宗門在家信者の服制について(2)
これは、【(1)】の続きである。拙僧の問題意識に、僧侶以外の人が僧侶と同じ格好をされるとどうなるのか?というものがある。江戸時代の洞門学僧である面山瑞方禅師と万仭道坦禅師による『金龍軒問答』にも、ちょうどその問題が指摘されているので紹介しておきたい。在家に袈裟を許すこと、永平の説もあれども、とくと考れば一概にはいはれず。優姿塞にも五段あり、もし断婬の優姿塞にもなりたらば五條を許容して晨昏三宝恭敬の時ばかりは用ひさせてよし。また仏制の離衣罪のことは、受具足戒の人に制せらる。俗人のことにはあらず。上衣の大衣は説法衣なれば、俗人不用なり、中衣の七條は入衆衣なれば俗人不用なり、下衣の五條は在家に許してしかるべし。これみな梵網菩薩戒の説によりて在家の菩薩に袈裟を許すなり。雲棲・永覚等は円頓の菩薩戒はしらず、ただ共声...宗門在家信者の服制について(2)
2024/02/21 08:30