獅子の檻(8)再会
瞼を持ち上げると、明かりの灯っていない部屋は夜の闇に包まれていた。「リリィ。」「・・・その声」外だ。天幕越しに聞こえる低い声。「ファイサル?」「あたり。」笑い声を含ませて、静かにファイサルは答えた。リリィは寝台から跳ね起きると上着を取り、部屋の燭台に火を入れた。「・・・マール?なにしてんの」外への幕の向こうに小さな人影があった。幕を捲り、リリィが顔を出すと、丸い目を吊り上げてマールが仁王立ちしていた。「なにって、リリィ様。怪しい男たちがテントの周りで」「姫君の様子を探っていたから警備していたということだ」「ファイサル」長身の影が木立の陰からテントに歩み寄ってきた。「久しぶりだな」少し身をかがめて、ファイサルはリリィに会釈した。夜なのに、その姿はきらきらと輝いていた。「何しに来たの」「随分なご挨拶だな」声を殺して...獅子の檻(8)再会
2015/01/27 18:22