雲ひとつ無い青空が現れた。大陸性の高気圧が乾いた風を吹かせて、太陽は柔らかい陽射しを注いでいる。実りの頭を垂れていた稲は刈り取られ、柿畑のソレは順調に色を変えつつある。大原野は秋本番である。朝夕の冷え込みが心地良い今時が、自転車放浪が命綱のオヤジにとっての絶好期である。 西山連峰の麓。高速道路を見渡す丘陵地。農道の脇に秋桜が群生していた。毎年咲く場所だ。青空に薄いピンクが映えている。 およそパソコンで、「こすもす」と入力しても「秋桜」とは変換してくれない。秋桜は本来、"あきざくら"と読む。秋桜(コスモス)を定着させたのは、山口百恵が歌ったあの歌である。 「秋桜」を収録したアルバム「花ざかり」がリリースされたのは、1977年のこと。私が14歳の時である。山口百恵18歳。レコードのジャケットは白いタートルネックを着た百恵が微笑んでいた。すでに中坊にして"百恵狂い"だった私は、少ない小遣いを叩いてレコードを買った。たぶん2,500円だったと思う。収録されている楽曲は、さだまさしの「秋桜」を始め、宇崎竜童、阿木耀子、岸田智史、松本隆などが提供している。大人へ変貌しようとする女性の心情を歌ったものが多いが、毎晩それこそ擦り切れるほど聴いたんだと思う。 熱心な百恵estだった中坊は55歳になった。家には18歳の娘が居るが、ちゃんと会話をするのが難しい。花ざかりは大変だ。オヤジざかりの身体は、腰が痛かったり、老眼だったり、いろいろ大変だが、まあ何とか生きている。とりあえずペダルを漕いで、何を食べようかと考えている時は幸せだ。秋刀魚が食べたい。。
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