chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
まゆだま https://blog.goo.ne.jp/doaproject

異世界恋愛ファンタジー小説メイン。同人活動・観劇・製本・読書感想等趣味日記も。

山崎神楽と時雨亮による創作サークルDOAのブログです。 魔族と人族が争う異世界ファンタジー、「悲恋」「光の深奥」完結。「獅子の檻」鋭意執筆中。 恋や愛を誠実に描く努力をしています。どうぞお立ち寄りくださいませ。

時雨亮
フォロー
住所
高岡市
出身
高岡市
ブログ村参加

2007/03/14

arrow_drop_down
  • 獅子の檻(8)再会

    瞼を持ち上げると、明かりの灯っていない部屋は夜の闇に包まれていた。「リリィ。」「・・・その声」外だ。天幕越しに聞こえる低い声。「ファイサル?」「あたり。」笑い声を含ませて、静かにファイサルは答えた。リリィは寝台から跳ね起きると上着を取り、部屋の燭台に火を入れた。「・・・マール?なにしてんの」外への幕の向こうに小さな人影があった。幕を捲り、リリィが顔を出すと、丸い目を吊り上げてマールが仁王立ちしていた。「なにって、リリィ様。怪しい男たちがテントの周りで」「姫君の様子を探っていたから警備していたということだ」「ファイサル」長身の影が木立の陰からテントに歩み寄ってきた。「久しぶりだな」少し身をかがめて、ファイサルはリリィに会釈した。夜なのに、その姿はきらきらと輝いていた。「何しに来たの」「随分なご挨拶だな」声を殺して...獅子の檻(8)再会

  • 獅子の檻(7)記憶

    収穫の祭りが好きだ。大きなやぐらを組んでみんなで火を取り囲む。その年に選ばれた男女が顔を白く塗って、濃い化粧をして神に捧げる舞を舞う。その周りを小太鼓を持って、打ち鳴らし、横笛を吹き、みんなが円を描いて座り、歌う。四つの家から家長が招待され、豪勢な食事と酒を前に笑い飲み交わす。族長が中央で座り、傍らに妻が酌をする。ととさまかかさま金色の巻き毛の少女が走り寄ると、髪に付けた鈴がしゃん、しゃんと鳴る。愉しくて仕方ない、赤く火照った頬。額の汗を母が拭う。綺麗で物静かなかかさま。さらさらの髪を後ろでひとつにまとめて細い肩に臙脂色の羽織。お祭りの正装が、母を更に美しく見せていた。(・・・きれいな、かかさま・・・。)白くて細い指で、リリィの頬を包み込む。大好きな、かかさま。夢を見ている。昔のことだ。母が生きていた、まだ魔獣...獅子の檻(7)記憶

  • 獅子の檻(6)惰気

    魔族の居城に出かけたことは、父王に知れていなかったが、マールにこっぴどくどやされた。「そんなんだから、婚期を逃すんですよ」「うっさい」それでも無事に返ってきたリリィを見てこれ以上ない安堵の表情で目に涙まで浮かべた従者にリリィは素直に反省していた。全く無謀だった。帰ってこられたのは、偏にファイサルの裁量だと思う。ファイサルと別れてからひと月が過ぎた。半ばに西の谷への出撃があり、忙しく過ごした。父王は、あれから魔族との縁談の話を持ち出さなかった。気を遣われたのかもしれない。それはそれでなんとなく面白くなかった。西の谷から領地に戻ってきたリリィは、自室に籠った。広い円形の家屋には、中央に炉、その向こうに椅子、椅子の右手に槍が掲げられており、幕で仕切られた奥に質素な箪笥が一棹。脚付きのベッドがひとつ。臙脂と錆浅黄を織り...獅子の檻(6)惰気

  • 謹賀新年2015

    年末からこの期に及んで人物画の練習とか始めました雨です。新年、おめでとうございます。年末は仕事が立て込んでおり、お疲れのため忘年会と称して飲み続けており、現在は新年会と称して飲み続けております。いい日本酒ばっかり飲んでたらから、ほろよい飲んだら悪酔いしそう。旦那さんの甥っ子が花園に出て、観に行きたかったけど、乗車率100%になったために留守番してました。元旦マラソンは今年も心の中で応援にとどまり、まだ走り出しておらず。練習の落書きばっかりだから全然アップもできません。わらわらのプロットをまとめてもおりません。まともなアップはいつになるんだ。とは言え。去年までよりは俄然時間ができる予定なので、半端な字書き、半端な絵描きのままではございますが、心を込めて取り組みたいと思っております。本年もどうぞよろしくお願いいたし...謹賀新年2015

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、時雨亮さんをフォローしませんか?

ハンドル名
時雨亮さん
ブログタイトル
まゆだま
フォロー
まゆだま

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用