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  • πが無理数であることの証明

    2024年4月27日(土)πが無理数であることの初等的な証明を紹介したい。本文にあるように、小平邦彦編『数学の学び』」(1987.10.8岩波普店)収録の「数学に王道なし」で紹介されていたI.Nevenによるに証明である。じっくり読んで、理解していただきたい。ネピア数eが無理数であることの証明をこのブログのどこかで書いたような気がして探してみたが、なかった。πが無理数であることの証明より遙かに簡単なので、何れこのブログで紹介したい。ところで、「eやπが無理数である」ことの初等的でない証明は、超越数に関するリンデマンの定理の系を利用する方法である。後に示すように、簡単に証明できる。リンデマンの定理の系とは、0でない代数的数αに対してeαは超越数であるとの命題である。超越数とは、どの有理(数)係数の代数方程式...πが無理数であることの証明

  • y=mxに対して、点Aと対称な点を求める

    2024年4月25日(木)高校数学を学ぶ者が一度は解いておきたいと思う問題が、y=mxに対して、点A(a,b)と対称な点B(u,v)を求めよという問題である。この問題に対して、オーソドックスな解法は、次の手順に従う方法である。(ⅰ)中点をMとしたとき、M((a+u)/2,(b+v)/2)は、y=mx上にあるから(b+v)/2=m・(a+u)/2が成立する。(ⅱ)AM⊥y=mxの方向ベクトル(1,m)であるから、ベクトルAM・y=mxの方向ベクトル=0となる。すなわち、(u-a,v-b)・(1,m)=0u-a+m(v-b)=0が成り立つ。※この部分は、直線AMの傾きとy=mxの傾きmの積はー1になる。このことを使ってもいい。すなわち、(v-b)/(u-a)・m=-1u-a+m(v-b)=0が成り立つ。(ⅲ)...y=mxに対して、点Aと対称な点を求める

  • ラプラス変換2

    2024年4月23日(火)前回のブログ;ラプラス変換1(2024年4月19日)では、主としてラプラス変換の定義やその関連定理の紹介等数学的な内容であった。今回は、直観的に主だった関数のラプラス変換を施して得られる関数を表にして、その表を基にしていろいろな関数をラプラス変換をしてみよう。ラプラス変換は、線型常微分方程式を解くなど物理学等ではよく利用される。与えられた線形常微分方程式は、本文の定理4と初期値を用いてラプラス変換をするとL(y)がsの代数方程式になる。その代数方程式を解いて、L(y)をsの関数で表す。次に、そのsの関数をラプラス逆変換をすると、もとの線形常微分方程式の一般解がわかるわけである。この線形常微分方程式をラプラス変換を用いて解く方法は、何れブログで取りあげてみたいと思う。ちょっと休息(...ラプラス変換2

  • θ→±0 ⇒ sin θ/θ→1 を使う極限値を求める問題

    2024年4月21日(日)高校の数学Ⅲで一番よく使われる定理θ→0のときsinθ/θ→1を適応した極限値の問題を1問とりあげてみた。本文でも述べたように、インターネット上に載せられていた問題である。この定理の証明は、省略する。見方を変えると、θが0に近いところではsinθ≒θと近似できることを、この式は示している。単振り子の周期Tを求めるガリレオの公式T=2π√(L/g)L・・・ひもの長さ,g・・・重力加速度は、このことを使って導くことができる。私のブログ単振り子の周期~近似式としてのガリレオの公式の導出(2023年10月2日)を参照にしていただきたい。さて、問題についてポイントは、極限値を求める関数の分母をe^(x^2)-cosx={e^(x^2)-1}+(1+cosx)と変形することに気づくかどうかで...θ→±0⇒sinθ/θ→1を使う極限値を求める問題

  • ラプラス変換1

    2024年4月19日(金)ラプラス変換は、ある積分(本文参照)を介して関数空間を関数空間に変換することを言う。関数f(x)がラプラス変換によって、F(s)に変換されるとする。それをF(s)=L[f(x)]と表すことにする。Lは、線型写像である。すなわち、L[af(x)+bg(x)]=aL[f(x)]+bL[g(x)]=aF(s)+bG(s)a,b∈R,Cが成立する。また、逆ラプラス変換L^(-1)[aF(s)+bG(s)]=aL^(-1)[F(s)]+bL^(-1)[G(s)]=af(x)+bg(x)a,b∈R,Cも線型写像である。物理学でよく使われるラプラス変換、逆ラプラス変換であるが、主な関数については次回で表で表す。定義からの計算でなく、表を活用して自由にラプラス変換、逆ラプラス変換ができるようにす...ラプラス変換1

  • 空間ベクトルの応用問題 ~2024年度前期日程の広島大学理系入試より

    2024年4月17日(水)空間ベクトルの空間図形への応用問題である。平面ベクトルの平面図形の応用と同じように考えていけばいい。空間ベクトルとは、標準ベクトルと言われるベクトルi=(1,0,0)ベクトルj=(0,1,0)ベクトルk=(0,0,1)を基底として任意のベクトルv=a(ベクトルi)+b(ベクトルj)+c(ベクトルk)と表すことができるベクトルのことをいう。2つの空間ベクトルuとvに対しては、平面ベクトルと同じように、内積を考えることができる。また、平面ベクトルにはない外積を定義することができる。本ブログで取りあげた広島大学の理系の入試問題は、空間ベクトルの空間図形への応用問題であるが、比較的(解法)の方針の立てやすい問題である。なお、小問(4)の三角形の面積を求める問題は、①三角形の底辺と高さの長...空間ベクトルの応用問題~2024年度前期日程の広島大学理系入試より

  • 加群について

    2024年4月15日(月)加群とは、加法群のことで和という演算に対して、結合法則と交換法則や零元・逆元が存在する群のことを言う。この加群に、いわゆる乗法と言われる演算を付加して、Rー加群や分配環、そしてリー環などを考えることができる。Rー加群は加群にスカラー倍を定義したものである。Rとして体を考えたときがベクトル空間である。Rー加群は、ベクトル空間の一般化になっているわけである。本文でも述べてように、ベクトル空間には必ず基底が存在するが、Rー加群には基底が存在するとは限らない。両者に、その違いがある。以下、簡単にRー加群や分配環、そしてリー環について見ておこう。(訂正)1枚目「R-加群」の項14行目(誤)基底の存在賀ある⇒(正)基底の存在があるちょっと休息(1)4月13日(土)のFacebook投稿より今...加群について

  • 正五角形 ~初等幾何学の話題から

    2024年4月13日(土)正五角形の①1辺と対角線の長さとの比、②もとの正五角形とすべての対角線で囲まれた正五角形との面積の比について、考えて見よう。何れも初等幾何学の有名な問題である。まず、三角関数を使って問題を解決する方法を紹介しよう。使う三角関数の命題は、倍角の公式と三角形についての正弦定理ぐらいであろう。しかし、三角関数を用いるこのような方法を初等幾何的な解法と思わない人も多いであろう。私自身は、三角関数を駆使した解法も初等幾何学の解法だと思う。平面図形にベクトルを使って解く方法と同様に、解法に使う道具が初等的であるという意味で初等幾何学的な方法だと思う。ここでは、➁を先に求めてから①を求めている。三角関数を使わない方法を紹介しておこう。2018年度の広島県立大学の入試問題を解くなかで、前述の①お...正五角形~初等幾何学の話題から

  • 昨年度より大きく前進した北方町立北学園のPTA入会書

    2024年4月11日(木)岐阜県の多くの小・中学校および義務教育学校は、4月8日に着任式・始業式そして入学式が行われた。この日、学校や学校を通して配布される文書も多い。その中に、PTA関係の文書もあるだろう。下の文書は、岐阜県北方町立北学園のPTA入会書の文書である。保護者から提供していただいた文書である。私は、この文書を見たとき正直驚いた。昨年度のPTA入会書(登録書)を知っている者にとって、大きく前進しているからである。まず、読んでいただきたい。今年の北学園のPTA入会書が評価できる点は、いくつかある。いい点、若干疑問に思う点を述べておこう。まず、『北学園PTA入会届および個人情報取扱同意書について』の文書について、述べよう。この文書がいい点は、①文書発行者名が「PTA会長」名で、「校長名」がないこと...昨年度より大きく前進した北方町立北学園のPTA入会書

  • 行列式の定義3 ~4次行列式の計算

    2024年4月9日(火)少し間が空いたが、4次行列式には次のようなブログで書いてきた。行列式の定義1~その準備(置換)(2024年3月28日)行列式の定義2~4次行列式の定義(2024年4月1日)これらのブログは、主として行列式の理論面が中心であった。今回は、行列式の計算をとりあげてみよう。と言っても行列式の計算のパターンは大変多く、本ブログは群盲象をなぜる岳になってしまった。特別な行列式については、今後も別にとりあげていきたいと思います。行列式の計算は、行基本変形や列基本変形をおこないながら、成分にできるだけ多くの0を作ることが重要になる。また、行列式を1行または1列にしたがって小行列式に展開して行列式の次数を小さくすることも重要である。特に4次行列式は定義にしたがって計算することはめんどうであるからの...行列式の定義3~4次行列式の計算

  • 大垣市の教育での最大の失敗 ~土曜日授業=ふるさと大垣科

    2024年4月7日(日)下の文章は、大垣市文教協会の最近の広報誌からとったものです。この一文を読んで、私が2020年度頃から大垣市の教職員や保護者、そして市議会議員の協力を得て真剣に取り組んだ土曜日授業=ふるさと大垣科をやめさせる運動をしていた頃を思い出した。この文書の筆者である清水昭治氏は、平成26年(2014年)度当時の大垣市教育委員会の学校教育課長で、当時の教育長山本譲氏の意向を受けて土曜日授業=ふるさと大垣科の積極的に推進した人だった(注)。だから、土曜日授業=ふるさと大垣科を積極的に評価しているのが目立つ。しかし、土曜日授業=ふるさと大垣科は、山本譲前教育長の自己満足的な実践であった。土曜日授業の実施にこだわったのは、前小川淳市長だという人も多いが、山本前教育長が推進に積極的だったことは事実であ...大垣市の教育での最大の失敗~土曜日授業=ふるさと大垣科

  • 3次方程式と連立方程式を解く問題 ~2024年度前期日程の名古屋大学文系学部の入試より

    2024年4月5日(金)名古屋大学の3次方程式と連立方程式を解く非常にやさしい問題をとりあげた。3次方程式を解く場合、高校数学では因数定理を用いて因数分解される場合に限られる。一般の3次方程式の場合、解の公式が存在するのでそこに代入すれば必ず解くことができる。大学で習う数学でも、3次方程式の解の公式を用いて3次方程式を解くことはほとんどないと思う。名古屋大学で出題された3次方程式は、簡単に解ける問題である。具体的に、x³-3x²-50=0である。左辺をf(x)とおくと、f(5)=0である。因数定理から、f(x)はx-5という因数を持つ。したがって、x³-3x²-50=(x-5)(x²+2x+10)となるから、f(x)=0の解が求まるのである。小問(2)以下は、置き換え等の指示にしたがって解いていけばいい。...3次方程式と連立方程式を解く問題~2024年度前期日程の名古屋大学文系学部の入試より

  • 科目群履修認証状(環境科学の基礎)等が郵送されてきた ~放送大学エクスパート

    2024年4月2日(火)はじめに~科目群履修認証制度放送大学の科目群履修認証状(環境科学の基礎)等が3月31日(日)に書留にて郵送されてきた。私は、今までも今回も単位認定試験の成績発表がなされる3月20日前後に申請してきた。認証状が送られてくるのは、6月初旬か中旬であった。今回は3月下旬であるから、すごく早く郵送されてきたことになる。31日曜日に郵便配達の人から手渡しされた書留になっていた封筒を見て、見当がつかなかった。封筒を開けてみて、ようやくわかった。郵送されてきた主な物は①科目群履修認証状(環境科学の基礎)②科目群履修証明書(環境科学の基礎)③科目群履修認証カード(環境科学の基礎)であった。私は今回で、科目群履修認証(放送大学エクスパート)を受けたのは、6回目になる。宇宙・地球科学プラン(宇宙・地球...科目群履修認証状(環境科学の基礎)等が郵送されてきた~放送大学エクスパート

  • 行列式の定義2 ~4次行列式の定義

    2024年4月1日(月)新しい学年を迎えた。私も放送大学の方は、選科履修生(他大学の1年間の科目履修生)として籍を置くこととなった。今までとあまり変わることはないが、全科履修生と違って卒業を意識することはなくなる。気楽に、学びを楽しみたい。前回にブログ、行列式の定義1~その準備(置換)(2024年3月24日)の4次対象群の元の符号の符号を定めて4次行列式を定義しよう。なお、符号は転置総数を調べて+(値sgnは1)-(値sgnは-1)を定めることにする。また、4次元対象群の元の置換は、4!通りあるから、4次行列式の項は全部で24となることに注意してみよう。それでは、早速4次行列式の定義を述べよう。ちょっと休息(1)3月30日(土)のFacebook投稿より~奈良教育大学の附属小学校の対応に危惧教員養成系大学...行列式の定義2~4次行列式の定義

  • 2024年度岐阜県の定例教職員異動が発表される

    2024年3月30日(土)岐阜県教育委員会は、2024年度の定例教職員異動を発表した。3月19日の県教育委員会の会議にて教職員人事を最終決定して、その後に異動対象者本人に内示した。そして、3月27日(水)に一斉に新聞発表されたのである。本ブログでは,①今回の人事の特徴を岐阜新聞の3月27日朝刊から引用記事について簡単に述べる。続いて、➁私自身人事が知っている教員のについて触れる。そして最後に、③毎年掲載してきた2024年4月1日付けで採用される新規採用教員の名簿を岐阜新聞の3月27日朝刊から引用して掲載する。人事の特徴2024年度の人事の特養は、下の岐阜新聞の記事に記載されている。一番大きな特徴は、60歳定年が延長されたことにより定年退職者がいなくなり、人事異動の総数が大幅に減ったことである。60歳を迎え...2024年度岐阜県の定例教職員異動が発表される

  • 行列式の定義1 ~その準備(置換)

    2024年3月28日(木)行列式の定義を与えよう。n次行列式の定義を一般的に与えてもいいが、n次行列式の場合は記号が煩雑で、記述もしにくい。ここでは、4次行列式の定義でもって、行列式の定義に替えよう。行列式とは、n次正方行列を体K(大部分がK=RまたはC)に対応させる行列式写像detである。すなわち、det:A→K=R,Cである。行列式の定義を与えるのに、まず準備として置換を考える必要がある。4つのもの(数)の置換全体の集合は、2つの置換を連続的に行うことを置換の積とすれば、群になる。4次対称群という。任意の4次対称群は、互換(他の数字は動かさないで、2つの数字のみ入れ替える)の積で表すことができる。互換の積での表し方はいろいろあるが、その個数が偶数であるか奇数であるかはきまる。偶数個の互換の積で表すこと...行列式の定義1~その準備(置換)

  • 岐阜学習センターでの2024年度2学期卒業生の学位記授与式及び懇親会

    2024年3月26日(火)3月23日(土)は放送大学本部主催の学位記授与式(卒業式)が東京のベルサール高田馬場で実施された。4年前の学位記授与式はコロナ禍で中止になったが、私は2年前の国技館で行われた式典には参加した。一度出ればいいと思っていたので、今回は参加を見送った。ただ、3月24日(日)に実施された岐阜学習センター主催の学位記授与式に参加した。こちらは3回目の出席である。学位記をいただいた。学位記放送大学教養学部教養学科「情報」コースの学位記を掲載したい。放送大学の場合、6つのどのコースを卒業しても、学位は「学士(教養)」である。これは、教員養成系教育学部の教員養成課程を卒業した場合、どの専攻・専修を卒業しても「学士(教育)」が授与されるのとよく似ている。教員養成系教育学部の教員養成課程は、放送大学...岐阜学習センターでの2024年度2学期卒業生の学位記授与式及び懇親会

  • 方程式の実数解周辺に関する問題 ~2024年度後期日程の北海道大学理系入試より

    2024年3月23日(日)北海道大学の入試問題から,1問とりあげてみた。理系の問題としては取り組みやすい問題であるので、本問題を取りあげてみた。本文の冒頭部分に書いた通りである。なお、(k-1)x²+(k+1)x+(k-1)=0はk=1のときに1次方程式であり、k≠1のときに2次方程式であることに留意してほしい。ちょっと休息(1)3月21日(木)のfacebook投稿から今日は小川陽子先生の最後のセミナー『百人一首の世界』に参加しました。9時30分から、zoomによるオンラインでのセミナーでした。今日は、89番、99番・100番の和歌でした。89玉の緒よ絶えなば耐えねながらへば氏のぶることの弱りもぞする式子内親王99人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は後鳥羽院100ももしきや古き軒端のし...方程式の実数解周辺に関する問題~2024年度後期日程の北海道大学理系入試より

  • 1辺がaの正四面体の体積と表面積・高さを求める ~中学校数学の話題から

    2024年3月22日(金)本文に重大なミスがあったので、書き改めた。再掲載する。正四面体の体積と底面積(底面積×4=表面積)・高さを求めてみよう。正四面体は正三角錐であるから、正三角錐の表面積・高さおよび体積を求める場合と同様にできる。ここに、正三角錐とは、底面・・・正三角形側面・・・合同な3つの二等辺三角形からできている立体のことである。その正四面体の体積を求めるには、通常中学校数学では次のようにする。(1)底面積を求める。底面は正三角形であるから、頂点から底辺に垂線をひいて、三平方の定理を用いると正三角形の高さが求まる。本文に記述がある。(2)高さを求める。正四面体の頂点から底辺に引いたの足の足は、底面の重心になる。このことから、頂点と底辺の重心と底辺の正三角形の頂点を結んだ三角形は、直角三角形になる...1辺がaの正四面体の体積と表面積・高さを求める~中学校数学の話題から

  • 鋭角三角形に関する不等式の問題 ~2024年度前期日程の浜松医科大学医学部医学科入試より

    2024年3月20日(水)スキャナー取り込みのディスクトップパソコンの故障によって、予備にしてあったこの記事を投稿します。今日3月19日は岐阜学習センターに出かける日ですので、時間がありません。本文のみ掲載します。なお、1辺がaの正四面体の体積と表面積・高さを求める~中学校数学の話題からのブログ記事は、書き直しましたのでスキャナーでの取り込みが必要です。後日、掲載します。悪しからず。本ブログについてひと言浜松医科大学の入試問題は、三角形についてのtanの面白い・きれいな定理を集めたもので、初等幾何学においても数学的意義のある問題だと思う。追伸小問2(B)について、「お助けマン」氏から等号条件がぬけているとの指摘を受けた。うっかりしていた。せっかくだから、お助けマン氏の解答をそのまま記載しておこう。・・・・...鋭角三角形に関する不等式の問題~2024年度前期日程の浜松医科大学医学部医学科入試より

  • ベッチ数2

    2024年3月18日(月)今回は、代表的な曲面――トーラスと2次元球そして二人乗りの浮き輪(種数2)の第1ベッチ数について、述べてみた。代数的位相幾何学の1つの話題で、前回の1次元図形のベッチ数と違ってもちろん中学数学の教材にならない。気楽に、読んでいただきたい。なお、オイラーの多面体定理については、私のブログオイラーの多面体定理(2023年10月12日)を参照にされたい。そこに、グラフ論による証明が書かれている。この証明は,現行の放送大学印刷教材である橋本義武『正多面体と素数('21)』(財団法人放送大学教育振興会)の記述をなぞったものである。ちょっと休息(1)3月16日のfacebook投稿から昨日、今日とネギの植え付けをしました。昨日の午前中は屋敷の裏の畑の一角に植えました。最初の写真です。今日の午...ベッチ数2

  • 複素(数)平面 ~2024年前期日程の東京工業大学入試より

    2022年3月16日(土)新課程の数学ⅢCから、2024年前期日程の東京工業大学より複素数及び複素(数)平面に関する入試問題をとりあげる。本文に書いたとおり、毎回難問が出題されるこの大学にあっては、珍しく(解法)の方針が立てやすいッ標準的な問題であろう。1問35分という解答時間から考えても、この問題についてはそれほどの時間はかからないであろう。この問題の重要な点は、 α ^n= β ^n⇔ α = β である。この当たり前な命題が重要となる。そこで、 α ^n= β ^n=1となるnが存在するかどうか調べることになる。解が複素数のときは、極形式で表して調べることになる。訂正2枚目下から2行目。(解法)の(ⅰ)のときの(a,b)を写し間違えました。訂正しておきます。(誤)(a,b)=(-2,1),(0,-1...複素(数)平面~2024年前期日程の東京工業大学入試より

  • ベッチ数1

    2024年3月14日(木)1971年から1979年にかけて、数学教育の現代化に基づく教育が行われた。その時期の中学数学の教科書にベッチ数が扱われていたような記憶がある。ベッチ数の概念は、位相幾何学のなかで登場してくる。いわば、位相不変量(位相変換によって不変な量)のひとつである。もとより当時も今も中学生にその数学的な意味が理解できるわけがなく、群盲象をなでるような状態であった。ベッチ数の定義をきちんとすると難しいので、このブログでも直観的な理解でお茶を濁すことにしておこう。0ベッチ数と1ベッチ数を扱うことにする。なお、本ブログに登場してくるオイラーの多面体定理については、私のブログオイラーの多面体定理(2023年10月12日)を参照にされたい。ちょっと休息(1)3月12日のfacebook投稿より~学びと...ベッチ数1

  • 4次多項式の決定 ~2024年度前期日程の一橋大学入試問題より

    2024年3月12日(火)与えられた条件から4次元の多項式を決定する問題である。f(x)を2次式g(x)で割ると商Q(x)は2次式で余りは1次式になる。すなわち、f(x)=g(x)Q(x)+R(x)と書くことができる。このことが、一橋大学のこの入試問題の基本である。与えられた2つの条件から2つの式を書き、展開してx⁴,x³,x²,x,定数項の係数を比較する。(解法)の方針をすぐに立てることのできる比較的やさしい問題である。ひたすら計算するといったところか?特に、解説を書く必要もないであろう。ちょっと休息(1)サクランボのなる桜サクランボのなる桜の木の花が、満開である。今年は、今まで以上に花が咲いている。私は、今までにこの桜の木になったサクランボを2個しか食べたことがない。今年は、多くの実を食べることができ...4次多項式の決定~2024年度前期日程の一橋大学入試問題より

  • 2024年度岐阜県公立高校数学入試問題

    2024年3月10日(日)岐阜県の公立高校の入学試験が3月5日(一部は、6日も実施)に行われた。私は毎年ブログに数学の問題と県教委からの解答、そして私自身が解いて方法による解説を掲載している。今年も、ブログに載せることとした。ただし、私自身忙しくてじっくり考えて解いている時間的余裕がなかった。数学の問題と県教委からの解答や出題のねらいは、岐阜新聞の朝刊から引用させていただいた。切り貼りで、読みにくい状態になった。また、私自身の解答は、ノートに殴り書きなような状態になった。手書きで、十分見直しをすることもできなかったので、誤字・誤植の類や他の面で誤りがあったらご容赦願いたい。まず、全体的な感想を述べる。2~3年前に比べるとやさしかったとの印象である。平均点も50点前後であろう。それでも、中学生が解くのに難し...2024年度岐阜県公立高校数学入試問題

  • 群の準同型定理3 ~その発展

    2024年3月8日(金)群の準同型定理の3回目である。群の準同型定理1~その準備(2024年2月29日)群の準同型定理2~その証明(2024年3月4日)今回は、群の準同型写像の発展として第1同型定理と第2同型定理をあげておこう。これらは、群の準同型定理から直ちに導くことができる。ところで、私がこのブログを整理するために大いに参考にさせていただいた志賀浩二『数学30講シリーズ8群論への30講』(朝倉書店、1989-0825)に群の準同型写像に興味ある解説がなされている。長くなるが、引用させていただく。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・準同形定理が意味するものΦG→G’π↓~Φ↗G/K上の図式が示すように、同型対応~Φで、G/KとG’を群として同...群の準同型定理3~その発展

  • 数列と積分法の融合問題 ~2024年度前期日程の北海道大学理系の入試より

    2023年3月6日(水)北海道大学理系のこの入試問題をみたとき、面白い問題だと感じた。定積分の部分は定数になるが、この定積分をA_nとおくことが大事である。そして、A_(n+1)を考えて数列{A_n}についての隣接2項の漸化式を作ることから始める。そこらあたりの留意点については、本文の前書き部分で触れた。あまり見られない数列の問題であるが、問題自体は難しくない。(解法)の方針も立てやすいだろう。ちょっと休息(1)申請した面接授業2科目がすべて当選選科履修生として再入学申請した結果が、システムWAKABA上に合格であることが掲載された。授業料が完納された後、入学許可書が発送されてくる。これによって、申請した面接授業2科目の当落を確認できるようになった。上の表を見ればわかるように、面接授業2科目とも当選できて...数列と積分法の融合問題~2024年度前期日程の北海道大学理系の入試より

  • 群の準同型定理2 ~その証明

    2024年3月4日(月)前回群の準同型定理1~その準備(2024年2月29日)につづいて、このブログでは群の準同型定理の証明を与える。群Gから群G’への準同型写像f:G→G’とは、a,b∈Gにおいてf(ab)=f(a)f(b)を満たす写像を言う。fが全単射写像(1対1対応)になるとき、同型写像という。いわば、準同型写像とは、fによって演算が保たれる写像のことである。準同型写像は、群のみならず環や体あるいはベクトル空間等の写像でも定義できる。群の準同型定理の概略については、本文のはじめの方に述べてある。この記述を参考に、群の準同型定理の証明がなされている。そのあと、正規部分群と準同型定理との関係に触れられている。この部分は、群論のひとつの核心部分である。ちょっと休息(1)この3日間の過ごし方3月1日(金)は...群の準同型定理2~その証明

  • 微分法・積分法の応用問題 ~2024年度関西学院大学文系の入試より

    2024年3月2日(土)2024年度の関西学院大学文系の入試問題を取りあげてみた。現行数学Ⅱの微積分の応用問題である。扱われている関数は、絶対値の入った2次関数である。2次関数であるから、数学Ⅰの知識も必要である。基本点な問題で、(解法)の方針も立てやすい。また、定積分の計算なども難しくない。与えられたf(x)のグラフをきちんと書くことがポイントだと思う。ちょっと休息(1)2月29日のFacebook投稿より今日は、サークル「おもしろ物理」の活動日ででした。発表者は私で、私立中学校の入試問題をとりあげました。8時45分頃に岐阜学習センターに着きました。9時までいつもの人と歓談してから、視聴覚スペースに入りました。10時に岐阜教育事務所教育支援課に行く用事がありましたので、すぐに『樋口一葉の世界'23』の第...微分法・積分法の応用問題~2024年度関西学院大学文系の入試より

  • 群の準同型定理1 ~その準備

    2024年2月29日(金)群の定義は,単純である。(定義)集合Mに積と呼ばれる演算が定義されていて、次の3条件が満たされるとき、Mを群という。(1)∀a,b,c∈Mに対して、(ab)c=a(bc)結合法則(2)∀a∈Mに対して、ae=ea=aとなる単位元e∈Mが存在する。単位元eの存在(3)∀a∈Mに対して、逆元a^-1∈Mが存在し、aa^(-1)=a^(-1)a=eがなりたつ。逆元の存在このように、群の定義は単純である。定義が単純だからであろうか、群は数学の多くの分野に広い応用を持っている。群論の中で、特に重要な定理のひとつが、準同型定理である。今後、3回にわたって群の準同形定理を述べていこう。今回は、その準備として基礎的な概念を見ていこう。重要な概念として、準同型写像、部分群、写像fの核kerf、商集...群の準同型定理1~その準備

  • 直方体の2つの容器に入った水の高さの問題 ~2024年度ラサール中学校入試の1題より

    2023年2月27日(火)今ブログでは初めて、中学校の算数の入試問題をとりあげる。今年度のラサール中学校の問題6問中(試験時間60分)の1問である。以前にも書いたことがあるが、私はいわゆる有名私立中学校の算数の入試問題は苦手である。私の知りうる数学の知識を総動員すれば解けないことはないが、算数の問題として解くことは難しい。まして小学校6年生に説明することなど出来ない。最も算数的な解法と数学的な解法と言うような明確な区別があるわけでないが、ここでは小学校算数で習う範囲での解法を算数的な解法と言うことにしよう。都市部の進学塾では、有名私立中学校の入学試験対策が盛んに行われている。そして、中学受験の専門の講師が求められている。数学が得意なだけではダメで、中学入試の算数の指導に精通した講師が求められる。私は年をと...直方体の2つの容器に入った水の高さの問題~2024年度ラサール中学校入試の1題より

  • 平面ベクトルの図形への応用問題 〜2 0 2 4年度同志社大学理系の入試より

    2024年2月25日(日)今回も、2024年度の私立大学の入試問題をとりあげよう。同志社大学理系の記述問題で、4問出題された中で一番やさしい問題である。ベクトルの図形(三角形)への応用で、この種の典型的な問題である。ただ、ベクトルBMの大きさがxで与えられていることもあって、小問(2)以降は計算の過程でXを含んだ式を扱うことになる。とはいっても、計算自体は複雑なものではない。図をきちんと書いて、じっくり解いていってほしい。平面ベクトルの図形への応用問題〜2024年度同志社大学理系の入試より

  • 放送大学「情報」コースの卒業認定と学位記授与式の案内が郵送されてきた

    2024年2月23日(金)はじめに放送大学本部および岐阜学習センターから学位記授与式(卒業式)関連の文書が送付されてきた。本部からの学位記授与式関連の文書は、「卒業の認定について」と「2023(令和5)年度放送大学学位記授与式等のご案内」と出席ハガキであった。学位記授与式(卒業式)関連の文書は、今回の送付が最後のものとなる。上記以外の本部からの文書は、学位記授与式の後に行われる本部・同窓会共催の「2023年度『卒業・修了祝賀パーティー』のご案内」文であった。この文書にその会費(13000円)および同窓会への寄付の振込用紙が同封されていた。こちらは、掲載する必要がないであろう。また、別封筒で毎学期送付される今学期の「成績結果表」と、入学したときからの「基盤科目・コース別の修得単位と成績結果」が用紙で送られて...放送大学「情報」コースの卒業認定と学位記授与式の案内が郵送されてきた

  • 代数学の基本定理の証明 ~複素解析学による方法

    2024年2月21日(水)代数学の基本定理とは、複素係数のn次代数方程式は、複素数の範囲で少なくとも1つの解をもつと言う基本的は定理である。この定理から、因数定理が導かれる。代数学の基本定理の証明には、いろいろな方法がある。まず、複素解析を用いない初等的な証明が、次のホームページ高校数学の美しい物語代数学の基本定理とその初等的な証明に記載がある。また、Wikipedia代数学の基本定理の項目のなかにも、初等的な証明が紹介されている。次に、複素解析を使う証明である。これには、まず第1に私がこのブログで紹介したリウヴィルの定理を用いる方法と、ルーシェの定理を用いる方法が知られている。ルーシェの定理を用いる証明は、Wikipediaのなかの代数学の基本定理に証明の記載がある。あまり知られてない証明として、微分位...代数学の基本定理の証明~複素解析学による方法

  • 三角形についての基本的問題 ~2024年度関西大学文系学部の入試問題

    2024年2月19日(月)2024年度新入生を対象とした私立大学の入学試験も、メインの部分はほぼ終盤になりつつある。国公立大学の2次試験も、前期日程が2月25日(日)から始まる。本ブログでは、2023年度も含めて2024年度の入試問題をとりあげていきたい。今回は、簡単な関西大学文系の問題を解いてみた。私立大学は受験者数が多いこともあって、数学の問題では空欄補充の客観テストが大部分である。記述式の問題は、この関西大学の問題のように3問中の1問である。他の私立大学(例えば同志社大学)も同様である。私がこのブログで私立大学の入試問題をとりあげることが少ないのは、この理由による。また、2024年度の入試問題をとりあげる際、今後7月ぐらいまでは早慶・関関同立などの有名私立大学や旧帝大系の国立大学と大阪公立大学等の大...三角形についての基本的問題~2024年度関西大学文系学部の入試問題

  • 2023年度2学期の単位認定試験の成績発表 & 放送大学エクスパート『環境科学の基礎』の申請

    2024年2月17日(土)2023年度2学期の単位認定試験の成績発表2023年2学期の単位認定試験の成績が、全科履修生については2月16日の午前10時から教務システムWAKABA上で発表された。単位認定試験については、次のブログで述べた。2023年度2学期の単位認定試験を受験する&本部・岐阜学習センターから継続入学の案内が来る(2024年1月16日)2月14日17時近くにシステムWAKABAにアクセスしたとき、学位情報が記載されていた。この時点で教授会による卒業認定がなされたのだろうか?成績発表より前なのに・・・と、妙な印象を持った。この結果、2月16日の成績発表後の予定を前倒しする結果となった。学位情報この2学期の卒業見込みの学生は成績発表後に継続入学手続きをすることが求められていたが、学位情報の更新が...2023年度2学期の単位認定試験の成績発表&放送大学エクスパート『環境科学の基礎』の申請

  • 2項係数の問題 ~2023年度前期日程の一橋大学入試問題より

    2023年2月15日(木)2項定理の定義から式変形をして問題を解いていく、一橋大学の入試問題である。こうした階乗!の入る文字係数の式を計算することに慣れていない受験生には、難しく感じるかも知れない。解法のポイントは本文に述べられている。要は与えられた式が最終的に(2k-n)²=n+2と変形が出来て、(2k-n)²が平方数であるからn+2も平方数であることがわかる。このことから、nを決めることが出来るわけである。階乗計算をていねいに行うことが必要である。ちょっと休息2月13日のfacebook投稿より(1)セミナー『日常生活の中の数学・物理』に参加今日は、田中光宏先生のセミナー『日常生活の中の数学・物理』がある日でした。対面で参加するために、岐阜学習センターに出かけました。8時45分頃に岐阜学習センターに到...2項係数の問題~2023年度前期日程の一橋大学入試問題より

  • フレネル積分

    2024年2月13日(火)フレネル積分は、「不定積分はできないが定積分ならできる」典型的な例である。すなわち、不定積分∫sinx²dxは初等関数で表すことができないが、広義積分∫_[0,∞]sinx²dxまたは∫_[0,∞]sinx²dxは、計算できる。なお、このブログでは∫_[0,∞]sinx²dxを求めているが、∫_[0,∞]cosx²dxも同じ値となる。また、積分区間を[-∞,∞]にした∫_[0,∞]sinx²dx=∫_[0,∞]cosx²dxを考えてもいい。フレネル積分を計算するには、コーシーの積分定理を用いる。そして、複素平面上で積分経路を適切にとって、この定理を適応する。計算の途中で、Γ(ガンマ)関数やベータ関数を用いている。フレネル積分の証明と解説は、次のブログ高校数学の美しい物語「フレネル...フレネル積分

  • √ を含んだ数列の漸化式 ~2023年度前期日程の横浜国立大学理工学部・都市科学部入試問題

    2024年2月11日(日)数列の漸化式の問題は、国公立大学の2次試験では、多く出題される。2023年度だけでも、東北大学・横浜国立大学・東京医科歯科大学・秋田大学・岐阜大学・名古屋工業大学・・・など実に多い。漸化式の形態は様々であるが、よく出題される理由は「数列」の単元では問題が作り易いからであろうか?漸化式の問題の多くは、等差数列・等比数列・等差数列×等比数列または階差数列に帰着させる場合が多い。横浜国立大学のこのぶろぐでとりあげた問題も、最終的には等比数列に帰着して極限値を求めている。今回の横浜国立大学の漸化式は、√を含んでいる。このような問題では、まず特性方程式の解αを求め、 a_n-α <β|a_n-1ーα|<β²|a_n-2ーα|<・・・を考えると、うまくいく場合がある。本ブログの問題も、このよ...√を含んだ数列の漸化式~2023年度前期日程の横浜国立大学理工学部・都市科学部入試問題

  • 零因子

    2023年2月9日(金)複素数の世界ではAB=0⇔A=0またはB=0である。A≠0またはB≠0でAB=0となるA,Bは存在しないことがわかっている。しかし、行列の世界ではA≠0またはB≠0でAB=0となるA,Bが存在することがあるわけである。このようなA,Bを零因子という。本ブログでは、行列の零因子についてみておこう。まず、高校数学の関連部分を新課程の数学Cからの教科書(数研出版『数学C』からみておこう。『数学C』は単元を選択して履修することになっているので、行列を学習する高校生は少数であろう。その後、零因子について述べる。高校数学の範囲にこだわらず、自由に記述することとする。数研出版教科書『数学C』より引用ちょっと休息(1)発表前に単位認定試験の合否を知る裏技~2月7日のFacebook投稿よりXの書き...零因子

  • 複素(数)平面上の正三角形 ~2023年度前期日程の岐阜大学理系(数学Ⅲ必須)入試問題より

    2024年2月7日(水)私の母校である岐阜大学の入試問題をとりあげる。前回、基本的な数列の漸化式の問題~2023年前期日程の岐阜大学地域科学部等入試より(2024年1月13日)で岐阜大学の文系学部の数列に関する入試問題を紹介したが、今回は理系学部の複素(数)平面と正三角形にに関する数学Ⅲの問題である。新課程では、数学Cに移る。これら2問を解いて見ればわかるように、最近の岐阜大学の入試問題は比較的基礎・基本を問う問題が出題されている。それだけに、数学の得意な受験生には、高得点が期待されよう。問題について。小問(1)と小問(2)は、すぐわかるやさしい問題である。小問(3)がこの大問のメインである。ただ、難しくない。ちょっと休息2月6日のfacebook投稿より学びの記録今日も、岐阜学習センターに出かけました。...複素(数)平面上の正三角形~2023年度前期日程の岐阜大学理系(数学Ⅲ必須)入試問題より

  • 曲線の接線と導関数 ~f(x)=x^(1/3)のx=0における接線x=0とf'(0)との関係を考える

    2023年2月5日(月)一般に関数f(x)があって、f(x)上の点A(a,f(a))でf'(a)が存在する⇒y-f(a)=f'(a)(x-a)は成立する。しかし、その逆点A(a,f(a))で接線を引くことができる⇒は成立するだろうか?結論から言えば、逆は成立しないということになる。この定理の逆での反例が、本文で紹介したとおりである。このことは、微分可能性と接線の定義が必ずしも同一でないことを意味している。ライプ二ッツは接線の定義「無限に近い二点を通る直線」として現代的な定義を与えた。この意味では、本文の曲線のx=0での接線x=0は、やはり接線であろう。(注意)本文1枚目の2つの図は、啓林館版の高橋洋一郎編『数学Ⅱ』の教科書に掲載されていたものを引用させていただいた。ただし、その教科書は旧課程のものである。...曲線の接線と導関数~f(x)=x^(1/3)のx=0における接線x=0とf'(0)との関係を考える

  • 空間内の2点を通る直線の方程式、3点を通る平面の方程式

    2024年2月3日(土)現行の数学Bのベクトルの内容である。新課程では、数学Cに移行する。空間内にある直線・平面の方程式を、ベクトルの性質の利用で求めるもである。直線の方程式は、1点と方向ベクトルを利用する。平面の方程式は、1点と法線ベクトルで求めることができる。法線ベクトルは、ベクトルの外積を用いるのが簡単で一般的であるが、高校数学では一部の教科書以外は記述がない。そこで計算が多少面倒になるが、ベクトルの内積を利用して求めることもできる。これらの直線の方程式、平面の方程式は空間(3次元)で求めているが、何次元でも同様にできる。今回、この解析幾何学の基礎事項を整理しておくのがいいと思い、整理して見た。ちょっと休息2月2日のFace投稿より投稿より学びの記録1月26日(火)に続いて、50分過ぎに今日も岐阜学...空間内の2点を通る直線の方程式、3点を通る平面の方程式

  • ウオリスの公式2 ~ウオリス積分からガウス積分へ

    2024年2月1日(木)前回、ウオリスの公式を次のブログで証明した。ウオリスの公式1~その証明(2024年1月27日)今回は、ウオリスの公式を用いてガウス積分を導く。ガウス積分は、本文にあるように普通2重積分を用いて証明される。そのガウス積分の証明についてはガウス積分(2023年8月19日)で述べた。参照にしていただきたい。また、このブログでもいくつかのガウス積分の証明がなされている。ウオリスの公式の応用として、このブログを気楽に読んでいただきたい。ウオリスの公式2~ウオリス積分からガウス積分へ

  • 海津市の新設統合小学校である海津小学校のPTAと学校のあり方 ~高須小学校からの保護者への配布文書

    2024年1月30日(火)はじめに海津市ではこの4月1日に、海津地内の5つの小学校が統合して新設の海津小学校が開学する。5つの小学校とは、高須・西江・大江・吉里・東江小学校のことで、新設の海津小学校は旧高須小学校の校地・校舎を利用することになる。その海津小学校において学校とPTAとのあり方がどのような関係になるのか、以前から強い関心があった。それに先立ち北方町の北学園・南学園のPTAの問題に取り組んだのは、海津市内の小学校統合を意識してのことであった。(北方町では、取り組み始めた当時の予想と大きく異なることがおきて長引いてしまった。)学校が統合されるときに、教育委員会事務局内に統合委員会のような組織ができて、そこでPTAのあり方が検討されることが多い。PTAは確かに任意団体であるけれど、新設校のPTAにつ...海津市の新設統合小学校である海津小学校のPTAと学校のあり方~高須小学校からの保護者への配布文書

  • 1月26日のFacebook投稿から2題

    2024年1月29日(日)サークル「おもしろ物理」に参加した1月26日私は放送大学岐阜学習センターでのサークル『おもしろ物理』に参加している。毎月1回、各メンバーが物理学・数学その他について提案したい人がレポートやプレゼンテーションもしくは口頭で発表して、自由に議論する活動をしている。毎月の金曜日の14時から16時が活動日であるが、メンバーの都合で活動日の変更はある。活動日には朝8時前に家を出て、岐阜学習センターに出かける。午前中は視聴覚スペースで放送授業等を視聴するのがいつもの行動パターンである。しかし、この日は海津市役所で9時から情報公開請求の文書を受け取る必要があった(この公開文書は、学校とPTAとのあり方に関する文書であるので、後日ブログで公開する)ので、午前中に岐阜学習センターの学びをやめてマー...1月26日のFacebook投稿から2題

  • ウオリスの公式1 ~その証明

    2024年1月27日(土)ジョン・ウオリスは、17世のイングランドの数学者である。解析幾何学、積分等多方面に活躍した。ウオリスの公式については、本文で述べてある。美しい無限乗積に関する公式である。本文のウオリスの公式の左辺は、n!!を用いてlim_n→∞(2n)!!^2/(2n-1)!!(2n+1)!!と表すこともできる。ここに、n!!は例えば10!!=10・8・6・4・211!!=11・9・7・5・3・1とひとつ飛びに順にかけていく記号である。本ブログでは、ウオリスの公式1~その証明ウオリスの公式2~~ウオリス積分からガウス積分へをとりあげる。なお、ウオリスの公式を高校数学の範囲で証明した紹介が高校数学の美しい物語にある。ここでは、3通りの証明方法が紹介されている。おおいに参考になる記事である。ちょっと...ウオリスの公式1~その証明

  • 漸化式が階差数列となる数列 ~2023年前期課程の新潟大学文系入試より

    2024年1月25日(木)階差数列{b_n}とは、b_n=a_(n+1)-a_nで表すことできる数列のことを言う。階差数列については、本文のはじめで一応の説明をした。階差数列から元の数列を求める場合、階差数列の和を求めることが必要がある。その公式は、本文で述べてある。多くは、階差数列が等差数列や等比数列、たまに等差数列×等比数列を含んだ数列になる場合が多い。ここでとり上げた新潟大学の問題の場合は、小問(2)で等比数列を含んでいる。問題としては基本的なので、小問の順に解いていけばいい。漸化式が階差数列となる数列~2023年前期課程の新潟大学文系入試より

  • グリーンの定理からコーシーの積分定理へ

    2024年1月23日(火)単純閉曲線CとCで囲まれた領域Dでの線積分と重積分の関係を表したグリーンの定理をとり上げてみた。グリーンの定理派兵面の場合の定理であるが、空間の場合にも同じような定理が成り立つ。それを、ストークスの定理という。ここでは、触れないことにする。グリーンの定理から、本文で見るように複素解析で有名なコーシーの定理が導かれる。ただ、この方法による証明は、どうしてもf'(z)の連続微分可能性を仮定する必要がある。一般のコーシーの定理はこれを仮定しない。グリーンの定理からコーシーの積分定理へ

  • 岐阜県教委教育管理課から受理された「苦情等審査申立」の調査結果が郵送されてくる ~嘘で固めたあきれた回答

    2023年1月21日(日)受理された「苦情等審査申立」の調査結果が岐阜県教育委員会教育管理課から郵送されてきた。この審査結果を読んで、ひどい審査結果だと思った。なぜ、ひどい調査結果であるとの理由は、後述する調査結果への教育管理課への抗議と教育総務課への情報提供で詳しく述べた。それを読んでほしい。また、「苦情等審査申立」や審査受理書については、ブログ県教委教育管理課に提出した5月25日付の「苦情等対応審査申立書」が一部受理される(2023年10月14日)を見ていただきたい。受付から4ヶ月以上もほっておいて受理・不受理の通知を出し、挙げ句の果てにこのような「苦情等審査申立」に対するでたらベな調査結果が今後も出されるならば、「苦情等審査申立」制度そのものが意味のないものとなる。強い危機感を感じる。それゆえ教育管...岐阜県教委教育管理課から受理された「苦情等審査申立」の調査結果が郵送されてくる~嘘で固めたあきれた回答

  • 定積分の応用・面積 ~2023年度前期日程の横浜国立大学理工学部・都市科学部入試問題より

    2024年1月19日(金)横浜国立大学の理工学部の2次試験では、いつも微分積分の基本的な計算問題が出題される。その多くが、基本的な問題である。今回も同様である。見かけは難しく感じるが、解いてみると難しく思わなかった人も多かったことでしょう。小問(1)のC₁,C₂の交点を求める問題で(cosx)^n=(sinx)^n⇔cosx=sinxは、nが正の整数であるので、すぐわかると思う。cosx=sinxから0≦x≦π/2において、x=π/4が解であることはすぐに求めることができよう。これがわからないと、求める定積分の上端が決まらない。小問(2)・(3)の定積分の計算は、三角式変形式変形を駆使することになる。積分は最終的に∫(sinnx)dx∫(cosnx)dxの形にする必要がある。なお、小問(3)についてはこれ...定積分の応用・面積~2023年度前期日程の横浜国立大学理工学部・都市科学部入試問題より

  • 2023年度2学期の単位認定試験を受験する & 本部・岐阜学習センターから継続入学の案内が来る

    2024年1月17日(水)単位認定試験を受験した感想1月16日(火)9時から1月24日(水)までの間に、2024年度2学期の単位認定試験の期間である。この間なら好きな時間にどこの場所でも、単位認定試験の受験ができる。私は何があるかわからないので、いつも初日か2日目に受験することにしている。今学期は、16日の午前中に受験した。まだ単位認定試験が始まったばかりであるから、試験内容に関わることは記載しない。一応、受験した感想を述べておこう。まず最初に受験したのは、『生物環境の科学'16』である。放送授業の名称からわかるように、生物学の生態学に関する科目である。私は生物学が得意でないが、この科目は面白かった。15講分の放送授業はきちんと聴講した。開講年度が16年と古いこともあって、私が所持している単位認定試験の過...2023年度2学期の単位認定試験を受験する&本部・岐阜学習センターから継続入学の案内が来る

  • 2023年5月19日の海津市定例教育委員会の決定に関する私の質問と市教委からの回答

    2024年1月15日(月)はじめに私は2023年5月9日に、岐阜県海津市教育委員会宛てに入退会自由な任意団体であるPTAに対する学校のありかたについて陳情書を提出した。その主たる内容は、後に出てくる岐阜県教育委員会の2つの事項を校長が保護者に周知させるために文書を出すよう求めることであった。この陳情書について、5月19日の定例教育員会で次のような結論が出された。5月19日の海津市定例教育委員会会議録より抜粋海津町地内5つの小学校を新設統合して海津小学校が開学するまで3ヶ月を切ることとなった。そこで、確認の意味もあって海津市教育委員会に市のホームページ上から質問を行った。年が明けた2024年1月8日だった。その回答が1月12日に寄せられた。以下、その質問と回答を記しておく。なお、陳情書は学校が校長とPTA会...2023年5月19日の海津市定例教育委員会の決定に関する私の質問と市教委からの回答

  • 基本的な数列の漸化式の問題 ~2 0 2 3年前期日程の岐阜大学地域科学部等入試より

    2024年1月13日(土)岐阜大学は私の母校である。今は岐阜市北西部に全学統合されているが、私が在学していたときは、長良北町に教養部(注)と教育学部があった。統合後の岐阜大学教育学部へは40歳になる前に、科目履修生として半年間週に1回通ったことがあった。いい思い出になっている。母校と言うことでもないが、以前にもとり上げた岐阜大学地域科学部等文系に該当する学部の入試問題を再掲載した。数学Bの数列の漸化式の問題で、基礎的な問題だと言っていいだろう。ただし置き換えが頻繁に行われるので、何をどう置き換えたかをしっかり認識して解いていくことが必要である。誘導にしたがって、小問(1)から順に解いていく。(注)当時の教養部は、放送大学の教養学部と違って全学部の一般教養科目(人文・社会・自然3系列36単位)、語学(第一外...基本的な数列の漸化式の問題~2023年前期日程の岐阜大学地域科学部等入試より

  • 2変数関数の全微分可能性

    2024年1月11日(木)私の高校時代によく利用した数研出版のチャート式数学のシリーズ、今回懐かしさもあってその大学教養数学版の加藤文元監修『チャート式シリーズ大学教養微分積分』(数研出版)をパラパラとめくっていた。そこに2変数関数の全微分可能性の問題があったので、この際振り返って見るのもいいと思ってとり上げてみた。1変数関数y=f(x)上のある点での微分可能性は、その点で接線が引けると言うことである。これにたいして、2変数関数z=f(x,y)上のある点での微分可能性は、その点で接平面が張れるということを意味する。全微分は、dz=(δf/δx)dx+(δf/δy)dyと表すことができる。デルタがδとしか表すことができないので、このように表しておく。全微分は、1変数関数の微分の概念の自然な拡張である。全微分...2変数関数の全微分可能性

  • 独立・反復試行の確率の問題 ~2023年度前期日程の滋賀県立大学工学部・環境科学部入試より

    2024年1月9日(火)久しぶりに、数学Aから「場合の数と確率」(数研出版の『数学』の単元名)の問題をとりあげる。本文に述べた以上に、ここで追加する事項ははない。標準的な問題であるが、小問(1)~小問(3)はやさしい。とにかく解いていこう。ちょっと休息海津市教育委員会へ2023年5月19日の教育委員会の議事について問い合わせ私は2023年5月9日付けでのような陳情をした。海津小学校に統合する前の各小学校の校長が保護者宛に・PTAは入退会自由な任意団体である・PTA非加入の家庭の子どもたちが悲しい思いをすることのないよう配慮することの2項目を記した文書を配布し、保護者に周知させていただきたい、という内容であった。これに対して、2023年5月19日の教育委員会で議論されて、・(文書は)PTA会長と校長の連名と...独立・反復試行の確率の問題~2023年度前期日程の滋賀県立大学工学部・環境科学部入試より

  • 不定積分 ∫{1/ax²+bx+c)}dxの計算

    2024年1月7日(日)大学1年生の微分積分学の講義でよく出てくる不定積分∫{1/ax²+bx+c)}dxの計算を扱ってみた。被積分関数が文字係数になっていることもあって、場合分けが必要となる。被積分関数の分母がax²+bx+cの2次式で、=0とおいた判別式b²-4acの正の平方根をとる関係で、場合分けが必要となるわけである。すなわち、b²-4ac>0のとき√(b²-4ac)b²-4ac<0のとき√(4ac-b²)としなければならないからである。文字係数の入った被積分関数の不定積分の計算は、上述したような場合分けや文字係数独特の計算のわずらしさがあり、やさしくない。計算のミスも起こりやすいので、確かめながらゆっくり進めよう。不定積分∫{1/ax²+bx+c)}dxの計算

  • 今後の私に関係する放送大学の行事と学び

    2023年1月5日(金)放送大学の2023年度2学期も,あと3ヶ月となった。私も、3月末日で「情報」コースを卒業することもあって、その卒業に関連する行事も行われる。とにかく、この1月から3月は、忙しくなる。多くは予定された行事などであるが、1学期と変わることもある。そのひとつが毎月行われている岐阜学習センターの客員教員によるセミナー(私はブログでは「ゼミ」と表現してきた)の開講形式である。私は現在、田中光宏先生の『日常生活のなかの数学・物理』と小川陽子先生の『百人一首の世界』に参加している。いずれもコロナ禍以降1学期も、毎月1回自宅からのオンライン参加であった。このうち、田中先生のセミナーに変更がある。まず1月から月2回になる。そして、参加形態であるが、今後は岐阜学習センターでの対面か、従来通りの自宅での...今後の私に関係する放送大学の行事と学び

  • 無理数に関する命題と証明等の問題 ~2023年度後期日程の大阪教育大学数学・情報関係の専修の入試より

    2024年1月3日(水)正月から数学で申し訳ないが、気持ちを新たにして問題に向かってみよう。今回は、無理数√3に関する命題を証明する問題である。小問(1)・小問(2)・小問(4)がそれに該当する。高校生は、このような数に関する論証問題を苦手とするであろう。それでも、本ブログで取りあげた大阪教育大学数学・情報関係の専修の入試問題は、以前にとり上げた整数(倍数)の論証問題~2023年前期日程の富山大学医学部・薬学部・理学部(数学科)入試より(2023年12月26日)より遙かにやさしい。より基本的な本ブログの証明問題をじっくり取り組んでみるといいと思う。本ブログでは、現行の数学の「数学と人間の活動」(数研出版の「数学A」)で扱われる内容である。2025年度の大学入学共通テストで新課程となった数学のこの部分がどの...無理数に関する命題と証明等の問題~2023年度後期日程の大阪教育大学数学・情報関係の専修の入試より

  • 新年、あけましておめでとう!

    2024年1月1日(月)今年も私のブログ「ある数学愛好者のひとり言」をよろしくお願いします。新年、あけましておめでとう!

  • 未知の三角形の辺の長さを求める ~ネット上にあった問題より

    2023年12月30日(土)あと少しで2023年も暮れる。いつもなら、今年の振り返りをするのが普通であるが、いろいろなこともあって、整理がついているわけでない。今年の振り返りをしないこととした。放送大学の学びについては、2023年度末(2024年3月31日)が区切りとなる。2024年の初めは、2023年からの継続であるので、特に意味があるわけでない。こちらも書く必要性を感じない。さて、今回のブログはネット上にあった未知の三角形の辺の長さを求める問題を取りあげて見た。私はこの問題を見たとき、すぐに解法を思いついた。だから、やさしい問題だと思った。最初に思いついたのが、余弦定理を使う(解法)であった。問題で、与えられた三角形が二等辺三角形であるから、∠Bに注目して公式を適応すれば、解ける。その後、与えられた三...未知の三角形の辺の長さを求める~ネット上にあった問題より

  • Vandermondeの行列式

    2023年12月28日(木)行列式の計算だけでなく、Vandermondeの行列式を利用すると因数分解もできることになる。たとえば、例題1で、左辺の行列式を直接をサラスの方法で展開した式と右辺の式とを比較するとa²b+b²c+c²a-ab²-bc²-ca²=(a-b)(b-c)(c-a)と因数分解できることになる。いろいろな数学の場で利用価値の多いVandermondeの行列式について紹介したい。ちょっと休息正月準備12月28日は大掃除。12月29日午前中は、弥富のイオンタウンのビッグで正月の買い物。2023年、あと3日となった。Vandermondeの行列式

  • 整数(倍数)の論証問題 ~2023年前期日程の富山大学医学部・薬学部・理学部(数学科)入試より

    2023年12月26日(火)富山大学の理系の入試問題で、整数に関する論証問題をとりあげる。命題P(n)z^3^n-z^3^(nー1)≡0(mod3^n)を証明する問題である。小問(1)のP(1)の証明、小問(2)のP(2)の証明は、小問(3)のP(n)の証明に対する準備(補助定理)の役割を果たしている。数学的帰納法を持ちいて、小問(3)のP(n)の証明を行うわけである。小問(1)の証明は、容易である。小問(2)の証明は、式の変形の工夫が必要で、それなりに難しい。そして、小問(3)は、やや難問である。本ブログでは高校数学の教科書には載っているが、本格的に学習しない合同式を積極的に利用した。それは、例えば3で割って1余る整数を表すのにn=3k+1(k整数)と表す代わりにn≡1(mod3)と表記した方が、論述が...整数(倍数)の論証問題~2023年前期日程の富山大学医学部・薬学部・理学部(数学科)入試より

  • ベータ関数

    2023年12月24日(日)本ブログの最後に述べられているように、ベータ関数は、Γ関数(ガンマ関数)を用いて、Β(p,q)=Γ(p)Γ(q)/Γ(p+q)のように定義することもできる。ベータ関数は、Γ関数(ガンマ関数)と密接な関係がある。このブログのΓ関数(ガンマ関数)の次の記事を参照にしていただきたい。Γ(ガンマ)関数の基礎的事項(2023年12月6日)Γ(ガンマ)関数の負の数への拡張(2023年12月10日)本ブログでは、ベータ関数を本来の定義である定積分を用いた。そして、Β(p,q)=Γ(p)Γ(q)/Γ(p+q)は定理として導いた。ベータ関数の出発点をどこに求めるかは自由であるが、ここではオーソドックスな定義を選んだ。ちょっと休息12月22日のFacebook投稿(1)学びの記録今日は予定外でした...ベータ関数

  • 2次方程式の解の存在範囲 ~2023年前期日程の神戸大学文系入試より

    2023年12月22日(金)2次方程式の実数解の存在範囲を求める神戸大学文系の入試問題である。実数解の存在範囲といえばまず思いつくのは、2次方程式の判別式の利用である。例えば、実数mを係数とする2次方程式x²+mx+2m²-1=0があるとき、①実数解をもつときのmの範囲D=m²-4(2m²ー1)=-7m²+4≧0-2/√7≦m≦2/√7②実数解xの範囲2m²+xm+x²-1=0D’=x²-4・2(x²-1)=-7x²+8≧0-2√2/√7≦x≦2√2/√7というように、実数解を持つときのmの範囲も、実数解xの範囲を求めることができる。2次方程式の解の音材範囲を求めるのに,判別式は基本的な技法である。本ブログで取りあげた問題も、小問(1)は判別式を用いる。小問(²)以降は、2次関数のグラフから求める。なお、...2次方程式の解の存在範囲~2023年前期日程の神戸大学文系入試より

  • 初等幾何学2題 ~2023年前期日程の静岡文化芸術大学入試

    2023年12月20日(水)公立の静岡芸術文科大学の入試問題で、初等幾何学の範囲の問題2問をとりあげる。いずれも基本的な問題ばかりである。大問1は、円の面積に関する問題であって、中学数学として解くこともできる。大問2は、チェバの定理・メネラウスの定理を使う問題で、この定理に辺・線分の長さを代入するだけでこちらもやさしい。いずれもできなければならない基本的な問題ばかりである。図はいずれも入試問題集の解説旺文社刊『2024年度受験用全国大学入試問題正解数学追加掲載編』からの引用である。ちょっと休息12月19日のFacebook投稿より学習の記録今日は少なくとも1週間に1回、岐阜学習センターに出かけて自習する日でした。8時40分ぐらいに岐阜学習センターに到着しました。まだ時間が早すぎて、視聴覚スペースが空いてい...初等幾何学2題~2023年前期日程の静岡文化芸術大学入試

  • 2024年度岐阜県採用の教員採用2次試験3 ~中学校種理科の模擬授業

    2023年12月18日(月)模擬授業の理科としては、中学校種の場合のみとりあげる。高等学校理科については、今年は1次試験の問題もコピーをしてこなかったコピーをしてこなかったこともあって模擬授業の方もとりあげなかった。何より私は昔、中学校の理科は得意中の得意科目であったが、高等学校の理科は苦手な科目の方であった。今でこそ物理・地学はよくわかるようになったが・・・。今回が2024年度岐阜県採用の教員採用試験をとりあげる最後となる。中学校種理科の模擬授業試験問題リンク集1次試験〇2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験1~教職教養(全校種共通)(2023年11月27日)〇2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験1~中学校数学の教科専門(2023年11月28日)〇2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験1~中学校...2024年度岐阜県採用の教員採用2次試験3~中学校種理科の模擬授業

  • 2024年度岐阜県採用の教員採用2次試験2 ~小学校種算数、中学校種、高等学校種の数学の模擬授業

    2023年12月17日(日)小学校種算数、中学校種数学の模擬授業の試験を掲載する。模擬授業の試験の受け方は、問題文の中に記されているので、よく読んで実践してほしい。小学校種算数の模擬授業中学校数学の模擬授業試験高等学校数学の模擬授業試験リンク2次試験○2024年度採用の岐阜県教員採用2次試験1~小中学校の論文試験、高等学校の論文試験(2023年12月16日)○2024年度採用の岐阜県教員採用2次試験2~小学校種算数、中学校種・高等学校種数学の模擬授業本ブログ(2023年12月17日)ちょっと休憩学校統合後の跡地利用中日新聞に、こんな記事が載っていた。中日新聞12月14日朝刊岐阜近郊版より北方西小学校は、今年4月に北方町立北学園が北方小学校・北方中学校の校地に開学したことによって廃校となった。その跡地をめぐ...2024年度岐阜県採用の教員採用2次試験2~小学校種算数、中学校種、高等学校種の数学の模擬授業

  • 2024年度採用の岐阜県教員採用2次試験1 ~小中学校の論文試験、高等学校の論文試験

    2023年12月16日(土)2次試験については、①小中学校、高等学校の論文試験、②小学校・中学校の数学の模擬試験、③中学校種理科の模擬試験を公開する。2次試験については、おそらくWeb上で公開されることはないであろう。2次試験の模範解答等は、私にその能力がないので問題と配布プリンとのみを公開する。悪しからず・・・。本ブログでは、2024年度岐阜県採用の教員採用2次試験に出題された論文試験を、小中学校と高等学校との校種別に分けて掲載する。なお、2次試験の配点は次のようになっている。小中学校種論文試験問題高等学校種論文試験問題リンク集1次試験〇2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験1~教職教養(全校種共通)(2023年11月27日)〇2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験1~中学校数学の教科専門(2023...2024年度採用の岐阜県教員採用2次試験1~小中学校の論文試験、高等学校の論文試験

  • 愛知学習センター開講の面接授業『大学で何を学ぶか』を受講する

    2023年12月14日(木)12月9日(土)・10日(日)は、放送大学愛知学習センターで面接授業(スクーリング)を受けた。今年度の1学期は卒業のこともあったので「情報」コースの科目のみ面接授業を受けたが、いつもは岐阜学習センター・愛知学習センター、ときには三重学習センターで開講される科目で受講したいと思う科目を履修している。この2学期は、愛知学習センターで、「教育と心理」コース開講の科目を受講することにした。愛知学習センターへ出かけるのは、今回で4度目である。愛知学習センターは「イオンモールNAGOYANORITAKEGARDEN」の最上階(5階)「BIZrium名古屋」にある。大体、自宅から1時間30分程度で到着できる。愛知学習センターの入る「BIZrium名古屋」5階イオンモールNAGOYANORIT...愛知学習センター開講の面接授業『大学で何を学ぶか』を受講する

  • 連立2元1次方程式

    2023年12月12日(火)中学校で学習する連立2元1次方程式の3つの解法を改めて復習するとともに、中学数学の方法にこだわらず自由に解法を述べた。本文の(解法1)~(解法3)が中学数学の範囲である。ただし、(解法3)の倒置法は、授業で扱わない。(解法4)~(解法5)は大学の初年度ぐらいで線形代数として学ぶ内容であろう。本文で触れたとおりである。ただ、(解法4)~(解法5)ではいずれもn次方程式の解を求める必要がある。5次以上の方程代数代数的に解を求めることができないので、数値解で満足する必要がある。計算の煩雑さを考えると、理論的な面での有効性であろう。特に、ここで解説する必要がないであろう。ブログ本文を気楽に読んでただきたい。ちょっと休息岐阜県海津市の卒業生への記念品(12月11日のFacebook投稿)...連立2元1次方程式

  • Γ(ガンマ)関数の負の数への拡張

    2023年12月10日(日)前回のブログ、Γ(ガンマ)関数の基礎的事項(2023年12月6日)の続編で、今回はΓ(ガンマ)関数の定義域である正の数を負の数まで拡張することにある。本文でも述べたように、厳密な方法でなく、言わば直観的に考えていこうというものだ。なお、本ブログは馬場敬之『ラプラス変換キャンパスゼミ改定第3版』(マセマ出版、2018.1115)から大部分引用させていただいた。この本は、Γ関数を直接扱ったわけでなく、ラプラス変換の導入のための予備知識として書かれているものである。とはいえ、うまく整理されているので理解しやすい参考書となっている。ここで定義域の拡張のために、前回のブログのΓ関数の性質を再度述べておく。(1)Γ(1)=1(2)Γ(1/2)=√π(3)Γ(ζ+1)=ζΓ(ζ)(4)Γ(n...Γ(ガンマ)関数の負の数への拡張

  • ビートルズの新曲「NOW AND THEN」を購入する

    2023年12月8日(金)ビートルズの新曲「NOWANDTHEN」が日本で発売されてから、すぐにAMAZONに注文を出した。それが、1ヶ月後の12月3日に到着した。下の写真は、そのジャケットである。この曲の紹介は、生成AIの文書でおこなおう。bingの生成AIに「ビートルズの新曲について」と尋ねて、回答を生成してもらった。それが、下の文章である。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ビートルズの新曲「ナウ・アンド・ゼン」についてお伝えします。この曲は、ジョン・レノンが1970年代後半に書いたもので、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターが完成させました。2023年11月2日に全世界でリリースされ、日本ではCDシングルが12月1...ビートルズの新曲「NOWANDTHEN」を購入する

  • Γ(ガンマ)関数の基礎的事項

    2023年12月6日(水)Γ(ガンマ)関数について、基本的なことを整理しておこう。Γ(ガンマ)関数は、ベータ関数とともに特殊関数と言われている。Γ(ガンマ)関数は、ベータ関数と深い関係がある。すなわち、ベータ関数はℜ(x)>0,ℜ(y)>0に対してΒ(x,y)=∫_[0,1]{t^(x-1)}{(1-t)^(y-1)dx}=Γ(x)Γ(y)/Γx+y)とΓ(ガンマ)関数を用いて定義される。私自身は特殊関数に深い知識・理解がないので、本ブログでもΓ(ガンマ)関数について、極く基本的なことのみ整理する。申し訳ないが、私自身は本格的に特殊関数を学習したことがない。特殊関数について詳しく知りたい人は、この種の専門書、例えば入手しやすい本として半揚稔雄『つかえる特殊関数入門』(日本評論社、2018.0918)など参...Γ(ガンマ)関数の基礎的事項

  • 余弦定理の応用 ~今年度実施の岐阜県教員採用試験の中学・高校の数学教科専門の問題より

    2023年12月4日(月)初等幾何学の重要な2つの定理を利用する問題をとりあげる。今年度実施の岐阜県教員採用試験の中学・高校の数学教科専門の問題で、私のブログ2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験2~中学校数学の教科専門(2023年11月28日)2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験4~高等学校数学の教科専門(2023年11月28日)に掲載してある。本文にも書いたようにこの問題のポイント△ABCの頂角Aの2等分線が底辺BCとの交点をDとすると、BD:CD=AB:ACとなることは、中学数学でも扱う。この定理の証明は、私のブログ;三角形の1つの内角・外角の2等分線~2023年前期日程の北海道大学文系入試より(2023年9月20日)を見ていただきたい。この定理の証明は、中学数学の問題である。こうしたこともあ...余弦定理の応用~今年度実施の岐阜県教員採用試験の中学・高校の数学教科専門の問題より

  • 放送大学での2024年度1学期の履修予定科目、今までの理科の履修科目と修得単位数について

    2023年12月2日(土)放送大学の2024年度1学期の募集が11月28日から始まった。併せて、入学案内が各学習センターでの配布や本部に資料を請求できるようになった。私も学習センターで一部いただいてきた。在校生は来年1月になったら本部から郵送されて来るが、調べたいことがあったので早く見たい気もあった。もっとも、冊子になっている多くは放送大学のホームページからPDFファイルをダウンロードできる。放送大学の2024年度1学期の募集要項私は、2024年3月末で「情報」コースを卒業見込みになっている。したがって、継続入学の申請期間である2024年2月13日(火)9:00~2月29日(木)24:00までの間に継続入学の申請を行うことになっている。学位授与機構への学位申請の関係から、全科履修生(正規生)への再入学をや...放送大学での2024年度1学期の履修予定科目、今までの理科の履修科目と修得単位数について

  • 2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験4 ~高等学校数学の教科専門

    2023年11月30日(木)高等学校種の数学教科専門を掲載する。高等学校種の数学教科専門は、中学校種の数学教科専門とほとんど同じ(20問中17問が共通)である。違いは、①中学校種にある学習指導要領に関する問題3問がない②その代わりに、数学Ⅲの3問が出題されているだけである。以前はこの2校種で別々の問題が多かったが、外注の結果かも知れない。そのことを承知で、全問記載することにした。小問の問題数20問を50分で解答することになっているが、計算量が多い問題もあるので1問を2分30秒平均で解くのは困難である。中学校種数学と同様に時間に追われる試験となる。中学校種数学と同様に、私自身の解説は載せない。ただ、最初の3問は中学校種の解説を見ていただきたい。ただし、数学Ⅲの定積分の漸化式の問題a_n=∫_[0,π](ta...2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験4~高等学校数学の教科専門

  • 2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験3 ~中学校理科の教科専門

    2023年11月29日(水)中学校理科の教科専門科目の問題と県教委の解答を掲載する。中学校理科の2024年度採用の試験では、受験者34名中で内定者数が20名となっている(注1)。競争率は、1.7倍で受験者も少ないし、競争率も低い。これは、中学校理科の教員免許状の取得が他教科と比べてかなり少ないことによる。一部の理学部・工学部などを別として、ほとんどが国立大学の教員養成系教育学部と一部の私立の教員養成系教育学部に限られている。通信教育では、明星大学教育学部で取得可能である。ただし、その実験のためのスクーリング費用が非常に高い(1単位12万円)。これは、中学校理科1種の教員免許状を取得するのに、物理学実験・化学実験・生物学実験・地学実験の4科目4単位が必須だからである。(ちなみに、高等学校理科1種の教員免許状...2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験3~中学校理科の教科専門

  • 2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験2 ~中学校数学の教科専門

    2023年11月28日(火)中学校数学の教科専門の問題と県教委が示した解答を掲載する。中学校数学の教科専門の問題は、今まですべて解答して掲載してきた。しかし、今回は解説を付けなかった。きちんと全問解いたわけでないが、ざっとみたところで次の感想を持った。①基本的な問題が多く解法の方針が立てやすいが、計算が煩雑な問題が多い。したがって、②時間内でかなりの正解を得ることは難しい、と言えよう。多くの受験生が「よくできた」との感想を持てなかったと思う。高得点を狙うならば、数学教育の問題(学指導要領に関する問題)を確実に解いて、数学の問題は計算が大変になったら途中で放棄しても容易に解けそうな問題を先に解いていくということも必要であろう。なお、計算が容易でないことを理解していただくために、最初の私の3問の解法を示してお...2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験2~中学校数学の教科専門

  • 2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験1 ~教職教養(全校種共通)

    2023年11月27日(月)今年度も、2024年度岐阜県採用の教員採用試験の1次・2次試験を掲載する。岐阜県では後日にほとんどの教員採用試験がWEB上で公開されるので、私の関心のある一部の問題を掲載することにした。今年度から問題が外注になったと聞いている。若干、今までと出題の書式が変わっているところもあるが、影響のあった教科もあろうと思うが、概して気にする必要がない。申し訳ないが、岐阜県教育委員会から現時点で公開されている問題と解答のみを記して、私自身の解説はしないことにした。まず、全校種共通の教職教養からとりあげる。岐阜県の教員採用を希望している人は、問題に目を通しておくといいと思う。教職教養問題教職教養解答リンク集1次試験〇2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験1~教職教養(全校種共通)本ブログ(2...2024年度岐阜県採用の教員採用1次試験1~教職教養(全校種共通)

  • 対数を含む連立方程式 ~2023年前期日程の兵庫県立大学工学部入試より

    2023年11月25日(土)対数を含む連立方程式を解く問題である。国公立大学で連立方程式を解くこうした問題が大問として出題されることは、めずらしい。しかし、それほど難しい問題でない。解法の方針もたてやすい。対数を扱う場合、底の変換公式は基本的である。また、真数>0も重要である。また、対数計算の基本も理解することが必要である。logA+logB=logABlogA-logB=logA/BlogA^n=nlogAこうしたことを踏まえて、問題を解いていこう。ちょっと休息11月24日のFacebook投稿より今日は朝9時頃に家を出て、岐阜県庁へ向かいました。新しくなった岐阜県庁に入ったのは、初めてでした。県庁に着いたのは,10時過ぎでした。行政棟1階の西の端にある情報公開・行政相談窓口に出かけました。そこで、公開...対数を含む連立方程式~2023年前期日程の兵庫県立大学工学部入試より

  • 相加平均≧相乗平均の証明

    2023年11月23日(木)相加平均≧相乗平均の証明の証明は、ときどき大学入試に出題される場合がある。今年はお茶の水大学理学部で出題された。一般のnの場合の証明は、お茶の水大学の場合もそうであるが、数学的帰納法を用いる場合がほとんどである。凸本ブログのように、凸関数を用いる証明を見たことがない。ここで、高校数学の範囲でn=2,3,4の場合を証明しておこう。相加平均≧相乗平均の証明は、いくつの数学書に証明が記述されていると思う。その多くがここで述べる凸関数f(x)=logx(x>0)を用いる方法であろう。ここでは、田島一郎『解析入門』(岩波全書、1981.0102初版1985.0220第5刷)を参照にさせていただいた。本文の図も、この本からの引用である。ちょっと休息11月21日のFacebook投稿より今日...相加平均≧相乗平均の証明

  • 大学院入学試験での微積分の計算問題 ~九州大学大学院入試問題より

    2023年11月21日(火)前回に大学入試問題としての定積分の計算として,横浜国立大学理工学部のものをとりあげた。大学入学試験での定積分の計算問題~2023年前期日程の横浜国立大学理工学部等の入試問題より(2023年11月21日)その問題では、置換積分と部分積分を駆使して計算していくものであった。今回とりあげた以前意出題された九州大学大学院の入試問題も同様に、置換積分と部分積分を駆使して解いていく。大学の数学であるから、高校数学で習わない逆三角関数や双曲線関数・逆双曲線関数などの関数が出てくる。しかし、置換積分と部分積分を駆使して計算することに変わりがない。小問(1)は有名な問題で、いろいろなところで出題されている。高校数学の範囲で解けないことはない問題である。高校数学では、天下り的であるがt=x+√(x...大学院入学試験での微積分の計算問題~九州大学大学院入試問題より

  • Γ(ガンマ)関数の基礎的事項

    2023年11月29日(水)Γ(ガンマ)関数の基礎的事項

  • 大学入学試験での定積分の計算問題 ~2023年前期日程の横浜国立大学理工学部等の入試問題より

    2023年11月19日(日)微分や積分の計算問題をそのまま入試問題として出題する国公立大学は少ない。そうしたなかで、横浜国立大学理工学部等では毎年大問1題を出題している。その問題を紹介しよう。実は、私は数学Ⅲの大学入試問題に出題される微積分の計算問題と大学で習う微積分の計算問題の違いがはっきりわからないところがある。もちろん、高校数学で習わない逆三角関数や双曲線関数などの微積分の計算問題は別として、よく知られた高校数学で言うところの有理関数・無理関数・指数関数・対数関数・三角関数の微積分の計算での入試問題には大学での数学と違いがわからないものも多い。大学入試問題の微積分の問題には、難しいものも多い。今回の横浜国立大学の入試問題も、決してやさいい問題ではない。各自、自分で解いてみるとよい。なお、大学で習う定...大学入学試験での定積分の計算問題~2023年前期日程の横浜国立大学理工学部等の入試問題より

  • 実特殊線形群 ~可微分多様体の1つの例として

    2023年11月17日(金)私の専攻分野であった多様体論から、話題を提供したい。SL(n,R)={A∈M(n,R) detA=1}を考える。この集合は、実数体R上のベクトル空間である正則なn次元実正方行列の集合M(n,R)G(n,R)={A∈M(n,R) detA≠0}の部分集合である。SL(n,R)は、通常の行列の積を定義することによって、この積に関して非可換な群になる。ここでG(n,R)のことを実一般線形群(generallineargroup)、SL(n,R)のことを本文にあるように実特殊線形群(realspeciallineargroup)と呼んでいる。この実特殊線形群が、(n^2-1)次元可微分多様体(differentiablemanifold)となる。このことの証明が本ブログの中心である。本...実特殊線形群~可微分多様体の1つの例として

  • 単調減少関数についての話題

    2023年11月15日(水)単調減少関数について、いろいろな話題をとりあげてみた。高校数学の範囲を超える部分もあるかと思うが、そこは気にしないでいただきたい。一様本ブログを通じて、単調減少関数は狭義単調減少関数の意味で用いた。つまり、a<b⇒f(a)>f(b)で、広義の単調減少関数(つまり、単調非増加関数)a≦b⇒f(a)≧f(b)の意味で用いていない。最初に断っておきたい。ちょっと休息11月14日のFacebook投稿より今日はⅠ週間に1回、岐阜学習センターに行く日でした。8時50分頃に岐阜学習センターのロビーに行って、休息を取りました。そして、今日は昼食の弁当をOKBふれあい会館第2棟2階にある購買部で購入しました。その後、視聴覚室に入室。12時過ぎまで、『生物環境の科学’16』の通信指導の発展問題を...単調減少関数についての話題

  • 媒介変数で表された関数

    2023年11月13日(月)媒介変数で表された九州大学理系の数学Ⅲの入試問題である。まず、x,yは媒介変数で表示されているが、y=f(x)のグラフの概形が必要になる。媒介変数表示の関数x=x(t)y=y(t)の定性的な分析によって、y=f(x)のグラフの概形を知ることが必要になる。計算力、数学的思考の面でも本ブログで取りあげた問題は、難問である。じっくり考えることが必要であろう。媒介変数で表された関数

  • 関数の一様収束 ~京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻入試より

    2023年11月11日(土)一様収束の概念は、関数列{f_n(x)}の収束を考えることによって生み出されたものである。一様収束のε-δを用いた定義は、本文に記したとおりである。より簡単に述べるならば、一様収束は一様ノルム f _∞=supf(x)で、lim_n→∞ f_n-f =0と同値である。すなわち、一様収束とは、一様ノルムの収束のことである。関数列が一様収束するとき、limと∫との交換が可能となる。すなわち、∫_I{lim_n→∞(f_n)=lim_n→∞{(∫_I(f_n)}が成立するのである。リーマン積分で関数列{f_n(x)}が一様積分かどうか調べるのは、大変である。そこで、積分概念が拡張され、ルベーク積分が登場する。ルベーク積分では、limと∫との交換が可能となる。前置きはこの位にし...関数の一様収束~京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻入試より

  • 積分法と極限 ~2023年前期日程の東京医科歯科大学入試より

    2023年11月9日(木)東京医科歯科大学は、来年10月に東京工業大学と合併して「東京科学大学」になる。東京医科歯科大学は最寄り駅が中央本線の御茶ノ水駅で、そのあたりから神田川を挟んで正面にキャンパスがある。私は、東京へ行ったとき、よく車窓から「東京医科歯科大学」と書かれた校舎を目にした。最近では、2021年度の放送大学卒業式に出席のために出かけた2022年3月21日であった。なぜか、印象に残っている。さて、数学の2次試験の問題については、両大学とも難問揃いである。東京医科歯科大学の本ブログでとりあげた問題も結構計算が大変で、難問の部類に入れてもいい問題である。今まで基礎的な入試問題を扱ってきたが、今回は難しい問題に挑戦してみようと思う。ちょっと休息11月7日のFacebook投稿より今日は10月27日以...積分法と極限~2023年前期日程の東京医科歯科大学入試より

  • p 進法表示

    2023年11月7日(火)私達が普段使っているのは、10進法表示である。10進法表示では、0から9までの数字をもちいて、10の束ごとに、位がひとつ上がっていく。例えば、10進法の4321➉は4321➉=4・10³+3・10²+2・10+1と表示したときの4,3,2,1をとって4321➉と表すのである。p進法表示で、2進法はコンピュータの内部処理で使われる。3進法表示はカントール集合に密接に関係している。16進法表示はコンピュータプログラムの表示に使われている。ちなみに16進法表示には0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,Fの文字を用いる。60進法表示は、時間の表示に用いられている。以前のブログでも取りあげたことがあるが、p進法表示は重要であるので再度とりあげる。特にP進小数に慣れるこ...p進法表示

  • 2次の多項式を決定する ~2023年前期日程の北海道大学文系入試より

    2023年11月5日(日)条件に合う2次の多項式を決定する問題である。小問の誘導にしたがって、2次多項式を決定する。本文でも述べたように、見かけほど難しくない。北海道大学文系の前期入試問題からとりあげてみた。4問90分のうちの1問である。とにかく、小問の順にしたがって、とにかく解いていこう。ちょっと休息11月3日のFacebook投稿季節はずれのかぼちゃ少し離れた畑でさつまいもを収穫した10月のはじめ、片隅に生えていたかぼちゃの小さな苗を自宅裏の畑に植えてみました。遊び心です。それがいつもの年より温暖な日々が続いたためか、いつの間にか大きくなってしまいました。今ではソフトボールより大きいくらいのかぼちゃの実がなっています。枯れるまで、ほっておこうと思います。2次の多項式を決定する~2023年前期日程の北海道大学文系入試より

  • ヒルベルト空間3 ~ヒルベルト空間である必要十分条件

    2023年11月3日(金)ヒルベルト・ノイマンの定理は、実数R上または複素数C上のノルム空間において中線定理が成立することが内積空間になる必要十分条件であると主張している。このことから、ベクトル空間Vがバナッハ空間であるならば、Vは必然的にヒルベルト空間となる。このことから、Vがヒルベルト空間である必要十分条件として、①Vはバナッハ空間(完備なノルム空間)である、②中線定理が成立するとおきかえていいであろう。本ブログでは、このヒルベルト・ノイマンの定理の証明は省略させていただいた。後述する古田孝之氏の著書を参照にしていただきたい。関数解析学は,よく無限次元の線形代数と言われることがある。本文でも触れたが、本ブログが参考にした古田孝之『線形作用素への誘い行列からヒルベルト空間上への有界線形作用素へ』(培風館...ヒルベルト空間3~ヒルベルト空間である必要十分条件

  • 基本対称式

    2023年11月1日(水)対称式は、高校数学で数学1・数学Ⅱの「数と式」「式と証明」の単元などで登場してくる。とりわけ、2次方程式や3次方程式の解と係数の関係においては、基本対称式が重要な役割を果たす。2次方程式ax²+bx+c=0において、解α、βについてα+β=-b/aαβ=c/aであり、3次方程式ax³+bx²+cx+d=0において、解α、β、γについてα+β+γ=-b/aαβ+βγ+γα=c/aαβγ=-d/aである。2次方程式や3次方程式の係数が,基本対称式で表すことができるわけである。また、対称式α⁴+β⁴は、次のように基本対称式で表すことができる。α⁴+β⁴=(α²+β²)²-2(αβ)²={(α+β)²-2(αβ)}²-2(αβ)²=(α+β)⁴-4αβ(α+β)²+2(αβ)²一般にすべ...基本対称式

  • ヒルベルト空間2~ヒルベルト空間の定義

    2023年10月30日(月)前回、ヒルベルト空間1~中線定理(2023年10月24日)の本文に先立つ前文にて、簡単ヒルベルト空間の定義を述べた。そこでは、「簡単に言えばヒルベルト空間とは、完備な内積空間のことを言う』と述べた。その通りであるが、ここではヒルベルト空間の定義を、きちんと与えておこう。今回は、強収束・コーシー列・弱集束の定義を述べて準備し、その後、バナッハ空間・ヒルベルを空間を定義する。今回のブログは、定義のみである。前回、ヒルベルト空間1~中線定理(2023年10月24日)の前文で、コーシー列の説明が間違っていた。現在は訂正してある。お詫びしたい。既知であろうと思うが、ここで距離空間・ノルム空間・内積空間の定義を改めて示しておこう。ヒルベルト空間の定義を理解するのに役立つと思う。ヒルベルト空間2~ヒルベルト空間の定義

  • 大垣市立西小学校のファミリーフェスティバルの行事 ~かっての地区運動会の反省からの素晴らしい行事

    2023年10月28日(土)中日新聞10月28日朝刊西濃版より引用2019年の4月に、私は大垣市立西小学校が地区運動会(福祉運動会)を実施することを知った。その地区運動会は①学校や自治会等放射線状に結集する地区の社会福祉協議会(地区社協)が実行部隊となって、地区運動会の計画を話しあい、実行する。②学校行事に位置づけられ、当日は、児童・教職員も強制参加である。代休が、与えられる。③大垣市で「福祉運動会」を実施している4校は、①②のとおりで、学校の意思だけで開催を左右できないという大きな問題点があった。そこで、4月から約1年にわたって、西小学校にしぼって問題点を指摘してきた。具体的には、校長への抗議文、公開質問状、情報公開請求をしてきた。しかし、活動の途中で、西小学校では、との3小学校と違い①について・・・地...大垣市立西小学校のファミリーフェスティバルの行事~かっての地区運動会の反省からの素晴らしい行事

  • 三角関数と対数に関する問題 ~2023年前期の宮城教育大学学校教育教員養成課程理数コース理科入試

    2023年10月26日(木)宮城教育大学の理科コースの入試問題をとりあげた。小問(1)(2)の設問があるが、相互に関係はない。本文でも書いたように、小問(1)は有名な問題である。tanA+tanB+tanC=tanAtanBtanC(A+B+C=π)と言ったように、等式がきれいな形をしている。これは、是非証明すべき等式だと思う。小問(2)については、本文で述べたとおりである。いずれも基本的な問題である。解答する時間も1問30分と、十分である。完答を目指してほしい。ちょっと休息10月25日のFacebook投稿より今日は、久しぶりに岐阜学習センターの視聴覚スペースに閉じこもりました。朝、9時前にOKBふれあい会館の入り口に近い駐車場に止めて、岐阜学習センターに向かいました。9時に入場して、まず『生物環境の科...三角関数と対数に関する問題~2023年前期の宮城教育大学学校教育教員養成課程理数コース理科入試

  • ヒルベルト空間1 ~中線定理

    2023年10月24日(火)量子力学が展開される(複素)ヒルベルト空間について、3回にわたって考えていこう。ヒルベルト空間1~中線定理本ブログ(2023年10月24日)ヒルベルト空間2~ヒルベルト空間の定義(2023年10月28日)ヒルベルト空間3~ヒルベルト空間である必要十分条件(2023年11月1日)ヒルベルト空間のきちんとした定義は、後に与える。簡単に言えばヒルベルト空間とは、完備な内積空間のことを言う。内積空間とは、内積が定義された空間のことである。ヒルベルト空間は、ユーグリッド空間の一般化にもなっている。完備なノルム空間をバナッハ空間と呼ぶが、内積から導かれるノルムによってヒルベルト空間はバナッハ空間である。完備性とは、その空間内の任意のコーシー列が必ずその空間内の点に収束する場合を言う。例えば...ヒルベルト空間1~中線定理

  • 原点対称である関数のグラフ ~2023年度前期日程の弘前大学理工学部数物科学科入試より

    2023年10月22日(日)y=f(x)のグラフのx軸、y軸、原点に関して対称なグラフは、次の式が成立するときである。f(x)=f(-x)x軸対称y=f(x)は、常に2価となるf(x)=f(-x)y軸対称f(x)=-f(-x)原点対称この対称性を利用すると、グラフをかくときの手間や値の計算等が簡単になって便利である。ちょっと休息10月20日のfacebook投稿より来年度の学位(「学士(理学)」)の申請に必要な卒業証明書(岐阜大学・放送大学)、成績(単位修得)証明書(玉川大学・岐阜聖徳学園大学)を請求して、今学期中に申請に必要な単位を整理しようと今まで各大学・大学院に請求してきました。今日、岐阜聖徳学園大学教育学部、中退した大学院国際文化研究科から成績(単位修得)証明書が送られてきましたので、放送大学を除...原点対称である関数のグラフ~2023年度前期日程の弘前大学理工学部数物科学科入試より

  • 射影作用素

    2023年10月20日(金)射影変換とは、n次元ベクトルVからVへの線形変換P:V→Vがあるとき、P²=Pを満たす写像のことを言う。この変換による像Pv=vがvの射影である。本文の冒頭に射影作用素について具体的な例で説明されているが、若干補足する。一般的には、ベクトル空間VがV=U⊕Wと直和分解されているとき、P²=Pを満たしP:v=u+w→u(u∈U,w∈W)となる作用素Pを射影作用素というのである。本文の冒頭では、直交分解で説明されている。射影作用素

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