吏書判書は「どんちゃん騒ぎの宴ではなかったな」と後ろに並ぶ戸曹判書に忌々しげに呟く。「どうするのですか?」「清の使臣もいる公の行事で、皆が王に忠誠を誓う中、…
東宮殿に戻ったヨンは目の前に座るサムノムから目を逸らすように頬杖を付いてそっぽを向いている。 沈黙に耐えかねサムノムは「あの…世子様?」と声をかけた。「………
粥を食べ終わり、一緒に出された杏の砂糖漬けを嬉しそうに食べているサムノムを見てヨンは少し笑うと無言で自分の分の砂糖漬けをサムノムの膳の上に置く。「いいのです…
「何かって…あ、そうだ明日は妓生達に休みを与えてはどうでしょう」「休みだと?」「はい。 一日休みを与えてエシムには独舞の振付を完璧に覚えて貰うのです。図画署に…
「なんかもう…っ 色々すみませんでした!!」「ぶっふっ!」 ヤケクソ気味に額を床に付けたサムノムに辛抱堪らずヨンは盛大に吹き出し「あっはっはっは!」と声を上げ…
独舞の指導が始まって10日が過ぎた。 結局この日も振付は思うように進まず東宮殿に戻ったヨンは机に突っ伏していた。「……」 サムノムはそんなヨンを黙って見つめ…
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吏書判書は「どんちゃん騒ぎの宴ではなかったな」と後ろに並ぶ戸曹判書に忌々しげに呟く。「どうするのですか?」「清の使臣もいる公の行事で、皆が王に忠誠を誓う中、…
舞台に続く花道に踊り子が姿を現した。 流れるように軽やかにゆっくりと花道を進むその姿に領議政が目を見開く。ー踊り子は始末した筈では…ー 王妃も領議政の配下…
「ホン内官」 呼び止められてサムノムが振り返るとチャン内官が近付いてきた。「どうしたのだ?」 会場の空気がどうもおかしい。 長年内官を務めてきたチャン内官の勘…
「……はい」ーもしかして…それで布団で寝かせてくれたの?ー ヨンはもう一度伸びをすると立ち上がり自分で御衣を脱ぎだした。「!」 サムノムも慌てて立ち上がると「…
こんな風に寝顔をじっくり見るのは2度目だ。ーそういえば抱き締めて寝ていた時も気付かず寝てたなこいつは…ー お陰でバレずに済んだのだが。 上掛けから覗く手をチ…
──翌日 エシムは独舞を完璧に踊ってみせた。 ヨンが細かな修正を加え、陽が傾きかける頃には文句の付けようがないほど美しく素晴らしい舞に仕上がった。 サムノムは…
東宮殿に戻ったヨンは目の前に座るサムノムから目を逸らすように頬杖を付いてそっぽを向いている。 沈黙に耐えかねサムノムは「あの…世子様?」と声をかけた。「………
粥を食べ終わり、一緒に出された杏の砂糖漬けを嬉しそうに食べているサムノムを見てヨンは少し笑うと無言で自分の分の砂糖漬けをサムノムの膳の上に置く。「いいのです…
「何かって…あ、そうだ明日は妓生達に休みを与えてはどうでしょう」「休みだと?」「はい。 一日休みを与えてエシムには独舞の振付を完璧に覚えて貰うのです。図画署に…
「なんかもう…っ 色々すみませんでした!!」「ぶっふっ!」 ヤケクソ気味に額を床に付けたサムノムに辛抱堪らずヨンは盛大に吹き出し「あっはっはっは!」と声を上げ…
独舞の指導が始まって10日が過ぎた。 結局この日も振付は思うように進まず東宮殿に戻ったヨンは机に突っ伏していた。「……」 サムノムはそんなヨンを黙って見つめ…
始まった2人の剣技の凄まじさにサムノムは圧倒され、口を閉じるのも忘れてポカンと見入っていた。ーかっっっっっこいい!ー 刃が交わる度に火花が散り、夕暮れに染ま…
──翌朝 サムノムの起きだす気配を感じ、ビョンヨンは目を覚ました。 チラッと下に目をやると半身を起こして目を閉じたままボ~っとしている。 しばらくして頬を両手…
「お前…そんな事を言ったのか」 ビョンヨンが呆れた様にサムノムを見る。「あの時は…まだ世子様だとは知らなかったので…」 消え入る様に呟くサムノムにまだ“花若様…
用意されたのは初の牛肉に山のような野菜や果物でとてもじゃないが3人では食べきれない。「あの、召し上がるのは世子様とキム別監様と私だけなのでっ」 なんとか尚宮…
こうして初日は“蓮花舞”を完璧に覚える事に終始し、翌日からヨンの指導の下、独舞の稽古が開始された。 特別に用意された東屋の稽古場に独舞に参加する妓生が集めら…
次の日、王宮には華やかな女の色香が舞っていた。 チャン内官の迅速な通達により各地の名だたる妓生が宮中に参内したのだ。 煌びやかな衣装を身に纏い、あわよくば世…
東宮殿に戻りお茶と共にヨンの元へ急ぐ。 部屋の前まで来ると琴の音が聴こえてきた。ーあれ? 他に誰かいるのかなー すごく上手だ。「世子様、入ってもよろしいです…
「何を作ってるんだ?」「世子様がお仕事しながら食べられる物をと思って」 器をビョンヨンに見せる。「団子か…」「さ、汗を流してきて下さい! キム兄貴の分もあるん…
翌日サムノムが東宮殿に行くと既にヨンは起きて仕事をしているとの事だった。「あ、あの朝が苦手な世子様が?!」 チャン内官も初めての事らしく驚いている。「朝食も…
ヨンが連れて行ったのは王宮が一望できる石垣のある高台だった。「わぁ!」 サムノムが石垣に手をかけ歓声を上げる。「王宮って広いんですね!」 夕陽に照らされ黄昏…
それを見た女官達が蕩けそうな声を上げた。「きゃー素敵! ドキドキしちゃった!」「甘いわね、ビョンヨン様が笠を被った姿を見たことある?」「ないわ!」「私はある…
「さ、行こう」 背後のサムノムに一瞬気を向けミョンウンを促す。 ミョンウンがサムノムに背を向けた時「王女様!」 サムノムが声を上げた。「申し訳ございません…恋…
資泫堂を後にしたヨンは途中でビョンヨンと別れひとり東宮殿に戻った。 中に入っていくとチャン内官達が揃っている。「おはようございます 世子様」 ヨンが頷いて部…
ひとしきり笑った後、ヨンはふっと笑いを引っ込めた。「……で、お前はいつまでそいつを抱えてるつもりだ…?」 言われてビョンヨンは腕の中のサムノムを見る。 する…
サムノムを上掛けごと押さえ付けたまま天井を見ていたヨンの腕の下でモゾモゾとサムノムがもがいている。「もう! ホントに苦しいってば!」 ガバッと上掛けが捲れて…
ヨンはふわふわと、とても心地の良い温もりを抱きしめていた。 力加減を間違えると折れてしまいそうなほど小さく華奢な女人だった。 愛しさがこみ上げ、瞳に涙が…
しかしサムノムは「世子様……お可哀想に……」と横向きになって哀しそうに頭をコテンと布団に寄せた。「か……可哀想……とは?…」 サムノムのその仕草にヨンは何故…
サムノムは内心ドキドキしていた。 いくら男の格好をしていても心も体も18才の乙女なのだ。 ーまさか…花若様と一緒の布団に入るなんて…ー 「ん? あれ…
瞬く間に雨が降りだし、ビョンヨンが腰を上げた。「世……ゴホ! 早く中へ」 ヨンは頷いて立ち上がり「お前も早く来い」とサムノムを見るとサムノムは膳を抱えてヨタ…