夏の終わり頃
8月下旬の事。若狭の海を訪ねた。今は、京都縦貫自動車道と舞鶴若狭自動車道の開通でもって、アクセスが楽になった。ひと昔前は、夏の行楽シーズンに京都市内から日本海方面に行くとなると、道は悪いし渋滞するしで、苦労したものである。それが今は、高速道路で日本海の傍まで行ける。渋滞が無く時間が短縮されるというのは、精神衛生上良い事だ。 高浜町にたどり着いた。子供が小さかった頃、家族で民宿に泊まった場所だ。もう子供たちは着いて来ないから、家人と二人である。民宿が軒を連ねる路地を抜けて、白浜海水浴場で車を停めた。 駐車場のオヤジが「海は荒れていて、遊泳禁止だよ。」と教えてくれた。どうしようかと迷ったが、少し海に触れようと浜に出た。駐車料金は1000円也。 海に入ると高い波が襲って来た。まあプールの人工波とは訳が違う。波の力は強い。ボヤボヤしていると浚われそうだった。なるほど遊泳禁止である。それを狙って、押し掛けて来ていたのが、サーファーたちだ。大きな波に立ち向かう若者が少し羨ましく思えた。しばらく浜辺に座って、潮風にあたった。 WakasaBay クワガタの大顎の様な二つの半島で囲まれた小浜湾は、比較的波が静かである。その小浜湾の東側の半島から延びるドライブウェイ、エンゼルライン(9.7km)を上った。上り切るとそこが、久須夜ケ岳(619m)の山頂である。展望台から観えるのは、若狭湾の大パノラマ。少し不安定な気候が夏の終わりを告げていた。
2018/09/04 23:35