異世界恋愛ファンタジー小説メイン。同人活動・観劇・製本・読書感想等趣味日記も。
山崎神楽と時雨亮による創作サークルDOAのブログです。 魔族と人族が争う異世界ファンタジー、「悲恋」「光の深奥」完結。「獅子の檻」鋭意執筆中。 恋や愛を誠実に描く努力をしています。どうぞお立ち寄りくださいませ。
楽(ラク)雨(アメ)こちらは、上記2名による創作サークル[DOA]のインフォメーションが中心となっております。現在はファンタジー小説の創作を主に活動しております。(-TITLEからお話を選んでくださいませ。)よろしくお引き立てのほどをお願い申し上げます。カテゴリ説明へその他注意事項はじめに。
[獅子の檻]pretendjewerly[夜光珠]-otherstory-魔力を持った王が台頭する時代。獣の力を持った一族が、自らの行く末を魔王の一族に委ねようとしていた。魔獣族の姫の輿入れ。彼女は、一族を想っての父王の言葉が納得できない。一族の繁栄か。自らの意志を貫くか。魔族のふたりの王子との出会いが、リリィの心を揺さぶる。1234567891011writtenby雨ランキングに参加しております。押していただけると大変励みになります。獅子の檻
気圧されて全然動けなかったマールが、目を白黒させながら、ようやくあわわと唇を戦慄かせた。「まさか、魔族の王子が、うちの手助けを。それもふたりして、なんて、そんな、リリィ様。」腕にすがりつくマールに、さすがに少し驚いていたリリィだが平然を装ってマールの額を弾いた。「動揺しすぎ。」そしてファイサルとラシュに向き直った。「わたしも行く。」毅然と言った。唇を結んだラシュの横で、ファイサルは微笑んだ。「飛ぶぞ。」「大丈夫よ。」からかうファイサルの声に言い返した。「信じていいんでしょうね。」「大丈夫だ。」ラシュは二人のやり取りを眺めて、何故か小さく息を吐き、馬を呼んだ。ラシュは舞い降りた漆黒の毛並みの騎馬の腹を撫で、おもむろに跨ると、上に号令を掛けた。「出立!」西に馬首を向け腹を蹴ると、馬は宙を駆けた。ラシュは隊の先頭を駆...獅子の檻(10)西の空
「何してるのよ、王子が二人して。」物憂げなラシュの表情に相対して、リリィがあっけらかんと言い放った。ファイサルが愉快そうに口許を歪めた。「ほらな、この言い草だ。」振り返ったファイサルの顔を見たような見ないような。ラシュは、小さく、うん、まあ、と言ったようだった。リリィが目をくるくると動かした。ラシュがよく見えない。「んー。」「どうした。」困る、でもなく、考え事の声が出た。「はじめまして、でいいと思う?」そう訊いたリリィに、振り返ったファイサルも、少し離れた場所にいたラシュも目をぱちくりと、一度瞬きした。城まで見学に行って、顔を見てきたから。真顔のリリィに、笑った。「なっ」笑い声まで上げたふたりに、リリィはびっくりしてそれから馬鹿にして、と頬を膨らませた。「ごめん」まだ笑っているファイサルより先に我に返ったラシュ...獅子の檻(9)意想外
瞼を持ち上げると、明かりの灯っていない部屋は夜の闇に包まれていた。「リリィ。」「・・・その声」外だ。天幕越しに聞こえる低い声。「ファイサル?」「あたり。」笑い声を含ませて、静かにファイサルは答えた。リリィは寝台から跳ね起きると上着を取り、部屋の燭台に火を入れた。「・・・マール?なにしてんの」外への幕の向こうに小さな人影があった。幕を捲り、リリィが顔を出すと、丸い目を吊り上げてマールが仁王立ちしていた。「なにって、リリィ様。怪しい男たちがテントの周りで」「姫君の様子を探っていたから警備していたということだ」「ファイサル」長身の影が木立の陰からテントに歩み寄ってきた。「久しぶりだな」少し身をかがめて、ファイサルはリリィに会釈した。夜なのに、その姿はきらきらと輝いていた。「何しに来たの」「随分なご挨拶だな」声を殺して...獅子の檻(8)再会
収穫の祭りが好きだ。大きなやぐらを組んでみんなで火を取り囲む。その年に選ばれた男女が顔を白く塗って、濃い化粧をして神に捧げる舞を舞う。その周りを小太鼓を持って、打ち鳴らし、横笛を吹き、みんなが円を描いて座り、歌う。四つの家から家長が招待され、豪勢な食事と酒を前に笑い飲み交わす。族長が中央で座り、傍らに妻が酌をする。ととさまかかさま金色の巻き毛の少女が走り寄ると、髪に付けた鈴がしゃん、しゃんと鳴る。愉しくて仕方ない、赤く火照った頬。額の汗を母が拭う。綺麗で物静かなかかさま。さらさらの髪を後ろでひとつにまとめて細い肩に臙脂色の羽織。お祭りの正装が、母を更に美しく見せていた。(・・・きれいな、かかさま・・・。)白くて細い指で、リリィの頬を包み込む。大好きな、かかさま。夢を見ている。昔のことだ。母が生きていた、まだ魔獣...獅子の檻(7)記憶
魔族の居城に出かけたことは、父王に知れていなかったが、マールにこっぴどくどやされた。「そんなんだから、婚期を逃すんですよ」「うっさい」それでも無事に返ってきたリリィを見てこれ以上ない安堵の表情で目に涙まで浮かべた従者にリリィは素直に反省していた。全く無謀だった。帰ってこられたのは、偏にファイサルの裁量だと思う。ファイサルと別れてからひと月が過ぎた。半ばに西の谷への出撃があり、忙しく過ごした。父王は、あれから魔族との縁談の話を持ち出さなかった。気を遣われたのかもしれない。それはそれでなんとなく面白くなかった。西の谷から領地に戻ってきたリリィは、自室に籠った。広い円形の家屋には、中央に炉、その向こうに椅子、椅子の右手に槍が掲げられており、幕で仕切られた奥に質素な箪笥が一棹。脚付きのベッドがひとつ。臙脂と錆浅黄を織り...獅子の檻(6)惰気
年末からこの期に及んで人物画の練習とか始めました雨です。新年、おめでとうございます。年末は仕事が立て込んでおり、お疲れのため忘年会と称して飲み続けており、現在は新年会と称して飲み続けております。いい日本酒ばっかり飲んでたらから、ほろよい飲んだら悪酔いしそう。旦那さんの甥っ子が花園に出て、観に行きたかったけど、乗車率100%になったために留守番してました。元旦マラソンは今年も心の中で応援にとどまり、まだ走り出しておらず。練習の落書きばっかりだから全然アップもできません。わらわらのプロットをまとめてもおりません。まともなアップはいつになるんだ。とは言え。去年までよりは俄然時間ができる予定なので、半端な字書き、半端な絵描きのままではございますが、心を込めて取り組みたいと思っております。本年もどうぞよろしくお願いいたし...謹賀新年2015
「下ろしてよ」「どうするかな」長い銀の髪が上空の強い風で翼のように広がった。それは優雅に微笑んで、男は言った。「何をしていた?」「別に」頑固に唇を尖らせて、リリィはそっぽを向いた。迷子と言われてご機嫌斜めの様子に男は愉しそうにまた笑った。「ラシュに会いに来たとか?」「そ・・・」その通り、なのだが。何故かこの男にそう指摘されるのは恥ずかしかった。顔に出たのだろう。男は何かに勘付いた様だった。「お前、魔獣族のリリィだろう」一瞬驚いた後、リリィはぎりっと奥歯を噛んだ。「なるほどな、聞くにたがえぬお転婆姫だ。大人しく輿入れに同意はせぬということか」尖らせた唇に頬まで膨らませて、リリィはやっとの反論をした。「・・・ちょっと会ってみようと思っただけよ」「会ってどうするつもりだったんだ」「それは・・・」考えていない。とにかく...獅子の檻(5)芽生
落書きというか、下書き。私の古参のふたり。うっすいな。カルアは竜の民の末裔で、大剣携えた旅人。ティークは王国の魔術師。王国の武闘会で出会って、二人で世界を救うために竜の神を探しに行くみたいな話だった。中学1年だった。すごい勢いで書いてた。3か月くらいでコクヨのノート3冊くらいで完結してた。そうだ、完結したんだこれ。もうノート残ってないけど、書き直す気には、今はならないなー・・・。なにかってえと、さすがに師走で全然まとまった時間がなくて頭がまとまらなくて、ネタメモばかりに走っているという為体。落書き(カルアとティーク)
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