『法服格正』を読んでみての雑考

『法服格正』を読んでみての雑考

今年度に入ってから、とある勉強会で、江戸時代末期の黙室良要禅師(1775~1883)による法衣(袈裟)の研究書『法服格正』を読む機会を得ている。そこで、読んでいる中で、ちょっとした疑問点が出て来たので、それを調べた結果をまとめようと思ったのである。具体的には、勉強会では明治期の西有穆山禅師編集『洞上法服格正』(鴻盟社・明治29年)を用いていたのだが、同時に『続曹洞宗全書』収録本や、川口高風先生『法服格正の研究』(第一書房・1976年)の訳注本を参照していると、明らかに全く異なる本文が入っていることに気付いた。よって、そのことを記事にしてみたいと思う。まず、今回採り上げたいのは、全10章ある本文の「袈裟功徳分第一」の一節である。かゝれば不思量現の方袍は親証の好人に属し、無作相得の法服は、妙応の霊神を感ず、曽...『法服格正』を読んでみての雑考

2023/07/21 20:02