正気の沙汰

夢は遠のいた若さも遠のいた愛する者はいない守るモノもない生きている意味がわからない早く死ななければいけない急ぐことはないが早く死ななければいけない自分で終わらせることができるうちに早く死ななければいけない正気の沙汰

意地

ここまで来るとつづきが見たくなるのもっともっとわたしをみじめにさせてくれる？これ以上落ちる私は存在するかしら。あなたにそれだけの残酷さが残っているかしら。ここまで来たら意地だけが頼り。底が見たいの見たくなったの。そのためにあなたを愛し続けるわ。意地

再燃

今年も桜は急ぎ足ですか。あなたの潔さから程遠い場所で今年も私は落し物に目が眩んでいます。奇蹟が幻に化けた今、私の光はどこですか。再燃

運命

あなたに出会ってしまったのは誰の策略でも無く…恋焦がれた運命。ただそれは宿命では無く…脆く儚い運命。運命

ともだち

居心地の良い距離が今日も私から「愛してる」を奪ってゆく。だからあなたには切ない恋歌を届けよう。この歌があなたの胸に響くときあなたが誰を慕うかは別として…。ともだち

エール

どうか負けないでくださいあなたはもっとしたたかに育ったはず。どれほどの苦しみがあなたを痛めつけたか私のような無責任な人間に理解はできませんが、夜通し泣いて瞼を腫らすより鏡に向かって隙の無い笑顔を仕込んだほうが良い。誰一人、手を差し延べる者など現れないのだから。あなたのか弱いその手が、永遠に人には向けられないように。どうか耐え忍んでくださいあなたはもっと狡賢く生きてきたはず。あなたを踏みにじった人間がどれほど巧みか私のような無関心な人間が知る由もありませんが、憎悪に無駄な時間を費やすくらいなら鏡に向かって犯さぬ顔を仕上げたほうが良い。誰一人、あなたのために血を流す者など現れないのだから。あなたが自分の痛みを他の何よりも慈しんで止まないように。エール

ショータイム

あなたは子犬のように彼女にすがりついて「悪い病気にかかっていたんだ」と今にも言い出しそうな顔をしているあなたと彼女の偶然の悲劇は私にとって最大のチャンスだったはずなのに。痛快な逆転劇で幕を閉じる映画のような身勝手なハッピーエンドはてっきり私が主役だと思い込んでいたの滑稽ね、涙も出ない。彼女の勝ち誇った顔が暫くこの胸に焼き付きそうよ、これはあなたを信じた代償ね二人の愛が盛り上がってきたみたい、私は早々に退散するわ滑稽ね、今さら涙が止まらない。ショータイム

漫ろ雨

妥協を正当化できるようになって半端な器用さは板についてきて涙も空気が読めるようになって笑顔で敵がかわせるようになって口より耳が働くようになって「中の下」位でもジタバタしなくなって案外、真似っ子で生きられるもんだと悟って言葉を選びながら人を愛せるようになって愛だけでは先が見えないと確信できるほどの経験は重ねてきたはずなのにどうしてあなたの前では必死になってしまうんだろう。漫ろ雨

最終回

君の声が小さすぎるせいかなそれとも僕の過信が過ぎたせいかな君の言葉がうまく呑み込めない「夢」なんて言葉が混ざっているから余計に呑み込めないでいるのかな君は一人で周到に「最終回」を迎えて用意してきた涙を流している僕の穏やかな抵抗とその後の温かい後押しさえあれば君の理想通りの「最終回」になることは頷けるだから僕は無言で立ち去るよ君は「準備」に余念が無くて卑怯な僕を忘れていたようだ君の「最終回」を精一杯濁して立ち去るよ僕には暫く「つづき」が残るから君は舌打ちでもして微妙な「最終回」を悔やんで欲しい僕の「つづき」に君への憎しみが生まれる頃僕はその憎しみが理解できているのかな僕から離れていった君が憎いのか油断も隙も無かった君が憎いのか「道」をみつけた君がただただ羨ましかったのか僕の「最終回」にちゃんと答えは出ているのかな最終回

バランス

魂は永遠だと貴方は胸を躍らせる私は目の前に映る当面の物事だけで息も絶え絶えだというのに運命は変えられると貴方は目を輝かせる私は目の前に敷かれた平坦な道でさえ今にも躊躇してしまいそうなのにどうか置いて行かないであなたの浮ついた理想論も晴れた空の下では恋しくなってしまうからだけど傘は差さないで待ち侘びた雨に濡れたら悲劇のヒロインもそう遠くはないはずしばらく私の前には現れないで真実が鮮やかな写真のように明確に彩られれば事態は容易に納まるのだけれど丸みを帯びた真実の正面は定まりようがない貴方の愛が計画通りに広く染み渡れば貴方の成功は疑いようがないのだけれど選り好みの博愛の行く末は想像に難くないやっぱり置いて行かないで貴方の調子の良い御節介を振り払う瞬間が甚く心地好いのだけどセリフは口にしないで寄り添う気持ちが萎えてしま...バランス