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  • 日本の「各温泉地」の「温泉科学情報」をまとめて紹介する本があります!

    『図説 日本の温泉 170温泉のサイエンス』 今から4年前に、『図説 日本の温泉 170温泉のサイエンス』(日本温泉科学会監修)という本が、朝倉書店から出版されました。わが国の数多くの温泉の中から、温泉科学的に重要であると思われる温泉地170を取りあげ、日本温泉科学会の会員が「各温泉地の自然科学的な側面」について執筆しました。 これまでに実に多くの温泉に関する書籍が出版されていますが、温泉地ごとにまとめられたタイプのものとしては、観光ガイドブック的な内容であったり、文化および自然遺産的な紹介であったり、健康増進的な観点から書かれたものであったりと、温泉地を訪ねることを前提としたものがほとんどだ…

  • 飲酒後の入浴は、かえって「酒が抜けにくい!」

    飲んだ後に「ひとっ風呂浴びて酒を抜く」? 以前は、飲み屋街のような所に深夜営業のサウナがあり、酩酊に近いような人たちで賑わっていました。みんな「酔いをさますために」風呂やサウナに入っていました。 「風呂やサウナで汗をいっぱいかけば、アルコールも抜けていく」と思っていました。 飲酒後の入浴に関する研究 「飲酒後の入浴が体にどのような影響を与えるのか」といった研究は古くから行われています。その中で、特に「飲酒後の入浴によってアルコールが代謝(分解)しやすくなるのか」という内容を扱った論文を見つけました。 日本温泉気候学会雑誌第25巻第3号(1961年発行)より引用 残念ながら、飲酒後の入浴は「かえ…

  • 紀伊半島の旅「橋杭岩」

    橋杭岩 橋杭岩(はしぐいいわ)は、和歌山県串本町にある、奇岩が一列に長く並んだ景勝地で、国の天然記念物に指定されています。 和歌山県串本町の景勝地「橋杭岩」 国指定天然記念物 橋杭岩はどのようにしてできたのか 「橋杭岩」の景観がどのようにしてできたのか、大いに気になるところです。 今から1500万年~1400万年前の火成活動によって、地下のマグマが、辺り一帯に分布している泥岩層の割れ目から貫入して石英斑岩の岩脈を形成しました(下の地質図の茶色い部分)。岩脈のまわりの泥岩(地質図の水色の部分)は軟らかいために侵食されやすいのに対して、岩脈をつくる石英斑岩は硬くて侵食されにくい(差別侵食)ため、薄…

  • 紀伊半島の旅「那智の滝」

    那智の滝 「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されてはや20年が経とうとしています。 私は、紀伊半島を旅するのが好きで、よく出かけますが、今回の白浜への家族旅行では久々に那智の滝や、那智大社などへも寄り道(温泉以外はみんな寄り道)してきました。いい温泉がいっぱいあるのに、ここは我慢です。 青岸渡寺の五重塔と那智の滝 「滝」の定義とでき方 滝の定義は、「川や谷の河床(川の底)にできた段差を水が流れる場所」ということで、滝の成因は、「なぜ河床に段差ができたのか」ということに尽きます。溶岩の末端の崖にできた滝、断層が掘り出されて段ができた滝、違う種類の岩石が接する場所で、どちらか軟らかい方の岩…

  • パンダの温泉地「白浜温泉」

    「家族旅行」という旅行 いつもほとんど一人温泉旅か、一人酒場巡り旅をしていますが、今回は家族旅行で和歌山県の白浜温泉に行きました。今までにない「温泉色の薄い」旅になりました。 白浜温泉遠景 奥の砂浜がオーストラリアから砂を運び入れている「白良浜」 白浜のもう一つのシンボル 海中展望塔 かつては、海中展望塔までモノレールで行ったという。船がぶつかった歴史も 今はやりの、海と一体になれる「インフィニティ―浴槽・足湯」手前は足湯、奥は太平洋 白浜温泉が湧き出すメカニズムは 白浜温泉が湧き出すメカニズムは、「南海トラフから地下深くへ沈み込んで行くフィリピン海プレートからの脱水作用によって絞り出された数…

  • 「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に登録すること

    少し前ですが、新聞に「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に登録することをめざす知事の会が発足したという記事がありました。また、日本温泉科学会においても、温泉文化の登録に関するシンポジウムが開かれたことがあります。各界で登録への機運が高まってきているようです。 2022年11月22日の岐阜新聞の記事より 日本温泉科学会シンポジウムのチラシ 大切なことは、温泉が「ユネスコ無形文化遺産に登録される」ことによって「箔がつき、ブランド化する」ことを願うのではなく、「確かな温泉文化がまっとうに継承されていく」ための共通認識をもち合わせ、今後の確固たる方向性を見出すことではないかと思います。 例えば、草津温泉…

  • 「一番良かった温泉はどこですか」と聞かれますが‥‥

    良かった温泉がいっぱいありすぎて いろいろな人から、「今まで行った中で一番良かった温泉はどこですか」と、本当によく聞かれます。正直なところ、温泉が好きすぎて、良かった温泉がいっぱいありすぎます。甲乙つけてランクづけることなど、私には到底無理なことです。 長野県渋温泉郷の「角間温泉」のこと 無性にまた行きたくなる温泉というのがたくさんあります。長野県の角間(かくま)温泉もその一つです。長野県には角間温泉が二つありますが、湯田中渋温泉郷の角間温泉です。 猿の入浴で有名な地獄谷野猿公苑からほど近い温泉地で、時代から取り残されたかのような(いい意味で)湯治場です。共同浴場「大湯」を取り囲むように数件の…

  • 誤解される泉質②「単純温泉」

    「単純」という言葉のイメージ 「おまえは本当に単純だ」と言われると、なんとなく情けない気分になります。落語に登場する、ちょっとお馬鹿でまぬけな「与太郎」みたいな‥‥。 念のため、「単純」という言葉を広辞苑第五版で引いてみました。 ➀ 単一で他の要素のないこと。そのものばかりであること。純一。 ② 構造・機能・考え方などが複雑でないこと。込み入ってないこと。簡単。 誤解されている「単純温泉」 前回書きました筆者によるアンケート調査(2004)の結果、「硫酸塩泉」と同様に「単純温泉」もかなり誤解されている泉質であることがわかりました。 単純温泉の認識についてのアンケート結果(2004年 筆者による…

  • 誤解される泉質「硫酸塩泉」

    泉質名を見たり聞いたりして、その本質を正しく理解してもらえればよいのですが、どうもそうではない現状があるようです。 少し古い話になりますが、筆者は、2004年に「温泉はどのように理解されているか」というアンケート調査を行い、その結果をまとめました。全国のさまざまな年齢層の男女を対象としました。 アンケートにはいろいろな項目がありましたが、その中で最も問題視されたのが、泉質名の理解でした。 アンケート結果に見る硫酸塩泉についての認識 「硫酸塩泉という泉質はどのような泉質ですか」という問いに対して、「硫黄くさい温泉」、「硫黄と食塩が混ざっている温泉」、「白く濁った温泉」など、硫黄泉をイメージした回…

  • 温泉に生息する生物

    温泉が大好きなのは、人間や渋温泉地獄谷の猿だけではないようです。 温泉に入る長野県渋温泉地獄谷野猿公苑のニホンザル 全国各地の温泉には「温泉発見伝説」があり、白鷺や熊、鹿や猿などの動物による発見伝説も枚挙にいとまがありません。真偽のほどはともかく、昔から動物と温泉の距離が近かったことを物語っているのでしょう。それを裏付けるかのように、群馬県の野栗沢温泉には、カラフルな色をしたアオバトが温泉中のミネラルを補強しに、群れを成してやって来ます。 また、全国各地には、動物の名前が付く温泉地もたくさんあります。鶴の湯、鷺の湯、山鳩の湯、鹿教湯温泉、熊の湯温泉、猿倉温泉‥‥‥きりがないですね。 温泉に生息…

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