「清浄なる行者 破戒の比丘」の続きの話

「清浄なる行者 破戒の比丘」の続きの話

以前、【清浄なる行者破戒の比丘】という記事を書いた。それで、その時には鈴木正三道人『驢鞍橋』から一則を引っ張って論じたが、その後、拙僧自身も僅かながらに勉強を続け、どうやらこの一節については、もう少し別の論じ方をする必要を感じていた。それは、本則について、元の文章は、「清浄の行者天堂に上らず、破戒の比丘地獄に入らず」(訓読は拙僧)というものだったが、これについては中国臨済宗の大慧宗杲禅師が「文殊菩薩所説般若経に云く……」(『大慧録』巻10)などとした。先に挙げたリンク先でも一応、本来の経典名を挙げたのだが、どうも、正三が引いた文章と、経典の本文は内容が相違していて、つまり、大慧禅師のような中国禅宗の文脈で多用された文章に近かったのである。まぁ、この辺は上堂語などで引用されてしまうと、元の文章が少し言い回し...「清浄なる行者破戒の比丘」の続きの話

2024/01/12 09:22