chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
平野 浩
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2005/10/19

arrow_drop_down
  • ●「岸田政権はなぜ支持率が低いのか」(第6049号)

    自民党が苦しい状況に追い込まれています。それは、11月に 実施された岸田政権に対する世論調査からはじまっています。 毎日新聞が11月18日〜19日の両日に岸田内閣の世論調査 をやったところ、支持率が21%という史上最低を記録したこと が判明しました。 ───────────────────────────── ◎11月18日〜19日調査 岸田内閣の支持率 ・・ 21%(4ポイント▲…

  • ●「『ミセス・ワタナベ』の再来の意味するもの」(第6048号)

    2023年5月から6月にかけて、日本経済売新聞系の新聞や 雑誌に「ミセス・ワタナベ」の記事が出ています。参考までにそ の3本のそれぞれのタイトルと、リード文をを以下に記載してお きます。 ───────────────────────────── �@「帰ってきたミセス・ワタナベ」 東京市場の為替相場動向に大きな影響力を持つ個人投資家の外 国為替証拠金(FX)取引に異変が生じている。昨年秋には…

  • ●「『ミセス・ワタナベ』は何を意味するか」(第6047号)

    11月14日の日経の朝刊に、金利低下の記事が出ています。 同日発表による10月の米CPI(消費者物価指数)の伸びは、 事前予想を大きく下回り、FRBがさらに追加値上げをする可能 性がほぼなくなったといえます。これに加えて長期金利の指標に なる10年物国債利回は4・4%台前半になり、約1カ月半ぶり の低水準を記録しています。関連記事は、以下の通りです。 ─────────────────────…

  • ●「竹中大臣のやったことは正しいか」(第6046号)

    速水優日銀総裁は、就任が1998年3月、退任が2003年 3月までです。その頃になると、政府と日銀との関係は相当ギャ クシャクしたものになっていったのです。2000年8月のゼロ 金利解除によっても景気は回復しないし、2001年3月に量的 緩和を導入したものの、日本経済はデフレの泥沼に沈んで、なか なか脱却できないでいたからです。 そして福井俊彦氏が日銀の総裁になると「ミセス・ワタナベ」 が話…

  • ●「ゼロ金利から量的金融緩和へ」(第6045号)

    おっかなびっくりで、世界で初めてゼロ金利を実行し、慌てて 解除した感のある速水日銀総裁。2000年8月のゼロ金利解除 は長く日銀にトラウマとして傷を残すことになります。なかでも 痛烈な日銀に対する批判は、「あのときの拙速な利上げが、その 後の長期デフレの要因になった」とするものでしょう。 2001年3月19日、日銀政策決定会合が世界同時株安が進 むなかで行われています。日銀としては、金利を下…

  • ●「どうして消費税を減税できないか」(第6044号)

    岸田政権が依然としてピリッとしません。そして、どうやら岸 田総理は、「年内に解散はしない」という自らの意思を自民党幹 部に伝えたといわれています。 岸田首相は、「人の話を誰よりも熱心に聴く」ということを自 らいい、人から話を聞くとき小さなノートを出して、メモをとっ ています。しかし、案外岸田総理は、人の意見は聴くものの、本 当にやりたいことは自分の意志で決めています。それは、かなり 頑固であ…

  • ●「初めてゼロ金利を実施した速水総裁」(第6043号)

    2023年11月8日付の日本経済新聞に「隠れ円安」が取り 上げられています。「隠れ円安」とは何でしょうか。該当記事の リードを再現します。 ───────────────────────────── ◎対ドル以外円安止まらず 円キャリー取引が拡大 対ユーロで15年ぶり安値圏 対シンガポール38年ぶり 外国為替市場で、円が米ドル以外の通貨に対して下落する「隠 れ円安」が進んでいる。対ユーロで…

  • ●「危険水域から脱出できない岸田内閣」(第6042号)

    このところ新聞に「金利の話」が多く掲載されます。短期金利 は中央銀行の金融政策によって決まりますが、長期金利は、長期 資金の需給関係によって決まるもので、物価の変動、短期金利の 推移(金融政策)などの長期的な予想で変動します。そういう意 味で「長期金利は経済の基礎体温」と呼ばれています。 米国では、その長期金利が下がっています。長期金利は、一時 4・84%程度まで上がっていましたが、それが4…

  • ●「22年秋から冬へ債券市場異常発生」(第6041号)

    日銀は、30日と31日の金融政策決定会合において、それま で続けてきたYCC(イールドカーブ・コントロール/長短金利 操作)の修正を決めています。どこが変わったのでしょうか。 ───────────────────────────── ◎これまでのYCC 長期金利の「上限」を1・0%とし、長期金利がこれを超え ようとすると、国債を無制限に買い入れて、上限を守る。 ◎これからのYCC …

  • ●「なぜ、給付一本に絞れなかったか」(第6040号)

    岸田減税──もし、物価対策を素早くやるつもりであったなら ば「国民1人当たり4万円」「住民税が非課税世帯に1世帯当た り7万円」を定額で給付するべきであったといえます。この案で あれば、年内に給付を完了できるからです。そうすれば、金額に 不満はあるとしても、電気・ガソリンなどの補助金と合わせて、 立派な物価対策として機能したはずです。 そもそも「増税メガネ」といわれて思考停止に陥っていた岸田…

  • ●「4万円の所得税減税で押し切る」(第6039号)

    岸田首相の所得税の定額減税策の評判が、すこぶる良くないで す。これに対する世論調査が10月28日〜29日に実施され、 次の結果が出ています。 ───────────────────────────── <ANN世論調査/岸田内閣支持李> 「支持 する」 ・・・ 26・9% 「支持しない」 ・・・ 51・8% ──────────────────────────…

  • ●「中国の米国債保有率が減少している」(第6038号)

    10月29日(日)付の日本経済新聞のトップ第1面に次の記 事が出ています。 ───────────────────────────── ◎中国で消えてゆく米国債/保有14年ぶり低水準 人民元買い支え説 中国が米国債の保有を減らし続けている。8月末の残高は14 年ぶりの水準となり、足元では減少ペースが速まっている。米金 利上昇(債券価格は下落)の一因ともみられ、市場は保有額圧縮 の背景を探ろ…

  • ●「日銀はYCCをいつまで続けるか」(第6037号)

    現在世界はインフレになっています。インフレになると、新聞 紙上では金利の話が多くなり、話が難しくなります。中央銀行の 出番であり、インフレ抑制に動き出します。ここまでの分析によ ると、インフレの原因は「コロナ禍」とされています。 その一方で日本はインフレなのかデフレなのかわからない表現 が使われます。「デフレでない状況」とか、「デフレから脱却し つつある」という表現です。しかし、日本の中央銀…

  • ●「なぜ、『増税メガネ』と呼ばれるのか」(第6036号)

    ネームが付いたかです。それに岸田首相はこのニックネームをす ごく気にしており、このイメージを払拭するために、唐突に所得 税の減税を打ち出してきたのではないかといわれています。 なぜ「増税メガネ」というニックネームが付いたかについて、 経済評論家の山崎元氏は次の趣旨のことをいっています。 ───────────────────────────── 岸田首相は、人の目を見て話さない。いつも役人の…

  • ●「1987年と酷似/日米の株高/金利高」(第6035号)

    ロシアによるウクライナ侵攻がずるずると長期化する一方で、 イスラム組織ハマスがイスラエルを突如急襲し、大勢の死者が出 ています。イスラエルは直ちに反撃するとともに、ハマスの潜む ガザ地区に対し、10月24日現在、大規模な地上作戦を仕掛け ようとしています。 そのバックにはイランが控えており、最悪の場合、ヒズボラが これに参戦する可能性があります。ヒズボラは、1982年に結 成されたレバノンの…

  • ●「異次元金融緩和の真の狙いとは何か」(第6034号)

    米長期金利の5%台への上昇によって、日本の長期金利も上昇 してきています。これによって、日本の長期金利(10年物国債 金利)も上限に近づいてきています。10月22日付の日本経済 新聞の関連記事を掲載します。 ───────────────────────────── ◎日銀、金利操作の再修正論/米引き締め長期化で 日銀で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YC C)の再修正論が浮上…

  • ●「インフレ/各国のMMTの結果である」(第6033号)

    10月19日、米長期金利(10年物国債金利)が遂に1・5 %に達しました。16年ぶりの高水準です。関連する日本経済新 聞の記事を掲載します。 ───────────────────────────── 【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)のパウエ ル議長は19日の講演で、利上げがすでに終結したと読む一部の 市場の見方をけん制した。次回の米連邦公開市場委員会(FOM C)では政策金…

  • ●「岸田所得減税/どのようが内容か」(第6032号)

    岸田内閣の「所得税減税」の話を続けることにします。増税の イメージの強い岸田内閣が、所得税の減税をやるとはよほど差し 迫った事情があると考えられます。やはり総選挙を意識している のでしょうか。今日のEJの執筆時点での最新の情報では、次の ような減税が考えられています。 ───────────────────────────── ◎「期限付き」所得税の(定額/定率)減税 …

  • ●「岸田首相はどんな減税を打ち出すか」(第6031号)

    米債券市場で、長期金利の乱高下が続いています。10月の今 日まで、長期金利が、1日に「0・1%」以上変動する日は7割 を超えています。これは、3月の米地銀の破綻が相次いだ以来の 荒い値動きになっています。 ウクライナ戦争に加えて、中東でも戦争が起きる一歩手前にあ り、情勢が読み難くなっています。そこで今日は金曜日でもある ので、国内の問題を取り上げることにします。 日本の政治の世界では不思…

  • ●「3つのシナリオ/原油価格に影響か」(第6030号)

    物価の話に戻そうと思ったのですが、またしても金利の話をし なければならなくなりました。原因は、いうまでもなく10月7 日に発生したイスラエルとイスラム組織ハマスとの激突です。 2023年10月16日付、日本経済新聞は、3面に次の記事 を掲載しています。なお、この原稿は16日に書いているので、 2日間で中東情勢がどう動くかについては予想できていません。 ────────────────────…

  • ●「あのバブルでも物価は動いていない」(第6029号)

    とんでもないことが起きています。ロシアによるウクライナ侵 攻が膠着状態に陥り、イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃 が起き、国際社会は、2つの大きな戦争を抱えることになってし まったからです。 7月10日からスタートしたEJの今回のテーマは「物価とは 何か」を追及しています。しかも、2023年の日本経済は、長 期デフレではなく高インフレが起きており、いつもとは異なる様 相を見せ、もしかする…

  • ●「なせ、長期金利は突然急落したか」(第6028号)

    連休明けの10月10日のことです。それまで株安・円安が続 いてきた東京市場では、これに急ブレーキがかかり、日経平均株 価は751円高と今年一番の今年最大の上昇になったのです。ち なみに、10月10日の日経平均株価は3万1713円62銭で す。3万円台を安定して維持しています。 ───────────────────────────── 9月20日 〜 ⇒10日 …

  • ●「米雇用統計は重要経済データである」(第6027号)

    「FRBは米国の中央銀行であり、日本の日銀と同じ」という 説明を繰り返していますが、これは必ずしも正しい表現とはいえ ないのです。 米国の中央銀行制度は、FRSと呼ばれますが、FRBはその 中心機関になのです。FRSは、「連邦準備制度」といい、次の 英語の頭文字をとったものです。 ───────────────────────────── ◎FRS連邦準備制度 …

  • ●「高インフレを読み誤ったFRB」(第6026号)

    コロナ禍のとき、米FRBは何をしていたのかについて知って おく必要があります。以下の記述は、次の新刊書を参考にさせて いただいています。著者の河浪武史氏は、日本経済新聞社金融・ 市場ユニット金融部長です。 ───────────────────────────── 河浪武史著 日本銀行/虚像と実像/検証25年緩和 ──日本…

  • ●「景気後退軟着陸に挑む米FRB」(第6025号)

    ジェローム・パウエル米FRB議長の苦闘が続いています。2 020年3月13日のトランプ大統領によるコロナウイルスへの 対応のための国家非常対宣言以来、パウエル議長は大車輪の活躍 を続けています。当初は、世界的なパンデミックに対応するため 金融緩和を実施することであり、2021年3月からは世界イン フレへの対応策です。そして、2022年2月24日にロシアに よるウクライナへの侵攻が起きます。 …

  • ●「なぜ、米長期金利は上昇しているか」(第6024号)

    このところ日経平均株価が下がっています。10月5日の日経 平均株価は3万1075円36銭です。9月14日から10月5 日までの15日間の騰落数は次の通りです。○印は前日より上昇 /●印は前日より下落を表しています。 ───────────────────────────── 14日 〜 5日 ○○●●●●○●○●●●●●○ ───────────…

  • ●「減税経済対策は果たして成功するか」(第6023号)

    岸田内閣の支持率が上がらないでいます。何をしても支持と不 支持が逆転のままですが、それは当然のことです。なぜかという と、岸田首相は日本の防衛力強化のため、当初「増税」を主張し ていたはずですが、それが突然「減税」に変わっています。これ では、国民が戸惑うのは当然のことです。 2022年度の国の一般会計の税収は約71兆円です。物価高 の影響で、消費税収が増えたことに加えて、企業の好業績や賃上…

  • ●「インボイスは『増税』そのものである」(第6022号)

    インボイス──制度開始が日曜日だったせいか、関連記事は次 の1本のみで終わっています。選挙も迫っているので「増税」と いう捉え方をされることを気にしているようです。 ───────────────────────────── ◎インボイス/申請は途上/免税111万事業者が転換へ 佐川急便:取引先数千社に確認 大成建設:下請け対象の講習会 …

  • ●「『インボイス』という名前の増税」(第6021号)

    国民のほとんどが何だかよくわからない内に、10月から「イ ンボイス」が導入されています。メディアも政府に配慮してか、 導入直前でも報道のトーンを控えている感があったので、いまだ に知らない人がたくさんいるはずです。どのような制度か、定義 を掲載しておきます。 ───────────────────────────── インボイス制度とは、一定の項目が記載された適格請求書(イ ンボイス)に基づ…

  • ●「マイナス金利を見送った植田日銀総裁」(第6020号)

    9月19日から22日までは、「日米の中央銀行ウィーク」で あったといえます。前半の2日間は米国のFRBのFOMC、後 半は日銀の日銀政策決定会合です。 FOMCが今回利下げを行わないことは予測していた通りだっ たのですが、FOMC参加者による2024年末の政策金利の見 通しが、次のように引き上げられています。 ───────────────────────────── 中央値で5・1…

  • ●「岸田内閣の減税は本物か偽物か」(第6019号)

    どうしてこうなんだろう──これは、私が現在、岸田内閣に抱 く思いです。「この人は『減税』を口にしないことで知られてい ましたが、ここまでひどい」とは知らなかったからです。 その岸田首相が「減税」を口にして、選挙戦を有利に運ぼうと しています。「減税」──首相から「減税」という言葉を聞くの はかつてないことですが、これについて、元厚労相である立憲民 主党の長妻昭政調会長は、次のように切り捨てて…

  • ● 「中国における5つの20%とは何か」(第6018号)

    中国の情報をお届けします。「中国における5つの20%」と いわれているものがあります。これは、ネットなどには載ってい ない最新情報といえるのではないかと思います。 ───────────────────────────── �@若年層失業率が20%を突破したこと �A工業部門企業の利益が前年同期比で20%近く落ちたこと �B地方政府の土地譲渡金収入が前年同期比で20%減ったこと �C不動産の新…

  • ●「中国のGDPの虚偽のからくり」(第6017号)

    7月25日に中国人民銀行の総裁に潘功勝氏が就任しましたが 前任者の易鋼氏との関係についてもう少しふれておきます。習近 平国家主席の考え方がわかるからです。 易氏は、2018年3月に人民銀行総裁に就任し、2022年 10月に5年に一度の中国共産党大会において、中央委員候補か ら外れ、退任が囁かれていたのです。これは中国の人民銀行の指 導部内での地位低下を表しているとの見方もあります。 ちなみ…

  • ●「外国為替管理局長が人民銀行総裁へ」(第6016号)

    9月21日〜22日開催された日銀政策決定会合では、日銀は 現状維持を決め、何の変化もなかったのです。これを受けて円は 対ドルで売りが強まり、一時「1ドル=148円台」を付け、円 安が進んでいます。この件については、改めて取り上げます。 今年もあと3カ月ちょっとで終わりです。ここにきて世界経済 にとって心配なのは、中国の経済です。不動産バブル崩壊といわ れていますが、一体中国において何が起きて…

  • ●「金融緩和からの脱出の可能性はあるか」(第6015号)

    9月19日〜20日に開かれたFOMCで、FRBは利上げを せず、政策金利を据え置く決定をしています。しかし、年内の利 上げをあと1回想定しているといわれます。9月20日のロイタ ーは次のように伝えています。 ───────────────────────────── [ワシントン20日=ロイター]米連邦準備理事会(FRB) は9月19〜20日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で フェデラ…

  • ●「日銀がマイナス金利を撤廃する可能性」(第6014号)

    9月17日のことです。日本経済新聞は3面で銀行株の上昇に ついて次の報道をしています。 ───────────────────────────── ◎株式市場「金利復活」先取り 銀行株5年半ぶり高値/脱デフレに期待/不動産株も好調 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 東京株式市場で金利の先高観が金融株を押し上げている。日銀 が早期にマイナス金利政策の解除に動くとの観測を…

  • ●「ドイツは再び欧州の病人になる」(第6013号)

    9月14日、欧州中央銀行(ECB)が理事会で苦渋の決断を 行っています。10会合連続の利上げです。利上げ幅は0・25 %で、政策金利としては、単一通貨ユーロが誕生した1999年 以降で最高になります。インフレが収束しないからです。 ちなみに政策金利とは、景気や物価の安定など金融政策上の目 的を達成するため、中央銀行が設定する短期金利──誘導目標金 利──のことで、金融機関の預金金利や貸出金利…

  • ●「なぜ、いま外相を交代させるのか」(第6012号)

    第2次岸田改造内閣が誕生したので、ひとつ触れておきたいこ とがあります。「なぜ、林外相を外し、上川陽子元法相を抜擢し たか」です。私は、以前から林芳正氏のテレビでの発言を多く聞 いていますが、国際的な諸問題についてそれぞれ立派な見識を持 つ人物であると思っています。 それに、米国留学が長いことと、最終学歴がハーバード大学卒 であることを考えても、その語学力は抜群です。自民党の一部の 保守派か…

  • ●「米国経済はソフティッシュ・ランディング」(第6011号)

    ところで、米国のインフレはどうなっているのでしょうか。 2022年6月には前年同月比9・1%まで上昇し、ピークを つけた消費者物価指数(CPI)は、2023年6月には3・0 %まで順調に低下しています。パウエルFRB議長の目指す「2 %以下」のインフレ目標が視野に入ってきています。 パウエル議長は、2022年1月に、「ソフトランディング」 ではなく、「ソフティッシュ・ランディング」という言…

  • ところで、米国のインフレはどうなっているのでしょうか。 2022年6月には前年同月比9・1%まで上昇し、ピークを つけた消費者物価指数(CPI)は、2023年6月には3・0 %まで順調に低下しています。パウエルFRB議長の目指す「2 %以下」のインフレ目標が視野に入ってきています。 パウエル議長は、2022年1月に、「ソフトランディング」 ではなく、「ソフティッシュ・ランディング」という言…

  • ●「輸出が増加し、輸入が減少する型」(第6010号)

    日本経済の話に戻ります。現在、EJが経済のテーマを取り上 げているのは、2023年度の日本経済は、一応「好調である」 というレベルにあり、ウォッチングする価値があるからです。と いうわけで、内閣府が8月15日に発表した4〜6月期のGDP の速報値に基づいて解説を書いたところ、なんと書き終わった直 後に「改定値」が出たのです。これによると、年率換算6・0% が4・8%に下方修正されたのです。 ─…

  • ●「自民党を悩ます2つの厄介な事件」(第6009号)

    今週はEJの日刊書きのペースを整えるため、テーマに直接関 係のないテーマも取り上げています。今日は金曜日であり、自由 に書くことにします。 内閣改造がこの秋に行われるとメディアは報道しています。そ んななか、9月6日に「朝日新聞デジタル」が、木原誠二官房副 長官を留任させる方向で調整していると報じています。 いわゆる「木原事件」を知らない人は少ないでしょうが、この 事件については『週刊文春…

  • ●「3度目の政権交代にオザワ動く」(第6008号)

    普通ガソリン価格が高騰すると、欧米各国では減税をします。 しかし、自民党政権──とくに宏池会政権は絶対に「減税」をし ないことをモットーとしています。業者に補助金を渡して価格を 少し下げてもらう措置を取っています。しかし、日本には「トリ ガー条項」という名の法律があるのです。ただし、民主党政権の 時代の法律ではありますが・・。 なぜ、減税ではなく、補助金なのかについて、元財務官僚の嘉 悦大学…

  • ●「『トリガー条項』というものがある」(第6007号)

    9月2日付の「朝日新聞デジタル」は、日本自動車連盟(JA F)が政府に次の声明を出していることを伝えています。 ───────────────────────────── ◎ガソリン税金「上乗せ廃止を」/JAFが政府に声明 日本自動車連盟(JAF)は、ガソリン価格の高騰を受けて、 ガソリン税の「当分の間税率」の廃止などを政府に求める声明を 出した。8月31日付。複数の税金が上乗せされることで…

  • ●「宏池会内閣は下野するという因縁」(第6006号)

    岸田内閣の支持率が低迷し上昇しません。しかし、いま総選挙 をやっても、議席は大幅に減らしても自民党政権は敗北しないで しょう。なぜなら、野党がバラバラであり、国民民主党にいたっ ては、立憲民主党から分裂したのに、さらに、分裂騒ぎが起きて いる始末です。 しかし、最近になって、ある「因縁」が囁かれるようになって います。考えてみてください。自民党が政権を失い、下野したの は、次のたったの2回で…

  • ●「科学での対話拒否/感情的対応の中国」(第6005号)

    本日からEJを再開します。8月18日(金)に東大病院を退 院し、自宅に戻っております。19日間の入院であり、私にとっ て最長期間の入院です。かなり体力が落ちているので、現在、元 気回復に努めています。なかでも107年ぶりの慶應義塾高校の 甲子園制覇は、私の元気回復に大いに寄与しております。久しぶ りに慶応応援歌「若き血」を聞きました。 EJの再開に関していくつかお願いがあります。EJの最大の…

  • ●「日経平均株価はどのレベルにあるのか」(第6004号)

    7月26日〜27日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開 催され、「プラス0・75%」の政策金利の引き上げが決定して います。これについて、第一生命経済研究所・熊野英生氏は、次 のようにレポートしています。 ───────────────────────────── 現状のインフレ率は、2022年6月に米消費者物価が前年比 9・1%という驚くべき高い伸びになっている。FRBは利上げ でそれを…

  • ●「日経平均株価はどの段階にあるのか」(第6003号)

    今朝は、物価の話をひとまず置いて、日経平均株価について視 点を移してみます。このところ、日経平均株価が伸び悩んでいる からです。7月24日の日経平均株価の終値は32760円94 銭ですが、ただし、前日比+約396円と急上昇しています。7 月3日から24日までの過去15日間の騰落を見ると、次のよう になっています。○印は前日よりアップ、●印は前日よりダウン をあらわしています。 ────────…

  • ●「バブル崩壊時に対策を間違える日銀」(第6002号)

    東京大学が2016年2月22日に提供する「高精度・高頻度 な物価指標の開発と配信」によると、このプロジェクトの主な研 究テーマは、「長期デフレの原因に関する研究」であったという ことです。 昨日のEJにおいて、国が毎月算出している「総務省指数」は ラスパイレス指数であり、東京大学が毎日算出している東大指数 は、トルンクビスト指数であることを指摘しています。しかし、 ラスパイレス指数はその性質…

  • ●「東大日次物価指数というものがある」(第6001号)

    「東大日次物価指数」というものがありますが、ご存知でしょ うか。「日経POS(販売時点情報管理)情報」から取得する全 国約300店のスーパーの食料品、日用雑貨など約200品目の 価格情報をもとにして毎日算出されています。なお、200品目 には、家電やサービスや生鮮食料品などは、含まないことになっ ています。 「東大日次物価指数」は、渡辺努東京大学大学院経済学研究科 教授の研究テーマとして「長…

  • ●「日米の物価逆転し賃金は見送り」(第6000号)

    EJは、本日、第6000号に到達しました。土曜、日曜、祝 日を除いて日刊メールを送ると、1年で約250回、4年間経つ と、約1000号になります。したがって、6000号というこ とは、約24年間書いてきたことになります。今年に入ってから の入院で、連続記録は未達成になりましたが、こんなに長い間書 き続けられたのは、読者のお蔭であり、厚く御礼申し上げます。 これからも休刊はしばしばあると思いま…

  • ●「生計費指数の近似値を計算する」(第5999号)

    「物価とは生計費指数である」──話はここまできています。 しかし、ここから先が大変なのです。生計費指数とは、各家庭の 生計費をもとにして算出した一種の物価指数であり、一定の標準 生活を営むために必要な費用と変動を示す指数のことです。一般 的に、食費、光熱費、被服費、住居費、雑費の5つの指数を計算 して算出します。 そもそも消費者というのは、財やサービスを消費することによ って、自分の欲望を充…

  • ●「物価とは『生計費指数』である」(第5998号)

    「物価とは何か」──始めに謎のような言葉を出して注意を喚 起し、それを少しずつ具体的なものに近づけて行く──これが、 渡辺努東京大学教授の話の進め方のようです。渡辺教授はさらに 物価の正体に迫っていきます。 ───────────────────────────── �@ 物価とは「蚊柱」である。 �A物価を決めるのは貨幣の魅力である。 → �B 物価とは…

  • ●「シムズ教授/増税でなく減税が正解」(第5997号)

    2017年1月30日のことです。米プリンストン大学教授で あるクリストファ・シムズ氏が来日し、日本で公演を行っていま す。クリストファ・シムズ教授は、ゼロ金利制約下では金融政策 のみでは、物価を十分にコントロールできず、財政政策が重要な 機能を果たすという趣旨の講演を行い、注目を集めています。 2021年現在、日本政府は約1000兆円の国債を発行して いますが、これらはいずれも利子を付けて返…

  • ●「貨幣の魅力が物価を決める/本当か」(第5996号)

    7月14日のEJの重要部分を再現し、物価につい考えます。 ───────────────────────────── �@ 物価とは「蚊柱」である。 �A物価を決めるのは貨幣の魅力である。 ───────────────────────────── 渡辺努教授の本/『物価とは何か』の読者は、読み始めて間も なく、ひとつの不思議な言葉にぶつかります。それは「貨幣の魅…

  • ●「物価は何によって決まるか考える」(第5995号)

    素人は「物価とはモノの価格」と単純に考えます。黒田前日銀 総裁は、アベノミクスによるデフレ克服を実現するため、「2% のインフレ目標」を掲げて、消費者物価指数(CPI)を2%に 引き上げ、それを安定的に維持するため、異次元の金融緩和を実 施継続しましたが、結局不発に終わっています。 中東の原油価格が高騰し、石油関連製品の価格が上昇すれば、 素人なら誰でも消費者物価指数も上がると考えます。狂乱…

  • ●「狂乱物価の原因について検討する」(第5994号)

    「狂乱物価」について考えてみます。正しくいうと、インフレ は2回起きています。1973年10月、中東産油国が原油価格 を70%引き上げたことを受けて、インフレが発生しています。 このインフレを「第1次オイルショック」と呼んでいます。この とき、日銀はインフレを抑えるため、公定歩合(政策金利)を9 %まで引き上げています。金融を引き締めたのですから、景気が 悪化し、不況に陥っています。 その後…

  • ●「2つのインフレの真の原因を探る」(第5993号)

    インフレを日本人はどのくらい経験しているでしょうか。戦後 に絞ると、常識的には今回の世界インフレをのぞくと、次の3回 経験していることになります。 ───────────────────────────── �@終戦直後のインフレーション 1945年〜1949年 �A狂乱物価のインフレーション 1973年〜1974年/1979年 …

  • ●「世界インフレへの小幡教授の意見」(第5992号)

    今回のテーマの中心は物価と中央銀行です。EJでは、日本の 中央銀行である日本銀行を取り上げたことはありますが、物価の ようなテーマを取り上げたことはありません。しかし、現在、世 界インフレが起こり、本当に何十年ぶりに物価が話題になってい ます。そういうとき、たまたま書店で渡辺努東京大学大学院教授 による『世界インフレの謎』(講談社現代新書)を購入し、読ん で私は物価について興味を持ったのです。…

  • ●「物価について学習する必要がある」(第5991号)

    今年に入ってから、EJでは、連続して経済のテーマを取り上 げています。本当はメタバースと経済の関係について書きたかっ たのですが、予想よりもメタバースの動きは鈍く、日本経済の動 きが急ピッチで動いています。30年ぶりでそこに何か大きな変 化が起きているようです。 30年ぶりの変化とは「インフレの到来」です。アベノミクス における日銀の「異次元の金融緩和」の狙いは、「2%程度の緩 やかなインフ…

  • ●「日経平均株価は4万円に達するか」(第5990号)

    本日は「七夕/たなばた祭り」です。株式格言に次の言葉があ ります。 ───────────────────────────── ◎株式相場のアノマリー(経験則) 「七夕天井・天神底」 ───────────────────────────── 「七夕」は7月7日であり、「天神」とは天神祭のことで、日 本各地の天満宮で催される祭りです。なかでも7月24日〜2…

  • ●「現在の円安は日本の国力低下の証」(第5989号)

    6月26日〜28日、欧州中央銀行(ECB)主催で、国際金 融会議「ECBフォーラム」が、ポルトガルの歴史的観光地シン トラで開催されました。その最終日には、主要中銀のトップであ る次の4人によるパネル討議が行われたのです。 ───────────────────────────── パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長 ラガルドECB総裁 ベイリー英イングランド…

  • ●「スタートアップに融資する銀行を作る」(第5988号)

    今回のテーマは今日で40回になります。しかし、世界インフ レは収まっておらず、日本経済の先行きについてもウオッチング してみたいと思います。そうすると、あと50回ぐらいは必要と なり、長くなってしまうので、一応今回のテーマは7月7日で終 了し、10日からは新しいテーマで書くことにします。 昨日のEJで、「ユニコーン」のことをご紹介しました。ユニ コーンは、企業価値10億ドル以上の未上場企業の…

  • ●「東証改革/ユニコーンを育てる」(第5987号)

    6月30日の日経平均株価の終値は3万3189円04銭── 依然として3万円台を維持しています。今回の株高の要因の1つ が、東京証券取引所の積極的な改革への取り組みが功を奏してい ることは確かです。 岸田内閣は、2022年11月24日に「スタートアップ育成 強化のための5か年計画」を発表しています。ここで、スタート アップとは何かについて知る必要があります。とくにベンチャー との違いについて理…

  • ●「なぜ、米国は景気後退しないのか」(第5986号)

    「BIS/国際決済銀行」と呼ばれる組織があります。193 0年に設立された中央銀行をメンバーとする組織であり、スイス のバーゼルに本部があります。「BIS」は次の言葉の略字です が、行名の由来は、第1次世界大戦後のドイツの賠償金支払いを 円滑化する目的で生まれたものです。 ───────────────────────────── ◎BIS/国際決済銀行 Bank for Interna…

  • ●「『3つの4』を実現する日本経済」(第5985号)

    欧米のインフレが収まりません。6月26日に、欧州中央銀行 (ECB)が主催する国際金融会議「ECBフォーラム」がポル トガルで開催されたのですが、ラガルドECB総裁は基調講演で 次のように述べています。 ───────────────────────────── 見通しに重大な変化がなければ7月も利上げを継続する。ユー ロ圏のインフレ率は高すぎで、今後も高止まりするだろう。中央 銀行が近い将…

  • ●「株価の高度恐怖症/4%ライン」(第5984号)

    2023年6月27日付、日本経済新聞の「クローズアップ日 経平均株価」の15日間の星取表です。右端が直近、○は上昇、 ●は下落を表しています。当日の日経平均株価は3万2698円 81銭です。 ───────────────────────────── ◎日経平均株価の過去15日の騰落 ○●●○○○○●○●○○●●● ──────────────────────────…

  • ●「賃金と物価が手を取り合い凍り付く」(第5983号)

    インフレになると何が起きるでしょうか。高インフレが進行す ると、物価が上がり、生計費が上昇します。生計費とは生活者が 生活をするうえで必要になる経費のことです。生計費が上がると 生活をしていけなくなるので、労働者は雇用主に賃上げの要求を 出します。 企業が労働者の要求に素直に応じてくれるとは限らないので、 労働者は賃上げ実現のためにストライキを行ったり、それに応じ てくれる企業に移ろうとした…

  • ●「アマゾンの詐欺は実に巧妙である」(第5982号)

    6月23日にアマゾンで本を一冊購入しました。新刊書なので すが、書店では見つからなかったので、アマゾンで購入したもの です。アマゾンのアカウントはかなり前に取得しており、そのア カウントを使ったのです。 前にもEJで述べたことがありますが、私は書籍を購入すると きは、大型書店(主として池袋・ジュンク堂丸善)に足を運ぶこ とにしています。なぜかというと、本を選ぶのに各階に椅子が多 く用意されて…

  • ●「日本以外の9カ国は逆イールド」(第5981号)

    今回のテーマにおいて「逆イールド」のことを取り上げたのは 6月2日のEJ第5965号でのことです。逆イールドとは、短 期金利と長期金利の逆転現象のことです。米国の2年債と10年 債が逆転したことを伝えています。債券は通常、満期までの期間 が長いほど利回りが高くなります。期間が長ければ、その分返済 が不透明になるため、投資家がより高いリターンを求めるからで す。これが逆転すると不況になるといわれ…

  • ●「賃金・物価スパイラルが起きている」(第5980号)

    欧米のインフレがなかなか収まりません。6月22日の日本経 済新聞から、英国と米国のインフレの状況について、記事をピッ クアップします。 ───────────────────────────── ◎英消費者物価8・7%上昇/5月根強いインフレ懸念 【ロンドン=大西康平】英統計局が21日発表した英国の20 23年5月の消費者物価指数は前年同月比8・7%上昇した。伸 び率は前年比横ばいで、鈍化し…

  • ●「なぜ、ROEが重視されるのか」(第5979号)

    EJでトヨタの「PBR1倍割れ」のことを書いたのは、6月 15日のことです。そうしたら、16日の日本経済新聞に「PB R1倍割れトヨタが解消」の記事が出て、6月19日付、日本経 済新聞夕刊の「ニュースぷらす」に「PBR1倍割れ、何が問題 ?」という解説記事が掲載されています。日本の株価が、なぜ上 がっているのかが大きな関心を呼んでいるのです。 「PBR1倍割れ」とは、企業の成長期待の低さを映…

  • ●「『東証の大改革』について考える」(第5978号)

    2022年4月4日のことです。東京証券取引所(東証)が、 それまでの市場区分を見直し、市場を再編成しています。これが 「東証の大改革」といわれるものです。現在起きている日本株の 株高は、この改革と無関係ではないといわれています。2022 年4月以前の市場区分は次の4つに分かれていたのです。 ───────────────────────────── �@ 市場第一部 ・・ 流通性の高い企業…

  • ●「日本株上昇原因/PERとEPS」(第5977号)

    6月15日〜16日に開催された日銀政策決定会合──植田新 総裁にとって2回目になる会合ですが、長短金利操作(イールド ・カーブ・コントロール/YCC)のもとでの金融市場調節の方 針について現状維持を全員一致で決めています。 この日銀政策の現状維持のニュースを知るや、トレーダーは、 安心して円を売り、また、低利の円を借りて高金利の通貨を買う ことで金利差収益を狙う「円キャリー取引」で、リターン…

  • ●「6月の日米中銀の決定会合の結果」(第5976号)

    6月15日の新聞は「FRBの連続利上げ停止」の記事が満載 です。しかし、欧州中央銀行(ECB)は、15日に開いた理事 会で、0・25%の利上げを決めています。8会合連続の利上げ であり、はじめてのことです。かねてからECBでは、景気後退 が深刻なレベルに陥らない限り、金融引き締めの継続を求めるタ カ派的意見が多いのです。 米FRBパウエル議長は、今回は利上げを停止したものの、困 惑の色を隠せ…

  • ●「FRBによる利上げ見送りの波紋」(第5975号)

    昨日のEJで「PBR(株価純資産倍率)」の話題を取り上げ トヨタの「PBR1倍割れ」について言及しましたが、6月14 日付の日本経済新聞に関連記事が掲載されたので、以下に示して おくことにします。 ───────────────────────────── ◎PBR1倍割れトヨタが解消 米国株高は13日の日本株式市場にも波及した。日経平均株価 は3日続伸し、約33年ぶりに3万3000円台で終…

  • ●「日本株はどうして上がっているのか」(第5974号)

    日経平均株価の6月12日の終値は3万2434円です。相変 わらず3万円台を安定的にキープしています。昨日のEJで、政 府の「埋蔵金」(「外国為替資金特別会計(外為特会)」)の話 を取り上げましたが、現在ネットでは、日銀の埋蔵金の話が話題 になっています。 日銀の埋蔵金とは何でしょうか。 それは日銀が保有するETF(上場投資信託)の含み益です。 ETFとは、特定の指数、例えば、日経平均株価や…

  • ●「誰もいわなくなった『悪い円安論』」(第5973号)

    「安いニッポン」の続きです。とにかく2022年は、いわゆ る「円安亡国論」花盛りであったといえます。『週刊ダイヤモン ド』の2022年5月21日号では、次のタイトルの大特集を組 んでおり、次のリード文が書かれています。 ───────────────────────────── ◎ニッポンの「国力」低下危機「円安の善と悪」 急激な円安が日本経済を激しく揺さぶっている。円が急落した 背景には、…

  • ●「『安いニッポン』から脱却できるか」(第5972号)

    「安いニッポン」という言葉があります。「悪い円安論」とも いわれます。本来「円安」は、日本にとって歓迎すべきことだっ たはずです。とくに輸出企業にとっては。しかし、2022年3 月以降の経済界の声は、すこぶる厳しいのです。時の黒田日銀総 裁への不満をあからさまにする経営者もいます。そういう不満の 声をひろってみました。すべて2022年の発言です。 ───────────────────────…

  • ●「名目GDPはどこまで伸長するか」(第5971号)

    先週の金曜日、6月9日の日経平均株価の終値は3万2265 円です。7日と8日は少し下落したものの、9日には持ち直して います。これは、きわめて注目すべき出来事なので、少し書くこ とにします。 日経平均株価が3万円を超えたのは6月1日(木)のことであ り、終値は3万0976円でした。直近で3万円を超えたのは、 2021年9月14日の3万0670円以来のことです。日経平 均株価の過去最高額と最低…

  • ●「スタグフレーションにどう対応するか」(第5970号)

    6月7日の朝日新聞には、「世銀見通し/金融不安を懸念」の 記事が出ています。世界インフレとも関係があるので、お知らせ しておきます。 ───────────────────────────── ◎24年の世界成長率「最悪なら0・3%」 世界銀行は6日、最新の世界経済見通しを発表した。先進国の 金融不安が銀行の深刻な貸し出しの縮小(信用収縮)を招けば、 2024年の世界の経済成長率は、1・3%…

  • ●「米国の利上げはラッシュはまだ続く」(第5969号)

    いま起きている世界インフレがどうなるか。これについては、 予断を許さない状況になっているといえます。問題は、インフレ がなかなか収まらないことです。 日本の日本銀行に当たる米国のFRBは、5月2日〜3日に行 われたFOMC(米連邦公開市場委員会──日本の金融政策決定 会合)で、政策金利を0・25%引き上げる利上げを実施してい ます。この会合の1日前、5月1日にはファースト・リパブリッ クバン…

  • ●「日本人は値上げを受け入れつつある」(第5968号)

    ちょうど1年前の2022年6月6日のことです。当時日本銀 行の黒田総裁は「日本の家計は値上げを受け入れている」と発言 し、国民から非難が殺到し、釈明に追われるという事件がありま したが、覚えているでしょうか。そのときの産経新聞ニュースを 以下に再現します。 ───────────────────────────── 日本銀行の黒田東彦総裁は、2022年6月6日、東京都内で 講演し、商品やサー…

  • ●「物価に関する日本人の意識変化」(第5967号)

    現在、証券会社といえば、野村證券、大和証券、SMBC日興 証券の3大証券が頭に浮かびますが、かつて、野村證券、大和証 券、日興証券の3社に「山一證券」を加えて4大証券と呼称して いました。 山一證券は、創業1897年という歴史ある証券会社であり、 戦後の一時期には業績は業界トップの地位を占めていたこともあ ります。法人向け業務が強く、企業の新規上場の際の主幹事証券 も数多く担い、「法人の山一…

  • ●「インフレの犯人は企業の便乗値上げ」(第5966号)

    インフレが起きると、欧米の企業はためらいなく製品や商品に 価格転嫁するといいます。トルコのエコノミスト、エミン・ユル マズ氏にいわせると、平気でインフレ率以上の価格転嫁をして利 益を増やしているそうです。 日本経済新聞の米駐在コメンテーターである西村博之氏による と、現在米国市内では「SALE」を行う店舗が拡大し、値下げ 競争が起きています。こういう状況を踏まえて西村博之氏は、6 月1日付、…

  • ●「日本人の『物価・賃金ノルム』」(第5965号)

    5月31日付の日本経済新聞は、米金利の逆転を次のように報 道しています。 ───────────────────────────── ◎米金利逆転/42年ぶりの長さ 債券市場では米景気の先行きを不安視する見方が増えている。 期間が短い米国債利回りが、長いものを上回る異例の状態を「逆 イールド」と呼び、景気後退のサインとされる。満期まで2年の 国債と10年の国債を比べると、逆イールドの状態が2…

  • ●「日本のインフレ率はなぜ低いのか」(第5964号)

    世界インフレはなぜ起きたのでしょうか。ここで話を整理して 先に進むことにします。 世界インフレを引き起こした最大の原因はパンデミックです。 新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界中の人と企業が、 行動変容を起こした結果、世界インフレが発生しています。 第1に、人の行動変容です。人には「消費者」という側面と、 「労働者」の側面があります。消費者としての行動変容は、サー ビス消費からモノ消…

  • ●「サプライチェーンの見直しが必要」(第5963号)

    欧米のインフレが収まっていません。5月29日の日本経済新 聞は欧州のインフレの模様を次のように報道しています。4月の 欧州の消費者物価指数の上昇率は、前年同月比で7・0%である といいます。 ───────────────────────────── ◎欧州、広がる「強欲インフレ」 欧州でインフレが収まらない。ウクライナ危機に伴う資源高は 落ち着く半面、食品やサービスの価格上昇が顕著だ。企業…

  • ●「コロナ後遺症で職場に戻らぬ労働者」(第5962号)

    2000年代に入って、IT技術の発達にしたがい、モノ産業 からサービス産業へのシフトが進んでいます。これによって、モ ノ産業は少しずつ需要が減少し、生産に必要な労働と機械設備な どの資本が減っていきます。とくに労働の面では、サービス産業 に就職する新卒が増加し、モノ産業で働いていた労働者がサービ ス産業に転職する現象が起きています。「デューダ(doda)」、 「ビズリーチ」のCMで代表される今や一…

  • ●「サービス消費からモノ消費へ転換」(第5961号)

    今回のテーマでよく出てくる言葉の意味を整理をしましょう。 「FRB」と「FOMC」の違いは分かりますか。『世界インフ レの謎』の著者、渡辺努教授は、本の中で「Fed」という言葉 を頻繁に使っています。「Fed」とは何でしょうか。これらの 言葉の違いがわからないと、最近の経済記事は、正確に意味が読 み取れないことになります。 米国の中央銀行制度のことを「連邦準備制度」をいいます。こ れが「Fe…

  • ●「供給不足が原因の世界インフレ」(第5960号)

    3万円台の日経平均株価が続いています。これと同じような光 景を10年前に見たような気がします。安倍晋三政権による20 12年〜13年の株高です。このときは、大型ヘッジファンドを 先頭に、円売り・株買いを組み合わせて一斉に買い上がっていっ ていましたが、今回海外勢は「買い忘れた日本株」の視線であり 全員買いではないといわれます。国内投資家に評価が広がってい ないのです。 しかし、著名な投資家の…

  • ●「労働者が戻ってこない大離職現象」(第5959号)

    志村けん、岡江久美子、岡本行夫、羽田雄一郎、小野清子(敬 称略)──著名人ばかりですが、これら人々はすべて、新型コロ ナウイルスにかかって亡くなった方です。 これらの人々が次々と新型コロナで亡くなると、さすがに私も 恐怖感を覚えました。コロナウイルスが身近に迫っていると感じ て、なるべく外出を控えたり、マスクをしたり、帰宅時には手洗 いをするなど、感染防止に努めたものです。 われわれ人間は…

  • ●「『健康被害』と『経済被害の関係』」(第5958号)

    ロックダウン──この言葉をはじめて聞いたのは、2020年 3月9日のことです。イタリアがロックダウンに踏み切ったから です。日本も同年4月7日に緊急事態宣言を発出し、5月25日 まで続けています。2020年3月13日に成立した新型コロナ ウイルス対策特別措置法に基づく措置です。 その結果、日本の場合は、欧米ほどはひどくはなかったものの 人々は外出を封じられ、仕事や買い物などの経済活動が停滞す…

  • ●「日本経済は本当に回復するのか」(第5957号)

    5月17日のことです。日経平均株価が3万円台を回復し、2 021年9月28日以来の高水準となっています。しかも、株価 は7日間連続で、前日の終値を上回っての3万円台回復です。 ───────────────────────────── ◎過去7日間の騰落(5月11日〜19日) 11日 12日 15日 16日 17日 18日 19 日 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○…

  • ●「フィリップス曲線が機能不全である」(第5956号)

    現在起きている世界インフレに対し、各国の中央銀行の対応に ついて、専門家から厳しいコメントが寄せられています。なお、 コメントは、2022年6月時点のものです。 ───────────────────────────── ◎デレク・ホルト氏/スコシアバンク(トロント)の資本市場経 済分析責任者 中銀は目を閉ざしていた。世界中の政府と中銀による巨大な刺 激策を受けてインフレが定着する、あるい…

  • ●「世界インフレは人の行動変容が原因」(第5955号)

    現在起きている世界インフレの原因は、果たして本当にパンデ ミックなのでしょうか。もし、そうであるならば、昨日のEJで 述べたように、生産を支える「資本」「労働」「技術」の3要素 は、パンデミックによって何ら棄損されておらず、パンデミック が収束されれば、経済活動は元に戻るはずです。インフレも当然 収まるはずです。 しかし、パンデミックは、世界中でほとんどの制限が解除され 収束しつつありますが…

  • ●「インフレの主犯はパンデミックか」(第5954号)

    話をインフレに戻します。インフレの影響が「戦争」──ロシ アによるウクライナ侵攻が原因ではないとしたら、何が原因なの でしょうか。 インフレが2021年からはじまっていることを考えると、そ の前年2020年から発生した新型コロナウイルスによるパンデ ミックがあります。そこで、パンデミックが経済にどのような影 響を与えたのかについて考えてみるこにします。 パンデミックが起きたとき、世界の中央…

  • ●「FRBの方針転換とSVB破綻」(第5953号)

    欧米を中心とする世界インフレ──その初期の段階でパウエル FRB議長は、2つのミスを冒したことを自ら認めています。そ のミスとは次の2つです。 ───────────────────────────── �@インフレは一過性のものであると認識したこと �A利上げをするタイミングが約4カ月遅れたこと ───────────────────────────── インフレの兆候は、202…

  • ●「AT1債はどのような債券なのか」(第5952号)

    5月10日の日本経済新聞は、AT1債に関する次のニュース を報道しています。 ───────────────────────────── 【パリ=北松円香、ロンドン=山下晃】スイスの金融大手クレ ディ・スイス・グループの債券「AT1債」を無価値とする判断 を巡り、近く日本の投資家が世界銀行傘下の投資紛争解決国際セ ンター(ICSID)または国連国際商取引法委員会(UNCI TRAL)にスイス…

  • ●「クレディスイスはなぜ危機に陥ったか」(第5951号)

    既に立て続けに米国の3つの銀行が破綻しています。これは容 易ならざる事態です。破綻した期日を記しておきます。まさに立 て続けの破綻であります。一体、何があったのでしょうか。 ───────────────────────────── 2023年3月10日 ・・・ シリコンバレーバンク 2023年3月12日 ・・・ シグネチャー・バンク 2023年5月 1日 ・・・ ファースト・リ…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、平野 浩さんをフォローしませんか?

ハンドル名
平野 浩さん
ブログタイトル
Electronic journal
フォロー
Electronic journal

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用