと言われたら・・・ 強盗に失敗したビルの逃げ込んだ先はフリークショー(freak)の一座だった。 フリークショーとは戦前の日本にもあった興行。奇形の人びとを見世物にするもの。本書ではドッグマンやひげ女、黒人のシャム双生児、でか頭、胸から手が生えている連中が登場する。 ビルは逃走の途中、ボトムズ(湿地帯)で何千匹もの蚊の大群に襲われ、まぶたは大きく膨れ、鼻はぼこぼこ、唇はタイヤのチューブのように腫れあがった見るも無惨な顔になっていた。その容姿が幸いしフリークショー一座の面々に温かく迎えられることになった。 やむなく彼らと生活を共にしながら逃げだすチャンスを伺うことにしたビルをそそのかす女があらわれる。経営者の妻・ギジェットだ。夫を殺しふたりで..

  • 死人街道 [book]

    ジョー・R・ランズデール/新紀元社/お薦め度 ★★★★ 五編収録の連作集 西部劇とホラーの融合=weird west=幽霊など超自然的なものを思わせて異様な、気味の悪い、この世のものでない、変な、奇妙な西部。 三十六口径コルト・ネイヴィをサッシュベルトで腰に留めたジェビダイア・メーサー牧師、邪悪なるものと遭遇した以上、使命は果たさなくてはならない。なぜか自分でもわからないが、邪悪なるものを感知することができた。恩恵とも呪縛ともつかない、犯した罪の代償に神から与えられたものだ。 魑魅魍魎の跋扈する魔界へ引き寄せられるメーサー牧師。そこにあるのは砂埃と血と汗、目に沁みる硝煙の臭いだけ。 ジム・トンプスンのパルプ・ノワール、夢枕漠の「陰陽師」とも違うジョー・R・ランズデールの「ウィアード・ウエスト」が。初めて手にするジャンルだ・・・

  • パラダイス・ガーデンの喪失 [book]

    若竹七海/光文社/お薦め度 ★★★★ 葉崎シリーズ!? キルトはまず、小布、ピース、を一定の法則、パターン、にそって縫い合わせる。いわゆるパッチワークから始まる。帯状やら正方形、三角に切ったピースを組み合わせ、さらに大きな図形を作っていく。 パラダイス・ガーデンで老女が自殺?オーナーの兵藤房子は自殺ほう助を疑われる・・・これがパッチワークのはじめ。 誘拐、詐欺、窃盗・・・と次々といろんなパッチワークが。しかも御近所さん、知り合い、親戚・・・それぞれの抱える綻びが連鎖しはじめる。 できあがったパッチワークをラティスという帯状の布でつないで、綿と裏布を重ね、上から刺していく、つまりキルティングをする。 キルティングをする役目は葉崎署の二村貴美子警部補。フロスト警部さながらの仕事中毒!?それぞれのパッチワークの謎を最後に回収する様はお見事。

  • ボトムズ [book]

    ジョー・R・ランズデール/早川書房/お薦め度 ★★★★☆   MWA最優秀長編賞受賞作 八十歳を過ぎたいま、老人ホームのベッドに横たわる「私」こと、ハリーが事件の回想に耽るところから始まる。 1933年か34年の夏だった。十一歳のハリーは重傷を負った愛犬をピストルで処分するため、妹と森の中に入るが道に迷ってしまう。そのあげく黒人女の惨殺死体を発見する。ほうほうの体で家にたどり着く。 父親のジェイコブは理髪店を営む傍ら、町の治安官を務めていた。検死の結果、売春婦の身元が判明する。しかし、ジェイコブ以外、売春婦殺しにかかわる白人はこの町にはいなかった。 やがてこの売春婦殺しが過去一年半、近くで起きた三件目の事件であることを知らされのだった。 半身がヤギで半身が人間という魔物ゴート・マンが出現するホラータッチのサイコミステリーだが、当時の黒人に対する暴力、..

  • 見知らぬ人 [book]

    エリー・グリフィス/東京創元社/お薦め度 ★★★★ MWA賞最優秀長編賞受賞作 三人、中等学校の英語教師クレア、部長刑事のハービンダー、クレアの娘ジョージー、の視点を変えながら物語が綴られて行く。 クレアが研究?しているヴィクトリア朝時代の怪談作家R・M・ホランドの「見知らぬ人」が挿入されており、古色蒼然さを演出している。 クレアの同僚が殺害され、遺体のそばに「見知らぬ人」からの引用「地獄はからだ」と書かれたメモが・・・ 続いて、クレアの日記に「あなたはわたしを知らない」の書き込みが見つかる・・・ それに続き、クレアの上司リック、英語科主任、の遺体がホランドの書斎、校舎に残された屋根裏部屋で発見される・・・ クレアの人間関係、親子、同僚、元夫・・・ジョージーの人間関係、ボーイフレンド、同級生、先生・・・ハービンダーの親子関係・・・三人のプライベート..

  • 汚れた翼 [book]

    ジャン・バーク/講談社/お薦め度★★★★  MWA賞作家 本書の主人公は、前作「骨」の主人公アイリーン、イクスプレス紙記者、の旦那フランク・ハリマン刑事。新聞記者の旦那が刑事とは・・・ 10年前に起きた刑事失踪事件―実業家の父と娘は殺され、息子は瀕死の重症を負う。子供を救い出した刑事・ルフェーヴルが忽然と姿を消す。しかも子供の命を絶って!?―の犯人にされたルフェーヴル刑事が乗っていたと思われるセスナ機が山中で発見される。当時のことを知らないハリマン刑事が捜査を命じられる。署内の空気はひややか、既に片付いて事件を今さらと・・・ 今は亡き元同僚が犯人だったのか?それとも真犯人が存在するのか?孤軍奮闘するハリマン。アイリーンの内助の功はいかに!? 夫婦を交互に主人公にするなんて禁じ手?しかし、シリーズを長続きさせるコツではある。その証拠に本シリーズは第八弾とか、邦訳..

  • 誘拐の日 [book]

    チョン・ヘヨン/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★☆ 韓国ミステリー 娘の手術費用を捻出するため誘拐を元妻から持ちかけられるミョンジュン、豪邸に侵入する前に車の前に飛び出してきた少女をはねてしまう。その少女、ロヒが目的の子だったとは・・・ 事故の影響で記憶を亡くしたロヒに、自分は父親だと名乗ってしまうミョンジュン、ドジな誘拐犯と少女の奇妙な会話と暮らし・・・ 身代金要求のためロヒの両親と連絡を取ろうと試みるも電話がつながらない。仕方なく再度、豪邸を訪れると、警察と野次馬が・・・ ロヒの両親が死体で発見された、と。ミョンジュンは殺人事件の容疑者に・・・ 自分で身の潔白を立てるため、ふたり、ミョンジュンとロヒ、で行動を起こすはめに・・・ ロヒ、天才児、とミョンジュン、ドジで間抜けな、のデコボココンビと奇想天外?な展開が絡み合った新感覚の誘拐話・・・ ドンデン返しも用意された..

  • 骨 [book]

    ジャン・バーク/講談社/お薦め度 ★★★★★  犬好き、ミステリー好きのみなさんへ! 連続殺人犯・パリッシュと遺体発掘隊に同行することになったイクスプレス紙記者・アイリーン。彼女が発掘隊に加わった理由は、行方不明の母親を探している少女・ジリアンからの依頼だった。 シェラ・ネバダ山中で、ジリアンの母親の遺体を確認した一隊を待っていたのは、パリッシュが仕掛けた恐るべき罠だった。 罠から逃れることが出来たのは、アイリーン、法廷人類学者・ベン、死体捜索犬・ビングル。しかもベンは爆発により瀕死の重傷を負ってしまう。アイリーンが頼れるのは捜索犬のピングルだけだった。 アイリーン、ビングルの決死の逃走劇、やっとの思いで脱出に成功する。 パリッシュから解放されたアイリーンだったが、事件のトラウマから抜け出せない日々が続く。 そんなある日、ヴァンの中で異臭を感じたアイリ..

  • 宿敵 [book]

    リー・チャイルド/講談社/お薦め度 ★★★★ ジャック・リーチャー・シリーズ リーチャーは10年前に息の根をとめたはずの悪党・クインをボストンで目撃する。麻薬取締局捜査官ダフィーはオリエンタルラグの輸入商・ベックのもとに送り込んだ潜入捜査官が行方不明。リーチャーの思惑と麻薬取締局捜査官の思惑が一致する。 一計を案じる両者、ベックの大学生の息子・リチャードをターゲットに一芝居をうち、ベックのもとにリーチャーが潜入する案が実行される。潜入捜査のリーチャーなんて初めて!? 次第に明らかになるベックの裏の顔、クインとベックの関係、その関係から耳を削ぎ落されたリチャードの事件・・・しかし、行方不明の捜査官の消息はようとして知れず。 そこはジャック・リーチャー・シリーズ、身体を張ったリーチャーのアクションシーンは後半満載!クインに殺された部下とリーチャー、ダフィーとリーチ..

  • 台北プライベートアイ [book]

    紀蔚然/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 台湾ミステリー 「私立探偵 呉誠」、「Private Eye Chen Wu」、元大学教授、演劇学、英語を教える、劇作家、パニック障害、ひねくれもの・・・妻に逃げられ?マンションを売却、雑多な街で私立探偵に。 台湾から新しい探偵、なかなかの設定、の登場!? 初めての依頼は、急にぎくしゃくしはじめた父親と娘の関係調査、なんとかこなしたものの、柳の下に二匹目のどじょうはいなかった。暇を持て余す呉の目を引いたのは、台北中を騒がせる連続殺人事件、3人の老人が殺された、だった。 調査を始めた呉だったが、逆に容疑者として逮捕されてしまう。決め手は防犯カメラに映る呉の姿。イギリス同様、台湾も防犯カメラ社会・・・ 容疑は晴れるが、それと引き換えに捜査に参加させてもらうことに。 この辺まではひねくれもののウンチク、台湾論、宗教論..

  • あきない世傳 金と銀11 [book]

    高田郁/角川春樹事務所/お薦め度 ★★★★ シリーズ第十一弾 五十鈴屋の藍染浴衣地は、江戸中の評判となった。幸の次の一手は、一時の流行りで終わらせないためにどうすべきか・・・ マーケティング的に言えば、トヨタがとったオープン戦略とは、自社技術を同業他社に開放し、その技術を用いる製品の陣容を拡大した上で市場競争に臨み、自社技術を用いた製品を普及させることによって、自社技術の技術標準化を図る。 言いかえると、浅草太物仲間に限り、五十鈴屋は型染めの技を無償でお教えます。染物師を寄越してください。技を公開し、型紙を融通することで、浅草太物仲間のどの店でも藍染浴衣地を商えるようにしたい。 ひとつの店だけで商われる品は短命。おそらくは一時の流行りで終わってしまう。幸はそれを望まなかったからこそオープン戦略をとったのです 次作は太物仲間が幸への恩返し!?

  • 越境者 [book]

    C・J・ボックス/東京創元社/お薦め度 ★★★★ ジョー・ピケット・シリーズ第十三弾 ルーロン知事の取り計らいで猟区管理官として復職したピケット、新たな肩書は<行政府特別連絡担当>、知事は善意あふれる親切な牧場主、ピケットは問題解決のため雇われた用心棒、いわばカウボーイ偵察員!? ルーロン知事からの指令は、謎の大富豪、テンプルトン、が貧困に陥っている地域のほとんどを買上げ、ひきこもった生活をしている。FBIは彼が一種の極めて高額な暗殺ビジネスを運営していると考えている。現場調査官としてそれを確かめてほしい、と。直接状況に巻き込まれることなく・・・ 旧知のFBI支局長からレクチャーを受け、友人のネイトらしい人物の画像も含め、単身で出発するピケット。現地の猟区管理官ラッタと合流、情報収集を開始する。 閉鎖的な村社会、村人の多くがテンプルトンからなんらかの恩恵を受け..

  • 沈黙の森 [book]

    C・J・ボックス/講談社/お薦め度 ★★★★☆  シリーズ第一弾2002年、アンソニー賞最優秀処女長篇賞、バリー賞最優秀処女長篇賞、マカヴィティ賞最優秀処女長篇賞、ガムシュー賞最優秀処女長篇賞。四冠達成の大偉業!?新米のワイオミング州猟区管理官、野生動物を保護・管理する、ジョー・ピケット。おっちょこちょいな性格?、仕事を、家族を愛しているが、如何せん薄給の身。妻の母親からバカにされる始末・・・事件の発端は、違反切符を切った密猟者が、自宅の庭で殺され、それに続き、キャンプ場で二人のハンターの死体が発見される。やがて見えぬ敵がジョーと家族をターゲットに据える。ターゲットにされた途端、ジョーの変身?が始まる。なんとも「ロッキー」的なプロット!?西部劇的というか、良きアメリカ的というか・・・成功要因の一番にあげてもいい。大自然をバックに、男冥利につきる物語。2004/10

  • 誕生日パーティー [book]

    ユーディド・W・タシュラー/集英社/お薦め度 ★★★★ 邦訳二作目 キム、カンボジア移民、の50歳の誕生日パーティーに、小学生の末息子ヨナスはサプライズゲストに両親の幼馴染デヴィ、アメリカ在住、を招待する。 キムから子供時代の話をほとんど聞いたことがないヨナス、姉、兄も同様に、は音信不通になっているデヴィをパーティーに呼ぶことで父の子供時代の話が聞けるかもしれないと思っての企みだった。 カンボジア、ポル・ポト政権、大虐殺、クメール・ルージュ・・・政権末期、タイを目指したキム、瀕死の重傷を負ったデヴィを背負って生き延び、難民としてオーストリアに来て、ふたりは田舎の家族に引き取られた。 ちょっとした冒険心からフランス旅行中にデヴィの叔母探しをしたふたりは偶然にも叔母に巡り合え、デヴィはフランスで暮らすことに・・・当初はキムもいっしょだったが、オーストリアの家族のもとへ戻った。 カン..

  • 続・用心棒 [book]

    デイヴィッド・ゴードン/早川書房/お薦め度 ★★★★ シリーズ第二弾 用心棒のジョーが帰って来た ニューヨークの裏社会を牛耳るボスたちが、リトル・マリア、ドミニカ系組織のボス、の招集に応じ、一堂に会することに。ジョーも招集される・・・ 純度100%、50キロのヘロイン、アルカイーダ系の分派組織によって強奪された、を買い取ってほしいとの商談が舞い込んだ。しかも、400万ドル相当のダイヤモンドでの支払いを要求しているという。 そこでジョーの出番が・・・取引に応じると見せかけ、ヘロインを強奪、テロ組織への資金源を断つというもの。 ボスたちの懐を煩わせない条件として、ダイヤモンドは街一番の宝石商から強奪、ヘロインの取引成立後、そのダイヤモンドを奪いかえすこと・・・ この作戦はどういうわけかFBI、CIAにだだ漏れ、組織の中に内通者が? ジェットコースター..

  • 大聖堂の悪霊 [book]

    チャールズ・パリサー/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ 「五輪の薔薇」に続く知的興奮に満ちたミステリー 舞台は十九世紀後半、歴史学者・コーティンは旧友・フィクリングに招かれ大聖堂のある町を訪れる。 迎えてくれた旧友や大聖堂の図書館館長の態度になにか釈然としないものを感じながらも、古文書調べをすすめるうち、二百五十年前の殺人事件の話を聞かされる。その事件は未だ解決していなかった。コーティンは解明されていない謎の部分に興味を抱く。 数日後、知り合ったばかりの老銀行家が殺される事件が起きた。やがてコーティンは、二百五十年前に起きた事件と現在起きている事件が織りなす謎の世界へ引きずり込まれていく。 過去の謎解き、現在の謎解きと二倍楽しめる作品になっている。語り口は十九世紀、歴史学者の手記という形をとっているせいか全体的に穏やかで淡々したものになっているが、過去と現在が交錯するためしばし..

  • 鬼火 [book]

    マイクル・コナリー/講談社/お薦め度 ★★★★ ボッシュ&バラード、時々ハラー レイネ・バラード・シリーズ第三弾。 前作の最後にふたりは、この先、いっしょに事件に取り組むことを約束した。オフレコで、ロス市警のレーダーの下をかいくぐる形ではあるが・・・ ボッシュが新人だったころ、パートナーを組んで、殺人事件のいろはを教えてくれた恩師が亡くなった。葬儀に参列したボッシュは未亡人から自宅に保管していた二十年前の調書を渡される。 ハラーは上級裁判所判事殺害事件を担当させられ?ボッシュに被告側調査員として協力してもらっていた。被告はDNAが一致、犯行を自供しており、絶体絶命!? 一方、バラードはホームレス焼死事件の前場に急行、酔っぱらってヒーターを倒し、焼死した事故死とみなし消防局に処理を任せた。 これら三つの事件が絡み合い、ボッシュとバラードを中心に、怒涛の展開を見せる。さすがマイク..

  • 非弁護人 [book]

    月村了衛/徳間書店/お薦め度 ★★★★ リーガルサスペンス 非弁護人。あるいはエセ弁。裏社会の住人から高額な報酬と引き換えに不可能とも思える仕事を請け負う、法曹界の風上にも置けない輩。 ヤメ検にもなれなかった検察崩れの宗光、ヤメ検の篠田。ふたりは同期の検事だったが、政治家絡みの事件をとことん追い詰めたが、土壇場で上司にはしごを外され、宗光はムショへ。篠田は上司の計らい?でヤメ検へ。 住所不定の宗光、ホテルを渡り歩く、がホテル近くのパキスタン料理であった、店主と息子、ひょんなことで店主を助けたことで、息子から行方知れずの同級生の女の子捜しを依頼される。報酬は三千三百円・・・ 失踪した少女とその家族を追ううちに、どうしようもない元ヤクザ達と家族を喰い物にする男の存在が明らかになる。おびただしいマイノリティの集団の失踪事件、在日韓国人達の有機農法、元ヤクザの振り込め詐欺集団、人材派遣会..

  • 江戸染まぬ [book]

    青山文平/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 全七編収録の短編集 表題の「江戸染まぬ」が捻りが効いている。 一季奉公の俺、相模国の里に戻る女、芳の御伴で、こいつはちっとばかりどころかたいそう訳ありだ。 屋敷の「老公」は若い。うんと若い。なんと二十一だ。殿様を退いたのは二年前だから、老公になったのは十九歳だった。いまどき借金で首が回らない大名なんてめずらしくねぇが、十九の殿様を御老公にして、余所の大名家の次男坊だか三男坊だかを新しい殿様に据えた。持参金で急場を凌ごうとしたわけさ。 二十一だって御老公だ、奥方は迎えられねえ。で、下女の一季奉公してた三つ歳上の芳がとりあえず御相手を務めることになった。芳と老公はしっくりいって昨年の秋には子供もできた。男の子だ。同じ頃、三十過ぎの殿様にも子が生まれてね、けど、そっちは女の子だった。芳の子は血筋で言やあずっとつづいてきた大名家..

  • 帰らざる故郷 [book]

    ジョン・ハート/早川書房/お薦め度 ★★★★ 壊れた家族の物語 長男、ロバート、ヴェトナム戦争で戦死、次男、ジェイソン、元海兵隊員、不名誉除隊?ドラッグに溺れ刑務所へ、末息子のギビー、過保護に育てられた、今も過保護な母親の元、18歳・・・ ジェイソンが出所、ふたりの兄に憧れるギビー、もっと兄のことを知りたいと思っている。兄からふたりで女の子と一緒に過ごそうと持ちかけられ、それに乗る。 一緒に過ごした女の子のひとりで無残姿で発見される。殺害の容疑がジェイソンにかかり、逮捕される。兄の無実を信じるギビーは友達を誘い、無謀にも?兄を知る人たちを訪ねる。 殺人課の刑事である父は、かわいい末息子とジェイソン、妻とジェイソンの間に入り、中途半端な立ち位置のまま、ジェイソンの捜査から外される。 ジェイソンの収監された刑務所で待ち構える刑務所の王様、X、あらぬ方向に物語..

  • わたしが消える [book]

    佐野広実/講談社/お薦め度 ★★★☆ 第66回(2020年)江戸川乱歩賞受賞作 軽度認知障碍(障害者→障碍者)と診断された藤巻、元警察官、今はマンションの管理員、大学生のひとり娘、裕美から実習中の介護施設の門の前に置き去りにされた老人、「門前さん」、の身元探しを依頼される。 偶然にも置き去りにした人物と思われる老婆、防犯カメラ、電話・・・、と遭遇したものの、20年一緒に暮らしていたが、門前さんの詳しい素性はわからない、と。 後日、老婆から連絡があり、駆け付けてみると、パスポート2通、学生証2枚、社員証1枚、日雇い手帳1通の入った布袋を渡される。そこに書かれた名前はすべて異なっていた。 門前さんの指紋をとり、元同僚に調べてもらうが、該当者なし?との返事・・・ かつて警察をうたった時にお世話になった弁護士の協力を仰ぐが、その弁護士が殺されるところからサスペン..

  • われらが痛みの鏡 [book]

    ピエール・ルメートル/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ 完結編 「天国でまた会おう」、「炎の色」に続く第3部完結編 1940年4月、パリ陥落前夜、小学校教師のかたわら、週に一度自宅の向かいにあるレストランでウェイトレスとして働いているルーイズ。常連客の老医師ティリオンから奇妙な申し出をされる・・・ 申し出を受け、ホテルに向かうルイーズ。そこで待ち受けている悲劇?がルイーズを翻弄する。 本書は群像劇、ルイーズ以外の登場人物は、ドイツ軍の毒ガス攻撃に戦々恐々としながら要塞で待機する兵士のガブリエールとラウール。天才的詐欺師デジレ、パリの機動憲兵隊員のフェルナン・・・ 一見無関係な人物たちの運命が交差し、別の運命に導かれて行く。 第1部で砲弾で大けがを負ったエドゥアールの仮面作りを手伝ったルイーズが完結編の冒頭から登場する歴史ミステリー。 完結編にふさわ..

  • 虹の谷の五月 [book]

    船戸与一/集英社/お薦め度 ★★★★★ 直木賞受賞作 フィリピン人と日本人との混血・ジャピーノ。おいらの名前はトシオ・マナハン。みんなはおいらをジャピーノと呼ぶ。 舞台はフィリピン・セブ島。おいらしか知らない虹の谷で起こった三年間の物語。それはおいらが十三歳のときから始まった・・・ 十三歳の五月、ここガルソバンガ地区にシルビア・ガラン・オオシタが戻ってきた。二十一年まえ日本人画家と結婚。その夫は一年半ほどまえに脳隘血で死んだ。どうしてもやらなきゃならないことがふたつあるからと帰ってきた。ひとつは故郷のために役立つことをする。もうひとつは言わない、と。 おいらはシルビアと四人の男を一万ペソで虹の谷に案内するはめになった。虹の谷にはリベルタ婆さんの息子、ホセ・マンガハスがひとりで暮らしている。ホセは新人民軍の副指揮官だったらしいが、何かの理由で十二、三年まえに新人..

  • 天国への階段 [book]

    白川道/幻冬舎/お薦め度 ★★★★★ 驚嘆のミステリー巨編! 家業の牧場を騙し取られ、非業の死を遂げた父。最愛の女性にも裏切られ、孤独と絶望だけを抱え19歳の夏上京した柏木圭一は、26年の歳月を経、若き実業家となった。 元強盗犯・及川広美が刺殺された。及川を逮捕した定年間近の刑事・桑田則夫は、自ら志願して捜査を開始した。その最中に不可解な第二の殺人事件が起きる。 孤独と絶望を抱えた男は、罪を礎に巨大な財を成した。そして今、金だけを武器に壮絶な復讐の階段を昇りはじめる。復讐のターゲットとシナリオとは・・・ こう書いてしまうと、ハードボイルド小説のキャプションになってしまうが、実は恋愛小説!? 26年前、柏木は父の命を奪った牧場主の娘・亜木子と将来を約束していた。しかし、亜木子は二世議員・江成達也の政略結婚の道具となってしまった。 上京した柏木はがむしゃらに働き、そこで知り合った..

  • 天使と嘘 [book]

    マイケル・ロボサム/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ CWA賞ゴールド・ダガー受賞 臨床心理士のサイラス、両親と妹たちを殺された迷える少年だった、と児童養護施設で暮らす?少女イーヴィ、腐乱死体の隠し部屋から発見された少女”エンジェル・フェイス”、が主人公のシリーズ第一作。 サイラスのもとにバーヴェル警部、迷える少年時代からの顔見知り、から捜査協力を要請される。将来を嘱望されたフィギュア・スケーターの少女が死体で発見された事件を・・・ 養護施設というより矯正施設と言ったほうがいいところで暮らすイーヴィ、反抗的な態度をとり続ける彼女に興味を示すサイラス。イーヴィは”真実の魔術師”(人の嘘がわかる)だった。 物語はサイラスとイーヴィの関係が語られ、その一方で、殺害された少女の事件の捜査模様が展開していく。 ジェフリー・ディーヴァーのキャサリン・ダンス、”人間嘘発見器”。キャロル・オコン..

  • 運命の証人 [book]

    D・M・ディヴァイン/東京創元社/お薦め度 ★★★★ 1968年の作品 物語は法廷場面から始まる。事務弁護士で被告人のジョン・ブレスコットは他人事のように裁判の成り行きを見守っている。二件の殺人罪で裁かれているのに・・・ 事件の発端は六年前にさかのぼる。ブレスコットの友人ピーターの恋人、ノラに出会い、虜になったことから始まる。ピーターとノラは婚約したものの、心配事?を抱えているように見えるピーターが首つり自殺をする。警察の下した結論は自殺。 事件後、ブレスコットとノラは結婚する。その5年後、もうひとつの殺人事件の被害者が明らかになる。これにはびっくり! 物語はやっと現在の裁判に追いつく。一件目はピーターは自殺ではなくブレスコットに殺されたのだ、と。更に二件目は殺人現場に居合わせたブレスコット、一件目より黒の確証が強い。 原題はThe sleeping tiger、ブレスコットの..

  • ブート・バザールの少年探偵 [book]

    ディーパ・アーナパーラ/早川書房/お薦め度 ★★★★ エドガー賞最優秀長編賞受賞作 刑事ドラマ好きの9歳の少年ジャイ。ある日同級生が行方不明になるが、警察をはじめ学校の先生までもが無関心、そこでジャイは同級生のパリ、読書好き、とファイズ、ムスリムの少年、を巻き込んで探偵団を結成!? ママのへそくりからお金を失敬して、パリと一緒に地下鉄に初めて乗ったり、ブート(幽霊)・バザールを捜索することに・・・ その後も続く失踪事件、4人はほぼ子供、ひとりは16歳だから子どもじゃないが、ジャイの住むパスティ、スラム地区、からいなくなった。更に2人、姉妹、が・・・ 子供の捜索には限界が・・・そんな折り、ジャイの姉、ルヌ、が行方不明となり物語は一挙に動き出す。 エドガー賞受賞作の中では異色!?、インド社会の闇、毎日180人もの子どもが行方不明になる、とインドの多様性、イン..

  • 頭蓋骨のマントラ [book]

    エリオット・パティス/早川書房/お薦め度 ★★★★☆   強制収容所の囚人が首なし死体事件を追う チベット:1949年中華人民共和国の成立にともなって、中共軍はチベットに侵攻。59年ダライ・ラマ14世のインド亡命をもって、チベットの独立は失われた。中国政府支配下におかれたチベット自治区では、その後の文化大革命によって、チベット仏教の大本山・古刹は徹底的に破壊、大量死刑、長期にわたる投獄・拷問など宗教活動が著しく制限、人権侵害が著しかった。 主人公はかつての中国経済部の主任監察官・単 道雲。大規模な汚職を摘発、上層部に疎んじられ、チベットの強制労働キャンプに送り込まれた。 そこにはもっぱらチベット仏教の僧侶たちが収容され、軍事道路建設に従事させられていた。その作業場で首なし死体が発見される。 この地域の軍事責任者・譚大佐は主人公・単に事件の捜査を命じる。 迫害..

  • 血の葬送曲 [book]

    ベン・クリード/KADOKAWA/お薦め度 ★★★★ 歴史警察ミステリー 1951年、レニングラード、スターリンの恐怖政治下、大雪の降ったあとの線路に5つの猟奇的な死体、おぞましい仮想を施されて切り刻まれた、が整然と並べられていた。 男が三人、女がふたり。女王、司祭、真っ裸の睾丸なしと、真っ裸の睾丸あり、それに秘密警察・・・ 本来なら秘密警察が担当すべき事件ではないかと疑問を持ちながら身元確認に奔走する人民警察のレヴォル・ロッセル。 ラッセルは将来を嘱望されたヴァイオリニストだったが、密告され自白を強要する尋問を受け、左手の二本の指をなくした。 警部補であり元ヴァイオリニストだったことがラッセルを事件の真ん中に引きずり込む・・・ 警察小説と音楽が交わること自体珍しいことのように思えるが、時代背景がそのおぜん立てをしている。そういう意味では歴史ミステ..

  • 父を撃った12の銃弾 [book]

    ハンナ・ティンティ/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆ クライム・サスペンス 11の銃弾は父ホーリーのハードボイルドな生業、妻リリーとの出会い、娘ルーの誕生、妻リリーの死・・・が絡む父の過去の物語。 それと並行して語られる娘ルーの成長物語。各地を転々としながら暮らしてきた父娘、ルー12歳、ふたりは母の故郷に移り住むが、近くに住む祖母、妻の母、は父を受け入れはしない。 母はなぜ死んだのか?両親はどんなふうに生きてきたのか?父の身体に刻まれた弾症はどうしてできたのか?重い過去が・・・ 最終章で最後の銃弾、12の、と17歳の誕生日を迎えた父娘の物語が交差する、というより過去が現在に覆いかぶさる。 一言で言えば一卵性父娘の愛情物語?お薦めの一冊。

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