自民党が苦しい状況に追い込まれています。それは、11月に 実施された岸田政権に対する世論調査からはじまっています。 毎日新聞が11月18日〜19日の両日に岸田内閣の世論調査 をやったところ、支持率が21%という史上最低を記録したこと が判明しました。 ───────────────────────────── ◎11月18日〜19日調査 岸田内閣の支持率 ・・ 21%(4ポイント▲…
欧米のインフレが収まっていません。5月29日の日本経済新 聞は欧州のインフレの模様を次のように報道しています。4月の 欧州の消費者物価指数の上昇率は、前年同月比で7・0%である といいます。 ───────────────────────────── ◎欧州、広がる「強欲インフレ」 欧州でインフレが収まらない。ウクライナ危機に伴う資源高は 落ち着く半面、食品やサービスの価格上昇が顕著だ。企業…
2000年代に入って、IT技術の発達にしたがい、モノ産業 からサービス産業へのシフトが進んでいます。これによって、モ ノ産業は少しずつ需要が減少し、生産に必要な労働と機械設備な どの資本が減っていきます。とくに労働の面では、サービス産業 に就職する新卒が増加し、モノ産業で働いていた労働者がサービ ス産業に転職する現象が起きています。「デューダ(doda)」、 「ビズリーチ」のCMで代表される今や一…
今回のテーマでよく出てくる言葉の意味を整理をしましょう。 「FRB」と「FOMC」の違いは分かりますか。『世界インフ レの謎』の著者、渡辺努教授は、本の中で「Fed」という言葉 を頻繁に使っています。「Fed」とは何でしょうか。これらの 言葉の違いがわからないと、最近の経済記事は、正確に意味が読 み取れないことになります。 米国の中央銀行制度のことを「連邦準備制度」をいいます。こ れが「Fe…
3万円台の日経平均株価が続いています。これと同じような光 景を10年前に見たような気がします。安倍晋三政権による20 12年〜13年の株高です。このときは、大型ヘッジファンドを 先頭に、円売り・株買いを組み合わせて一斉に買い上がっていっ ていましたが、今回海外勢は「買い忘れた日本株」の視線であり 全員買いではないといわれます。国内投資家に評価が広がってい ないのです。 しかし、著名な投資家の…
志村けん、岡江久美子、岡本行夫、羽田雄一郎、小野清子(敬 称略)──著名人ばかりですが、これら人々はすべて、新型コロ ナウイルスにかかって亡くなった方です。 これらの人々が次々と新型コロナで亡くなると、さすがに私も 恐怖感を覚えました。コロナウイルスが身近に迫っていると感じ て、なるべく外出を控えたり、マスクをしたり、帰宅時には手洗 いをするなど、感染防止に努めたものです。 われわれ人間は…
ロックダウン──この言葉をはじめて聞いたのは、2020年 3月9日のことです。イタリアがロックダウンに踏み切ったから です。日本も同年4月7日に緊急事態宣言を発出し、5月25日 まで続けています。2020年3月13日に成立した新型コロナ ウイルス対策特別措置法に基づく措置です。 その結果、日本の場合は、欧米ほどはひどくはなかったものの 人々は外出を封じられ、仕事や買い物などの経済活動が停滞す…
5月17日のことです。日経平均株価が3万円台を回復し、2 021年9月28日以来の高水準となっています。しかも、株価 は7日間連続で、前日の終値を上回っての3万円台回復です。 ───────────────────────────── ◎過去7日間の騰落(5月11日〜19日) 11日 12日 15日 16日 17日 18日 19 日 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○…
現在起きている世界インフレに対し、各国の中央銀行の対応に ついて、専門家から厳しいコメントが寄せられています。なお、 コメントは、2022年6月時点のものです。 ───────────────────────────── ◎デレク・ホルト氏/スコシアバンク(トロント)の資本市場経 済分析責任者 中銀は目を閉ざしていた。世界中の政府と中銀による巨大な刺 激策を受けてインフレが定着する、あるい…
現在起きている世界インフレの原因は、果たして本当にパンデ ミックなのでしょうか。もし、そうであるならば、昨日のEJで 述べたように、生産を支える「資本」「労働」「技術」の3要素 は、パンデミックによって何ら棄損されておらず、パンデミック が収束されれば、経済活動は元に戻るはずです。インフレも当然 収まるはずです。 しかし、パンデミックは、世界中でほとんどの制限が解除され 収束しつつありますが…
話をインフレに戻します。インフレの影響が「戦争」──ロシ アによるウクライナ侵攻が原因ではないとしたら、何が原因なの でしょうか。 インフレが2021年からはじまっていることを考えると、そ の前年2020年から発生した新型コロナウイルスによるパンデ ミックがあります。そこで、パンデミックが経済にどのような影 響を与えたのかについて考えてみるこにします。 パンデミックが起きたとき、世界の中央…
欧米を中心とする世界インフレ──その初期の段階でパウエル FRB議長は、2つのミスを冒したことを自ら認めています。そ のミスとは次の2つです。 ───────────────────────────── �@インフレは一過性のものであると認識したこと �A利上げをするタイミングが約4カ月遅れたこと ───────────────────────────── インフレの兆候は、202…
5月10日の日本経済新聞は、AT1債に関する次のニュース を報道しています。 ───────────────────────────── 【パリ=北松円香、ロンドン=山下晃】スイスの金融大手クレ ディ・スイス・グループの債券「AT1債」を無価値とする判断 を巡り、近く日本の投資家が世界銀行傘下の投資紛争解決国際セ ンター(ICSID)または国連国際商取引法委員会(UNCI TRAL)にスイス…
既に立て続けに米国の3つの銀行が破綻しています。これは容 易ならざる事態です。破綻した期日を記しておきます。まさに立 て続けの破綻であります。一体、何があったのでしょうか。 ───────────────────────────── 2023年3月10日 ・・・ シリコンバレーバンク 2023年3月12日 ・・・ シグネチャー・バンク 2023年5月 1日 ・・・ ファースト・リ…
低インフレが起きた3つの要因──�@グローバル化、�A少子高 齢化、�B生産性の停滞──これらは、いずれも構造的なものであ り、簡単には解決できないものばかりです。これらの要因が20 08年に起きたリーマンショックを契機として、世界中に低イン フレとして定着したのです。 日本などは低インフレがさらに悪化して、政策の誤りもあって 長期デフレに突入してしまっています。世界の中央銀行は、これ を「日本化…
2023年5月5日、日本経済新聞は次の記事をトップ記事と して、掲げています。 ───────────────────────────── ◎FRB、0・25%利上げ決定/打ち止めの可能性示唆 【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)は3日開 いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0・25%の利上げ を決めた。相次ぐ米銀破綻で金融システム不安が高まっているが インフレ抑制を優先する…
日本の半導体新会社「ラピダス」の社長を務めるのは、小池敦 義氏という人物です。半導体業界に身を投じ、40年以上の経験 を持っています。日立製作所で技術者としてキャリアをスタート させ、生産技術本部長を務めた後は経営者の道を歩んでいます。 台湾との合弁企業で社長に就き、後にTSMCが主導権を握る製 造受託ビジネス(ファウンドリ)を日本に根付かせようとしたの ですが、失敗に終わっています。 20…
「チーム甘利」というのは、雑誌『選択』の造語ではなく、実 際に存在します。「甘利」とは、甘利明自民党前幹事長のことで す。「チーム甘利」の存在を明らかにしたのは、2022年5月 11日付の「しんぶん赤旗」です。そこには、次のように記述さ れています。 ───────────────────────────── ◎「チーム甘利」/大学ファンド私物化か 岸田政権が成長戦略の柱と位置づける10兆円…
2023年3月27日のことです。同日付けの日経電子版は、 次のニュースを伝えています。 ───────────────────────────── 理化学研究所は3月27日、次世代の高速計算機、量子コンピ ューターの国産初号機の稼働を始めインターネット上のクラウド サービスで公開した。企業や大学に利用を促し、将来の産業応用 に向けた知見を蓄える。日本は米中が主導してきた量子コンピュ ーターの…
かつての半導体王国の日本の世界シェアが6%になってしまっ た4つの原因を再現します。�@については説明が済んでいます。 ───────────────────────────── �@日米半導体協定による米国の圧力 → �A垂直統合に固執し構造改革に失敗 → �B魅力的な製品を作り出せない資質 → �C内向きで海外企業の連携が少ない ───────────────…
エンジニアを目指す現代の日本の若者に「日本はかつて半導体 の王者であり、その世界シェアは50%を超えていた」と話すと びっくりした顔をします。確かに、半導体における日本のシェア が6%を切っている現状を見れば、「信じられない」と考えるの は、むしろ自然であるといえます。 なぜ、50%を超えるシェアが6%になってしまったのか── このことを振り返ってみることは、けっして無駄なことではない と思…
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自民党が苦しい状況に追い込まれています。それは、11月に 実施された岸田政権に対する世論調査からはじまっています。 毎日新聞が11月18日〜19日の両日に岸田内閣の世論調査 をやったところ、支持率が21%という史上最低を記録したこと が判明しました。 ───────────────────────────── ◎11月18日〜19日調査 岸田内閣の支持率 ・・ 21%(4ポイント▲…
2023年5月から6月にかけて、日本経済売新聞系の新聞や 雑誌に「ミセス・ワタナベ」の記事が出ています。参考までにそ の3本のそれぞれのタイトルと、リード文をを以下に記載してお きます。 ───────────────────────────── �@「帰ってきたミセス・ワタナベ」 東京市場の為替相場動向に大きな影響力を持つ個人投資家の外 国為替証拠金(FX)取引に異変が生じている。昨年秋には…
11月14日の日経の朝刊に、金利低下の記事が出ています。 同日発表による10月の米CPI(消費者物価指数)の伸びは、 事前予想を大きく下回り、FRBがさらに追加値上げをする可能 性がほぼなくなったといえます。これに加えて長期金利の指標に なる10年物国債利回は4・4%台前半になり、約1カ月半ぶり の低水準を記録しています。関連記事は、以下の通りです。 ─────────────────────…
速水優日銀総裁は、就任が1998年3月、退任が2003年 3月までです。その頃になると、政府と日銀との関係は相当ギャ クシャクしたものになっていったのです。2000年8月のゼロ 金利解除によっても景気は回復しないし、2001年3月に量的 緩和を導入したものの、日本経済はデフレの泥沼に沈んで、なか なか脱却できないでいたからです。 そして福井俊彦氏が日銀の総裁になると「ミセス・ワタナベ」 が話…
おっかなびっくりで、世界で初めてゼロ金利を実行し、慌てて 解除した感のある速水日銀総裁。2000年8月のゼロ金利解除 は長く日銀にトラウマとして傷を残すことになります。なかでも 痛烈な日銀に対する批判は、「あのときの拙速な利上げが、その 後の長期デフレの要因になった」とするものでしょう。 2001年3月19日、日銀政策決定会合が世界同時株安が進 むなかで行われています。日銀としては、金利を下…
岸田政権が依然としてピリッとしません。そして、どうやら岸 田総理は、「年内に解散はしない」という自らの意思を自民党幹 部に伝えたといわれています。 岸田首相は、「人の話を誰よりも熱心に聴く」ということを自 らいい、人から話を聞くとき小さなノートを出して、メモをとっ ています。しかし、案外岸田総理は、人の意見は聴くものの、本 当にやりたいことは自分の意志で決めています。それは、かなり 頑固であ…
2023年11月8日付の日本経済新聞に「隠れ円安」が取り 上げられています。「隠れ円安」とは何でしょうか。該当記事の リードを再現します。 ───────────────────────────── ◎対ドル以外円安止まらず 円キャリー取引が拡大 対ユーロで15年ぶり安値圏 対シンガポール38年ぶり 外国為替市場で、円が米ドル以外の通貨に対して下落する「隠 れ円安」が進んでいる。対ユーロで…
このところ新聞に「金利の話」が多く掲載されます。短期金利 は中央銀行の金融政策によって決まりますが、長期金利は、長期 資金の需給関係によって決まるもので、物価の変動、短期金利の 推移(金融政策)などの長期的な予想で変動します。そういう意 味で「長期金利は経済の基礎体温」と呼ばれています。 米国では、その長期金利が下がっています。長期金利は、一時 4・84%程度まで上がっていましたが、それが4…
日銀は、30日と31日の金融政策決定会合において、それま で続けてきたYCC(イールドカーブ・コントロール/長短金利 操作)の修正を決めています。どこが変わったのでしょうか。 ───────────────────────────── ◎これまでのYCC 長期金利の「上限」を1・0%とし、長期金利がこれを超え ようとすると、国債を無制限に買い入れて、上限を守る。 ◎これからのYCC …
岸田減税──もし、物価対策を素早くやるつもりであったなら ば「国民1人当たり4万円」「住民税が非課税世帯に1世帯当た り7万円」を定額で給付するべきであったといえます。この案で あれば、年内に給付を完了できるからです。そうすれば、金額に 不満はあるとしても、電気・ガソリンなどの補助金と合わせて、 立派な物価対策として機能したはずです。 そもそも「増税メガネ」といわれて思考停止に陥っていた岸田…
岸田首相の所得税の定額減税策の評判が、すこぶる良くないで す。これに対する世論調査が10月28日〜29日に実施され、 次の結果が出ています。 ───────────────────────────── <ANN世論調査/岸田内閣支持李> 「支持 する」 ・・・ 26・9% 「支持しない」 ・・・ 51・8% ──────────────────────────…
10月29日(日)付の日本経済新聞のトップ第1面に次の記 事が出ています。 ───────────────────────────── ◎中国で消えてゆく米国債/保有14年ぶり低水準 人民元買い支え説 中国が米国債の保有を減らし続けている。8月末の残高は14 年ぶりの水準となり、足元では減少ペースが速まっている。米金 利上昇(債券価格は下落)の一因ともみられ、市場は保有額圧縮 の背景を探ろ…
現在世界はインフレになっています。インフレになると、新聞 紙上では金利の話が多くなり、話が難しくなります。中央銀行の 出番であり、インフレ抑制に動き出します。ここまでの分析によ ると、インフレの原因は「コロナ禍」とされています。 その一方で日本はインフレなのかデフレなのかわからない表現 が使われます。「デフレでない状況」とか、「デフレから脱却し つつある」という表現です。しかし、日本の中央銀…
ネームが付いたかです。それに岸田首相はこのニックネームをす ごく気にしており、このイメージを払拭するために、唐突に所得 税の減税を打ち出してきたのではないかといわれています。 なぜ「増税メガネ」というニックネームが付いたかについて、 経済評論家の山崎元氏は次の趣旨のことをいっています。 ───────────────────────────── 岸田首相は、人の目を見て話さない。いつも役人の…
ロシアによるウクライナ侵攻がずるずると長期化する一方で、 イスラム組織ハマスがイスラエルを突如急襲し、大勢の死者が出 ています。イスラエルは直ちに反撃するとともに、ハマスの潜む ガザ地区に対し、10月24日現在、大規模な地上作戦を仕掛け ようとしています。 そのバックにはイランが控えており、最悪の場合、ヒズボラが これに参戦する可能性があります。ヒズボラは、1982年に結 成されたレバノンの…
米長期金利の5%台への上昇によって、日本の長期金利も上昇 してきています。これによって、日本の長期金利(10年物国債 金利)も上限に近づいてきています。10月22日付の日本経済 新聞の関連記事を掲載します。 ───────────────────────────── ◎日銀、金利操作の再修正論/米引き締め長期化で 日銀で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YC C)の再修正論が浮上…
10月19日、米長期金利(10年物国債金利)が遂に1・5 %に達しました。16年ぶりの高水準です。関連する日本経済新 聞の記事を掲載します。 ───────────────────────────── 【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)のパウエ ル議長は19日の講演で、利上げがすでに終結したと読む一部の 市場の見方をけん制した。次回の米連邦公開市場委員会(FOM C)では政策金…
岸田内閣の「所得税減税」の話を続けることにします。増税の イメージの強い岸田内閣が、所得税の減税をやるとはよほど差し 迫った事情があると考えられます。やはり総選挙を意識している のでしょうか。今日のEJの執筆時点での最新の情報では、次の ような減税が考えられています。 ───────────────────────────── ◎「期限付き」所得税の(定額/定率)減税 …
米債券市場で、長期金利の乱高下が続いています。10月の今 日まで、長期金利が、1日に「0・1%」以上変動する日は7割 を超えています。これは、3月の米地銀の破綻が相次いだ以来の 荒い値動きになっています。 ウクライナ戦争に加えて、中東でも戦争が起きる一歩手前にあ り、情勢が読み難くなっています。そこで今日は金曜日でもある ので、国内の問題を取り上げることにします。 日本の政治の世界では不思…
物価の話に戻そうと思ったのですが、またしても金利の話をし なければならなくなりました。原因は、いうまでもなく10月7 日に発生したイスラエルとイスラム組織ハマスとの激突です。 2023年10月16日付、日本経済新聞は、3面に次の記事 を掲載しています。なお、この原稿は16日に書いているので、 2日間で中東情勢がどう動くかについては予想できていません。 ────────────────────…
自民党が苦しい状況に追い込まれています。それは、11月に 実施された岸田政権に対する世論調査からはじまっています。 毎日新聞が11月18日〜19日の両日に岸田内閣の世論調査 をやったところ、支持率が21%という史上最低を記録したこと が判明しました。 ───────────────────────────── ◎11月18日〜19日調査 岸田内閣の支持率 ・・ 21%(4ポイント▲…
2023年5月から6月にかけて、日本経済売新聞系の新聞や 雑誌に「ミセス・ワタナベ」の記事が出ています。参考までにそ の3本のそれぞれのタイトルと、リード文をを以下に記載してお きます。 ───────────────────────────── �@「帰ってきたミセス・ワタナベ」 東京市場の為替相場動向に大きな影響力を持つ個人投資家の外 国為替証拠金(FX)取引に異変が生じている。昨年秋には…
11月14日の日経の朝刊に、金利低下の記事が出ています。 同日発表による10月の米CPI(消費者物価指数)の伸びは、 事前予想を大きく下回り、FRBがさらに追加値上げをする可能 性がほぼなくなったといえます。これに加えて長期金利の指標に なる10年物国債利回は4・4%台前半になり、約1カ月半ぶり の低水準を記録しています。関連記事は、以下の通りです。 ─────────────────────…
速水優日銀総裁は、就任が1998年3月、退任が2003年 3月までです。その頃になると、政府と日銀との関係は相当ギャ クシャクしたものになっていったのです。2000年8月のゼロ 金利解除によっても景気は回復しないし、2001年3月に量的 緩和を導入したものの、日本経済はデフレの泥沼に沈んで、なか なか脱却できないでいたからです。 そして福井俊彦氏が日銀の総裁になると「ミセス・ワタナベ」 が話…
おっかなびっくりで、世界で初めてゼロ金利を実行し、慌てて 解除した感のある速水日銀総裁。2000年8月のゼロ金利解除 は長く日銀にトラウマとして傷を残すことになります。なかでも 痛烈な日銀に対する批判は、「あのときの拙速な利上げが、その 後の長期デフレの要因になった」とするものでしょう。 2001年3月19日、日銀政策決定会合が世界同時株安が進 むなかで行われています。日銀としては、金利を下…
岸田政権が依然としてピリッとしません。そして、どうやら岸 田総理は、「年内に解散はしない」という自らの意思を自民党幹 部に伝えたといわれています。 岸田首相は、「人の話を誰よりも熱心に聴く」ということを自 らいい、人から話を聞くとき小さなノートを出して、メモをとっ ています。しかし、案外岸田総理は、人の意見は聴くものの、本 当にやりたいことは自分の意志で決めています。それは、かなり 頑固であ…
2023年11月8日付の日本経済新聞に「隠れ円安」が取り 上げられています。「隠れ円安」とは何でしょうか。該当記事の リードを再現します。 ───────────────────────────── ◎対ドル以外円安止まらず 円キャリー取引が拡大 対ユーロで15年ぶり安値圏 対シンガポール38年ぶり 外国為替市場で、円が米ドル以外の通貨に対して下落する「隠 れ円安」が進んでいる。対ユーロで…
このところ新聞に「金利の話」が多く掲載されます。短期金利 は中央銀行の金融政策によって決まりますが、長期金利は、長期 資金の需給関係によって決まるもので、物価の変動、短期金利の 推移(金融政策)などの長期的な予想で変動します。そういう意 味で「長期金利は経済の基礎体温」と呼ばれています。 米国では、その長期金利が下がっています。長期金利は、一時 4・84%程度まで上がっていましたが、それが4…
日銀は、30日と31日の金融政策決定会合において、それま で続けてきたYCC(イールドカーブ・コントロール/長短金利 操作)の修正を決めています。どこが変わったのでしょうか。 ───────────────────────────── ◎これまでのYCC 長期金利の「上限」を1・0%とし、長期金利がこれを超え ようとすると、国債を無制限に買い入れて、上限を守る。 ◎これからのYCC …
岸田減税──もし、物価対策を素早くやるつもりであったなら ば「国民1人当たり4万円」「住民税が非課税世帯に1世帯当た り7万円」を定額で給付するべきであったといえます。この案で あれば、年内に給付を完了できるからです。そうすれば、金額に 不満はあるとしても、電気・ガソリンなどの補助金と合わせて、 立派な物価対策として機能したはずです。 そもそも「増税メガネ」といわれて思考停止に陥っていた岸田…
岸田首相の所得税の定額減税策の評判が、すこぶる良くないで す。これに対する世論調査が10月28日〜29日に実施され、 次の結果が出ています。 ───────────────────────────── <ANN世論調査/岸田内閣支持李> 「支持 する」 ・・・ 26・9% 「支持しない」 ・・・ 51・8% ──────────────────────────…
10月29日(日)付の日本経済新聞のトップ第1面に次の記 事が出ています。 ───────────────────────────── ◎中国で消えてゆく米国債/保有14年ぶり低水準 人民元買い支え説 中国が米国債の保有を減らし続けている。8月末の残高は14 年ぶりの水準となり、足元では減少ペースが速まっている。米金 利上昇(債券価格は下落)の一因ともみられ、市場は保有額圧縮 の背景を探ろ…
現在世界はインフレになっています。インフレになると、新聞 紙上では金利の話が多くなり、話が難しくなります。中央銀行の 出番であり、インフレ抑制に動き出します。ここまでの分析によ ると、インフレの原因は「コロナ禍」とされています。 その一方で日本はインフレなのかデフレなのかわからない表現 が使われます。「デフレでない状況」とか、「デフレから脱却し つつある」という表現です。しかし、日本の中央銀…
ネームが付いたかです。それに岸田首相はこのニックネームをす ごく気にしており、このイメージを払拭するために、唐突に所得 税の減税を打ち出してきたのではないかといわれています。 なぜ「増税メガネ」というニックネームが付いたかについて、 経済評論家の山崎元氏は次の趣旨のことをいっています。 ───────────────────────────── 岸田首相は、人の目を見て話さない。いつも役人の…
ロシアによるウクライナ侵攻がずるずると長期化する一方で、 イスラム組織ハマスがイスラエルを突如急襲し、大勢の死者が出 ています。イスラエルは直ちに反撃するとともに、ハマスの潜む ガザ地区に対し、10月24日現在、大規模な地上作戦を仕掛け ようとしています。 そのバックにはイランが控えており、最悪の場合、ヒズボラが これに参戦する可能性があります。ヒズボラは、1982年に結 成されたレバノンの…
米長期金利の5%台への上昇によって、日本の長期金利も上昇 してきています。これによって、日本の長期金利(10年物国債 金利)も上限に近づいてきています。10月22日付の日本経済 新聞の関連記事を掲載します。 ───────────────────────────── ◎日銀、金利操作の再修正論/米引き締め長期化で 日銀で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YC C)の再修正論が浮上…
10月19日、米長期金利(10年物国債金利)が遂に1・5 %に達しました。16年ぶりの高水準です。関連する日本経済新 聞の記事を掲載します。 ───────────────────────────── 【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)のパウエ ル議長は19日の講演で、利上げがすでに終結したと読む一部の 市場の見方をけん制した。次回の米連邦公開市場委員会(FOM C)では政策金…
岸田内閣の「所得税減税」の話を続けることにします。増税の イメージの強い岸田内閣が、所得税の減税をやるとはよほど差し 迫った事情があると考えられます。やはり総選挙を意識している のでしょうか。今日のEJの執筆時点での最新の情報では、次の ような減税が考えられています。 ───────────────────────────── ◎「期限付き」所得税の(定額/定率)減税 …
米債券市場で、長期金利の乱高下が続いています。10月の今 日まで、長期金利が、1日に「0・1%」以上変動する日は7割 を超えています。これは、3月の米地銀の破綻が相次いだ以来の 荒い値動きになっています。 ウクライナ戦争に加えて、中東でも戦争が起きる一歩手前にあ り、情勢が読み難くなっています。そこで今日は金曜日でもある ので、国内の問題を取り上げることにします。 日本の政治の世界では不思…
物価の話に戻そうと思ったのですが、またしても金利の話をし なければならなくなりました。原因は、いうまでもなく10月7 日に発生したイスラエルとイスラム組織ハマスとの激突です。 2023年10月16日付、日本経済新聞は、3面に次の記事 を掲載しています。なお、この原稿は16日に書いているので、 2日間で中東情勢がどう動くかについては予想できていません。 ────────────────────…