ようやく座席に腰を下ろせば、早々にビールを売り子のオネーチャンがアピールしている。小生の隣りのおじさんがビールを求めるので、小生もついでにビールを買うことにした(ロング缶550円也)。ビールを飲みつつ妻に、「わし、こういうところ来るの初めてやけん、こういう場のお作法を知らないからね」とは伝えておく。東京ドームならば、1塁側から大きな声でカープに声援を送るのが小生の作法なのではあるけれど、その意味においても、味の素スタジアムは完全アウェイなのだ。なにが正しいふるまい方なのかを知らないし、そもそもが、山雅の選手のことも知らない。そういうただのニワカにすぎない。そもそもが、小生が安曇野の出身ということだけで松本山雅の試合でも観にいこうかと思い立っただけであり、Jリーグにそれ以上の思い入れなどなかった。そうこうするうち...ヒダキュウへ(2)
ある日曜日、妻が「どっかに行きたい」と言い出す。新聞のスポーツ欄を開きJリーグの予定を眺めれば、松本山雅はちょうどFC東京とビジターとしての対戦である。「サッカーでも観にいくか?」とたずねたら、「行く行く」とすぐに話は決まった。実は小生、スタジアムでサッカーを観戦したことがいまだにない。一度体験してみたいなあとはかねがねから思ってはいたものの、なかなか踏ん切りがつかなかった。暑からず寒からず、観戦にはちょうどいい陽気だろう。妻から「このスタジアムってどこにあるの?」とたずねられ、「調布の方だとは聞いたことがあるけれど、行ったことがないからググっておいて」と適当に答える。すると、「これなんて読むの?ヒダキュウって駅?京王線みたいだけど」妻のスマホを覗きこめば、飛田給という駅から徒歩5分とある。ところが、その駅には...ヒダキュウへ(1)
結局、連休の予定はなんにも立たず、世間とは無関係にチョボチョボ出社しなければならないようだ。そんなに忙しいわけでもないのだけれど、連休中に終わらせないといけない仕事はある。ああ、そういえばあれもしないといけないし、これもしないといけない。数えてみれば、やらなければならないこともチョボチョボあるのだ。くだらねえ。そこで旧友の某氏、連休中に東京にもどってくるのならば酒でも飲みたいものだとメールを入れておく。すると、夕方に電話があった。「大変な不祥事がまた発生で、そちら大変じゃないの?」と小生。「そりゃそうだよ。お金がどこから出ていたのかわからないんだけど、どうりでわれわれの費用が足りないわけだよ。それにねえ、やらかした人は重要なポジションに就いていたから、センターが一つつぶれちゃうかもしれないんだ。それでなくなっち...『社会科学の方法』
名古屋に住んでいる小生の母も、認知症がいよいよ進んできたようだ。時おり、わが家に母から電話がかかってきては、わけのわからんことをしゃべり始める。さしさわりのある内容なので、そのわけのわからない中身は記せないが、明らかに脳ミソが後退している。近くに兄夫婦が住んでいて、義姉がちょくちょく母の許に通ってくれているそうだ。すっかり丸投げで、こちらとしても申し訳ない気持ちではあるけれど、母と会うのも面倒だなあというのが正直なところなのだ。正確に思い出せないのだけれど、「お母さん、親不孝めが生きている」というような詩を書いていたアナキストはだれだったっけ。数週間ほど前、母からくだらない電話があり、少し心配になったので義姉に電話してみた。すると、「いっとき治まっていたんだけど、また最近ひどくなっちゃって、お母さんのお母さん(...人体実験
とある日、旧友のTK氏が福岡に異動ということで、弊社内でささやかな送別会を開く。実は弊社、バカ大学◎◎年文学部(アッ、理学部もいた)入学組同級会の隠れ東京支部である。その参加者は最盛期で7、8名というところだったか。そのうちOT氏が、本社に呼びもどされて福岡にUターンすることになり、この3末にTK氏も福岡行きとなってしまったわけである。TK氏の場合、首都圏に自宅も購入しているので、これから単身赴任ということになるものの、ご母堂が福岡在とのことなので親孝行に励まれることになるのだろう。もしかしたら、福岡の中州で毎晩遊んでいるかもしれない。前に書いたかもしれないが、そのTK氏とは、学生のときにほとんど話をしていないし、そもそも会った記憶があまり浮かんでこない。OT氏とは、クラスがちがったということもあり、東京での初...同級会
そこでプルードンなりグラムシはさておき、こちとら、いまだ出勤途上である。そのうえ、小生の階級的存在はルンペン・ブルジョアジー(略してルンブル)となる。毎日毎日、資金繰りに行き詰まった状態なのだ。プルードンあたりを読む暇があったら、渋沢栄一でも読んでいた方がいいのではないのだろうか。しかし、出版をめぐる構造的な不況の問題は、解決のヒントを起業精神に富む人に求めてもしょうがないだろう。ああ、そうだ。渋沢の場合どうせ版権なんて切れているのだから、D書館のマネをして『ザ・渋沢栄一』を作ればいいのだ。ベストセラーまちがいなしである。渋沢全集を求めて、早速古本屋にGOだ。しかし、古書店に行く前に会社にたどりつかないことにはしょうがない。白山通りを走っていると、左脚のふくらはぎがツリそうな感じがしてきた。ありゃ、ヤベぇなと考...出勤(02)
会社に向かって走り出してみるものの、池袋にさしかかったあたりから体が重く感じ始めてくる。昨夜はさほど酒を飲んでいないから二日酔いということでもないのだけれど、最後に、帰宅途中飲んだ缶ビールが余計だったかなあなんて考える。いささか飲み足りない気分だったので、ついついコンビニに寄ってしまったわけであるが、お金もないのに放埓にすぎたか。しかし、そんなことが体の重い理由であるわけがない。けふはなんだか調子悪いなあと思いつつも、気まぐれが生じてしまい、いつも走る最短ルートの春日通りコースではなく、西巣鴨から迂回するコースを選択してしまった。あとはおのれとの闘いである。明治通りを走っていって、上池袋の交差点で大塚に向かった方が会社には近いとは思うが、西巣鴨ルートを選択してしまったわけであるしおのれとの闘いである以上、ここで...出勤(01)
某日、新橋から本郷にもどることになる。時間は11:30ころ。腹が減ったなあと思わなくもない。そのへんで昼定食を食べていこうかとも思うけれど、会社の冷蔵庫がカラッポであることを思い出した。今週分の昼飯の食材をゲットしておかないと、昼飯代がかかるばかりである。JRでお茶の水まで出てしまうと、そこから会社まではスーパーのようなお店はまったくない。どうしようかなあと一思案してみて、銀座線で末広町まで出れば、湯島に肉のハナマサがあることを思い出した。もちろん、肉のきらいな小生がハナマサで肉類を買うわけがない。野菜やら豆腐やら、昼飯用の副食がほしいだけだ。末広町で降り、蔵前橋通りから1本入った狭い路地を歩いていくと四つ角にぶつかる。すると、左側からは自転車に乗った警察官二人組みと、右側からパトカーがやって来た。まさか、あの...三組坂上にて
金欠鬱で、なんにもしたくない病から回復できない。そもそもが、布団から出ることすらがイヤなのだ。さらには、カープの調子が上がらない。おかげで心が晴れない。10回表に12点も取られるなんて、おそらく日本記録であることだろう。あの暗黒時代にもなかった話だ。そもそもが、スタートダッシュは毎年よかったはずである。おかげで、暗黒時代でも鯉のぼりまでのチームといわれてきた過去がある。そのうち巻き返してくれるとは思うけれど、早くしてくれないとこちらの鬱が進行するだけなので、とにかく持ち直してほしい。そうはいえど、悪あがきをしないことにはどうしようもない。なんにもしたくない病のままでは即身成仏が待っている。しかも、進めている企画がないわけではないのだ。そこで、さて、どうしようと改めて考えてみる。『左翼エスエル戦闘史』の復刊計画も...メールが届かない
金欠病で発狂しそうなある日曜日、五反田に行くことになった。そして13:00過ぎ、腹が減り、ついつい一風堂に入って替玉1.5(玉1+半玉1)を食してしまう。満腹感と同時に、少し食いすぎたかなとの反省の念もよぎる。博多ラーメンの消化力が年齢とともに落ちていることは重々承知しているのだから、腹八分目を心がけるべきなのだ。それを、120%に挑戦するのはあまりに大人気なさすぎる。それでも、そのあとなにか予定があるわけでもないので、少し歩くかと、目黒川沿いに出ることにする。目黒川の桜を眺めるのは初めてだと思う。案の定、川の両岸に桜並木が広がり、そぞろ歩きの見物人の列となっている。江戸川橋あたりの神田川の桜並木と似た雰囲気だ。ただし、目黒川には遊覧船がたまに上って(下って)くる。そこが神田川とちがう。そのうえ、川の水が黒くて...五反田から
小石川植物園の入り口前で、ジーパンのポケットからジャック・ダニエルの小瓶を取り出しまずは一口。そこに入るのかどうかを逡巡し始めちゃったのだから、またの機会でいいだろう。「じゃあ、播磨坂にでも行くか」と進路を急遽変更。江戸時代、その坂の近くに松平播磨守の上屋敷があったことから播磨坂と呼ばれるようになったと、どこかの掲示板に出ていた。しかし、松平播磨守ってだれやねん?そして、ということは、播磨の国とは直接の関係はないのだろう。播州赤穂浪士と関係があるのかなあと、瞬間、勝手に想像したのだけれども、そういうことではなさそうだ。K印刷の脇から播磨坂の坂下に出ると、車道は車両通行止めにされている。そして坂上の春日通まで桜並木が続き、花見客で大賑わいだ。しかし、花見の前にトイレに行きたい。坂上に向かって右側のなにかの会館では...風塵社的花見2019(4)
パスタを食べ終え、嗚呼、小腹が空いたなあと思いつつレジに向かう。するとレジのうえに、護国寺やら近くの花見の名所が記されているカードが置かれていた。そこにあった播磨坂というところは知らない。お金を払いながらお店の人に、「この播磨坂ってどこですか?」とたずねると、「春日通をまっすぐ進んでいって、小石川植物園に向かう坂です」とのことで、小生もようやくわかった。「文京区の桜祭りをやっているところですよね」「そうです」お店を出て、そのまま不忍通を東に下っていく。すると、JR大塚駅から後楽園に出る通にぶつかるのだが、その通の名称を知らない。ここでは、仮にA通としておく。そしてその通を1本東側に入ったところに小石川植物園がある。ところで、そのA通と先ほどの播磨坂がぶつかる交差点の角にはK印刷という大きな印刷所がある。日本で5...風塵社的花見2019(3)
某土曜日、持っていた一升瓶2本のうち、1本は手付かずで残りの1本が4/5ほど空いたという感じだったか。それを家に持ち帰ったのだけれど、これまた重い。しかし、中身を捨てるなどという選択肢はありえないので、酔っ払いつつも必死に家まで背負っていく。そして翌日、遅く起き出してから「きょう、どっか花見に行く?」と妻にたずねると、「天気もいいし、どこか行きたいねえ」とのこと。そこで、「この一升瓶の空いてない方、とりあえず会社に持っていきたいので、12:30に池袋で落ち合うことにしない」「うん、わかった」ということで、まずは会社に向かい一升瓶を降ろしてきた。出勤途中に一升瓶を抱えていく気にはなれないだろう。池袋にもどり妻と合流してから「どこに行く?」とたずねると、「どこがいい?」と逆質問をしてきやがる。主体性の欠如したやつだ...風塵社的花見2019(2)
某土曜日、その日は日比谷公園で花見と決まっている。もう17年目となるのか。困るのは、例年、何人参加することになるのかを事前に把握できない点だ。だいたい10~30人ほどなので、一升瓶を2本抱えて毎回現場に向かうことになる。その日もリュックを抱えて、午前中に湯島の酒の量販店へ。幸い、秋田の酒の安売りが出ていたので、迷わずそれを2本購入し、湯島天神の女坂を登って帰社。一升瓶を2本を背負って歩くのは結構大変だ。家路に着くときは少しでも軽くなっていることを願うことになる。集合は17:00であるけれど、土曜の日比谷公園ならば、花見客が多いのじゃないかと不安になってきた。広大な公園内のある一角で花見をしないと意味がないからである。夜から雨という天気予報ではあるけれど、日が出ていてまだ暖かい。場所取りのため早々に日比谷に向かお...風塵社的花見2019(1)
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