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  • 今夜、マー君投げるってよ~~甲子園V投手対決は “オレたちの” 小笠原慎之介に軍配

    〇2-0楽天 (1回戦:バンテリンドーム) 「今夜、マー君投げるってよ」 この一言で客が呼べる選手が一体どれだけいるだろうか。おそらく今のプロ野球界で、野球に興味のない人を含めて一般的な知名度がトータル的に最も高いのはやはり田中将大であろう。あの夏のハンカチ王子との激闘、野村監督との師弟関係、楽天を日本一に導いた雨中の熱投、そしてメジャーリーグでの活躍、からの日本復帰ー-。 プロ野球の醍醐味のひとつは、一人の野球選手の生涯をファン全体、もっと言うなら国民全体で追いかけることだと私は思っているのだが、その意味ではマー君ほどストーリー性の濃い野球人はなかなか見当たらない。過去数十年を遡っても、肩を…

  • 正にカオスなショート事情。決着はどうなる!?

    「これでショートは10年大丈夫」 阪神が鳥谷敬をドラフトで獲得した際、岡田彰布監督(当時)はこう思ったそうだ。後に鳥谷は球史に残るショートに成長し、入団時の見立てが間違いではないことを証明した。 19年後の2022年。希代の名手を彷彿とさせる逸材が東京六大学野球に現れた。その名は宗山塁。今春、明治大のリーグ制覇の立役者となった2年生ショートだ。 卓越したバットコントロールと長打力を併せ持つ打撃で首位打者を獲得。加えて、本家さながらの華麗な内野守備と涼しげな佇まい。ドラフトイヤーとなる2024年には、球界を巻き込む大争奪戦になっても不思議ではない。 「第1回選択希望選手 中日 宗山塁 内野手 明…

  • 先週のナイスプレー!(5/24〜5/29)

    基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。普段なら5/24~29に行われた6試合を対象に、目立ったプレーには漏れてしまっているが個人的にナイス!と思われたプレーを投手部門、野手部門に分けて紹介しているが、今回は観戦した5月28日のオリックス戦からピックアップした。 投手部門:自己最速!魂の154キロ、山本拓実(5/28 オリックス戦) 貴重な勝ち越し点を挙げた8回、裏のマウンドに上った山本拓実。日本を代表する絶対的エースから意地でもぎ取った1点はオリックスを古巣にする三ツ俣大樹のバットから生まれた。無事にゲームセットの声を聞くことができれば間…

  • 哀愁の背番号3〜勝つために不可欠な周平復活

    ●0-8-オリックス (3回戦:京セラドーム大阪) その昔、「join us~ファンと共に~」をスローガンに掲げた高木ドラゴンズが立ち上がった際、一部のマスコミの間でしきりに使われたのが “負けても楽しい野球” というフレーズだった。 若いファンには意味が伝わりづらいと思う。要するに落合監督の時代は無機質で血の通った野球とは言い難く、勝っても負けてもつまらなかったという反・落合感情から来る意趣返しなのだが、そこから10年も楽しさとはかけ離れた低迷期を迎えるのだから皮肉な話だ。 勝負事である以上は勝利以上の喜びなどあり得ない。そんな当たり前のことさえ見失っていたあの頃。結局、 “負けても楽しい野…

  • まるでダメな1日のドラゴンズ。それでも「救い」はあったか

    ●0-8オリックス(3回戦:京セラドーム大阪) 何をやってもうまくいかない、まるでダメな1日がある。 朝の寝起きが最悪。歩いていたら鳥のフンが落ちてくる。電車のドアが目の前で閉まる。行こうとしていたラーメン屋が臨時休業……。往々にして悪いことは重なるものだ。 今日のドラゴンズもそんな日に当てはまったのではないか。 昂弥抹消に始まり、柳もらしくない投球 試合前から、石川昂弥の抹消というバッドニュースが飛び込んできた。金曜の試合で痛めた左膝の状態があまり良くないらしい。抹消となると長期離脱も避けられないが、いかんせんケガやアクシデントに見舞われることが多い。ポテンシャルは誰もが認めるものがあるだけ…

  • 誰が “捨て試合” なんて言った?~シン・スズキの逆襲

    〇4-1オリックス (2回戦:京セラドーム大阪) 山本由伸vs.鈴木博志。今や日本が誇るスーパーエースに対し、ドラゴンズの先発は通算103試合目にして初先発の鈴木博志。いわば天下無双の横綱に鳴かず飛ばずの十両が勝負を挑むようなもので、予告先発が発表された時点で結果は見えたようなものだった。 ただ、プロ野球は大相撲に比べて番狂わせが起こりやすいコンテンツでもある。どんなに弱い球団でも年間3割は勝てるのだ。相手が山本であることを考慮しても、2割くらいはこちらにも勝つチャンスはあるのではないか。まあ、熱狂的ファンでさえ “2割” でポジったつもりになれる程度には厳しいマッチアップではあるのだが。 そ…

  • HP全快〜元気な三ツ俣大樹が帰ってきた

    〇4-1オリックス (1回戦:京セラドーム大阪) 「休み休み仕事しないとHP無くなっちゃうじゃないですか」 こないだ後輩に言われた言葉である。正確には言い返された言葉だ。弊社は社内規定で昼休憩は60分間と一応決まっているのだが、そいつはとにかくよく休む。何かといえば休憩を取る。計ったわけではないが、おそらく8時間の労働時間のうち3時間は休憩に充てているのではないだろうか。もちろん昼休憩は除いて。 せわしなく働いている人達からすれば、当然やっかみの対象となるわけで、裏でコソコソと陰口を叩かれるのも彼にとって損にしかならんよなと思い、先輩としてそれとなく「もう少し上手に休憩を取った方がいい」旨を伝…

  • 連敗ストップ!クリーンアップを10球で抑えた清水達也の度胸

    〇6-3西武(3回戦:バンテリンドーム) 名古屋では、やけになったファンが朝から路上で飲んだくれ、殴り合いの喧嘩がそこかしこで発生しているという。宇一郎の子飼いの県警が火消しに躍起になっているが、「補強する気のないオーナーは去れ!」と市民からシュプレヒコールで反撃される始末。さらに矛先は立浪監督にも向けられ、この一週間ほどで立浪政権の支持率は急降下している。 秩序の崩壊した街並みはまさにディストピア。原因はもちろんドラゴンズの7連敗である……って、今朝の『ドデスカ』でやってた。もちろんウソ。 ただ、SNSを中心としたネット世論が7連敗に痺れを切らし、相当荒れまくっていたのは事実だ。基本的にTw…

  • うなだれる高橋宏斗に見た、昇龍ロードの途上

    ●1-2西武(2回戦:バンテリンドーム) トンネルの出口には今日も辿り着かなかった。3年ぶりの7連敗。「8」まで伸びた2019年は、8連勝からの8連敗という滅多にないような急上昇、急降下だったのでよく覚えている。対して今回は直近1勝10敗。5点取ったら8点取られ、2点に抑えれば1点しか取れない。絶望的に嚙み合わない投打がもどかしい。 この日の先発は高橋宏斗。10日間の抹消期間を経ての登板となったが、プレイボールがかかるや豪速球が唸りを上げ、切れ味鋭い変化球が冴えわたる。初回を3者連続三振と抜群のスタートを切ると、その後も奪三振ショーは止まらず、終わってみれば6回8奪三振。2失点はしたものの、パ…

  • 無謀? 高橋周平ショート起用のときめきと現実

    ●5-8西武(1回戦:バンテリンドーム) 「個人的には好き。実用的かどうかはともかくとして」 高橋周平のショート起用に対する偽らざる本音である。21日の広島戦でお披露目された8年ぶりの「ショート・高橋」は、大敗の試合だからこそできる一種の “お試し” だと解釈していた。 しかし、今朝の中日スポーツを開いてビックリ。「超攻撃的布陣」という見出しと共に、1面を飾ったのはショートを守る高橋の写真だったのだ。 記事にはこうある。 「二塁なら阿部は左翼へ。そうなるとアリエルと競合になる。阿部とアリエルの勝負強い打撃は捨てがたい。かといって高橋をベンチスタートさせるのももったいない。この連立方程式の解はひ…

  • 「見たい!」と思わせた投手・根尾昂。ドラゴンズに二刀流スターは生まれるのか?

    投手・根尾昂が話題を呼んでいる。 21日の広島戦、9点ビハインドの8回裏に登板した背番号7は、1イニングを無失点投球。先頭の坂倉将吾にはヒットを打たれるも、そこから小園海斗、磯村嘉孝、中村健人を立て続けにアウトに仕留めた。直球の最速は150キロ(しかも初球に記録)。スライダーで打者のハーフスイングを誘う場面も見られた。また、打順の綾で「4番ピッチャー根尾」が実現、打席に立つ“おまけ”もあった。 ファン目線でいえば、大敗かつ連敗の中で少しだけ現実逃避ができたように思う。実際、この日は体調不良で寝込んでいたのだが、ラジオから「根尾がマウンドへ」と一報が流れた瞬間に起き上がり、テレビのある部屋へと移…

  • 先週のナイスプレー?(5/17〜5/22)

    基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は5/17~5/22に行われた5試合を対象に、目立ったプレーには漏れてしまっているが個人的にナイス!と思ったプレーを投手部門、野手部門に分けて紹介したい。 ……と言いたいところだが、先週のナイスプレーは、投手部門、野手部門ともに「該当者なし」とさせていただきたい。 先週は1軍も2軍も全敗という非常に残念な結果になっており、投手・根尾昂やコロナ明け即一発の木下拓哉など、トピックにはなっているが「目立ったプレーには漏れてしまっているが個人的にナイス!」という部分でもないと感じた。 明日から始まる交流戦…

  • 君の名は絶望〜5連敗で交流戦へ

    ●0-1広島(11回戦:Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島) 今朝の中日スポーツ1面は根尾昂の投手登板が大々的に飾った。中スポだけではない。他メディアの報道も根尾一色に染まり、名だたる評論家たちが賛否と持論を表明していた。 言うまでもないが、ドラゴンズの選手がこれだけ注目を集めるのは異例のことだ。あの狂騒曲のようなドラフトから3年半が経っても、未だに根尾がドラゴンズで随一のスターであることをあらためて思い知らされた。全国区でのニュースバリューを誇る根尾は、間違いなくドラゴンズにとって “宝” といえる存在だ。 ただ、一方で昨日の試合は目を覆いたくなるようなボロ負けを喫したという現実…

  • 連鎖炎上~今やるべき事は何なのか?

    ●1-10広島(10回戦:Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島) “打線は水モノ” と言うが、投手陣も長いシーズンの中で苦しくなる時期が必ず訪れる。大野雄大に続いて、この日は岡野祐一郎が9失点。試合はプレイボール間もなく早々に決し、以降は魂が抜けた状態で鑑賞することになった。話題性という意味では根尾昂の投手登板はサプライズだったが、それはそれ。高橋周平のショート起用も、なんだか意図が不明瞭でモヤモヤしてしまった。 大島洋平、木下拓哉が復帰し、「さあ、ここから」と意気込んでいただけに、失望も大きい。ただ昨日も今日も、敗因は明らかに先発投手の炎上である。ヨーイドンで9失点とか10失点では…

  • 佐藤優、炎上……重すぎたビッグイニング

    ●5-11広島(9回戦:Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島) “敗戦処理” ほどシビアな言葉はない。どんな職業でもそれに類する役割はあるが、こんなにも身も蓋もない表現をするのはおそらくプロ野球だけであろう。リリーフ・ヒエラルキーの頂点がクローザーなら、敗戦処理は最下層。それでも結果を残すことで序列を駆け上がることができるのが、実力社会の醍醐味である。 今夜、負け試合の後始末を任されたのは背番号25、佐藤優だった。東北福祉大からドラフト2位で指名された右腕も早7年目。潜在能力の高さはチーム随一と言われ、ファームではまずまずの成績を収めるが、一軍に来ると本来の実力が発揮できない。典型的…

  • Rapsodo ✕ 三ツ間卓也トークライブ! 参加レポート

    先週木曜、5月12日に東京ビッグサイトで開催された展示会に行きました。正確には水曜~金曜まで私の勤めている会社も展示会に出展していたのですが、木曜日に株式会社Rapsodo Japanさんのブースにお伺いしました。 Rapsodo社には、中日新聞のWeb版で連載をされていたロバートさん(@Robertsan_CD)が働いていらっしゃいます。以前「ようやっとる座談会」にもお越しいただいたり、オンラインでのドラフトイベント「#16VD」では新規参入の沖縄球団でご一緒させていただいたりしていました。 この度展示会の会期が重なったご縁もあり、ブースにお邪魔してきました。 Rapsodoのブースでは こ…

  • 根尾心中~「ショート」根尾昂はエンターテイメントだ!

    ●6-7DeNA(8回戦:バンテリンドーム) 地獄から天国へ。そしてまた地獄へー-。0-5での敗北ならあきらめも付くが、なまじ追いついただけにショックも大きい。これでこのカードは1勝7敗。バンテリンドームでは0勝5敗という屈辱的な数字が並ぶ。 他球団相手には借金を積み重ねるDeNAが、なぜドラゴンズ戦だけこうも元気になるのか。逆に言えば、なぜ上位球団とも互角に渡り歩くドラゴンズが、DeNA戦ではこうも劣勢を強いられるのか。はっきりとした理由は分からないが、このカードはとにかくく “ここぞ” での脆弱さが目立つ。 なんとしても1点を防ぎたい場面では2点、3点を奪われ、自慢の投手陣が次々と打ち砕か…

  • イニングイーター~価値ある小笠原の粘投

    ●0-4DeNA(7回戦:バンテリンドーム) 今永昇太の三振劇場は1回裏、三ツ俣大樹が3球三振を喫したところから始まった。13奪三振もさることながら、この日打席に立ったのべ31人のうち22人が2ストライクまで追い込まれたという事実に恐れ入る。まさに攻略の糸口すら掴めぬまま、あれよあれよと抑え込まれてしまった。 年に何回か無抵抗に敗れる試合があるが、今日はまさにそんな日だった。こういう試合の中で、ポジティブな要素を探し出すのは困難だ。一人気を吐いた岡林勇希のマルチ安打、今季初昇格となった石岡諒太のナイスヒットは称賛に値するが、そこを抜き出して約1,500文字を埋めるスキルは私にはない。 となると…

  • ドラゴンズファンが河村亮アナを悼む

    突然の訃報だった。日本テレビの河村亮アナウンサーが脳出血のため亡くなった。54歳の若さだった。 巨人戦をはじめとする野球中継や箱根駅伝など、スポーツ実況の名物アナとして知られ、数多くの名実況を生んだ。また、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』などのバラエティ番組でも抜群の進行・レポートを見せ、こちらの印象が強い人もいるだろう。 ドラゴンズファン目線としても、河村アナは印象に残る実況アナウンサーだった。とりわけ2006年の「痛烈! 一閃!」、08年の「なんという井端!」は未だに語り継がれる名実況だ。 30秒の名実況 06年の「痛烈! 一閃!」は、リーグ優勝を決めた10月10日の巨人戦、延長12…

  • 先週のナイスプレー!(5/10〜5/15)

    基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は5/10~15に行われた6試合を対象に、目立ったプレーには漏れてしまっているが個人的にナイス!と思われたプレーを投手部門、野手部門に分けて紹介したい。 投手部門:ついにリードの場面で!プロ初ホールド、山本拓実(5/11 ヤクルト戦) 先発の岡野祐一郎が5イニングをノーヒットに抑えると、6回の表はチャンスの場面で岡野に代打を送る勝負手に出た立浪監督。得点にならずその裏のマウンドに登ったのが山本拓実だった。 ノーヒットが続く場面で先頭の山崎晃大朗には12球を要したが、フルカウントになってから4球、し…

  • 既視感との戦い〜イヤなムードに蹴りをつけたビシエド、アリエルのアベック弾

    ○9-3巨人(9回戦:東京ドーム) 3回終わって5対0。スコアだけ見れば楽勝だが、穏やかな気持ちで観戦できたファンは少ないのではないだろうか。私はもちろん心臓バクバク。イニングを重ねて勝利が近づけば近づくほど、むしろ緊張感は増す一方だった。 既視感のしわざである。5点差からの逆転負けという滅多にない悲劇の余韻が、球場内には残り香のように漂っていたのだ。 だからオレンジに身を包んだファンは、「昨日の再現だ!」とばかりに意気消沈することなく集中して応援していたし、逆に青い方のファンは、巨人がヒットを打つたびに、なんとなしにイヤーな汗をかきながら戦況を見守るしかなかった。 先発の柳裕也は初回こそ31…

  • バント?ヒッティング?代打?あなたの意見は?!

    ●6-7巨人(8回戦:東京ドーム) 高橋宏斗と中山礼都、同じ高校からプロに入った対決をまさか2022年に見られるとは思ってもいなかった。結果は2打数1安打。中山の3打席目に回るところで、高橋宏斗は無念の途中降板となってしまった。 さて、本日は先の記事にもなっていた9回の場面について私見を述べたいと思う。三ツ俣大樹に変わって代打・福留孝介が告げられた場面だ。 立浪監督は試合後インタビューで「三ツ俣で送る選択肢もあったが……」と発言し、これが更に議論を呼び起こした。2点ビハインドで送りバントとはなんと消極的なのか、ビジターで同点狙いのバントでは勝てない、など多種多様な意見が並んでいた。 私はという…

  • それぞれの信頼~不安が先に立った「代打・福留孝介」

    ●6-7巨人(8回戦:東京ドーム) きっと悪い夢でも見ているんだ。目を覚ませば6回裏、清水達也が満塁火消しに成功したあの場面に戻るに違いないんだ。戻れ、戻れ!……なんてムナしい妄想に耽りながら発泡酒を2缶、3缶と空けるしか感情のやり場がない土曜の夜。FMラジオから流れる『サタデーナイトフィーバー』のイケイケなサウンドが、こんなに空虚に聴こえる夜は初めてかもしれない。 6回表の攻撃を終わった時点で5点リード。その裏2点を返されても、その後に控えるリリーフ陣の顔ぶれを考えれば勝利はほぼ手にしたも同然かに思われた。7回裏のマウンドに上がったのは祖父江大輔。簡単に1アウトを取り、ゲームセットまで残るは…

  • スター覚醒近し?~目立った背番号7の躍動

    ●2-5巨人(7回戦:東京ドーム) 打てないのは分かっていたことだが、このタイミングでのビジター6連戦はどう考えてもキツイ、キツすぎる。この4試合で2点以上取ったイニングはなし。つまり1点取るのがやっとの状態で、投手陣が踏ん張るしか勝ち筋は無いのだ。 その投手陣が打たれてしまえば、唯一の勝ち筋は途絶えることになる。大野雄大は先頭打者アーチを浴びながらも6回2失点と役目は果たした。ただ、その間追いつくのがやっとでは、この球場で勝ち切るのは難しいと言わざるを得ない。 今朝の中スポは「今こそアピールチャンス 若竜奮闘」という見出しで、中前打を放つ伊藤康祐の写真が一面を飾った。たしかに昨夜活躍した伊藤…

  • 雨中の熱投~上田洸太朗まかりとおる!

    ●1-3ヤクルト(8回戦:明治神宮野球場) 野球談議に華が咲くと、「いい投手とは何ぞや?」という話になることがある。この問いかけに対して私は必ずこう答えるようにしている。 「フルカウントからストライクを投げられる投手のこと」だと。 エースと呼ばれる投手は皆、厳しいカウントになっても攻めの姿勢を失わないものだ。“歩かせるくらいなら勝負して打たれた方がマシだ”。これくらいのハートの強さがプロで成功するためには必要不可欠なのかもしれない。 今夜の先発は上田洸太朗。2002年生まれ、高卒2年目の19歳はつい一週間前まで三桁の背番号を付けていた。7日におこなわれた支配下登録の会見では「サラリーマンみたい…

  • 4番弾のアリエル、大覚醒のライデル

    〇2-0ヤクルト(7回戦:明治神宮野球場) 昨夜あまりいいところの無かった岡林勇希と根尾昂に代えて先発出場したのは、渡辺勝と福留孝介。はっきり言って意図の見えづらい起用ながら、限られた戦力で見栄えを変えるにはこれくらいトリッキーな手を打たざるを得ないのだろうなと。ある意味、首脳陣の苦悩が伝わってくるようなオーダーである。 その中で特筆すべきは開幕以来4番に鎮座してきたビシエドを「6番」に降格したことだ。ビシエドが4番以外の打順を打つのは実に3年ぶり。6番以降のいわゆる下位打線を打つのは2017年4月20日以来、来日後2度目となる。多少の浮き沈みはあるものの、肝心の本塁打がわずか2本ではこうなる…

  • 恐怖の綱渡り〜代役捕手・石橋康太の奮闘

    〇1-0ヤクルト(6回戦:明治神宮野球場) 竜の「緊急事態宣言」である。移動日の9日に飛び込んできた「木下拓哉、石川昂弥コロナ陽性」のバッドニュースは今日になって更に拡大。平田良介、さらには鵜飼航丞と相次いで陽性者が出る事態となり、同じくクラスタが発生したオリックスとの11~12日のファーム公式戦はチーム編成困難により中止が発表された。 ただでさえ苦しいビジターでの6連戦にあって、これだけ離脱者が続出するのはキツイなんてもんじゃない。いっそ中止にでもなれば……なんて身勝手な考えが頭をかすめたりもしながら、予定通り定刻18時にプレイボールの声がかかってしまった。 スタメンの顔ぶれは想定内ではある…

  • 先週のナイスプレー!(5/3〜5/8)

    基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は5/3~8に行われた6試合を対象に、目立ったプレーには漏れてしまっているが個人的にナイス!と思われたワンプレーを投手部門、野手部門に分けて紹介したい。 投手部門:WE LOVE YOU, 大野雄大(5/6 阪神戦) いつもであれば目立たないプレーを取り上げる本企画だが、先週の大野雄大を差し置いて選出はできなかった。 横浜での2連敗をエースはどのように見ていただろうか。答えはその背中が物語った。10回途中までパーフェクトでの完封勝利、これ以上ない満額回答は試合後のコメントにも現れていた。 語ること…

  • アベック記念日~昂弥&鵜飼競演も空砲に終わる

    ●3-4阪神(8回戦:バンテリンドーム) 6回終わって1点リード。手中にしたかに思われた勝利は、するすると逃げていった。先週131球という今時めずらしい球数で物議をかもした柳裕也だが、この無尽蔵のスタミナが首脳陣の判断を誤らせた。 制球力に定評のある柳が、今日は序盤から球審との相性が合わずに苦労した。決まったかに思われたコースがことごとくボールと判定され、球数はどんどん嵩んでいった。それでも屈しないのが昨季二冠の凄みである。 のべ7度のスリーボールも集中力を保ち、無四球で終えたのは驚異的だ。球審の辛い判定にもめげずに際どいコースに投げ続け、奪った三振は10個。並の投手ならもっと早い段階で崩れて…

  • “5回まで男” は崩れない〜松葉貴大、驚異の安定感

    〇2-1阪神(7回戦:バンテリンドーム) バンテリンドームに大観衆が戻って来た。2年以上にわたる “在宅慣れ” のせいか開幕当初は心配になるほど空席が目立っていたが、ここにきて徐々に回復。今季初めて前売り券が完売し、3年ぶりの満員御礼での一戦となった。 昨夜の劇的勝利の余韻が残るなかで、何か今日は「勝つ雰囲気」が普段よりも強く感じられた。オーダーも現状のベスト布陣を敷き、あとはどうやって勝利してゴールデンウィークを気持ちよく締めくくれるか? そんな前向きな空気感に包まれながら、プレイボールの声を聞いた。 ただ、いざ始まった試合は満員の観客を大喜びさせるというよりは、眉間に皺寄せながら「鑑賞」す…

  • オレを忘れるな!~大野雄大の歴史的快投をフイにしなかった貴重な一打

    〇1x-0阪神(6回戦:バンテリンドーム) 大記録ならず。しかし初回先頭から29人連続アウトはプロ野球史上最長記録。ある意味、完全試合よりも稀有な記録を成し遂げた今夜の大野雄大の投球は、今後長きにわたり語り継がれることになるのだろう。 ただ、どうしても悔しさは残る。もし完全試合達成なら藤本英雄、金田正一、外木場義郎以来の4人目というノーヒットノーランとの両方達成者になれたのだから。 惜しむらくは10回表2死から許した佐藤輝明の「初ヒット」だ。これさえ無ければ……と思う一方で、立浪監督が直接マウンドへ向かい気合を注入し、最後の力を振り絞って大山悠輔を打ち取った姿には心底感動させてもらった。 記憶…

  • 窮地のナイスガイ~指揮官も頭を痛める「ビシエド問題」

    ●2-10DeNA(6回戦:横浜スタジアム) 見せ場らしい見せ場もなく投手陣が炎上。ダメ押しとなる1イニング3ホーマーを食らった頃には悔しさを通り越して乾いた笑いしか出なくなっていた。 今季も開幕して一か月以上が経ち、色々な勝ち方、負け方を経験してきた。その中でも私は今日の惨敗をこそ “ワースト” に推したいと思う。 開幕前日の3月25日、株式会社ビープラウド主催のトークイベント「Baseball Play Study mini〜中日ドラゴンズを語ろう」に出演させてもらった際、私は今季の投打のキーマンとして森博人とビシエドの名前を挙げていたのである。 森博人については「炎上しない安定感で勝ちパ…

  • 立浪地獄変〜まさかの京田陽太 “強制送還”

    ●1-7DeNA(5回戦:横浜スタジアム) 普段優しい先生ほど怒らせるとヤバいのは常識である。では、普段からヤバい先生を怒らせるとどうなるのか? 一言でいえば……「地獄」。 ゴールデンウィーク真っ只中、晴天にも恵まれて大勢の観客で賑わった今日のハマスタ。だが三塁側ベンチでは、そんな行楽気分とは程遠い地獄絵図が繰り広げられていた。 事件が起こったのは4回裏、DeNAの攻撃中のことだった。先頭・大和のショートゴロに京田陽太が一旦は追いつきながら、これが手につかず内野安打としてしまう。記録は内野安打。もしアウトにできていればファインプレーと呼べるような難しい打球ではあったが、守備に定評のある京田なら…

  • 取れる時に点を取る〜最適解だった岡林勇希のスクイズ

    ○7-3DeNA(4回戦:横浜スタジアム) ビジターでの僅差リードは無いものと思え。というのは誰かの格言ではなく、暗黒時代を通してファンが学んだ経験則である。特に屋外球場ではゲームセットの瞬間まで油断は禁物。10点差をひっくり返されたトラウマは今もなおファン心理に暗い影を落としている。 さて、今日の試合はドラゴンズにとって “苦手” が幾重にも重なり、戦前から苦戦が予想されていた。相手先発のロメロは昨年から4連敗、3月29日には8回零封を食らうなど天敵といえる存在だ。またデーゲームは昨季勝率.357、さらにカード初戦は目下5連敗中と、負ける要素は盛りだくさん。勝ち筋を見つける方が難しいなかで、…

  • 復帰の小笠原慎之介が今季初勝利! "宿題"も残して、理想的な(!?)白星に

    ◯7-3DeNA(横浜スタジアム) ドラゴンズの躍進に欠かせない左腕が帰ってきた。背番号11・小笠原慎之介だ。 3月29日のDeNA戦で今季初登板するも黒星を喫し、直後にコロナ陽性が判明。隔離生活、ファームでの研鑽を積んで、約1カ月ぶりに一軍マウンドへ戻ってきた。 筆者はせっかくの機会を逃さぬよう、ハマスタ現地へ。三塁側内野席からその雄姿を見守った。 満員御礼のハマスタで 「満員御礼」のアナウンスがあるほど、大入りだったこの日のハマスタ。チームに数少ない"陽キャ"の小笠原にとっては、後押しになるかもしれない。東海大相模高時代はこの地で夏の甲子園出場を決め、のちの全国制覇に繋げている。 その期待…

  • 大島洋平の離脱は岡林勇希にとってのチャンス! 今こそ“覇気”を見せる時だ

    不動のリードオフマンが離脱――。 4月29日、大島洋平の登録抹消はチームに暗い影を落とした。同日のナイターは大瀬良大地にあっさりと完封負け。ゴールデンウィーク初日から憂鬱な気分にさせるには十分なものだった。 ただ、チームは翌日から2連勝。“大島ショック”を和らげた立役者は、鵜飼航丞、岡林勇希、石川昂弥の平均年齢20.7歳からなる1~3番トリオだ。 今回はその中から、岡林について記していこうと思う。 最高の滑り出しも徐々に力負け キャンプ、オープン戦を通じて猛アピールを続け、開幕スタメンをつかんだ背番号60。巨人との開幕戦では、立浪和義監督に初得点をもたらす適時打。いきなり猛打賞をマークすると、…

  • 先週のナイスプレー!(4/26~5/1)

    基本的に月曜日はゲームがない移動日ということで「先週のナイスプレー!」という企画を行っている。今回は4/26~5/1に行われた5試合を対象に、目立ったプレーには漏れてしまっているが個人的にナイス!と思われたワンプレーを投手部門、野手部門に分けて紹介したい。 投手部門:ブルペン陣を休ませた、大野の完投(4/28 阪神戦) 2点先制もあれよあれよの間に3点を失い逆転を許し、その後の得点が生まれず敗北を喫した試合ではあったが、大野雄大が完投したことで先週のブルペン運用が大きく楽になったことが大きく作用した。 前日27日は勝野昌慶が故障で途中降板、翌29日は高橋宏斗が、30日は松葉貴大が先発し、各試合…

  • 酷使?柳裕也131球熱投と、「終わった」と青ざめた瞬間

    ○4-0広島(8回戦:バンテリンドーム) マウンド上の柳裕也はいつになく苦労していた。巨人にノックアウトを食らった前回登板から中8日。再び日曜日に戻ってきた柳だが、鮮やかな「サンデー柳」の姿はそこにはなかった。毎回ランナーを許す苦しい展開に加え、簡単には倒れない広島打線の粘りにも窮しながら、5回を投げ切った時点で球数は既に108球を数えていた。 いくら休養十分とはいえ4登板連続で100球以上を投げており、2点リードという状況を考慮しても誰もがこの回でお役御免だと考えていた。ところが6回のマウンドに向かったのは、まさかの背番号17。目を疑った。投手は球数ではなくピンチの回数で疲労が溜まる聞いたこ…

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