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  • 思った以上に足りない……2軍が抱える深刻な投手不足

    ウエスタン・リーグのドラゴンズは今日で61試合目を消化した。ドラフト1位ルーキーのブライト健太に第1号が飛び出したのが好材料だ。 チームは4月こそ7連勝があったものの、選手のコロナウィルス感染拡大中に13連敗をするなどして現在は借金生活。個人的には苦しい中よくやり繰りしていると感じているが、投手陣の不足に不安を覚えているので、それを解消できている良い面と、あまり見えていない悪い面の両方を紹介したい。 山井現投手コーチの穴を埋めた2年目投手たち 昨年は101試合871.2回のうちの約9%にあたる80回を山井大介(現2軍投手コーチ)が担ったが、今年はその80回を誰が補うかが焦点だと感じていたが、上…

  • 日本の夏、マスターの夏〜38年ぶりに咲いた「花かつみ」

    ○3-2巨人(14回戦:ヨーク開成山スタジアム) 福島県は郡山に舞台を移しておこなわれたこの日の試合。『古今和歌集』にある「陸奥の 安積の沼の花かつみ かつ見る人に 恋ひや渡らむ」(よみ人しらず)でも有名な同地だが、この詩のなかの「花かつみ」が具体的には何の花を指すのかについては諸説あるそうだ。 「花かつみ」は『万葉集』にも使われるなど古来、歌枕として幾つかの詩に登場。後に興味を示した松尾芭蕉が、その正体を求めて郡山を旅した様子を『奥の細道』に記している。芭蕉は日が暮れるまで地元民に尋ね歩いたが(「かつみ、かつみと尋ね歩き」)、遂に結論を掴むことはできなかった。 つまり「花かつみ」は、井上陽水…

  • 山形傷心篇〜見たかった石垣雅海の故郷出場

    東北の日本海側に位置する山形県は日本国内でも有数の壮大なる自然に恵まれた地域である。全国生産量の7割を占めるさくらんぼのイメージが強いが、もちろんそれだけではなく、日本百名山に数えられる美しい山々に囲まれ、そのひとつの吾妻山を水源として日本海に注ぐ最上川は、一つの都府県のみを流域とする河川としては日本国内最長229キロを誇るのだという。 ちなみにこの最上川の河口にあたる酒田市で生まれ育った野球選手こそがドラゴンズ・石垣雅海である。せっかく一軍帯同していたにもかかわらず、この遠征直前に惜しくも二軍行きを命じられてしまったのが残念でならない。 そのために特別配慮する必要は無いとは思うが、ギリギリま…

  • 先週のナイスプレー!(6/17~6/26)

    基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。すっかり間隔が空いてしまったが、交流戦明けの6/17~19の巨人戦、21~23のヤクルト戦、24~26の阪神戦からピックアップした。 投手部門:これぞクローザー!R.マルティネスの岡本斬り(6/18 巨人戦) その瞬間は最悪の事態を想定してしまった。吉川尚輝が振り抜いた打球が角度をつけてライト方向に飛んでいった。幸いにも打球はフェンスを直撃し、吉川は2塁でストップとなったが、R.マルティネスが今シーズン80人目にして初めて許した長打となった。 2アウトとはいえ打席に立っているのは4番・岡本和真。勝負を…

  • トドメを刺せない押しの弱さ……「ホームランしか狙ってない」と言えるスラッガーが欲しくてたまらない

    ●5-x6阪神(11回戦:阪神甲子園球場) 三ツ俣大樹のサヨナラ打という最高の形で始まった一週間は、5連敗という最悪な形で幕を閉じた。まるで天国から地獄へと突き落とされたような気分だ。 しかし “まさか” とは言えない面もある。離脱中のビシエドに続いてこの日は木下拓哉が腰痛で欠場。代役の石橋康太は咄嗟の判断力や守備面において不安が拭えず、11回裏には痛恨の悪送球でサヨナラの局面を演出してしまった。なまじ接戦になっただけに、最後の最後で正捕手不在が響いた形である。 溝脇隼人や石岡諒太の起用など、なんとか流れを変えようという試行錯誤は伝わってくる。だが4番と正捕手が抜けてしまってはいかに打線を組み…

  • 野次りたくもなる? 惨敗つづきの立浪竜に浴びせたい“あの人”の喝

    ●0-10阪神(10回戦:阪神甲子園球場) 記録的な猛暑に見舞われた日本列島。しかし茹で上がるような熱気とは真逆のお寒い内容に終始してしまったのが我らがドラゴンズである。 思い出すのも億劫な一戦をわざわざ振り返り、反省点を語るような無粋なマネをするつもりはない。福谷浩司が炎上し、根尾昂も打たれ、打線はいつも通り打てなかった。それだけの事だ。取り立てて「あのプレーが……」「あれが惜しかった……」なんて指摘するまでも無かろう。 日に日に荒んでいくのはファンのメンタルだけではない。立浪監督は試合後「ご覧の通り、チャンスになったら打てないから、何ともならないですね」と、全イニングで出塁を記録しながら零…

  • 「二度とオレの前に来るなよ」〜成るか、三十路のサクセスストーリー

    ●4-6阪神(9回戦:阪神甲子園球場) 16時の公示で思い切った選手の入れ替えが判明した。ヤクルト3連戦で2被弾の祖父江大輔、岡野祐一郎、21日に登録されたばかりだが2三振と振るわなかった石垣雅海、福田永将の4人が一挙に抹消となり、代わって好調を維持する石岡諒太、山下斐紹、リリーバーの森博人の3人が昇格となった。 中でも意外だったのが石垣の抹消だ。ヤクルト戦では2打数2三振、昨日はまるでノー感じの3球三振と爪痕ひとつ残せなかったのは確かだが、二軍での好調を買われて故障のビシエドの穴埋め要因として上がってきたばかりの選手だ。何年も前から将来性への期待は高く、次期大砲候補の最有力と目されていた時期…

  • 反則レベルのクリーンアップ〜求められるのは確固たる3,4番育成だ

    ●0-10東京ヤクルト(11回戦:バンテリンドーム) 電光石火の一撃だった。プレイボールからわずか5分後、岡野祐一郎は死を悟った小動物のような生気のない表情でマウンドに立ちすくんでいた。無死満塁で、打席には村上宗隆。先発投手は1試合につき3度の山場が来ると言われるが、今夜はこの場面を抑えるか否かが試合結果に直結するであろう事は、誰の目にもあきらかだった。 先に追い込んだのは岡野だった。フォークとストレートだけでカウント2-2とし、フィニッシュに選んだのはストレート。しかしこの1球が高めに抜けると、岡野にはバットを構える最強打者の威圧感を前にして、神頼みのようにフォークを投じるほか成す術は残され…

  • 刹那の判断〜逆転機を逸した一瞬の “迷い”

    ●3-7東京ヤクルト(10回戦:バンテリンドーム) 野球の醍醐味は “刹那の判断” にあり。約180分の試合のなかで勝負が決まるのは一瞬。結果的には接戦とは言い難いスコアに終わったが、この日の試合は両軍の判断力の差が明暗を分けた。 まずは初回、松葉貴大の立ち上がりを攻めたヤクルトが満塁のチャンスを作るも、オスナが平凡な内野フライに倒れてツーアウト。続く6番・中村悠平を2ストライクまで追い込んだのは良かったが、ファウルを挟んだあとを6球目を引っ張った当たりがレフト線を深々と破り、これが走者一掃の3点タイムリーとなった。 いきなりビハインドが重くのしかかる展開。打たれた松葉は満塁とあって遊び球を使…

  • ヒーローは遅れてやってくる〜溝脇隼人、三ツ俣大樹の殊勲打

    ○2x-1東京ヤクルト(9回戦:バンテリンドーム) 5月12日以来、久々となるヤクルト戦。交流戦前までは首位ながら2位と1.0ゲーム差だったのが、今や9.0差を付けて貯金21のぶっちぎり独走状態。まだ梅雨も明けていないというのに早くもマジック点灯の声が聞こえてくるなど、その勢いは止まるところを知らない。 交流戦から続く連勝も8に伸ばし、まさにイケイケの燕軍団を相手にどこまで食らいつく事ができるか。ドラゴンズの先発は火曜日の男・小笠原慎之介。3勝4敗と負けが先行するものの、昨季はシーズン通して4度しか無かった7イニング以上の投球を今季は既に同じ回数達成。課題のスタミナ面を克服しつつあり、一皮剥け…

  • いざ、真夏の東京ドームへ。~社会人1年目の武田健吾が挑む檜舞台~

    喜ばしい知らせが飛び込んできた。昨年までドラゴンズに在籍した武田健吾が、ENEOSの補強選手として都市対抗野球に出場することになったのだ。都市対抗野球は、「大人の甲子園」と称されるアマチュア球界の最高峰。この男が真夏のビッグトーナメントに挑むことを想像できた方は、果たしていただろうか。 補強選手への道のり 2021年、武田は控え外野手として年間通じて一軍帯同を続けた。しかし事態は急変する。ナイターに出場した翌日、球団から来季の戦力構想から漏れたことが伝えられたのだ。現役続行を希望し、トライアウトを受験。今シーズンからは、真っ先にオファーを受けた社会人野球の三菱重工Eastに戦いの場を移した。 …

  • はじめの一歩〜根尾昂と三好大倫、それぞれのスタートライン

    ●3-5巨人(12回戦:バンテリンドーム) 地鳴りのような歓声と共に小走りでマウンドに向かった背番号7。9回2死走者なしで、打席には4番・岡本和真。投手転向が報じられて以来初のマウンドに上がった根尾昂は高校時代の自己最速を上回る151キロをマークするなど全開の投球をみせ、最後は149キロのストレートでみごとに空振り三振を奪った。 22歳の若者が踏み出した “第2の人生” 。「よし、やるか」との言葉に凝縮されているように、本人の中ではとっくに踏ん切りが付いているようだ。自他共に認める “投手・根尾”。となれば、9回裏の打席では代打が送られるかと思われたが、立浪監督はそのまま根尾を打席に立たせた。…

  • 振って振らされ、それでも振って〜鵜飼航丞の苦悩が晴れた!

    ○4x-3巨人(11回戦:バンテリンドーム) 巨人の先発は初顔合わせのアンドリース。真っ直ぐとチェンジアップによる緩急が持ち味で、奪三振能力が高いという、いかにもドラゴンズが苦手なタイプの投手だ。 おまけに肩の状態が万全ではないビシエドが今季初となるベンチスタート。ある程度の苦戦が予想されたが、プレイボール間も無くして思わぬ展開が待っていた。1死二塁として鵜飼航丞の痛烈なピッチャーゴロがアンドリースの左脚に直撃。そのまま2番手・菊地大稀が登板となり、アンドリースはわずか13球でのお役御免となった。 巨人としては想定外のスクランブル態勢に入ったわけだが、かといってドラゴンズ側が優位に立てるかと言…

  • 戦う顔〜大野雄大、対菅野8年ぶり白星

    ○2-0巨人(10回戦:バンテリンドーム) 奇しくもリーグ戦再開の初戦は、3月25日の開幕戦と同じ巨人戦。そしてマウンドに立つのは、やはりあの日と同じ大野雄大と菅野智之の両エース。違うのは球場だけ……と言いたいところだが、そうではない。 立浪ドラゴンズの初陣に夢をふくらませながら迎えた春の日。しかし3ヶ月弱を経てチームの状況は大きく変容した。マイナス8の最下位という厳しい戦況もさる事ながら、今季の目玉だった石川昂弥は長期離脱を余儀なくされ、その師匠役の中村紀洋コーチの姿も一軍ベンチから消えて久しい。 さらに根尾昂の投手転向という驚愕のニュースが球界を駆け巡り、ファンやOB、評論家の間では賛否が…

  • 9打席連続三振の鵜飼航丞をどう見守っていくのか~太い幹になる過程で~

    野手では日本記録に並ぶ9打席連続三振――。 先週、鵜飼航丞が樹立した記録である。「樹立してしまった」という方が正しいか。三振は基本「何も起こらない」イベントなので、不名誉なものなのだろう。 6月8日のロッテ戦から11日の日本ハム戦まで、4試合にわたり築かれた三振の山。筆者も10日と11日は現地で観戦していて、正直打つ気がしなかったというより、バットに当たる気がしなかった。 打撃コーチらの指導が馴染んでいない? 交流戦に入って、打撃コーチの入れ替えがあったがゆえに生まれてしまった記録だ、というのはよく指摘されている。スイングに迫力が無くなったと指摘する声も大きい。 事実、鵜飼の交流戦成績は打率.…

  • 先週のナイスプレー?(6/7~6/12)

    基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っているが、交流戦明けの期間ということで少々遅れての公開。今回は6/7~6/12に行われた6試合を対象に、目立ったプレーには漏れてしまっているが個人的にナイス!と思ったプレーを投手部門、野手部門に分けて紹介したい。 ……が、先週のナイスプレーは6連敗ということもあり、投手部門、野手部門ともに「該当者なし」とさせていただきたい(3週間ぶり2回目)ので、ウエスタン情報でも。 福留孝介に代わって一軍に合流した渡辺勝、平田良介、そして三好大倫と外野手に一発が飛び出しており、大型連敗から脱出して少しずつ活気が戻ってきてい…

  • “最後”の札幌ドーム観戦記~福留孝介は出なかったけれども~

    こんにちは、ikkiです。 突然ですが、先週1週間、北海道でワーケーションをしてきました。 ワーケーションとは、「ワーク(Work)」と「バケーション(Vacation)」を組み合わせた造語で、自宅以外の場所にて「仕事」と「休暇」を行うこと。今回はせっかくの機会なので、仕事をしつつ札幌ドームで野球観戦をしてきました! 6月11日(金) ご承知のとおり、日本ハムは北広島市に新球場を建設中のため、札幌ドームを本拠地とするのは今季が最後。これまで当地でドラゴンズ戦を観たことがなく、「最初で最後の観戦になるな」と寂寥感を抱きながら、現地へと向かいました。 初日はチケットに1500円プラスで購入できる「…

  • 若者を襲った悪夢の53球

    5月最終週の日曜日、晴天に恵まれた甲子園球場のマウンドに1人の若者が立っていた。加藤翼ーー。帝京大可児高校から2020年のドラフトで中日ドラゴンズにドラフト5位指名された、最速150キロ超のストレートが魅力の投手だ。 ルーキーイヤーの昨年は体力作りに専念。ウエスタン・リーグでの登板はなかったものの、練習試合で実践デビューするとみやざきフェニックス・リーグ15試合中7試合に登板した。飛躍を期待された今年のキャンプでは北谷でのストライクテストにも指名された。 将来の投手陣を背負って立つためのステップとされた2022年、二軍で実戦経験を積んで開幕から5試合連続無失点ピッチング。順調のようにも思えた若…

  • 「その気でやらんかアホ!」波留コーチの檄も虚しく6連敗……いつの時代も未来を築くのは若者だ

    ●0-2日本ハム(3回戦:札幌ドーム) それは5回表の攻撃前のことだった。打ちあぐねている時に円陣を組むのはよく見る光景だが、この日は少し様子が違っていた。波留コーチが物凄い剣幕で「目え覚ませ!○×△、いつまで甘えてやってんねんや!」「その気でやらんかアホ!」といった “猛檄” を飛ばしていたのだ。 その様子は気合注入と言うよりも、さながら恫喝や説教のようだった。遠い昔の部活のトラウマがフラッシュバックした人や、日ごろ会社で受けている “激詰め” を思い出して気分が悪くなった人もいる事だろう。令和になってこの光景をお目にかかるとは思わなかったので、賛否以前に「ビックリした」というのが率直なとこ…

  • 大型連敗依存症〜反発力を生む “強さ” とは?

    ●0-10日本ハム(2回戦:札幌ドーム) 紺野あさ美が初参加したシングルって何だっけ? 気になって調べると、『Mr.Moonlight 〜愛のビックバンド〜』であることが分かった。一時期の物凄いブームが落ち着き、私自身もモー娘。から松浦亜弥へと心変わりしつつあったので、この時期のことはよく覚えている。 したがって私は紺野あさ美への思い入れが薄い。その前の4期生(辻希美、加護亜依、石川梨華、吉澤ひとみ)となると、名古屋レインボーホール(現・ガイシホール)にライブを観に行くほどドハマりしたのだが。会場へ行く途中、コンビニで『中スポ』を買い、開演まで読み耽っていたのを昨日のことのように思い出す。 た…

  • 感動なきドラゴンズに明日はあるのか

    ●1-2x日本ハム(1回戦:札幌ドーム) 「明日目覚めたとき突然、強竜打線にならないかな」 金曜日、明日は休み。俗に “華金” と呼ばれる夜でもドラゴンズファンに安寧の時が訪ることはない。目の前に立ちはだかるのは “サヨナラ負け” という途方に暮れる現実だけだ。 大野雄大は頑張った。上沢直之との投げ合いを通じてエースの矜持を十二分に示してくれた。特に首位打者の4番・松本剛に対しては、意地でも打たせないという心意気がボールに乗り移っているようにも感じた。まるで2020年の大野を見ているような--と言ったら褒めすぎかもしれないが、あの時ほど神がかっているわけではないにせよ、今年の大野は2,3登板に…

  • ロメロの恩返し〜3年後のそれぞれ

    ●0-2千葉ロッテ(3回戦:ZOZOマリンスタジアム) ロメロの調子がいいとは風の便りで聞いていた。エンニー・ロメロ。与田監督初年度にあたる2019年に中日に入団し、規定投球回には未達ながら8勝10敗とまずまずの成績をマーク。しかし更なる飛躍が期待された翌年のオープン戦で左肩を故障し、リハビリのため帰国したまま復帰することはなく契約の打ち切りが発表された。 中日で活躍した期間は短いが、その割に印象深い選手でもあった。ロメロを象徴するシーンといえば2019年5月2日。平成から令和へと元号が移り変わったその翌日の東京ドームの巨人戦で、先発のロメロはある暴挙を働いてしまう。 1点リードで迎えた5回裏…

  • 傷だらけの覚悟〜大島洋平はきっと蘇る

    ●6-9千葉ロッテ(2回戦:ZOZOマリンスタジアム) 1番から4番までの上位打線がそろってマルチ安打を放ち、3番アリエルと4番ビシエドが今季二度目のアベックアーチを記録。これでも勝てないのが野球の難しさというか。 12安打2得点だった昨夜とは違い、11安打6得点とそれなりに効率よく点も取れた。しかし、打つ方がよくても肝心の投手陣が13被安打9失点ではどうにもならない。苦手の屋外ビジターで先取しながら、貧打といわれるロッテ相手に2試合続けて逆転負けを喫するとは……。 負け投手は鈴木博志。前回登板ではプロ初先発で山本由伸に投げ勝つという大金星を挙げたヒロシだが、今日に関しては立ち上がりから怪しさ…

  • 昔の名前で出ています~45歳・福留孝介に漂う晩秋の侘しさ

    ●2-6千葉ロッテ(1回戦:ZOZOマリンスタジアム) 勝てる試合だった、と悔やんだところで負けは負け。相手を上回る12安打を打ちながらわずか2得点に留まったことや、2死から逆転弾を浴びたのは「もったいない」とは思うものの、相手だって抑えるつもりでボールを投げ、打つ気満々でバットを握っているのだから結果は真摯に受け止めるしかないだろう。 ただ、その中でも疑問符が付く部分はある。今日で言えばそれは、おそらく中日ファンの10人に10人が「代打・福留孝介」と答えるに違いない。試合をひっくり返された直後の7回表である。先頭の岡林勇希が鋭い当たりのツーベースで出塁。大島洋平が難なく犠打を決め、ここで打順…

  • 先週のナイスプレー!(5/31~6/5)

    基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は5/31~6/5に行われた6試合を対象に、目立ったプレーには漏れてしまっているが個人的にナイス!と思われたプレーを投手部門、野手部門に分けて紹介する。 投手部門:復調のホールド、嫌な流れを断ち切った祖父江大輔(6/2 楽天戦) 2試合連続の逆転負けを経て、それまで6試合連続でホールドを挙げていた祖父江大輔は交流戦からビハインド、そして大量リードの展開で2試合起用された。そしてオリックス戦で再び1点リードの場面で登板するも痛恨の失点を喫してしまった。 今シーズン祖父江が失点した試合は3試合、しかし…

  • 根尾昂が呼び起こした60年前の二刀流・ニューク……とドン川上の辞任問題

    去る5月21日、広島戦で実現した根尾昂の投手登板は、ドラゴンズ 界隈のみならず球界全体に衝撃を与えた。スポーツニュースやYouTubeでは評論家たちが是非を語り、翌朝の『中日スポーツ』は大敗をスルーして根尾の話題が1面を飾った。 目を引いたのは、その紙面に載っていた懐かしい名前だ。中日の野手登録選手が一軍の公式戦に登板したのは60年ぶり。1962年10月9日の大洋戦に “登板” した選手として紹介されていたのが、ニューク外野手だった……。 というわけで『中日新聞+』の拙連載「B面ドラゴンズ史」、今回は60年前の二刀流・ニュークについて深掘りしてみました。 例によって氏の代表的な経歴はwikip…

  • 常勝ホークス撃破〜隙をつく好走塁と、マスター阿部の躍動

    ○7-3ソフトバンク (3回戦:バンテリンドーム) 普段あまり見る機会のない選手をじっくり観察できるのが交流戦の醍醐味だが、ホークスとの2試合で印象に残ったのがセンターを守る柳町達だった。 目下パ・リーグの打率3位に付ける巧打はさる事ながら、安定感のある守備、特に強肩はひときわ光彩を放つ。3年目にして覚醒しつつある慶応ボーイの存在は、このカードの勝ち越しを狙う上で難敵になるぞ。そう思っていた矢先、下半身のコンディション不良のため出場選手登録を抹消されることが試合前に発表された。 代わってセンターに入ったのは打撃好調の周東佑京。こちらも俊足を生かした守備範囲の広さは平均以上だが、肩の強さでは柳町…

  • 切り札見参〜伏兵・溝脇隼人はなぜ代打に選ばれたのか

    ○4-2ソフトバンク (2回戦:バンテリンドーム) 「ひたすら一生懸命やっていれば、結果は後からついてくる」 20代前半で “キング” の称号を得た後、様々な逆境にも腐らず生涯現役を貫き通すサッカー・三浦知良の言葉である。 “一生懸命” は誰しもにとって身近な四字熟語だが、言うは易く、行うは難し。要所では頑張れても、“ひたすら” となるとそうはいかない。どうしたって隙あらば手を抜き、ラクしようとしてしまうのが人間の業である。 だからこそ “一生懸命” を貫ける者は尊い。そして、周囲も「あいつにはチャンスを与えてやろう」となる。今日のヒーローは、どんな場面でもがむしゃらにアピールし続けた男。その…

  • 脅威のフルスイング!千賀がみせた「勝利とは何ぞや」の姿勢

    ●0-6ソフトバンク (1回戦:バンテリンドーム) 7回までの緊張感はどこへやら。1点を巡る攻防はラスト2イニングで暗転したが、大野雄大と千賀滉大の投げ合いはさすがに見応えがあった。 驚かされたのは2回表、ランナーを二塁に置いて迎えた千賀の打席だ。その初球、高めのストレートに対して体がちぎれんばかりのフルスイングで空振りすると、スタンドからは大きなどよめきが起こった。 普段打席に立たないパ・リーグの投手は、交流戦になるとここぞとばかりにやる気をみなぎらせるとは聞くが、ここまで闘争心を前面に出したスイングをお目にかかるのは初めてだ。交流戦が始まって18年目、おそらく投手がバッターボックスで吹かせ…

  • 松葉×木下~球審との化かし合いに陥らなかったバッテリー

    〇3-2楽天 (3回戦:バンテリンドーム) またしても大物食いだ。山本由伸、田中将大に次ぐ第三の死角・岸孝之を序盤で攻略。岸の全盛期を知らない岡林勇希、鵜飼航丞の1,2番コンビで幸先よく先制点を奪うと、2回裏は三ツ俣大樹が、3回裏は木下拓哉にもタイムリーが飛び出し、通算145勝の難敵を4回で引きずり降ろすことに成功した。 大物を食ったこともそうだが、4月下旬から5月半ばにかけて球団記録の11連勝を飾るなど、9年ぶりの優勝に向けてソフトバンクと熾烈なデッドヒートを繰り広げる楽天相手に勝ち越せたのが、まず殊勲である。昨季のチャンピオン・オリックスを破ったのに続いて2カード連続の勝ち越し。まだ借金は…

  • プロの洗礼~ベンチから戦況を眺めた上田洸太朗の傷心

    ●0-2楽天 (2回戦:バンテリンドーム) まるでVTRを見ているかのような攻撃だった。初回、3回裏の楽天の得点シーンである。先頭の西川遥輝が出塁し、1死から浅村栄斗と島内宏明の連打でそれぞれ1点ずつ献上。上田洸太朗の二度目の先発は、3回4安打3四死球2失点という苦い結果に終わった。 驚いたのは、この投球に対するベンチの見切りの早さだ。3回裏の先頭で回ったところで福田永将が代打に送られ、上田は打席に立つことなくベンチに退いた。3日前に柳裕也の乱調でリリーフ陣をつぎ込んだため、今夜はもう少し我慢するかとも思われたが、ベンチの決断は早かった。逆に4点、5点取られていれば続投もあり得たのだろうが、傷…

  • 最後から二番目の……小笠原慎之介ならきっと。

    「最後かもしれない」 球史に名を残す大エースを堪能できる回数を考えると、チャンスがある時に行くしかない。しかも、パ・リーグの所属となると益々観戦の機会は限られてくる。後悔したくない一心でバンテリンドームに足を運んだ。 あの日、あの時、あの場所 楽天戦を観戦するのは15年ぶり。その日は実に不思議なオープン戦だったことを覚えている。公式戦ではないにもかかわらず、チケットが中々取れなかったからだ。 それもそのはず、大型新人・田中将大が名古屋初見参。当時のフィーバーを通して、甲子園のヒーローが日本人にとって特別な存在であることを身をもって実感した。 更に不思議だったのが、ドラゴンズに中村紀洋がいたこと…

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