私は日本の憲法学者や政治学者に対して不信感をもっています。特に、日本の憲法学の権威といわれる人たちに対してです。天皇機関説事件当時、不当な糾弾を受けた美濃部亮吉の弟子でありながら、海の底の貝になっていた宮沢俊義は、戦後も、日本の憲法学の権威として君臨しま
最近、つくづく思うのは、政治というと国政の動きだけに興味、関心が集まり、地方自治に対する理解が、あまりにも、なさすぎる。これは、政治家のみならず、学者、マスコミの責任でもあると思う。特に、日本の政治学者は、どうして、もっと地方自治の問題に関心を持ち取り
まず「地方自治は民主主義の学校」は、せめて「地域の自治は民主主義の学校」と言わないと本来の意味が伝わらない。「地方」ではなく、「地域の」と考えないと誤解をしてしまう。 市町村だけでなく、都道府県も地方自治体という言い方をする。だから、市町村と市町村議
「地方自治は民主主義の学校」、「地方自治の本旨」、「二元代表制」ということばは、本来、地方自治を理解するために重要なことば、概念だか、逆に、これらのことばが、地方自治の理解を妨げているのではないかと思うようになった。 例えば、「地方自治は民主主義の学校」
戦前はリベラルな言論人として活躍し、戦後は総理大臣も務めた石橋湛山は福澤諭吉を生涯敬愛してやまなかったという。石橋湛山は大正十三年に「東洋経済新報」の社説に「行政改革の根本主義 中央集権から分権主義」と題してこんなことを書いている。(一部抜粋) 元来
地方分権の必要性はその通りだとしても、ただ、実際になると、地方自治体にはその能力がない。地方には人材がいないと言って異論を唱える人が今でも多い。それについても福沢はこう反論している。 今の平民士族、有志の者は事を執るの習慣に乏しと。この言は全く無証拠
福澤は、国のすべき仕事(政権)と地方がすべき仕事(治権)を明確に分けることが大切で、その両方を中央政府に集めてはいけないと強く主張する。それでは、なぜ、福澤は中央政府に権限が集まること、そして中央政府が地方の仕事にまで関与してはいけないと考えていたのだ
しかしながら、明治時代に福澤の提言は取り入れられなかった。日本の地方制度の原型は、一八八七年から一八八九年にかけて、山県有朋によって作られた。山県は福澤とは正反対の考えをもっていた。(詳しくは拙書「地方議員 消えた県議からのメッセージ」の第四章に整理し
福澤諭吉の「分権論」を読んで、福澤の先見性に改めて驚かされた。どうしてこの福澤の分権論が多くの人に理解されてこなかったのだろう。 福澤諭吉の「分権論」は一八七六年(明治九年)に書かれている。一八七六年と言えば、廃刀令がだされ、秋月の乱、萩の乱が起こった
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私は日本の憲法学者や政治学者に対して不信感をもっています。特に、日本の憲法学の権威といわれる人たちに対してです。天皇機関説事件当時、不当な糾弾を受けた美濃部亮吉の弟子でありながら、海の底の貝になっていた宮沢俊義は、戦後も、日本の憲法学の権威として君臨しま
私は、日本の憲法学者や政治学者に不信感を覚えています。その理由は、私たちは、民主主義における地域の住民の自治の重要性について教えられてきませんでした。支配する側は、自らの支配に都合の悪い考えを進んで教えるようなことはしません。だから、日本の憲法学者や政治
日本人は、アメリカで行われているような、地域における住民の自治を経験したことはありません。そもそも日本では地域の住民の自治は許されてこなかったのです。住民は常に支配される対象でした。 アメリカは、日本を民主化するにあたって、地域の住民の自治を確立しな
私は、これまで日本の地方制に問題があるということを本にしたり、フェイスブックで発信したりしてきましたが、なかなか理解してもらえません。その最大の理由は、「地域の住民の自治」という言葉にあると思ってます。 「地域の住民の自治」という言葉で、多くの人が思い
日本人はドイツの民主主義教育に学ぶべきです。また、「地方自治は民主主義の学校」という言葉の本当の意味を理解すべきです。 戦前、ドイツはワイマール憲法という、当時もっとも民主的な憲法をもっていました。しかし、ナチスの台頭を防ぐことはできませんでした。その反
僕が福澤諭吉を本当にすごいと思ったのは、「分権論」を読んだときです。「学問のすすめ」や「文明論之概略」は有名ですが、この論文は埋もれてしまっています。この論文について言及している人を私は知りません。私は地方分権に強い興味、関心があるので、「分権」という
昨日の、日曜ドラマ「御上先生」は、教科書検定制度を取り上げていた。私たちは、あまり疑問も関心も持っていないが、そもそも教科書検定制度が行われている国はそう多くない。アメリカ、イギリス、フランスでは行われていない。 選択的夫婦別姓問題もそうだが、夫婦別姓を
以前、慶應義塾大学法学部のFIT試験で、 「今年10歳になる姪っ子があなたに質問してきました。民主主義のどこが望ましいの?彼女に理解できるように、400字程度で説明してあげてください」という問題が出たことがある。 受験生泣かせのひどい問題だと思う。大人でもこ
もう一つ、トクヴィルがどう言っているかというと、私は地方の自治を高度に発達させた二つの国を訪れ、(アメリカとイギリスのこと)市民が祖国の偉大と繁栄を無数の理由に求めるのを聞いたが、誰もが他の全ての利点の前に、まず、地方の自由を挙げた。 地方自治の制度の効用
昨日紹介した痩せたソクラテスの英文の後半部分。a foolやa pigが、もし違う考えを持ったなら、それは彼らが知らないから。 「彼らが知らないから」、これと同じような言い方を別のところで、2回見たことがある。一つは、ヘロドトスの「歴史」。 法の下で平等な権
it is better to be a human being dissatisfied than a pig satisfied; better to be Socrates dissatisfied than a fool satisfied.And if the fool, or the pig, are of a different opinion, it is because they only know their own side of the question.
紅白のトリは、ここ数年、白組は福山雅治、赤組はMISIAが定番になっている。 今年も福山雅治だった。しかし、アップになった時の、福山のシミ一つない、ツルツルの顔をみたときに、違和感を感じた。 男のシワをネットで検索すると、今どきは、美容関係の話題しか出てこな
あなたは、けいもうしようとしているのですか? 昨年、書いた原稿をなんとか書籍化できないかとあがいていた頃、ある方に紹介されて会った編集者に、そう言われた。 今どき、そんな上から目線で書いた本が売れる訳ないでしょうと言われてるようで、僕は押し黙った。その
日本の最大の問題は歳出膨張に歯止めが効かないところにある。来年度予算の概算要求は史上最高を更新して115兆円を超えるという。 まさにアウトオブコントロールーだ。コロナ禍でもなく、東日本大震災級の災害が発生してもいないのに、既に国と地方合わせて1,300兆円超の借
先日、地元紙にいまの政党に「一丁目一番地」がないという論評が載っていた。確かにその通りだ。 自民党は岸田首相が経済、経済、と連呼しているように、経済、景気、所得の向上が最優先なのだろう。 問題は、野党だ。立憲民主党の「一丁目一番地」はなんだろう?鳩山民主
今朝の「虎に翼」もとても感銘した。最高裁判決における少数意見の意義について、寅子はこう語る。判例は残る。(多数意見に対して) おかしいと声をあげた人の声は決して消えない。 その声がいつか誰かの力になる時がきっとくる。いつか誰かの力になる。 そういえば、福
今朝の地元紙の経済面に、「国債利率12年ぶりに1%台」という大見出し。その後、こういうことが書いてあった。 10年債の市場利回りは長期金利の代表的な指数になる。 財務省は25年度の長期金利が想定より1%上振れた場合、国債の利払い費が8千億円増えると試算して
円安が進み160円を突破した。これは単なる通過点にすぎず、このままではさらに加速度的に進むと危惧している。 円安は国民にとってマイナスだ。一部の輸出産業や観光地にとってはプラスに働くかもしれないが、それはあくまで一部の人だけの話。円安は円の価値が下がること、
1,000兆円を超える国の借金も大丈夫だという人たちがいる。その理由の一つが、政府の借金は国民の資産だからというものだ。 これについて、経済評論家の加谷珪一氏が以下のように反論している。あまりよく存じあげない方だけど言われていることはその通りだと思う。 現在
お願いです。全国の市町村議員さんへの手紙(提言)をやっと書きました。全国の市町村議会に郵送したいところですが、送料もばかになりません。 そこで、お願いです。お知り合いの市町村議員がいらっしゃれば、私の手紙を、皆さまからお渡ししていただけませんでしょうか
お願いです。全国の市町村議員さんへの手紙(提言)をやっと書きました。全国の市町村議会に郵送したいところですが、送料もばかになりません。 そこで、お願いです。お知り合いの市町村議員がいらっしゃれば、私の手紙を、皆さまからお渡ししていただけませんでしょうか
「虎に翼」を見ていて、虎が偉いなって思うのは、法律で決められていることにも、疑問や問題意識をもったところだ。 戦前の法律では、女性は結婚すると無能力者になると規定されていた。 男はもちろんのこと、ほとんどの女性が疑問を持たなかった。いや、そうした法律の
今週発売のAERAの、表紙は女優の杏さんです、「会いたい人に会いに行く」というコーナーで取り上げられました。https://dot.asahi.com/articles/-/223803?page=1&fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR3fyKIrbufyu_3vE1xrUjav7FLFGIxB5w0rLk6EuXxqTxOAWNQq4iupuC4_aem_AcRzxvVIzWe1qm9
私たちの暮らしが苦しいのは、収入が増えないのに、税金や社会保険料などの公的負担は増え続け、手取り(可処分所得)が減っていること。そして、手取りが減っているのに、物価が上がっているからだ。 それに対して、政府は、経済、経済、経済と連呼して、収入を増やすことば
恐れていたことだ。金利が上がると、こうして日銀は含み損を抱える。さらに、国は、金利が1%上がると、利子の支払いが10兆円増える(タイムラグはあるが)。10兆円というと、消費税5%分に匹敵する。国の借金は大丈夫という人たちは、金利が上がったときのことを考えているのだ
私は、「党派根性」がきらいです。どういうことかというと、おかしなことでも、自分の支持する人・団体がしたことであれば口をつぐみ、同じことを自分が支持しない人がすれば厳しく批判するような態度です。 例えば、国会で嘘をつくことは、代議制民主主義の根幹を揺るが
民主主義の国なら民主主義教育に力を入れるし、共産主義の国は共産主義についてしっかり教える。以前から、民主主義についてきちんと教えない日本は民主主義の国だろうかと、疑問を感じていました。ドイツの民主主義教育についての近藤孝弘氏(早稲田大学教授)の論文を読ん