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東部戦線(Ost Front) https://osthauptstadt03899.blog.fc2.com/

第二次世界大戦中の東部戦線(ロシア戦線)での様相を、独露双方4人の男女の視点から描く、自作戦記。

オイゲン・ヒッパー大佐
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2023/06/20

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  • 嵐の前の静けさ(1)

    ドイツ軍がこの森に集結してから、もうすぐ2日目になろうとしていた。1941年6月21日夜、今はソビエト領であるブレストの郊外、プラトゥリンの森で、ドイツ陸軍中央軍集団の将兵達が、来たるべき独ソ戦に備え待機していた。そう・・・1年9ヶ月前、ポーランド軍との戦いが繰り広げられた、あのブレスト・リトフスク要塞の西側の森である。糧食班より支給された遅い夕食のスープをすすりながら、兵士達はこれから起こる事を不安げに...

  • 第2部登場人物

    ディートリヒ・レーダー(Dietrich Röder)・・・ドイツ陸軍砲兵軍曹。III号突撃砲B型車長。オーリガ・ストロジェワ(Olga Strozheva)・・・ソビエト陸軍衛生兵軍曹。ZIS-5野戦救急車車長。カール・シュトラッサー(Karl Strasser)・・・ドイツ空軍航空兵軍曹。Ju87B-2急降下爆撃機操縦手。ベレンガリア・アルニム(Berengaria Arnim)・・・ドイツ赤十字社看護婦。ロート(Johannes Rot)・・・レーダーの部下。ドイツ陸軍砲兵伍長。III号...

  • 第1部序章

    ポーランド戦役終結から2ヶ月が過ぎた1939年11月30日、北欧フィンランドに対する領土割譲を拒否されたソビエトは、遂にフィンランドへの侵攻を開始した。当初、戦力的に圧倒的有利なソビエト軍に、フィンランドが降る事は誰の目にも明らかであったが、真冬の北欧という気象条件に加え、森と湖に囲まれた天然の要害という地の利を活かし、意外にもフィンランド軍は、ソビエト軍に対して健闘した。マンネルヘイム線が崩壊し、結果的...

  • 第2部『バルバロッサ作戦』目次

    第2部序章...

  • それぞれの道(3)

    11月も中旬になり、いよいよ晩秋も終わり始める頃、レーダーが退院する日がやって来た。病院の玄関には、主治医と担当看護婦のアルニムが見送りに出ていた。レーダー:「先生、いろいろとお世話になりました。ベネディクタさんも、いろいろとありがとう。」主治医:「何やら今度は、新兵器の学校へと向かうそうですね。勉強、頑張ってくださいね。」レーダー:「俺、ホントは勉強って苦手なんですけどね。まぁ、頑張ります。」主治医:「...

  • それぞれの道(2)

    ブレスト市内のクラブでは、衛生兵のコストリコフ軍曹が、ホステスと一緒に酒を飲んでいた。そこへ、ストロエワ伍長とザルツカヤ伍長がやって来た。コストリコフ:「おぅ、オーリガ、グラーシャ、こっちだこっちだ!」コストリコフが手を振って、ストロエワ達を呼んだ。それに気付いてストロエワ達がやって来ると、ホステスは奇異な眼差しでストロエワ達を眺めた。ホステス:「まぁ、可愛いお嬢ちゃんね~。彼女達も軍曹さんの部下?」ストロ...

  • それぞれの道(1)

    ホルステ:「気を付け!」ここは、シュトラッサーの所属する、飛行隊の隊長室。ホルステとシュトラッサーの2人は、この飛行隊長室に呼ばれていた。ホルステ:「敬礼!」シュトラッサー達は、飛行隊長に敬礼をした。ホルステ:「直れ!」飛行隊長:「休め!」飛行隊長がそう号令をかけると、シュトラッサー達は『休め』の姿勢をとった。飛行隊長:「グンター・ホルステ軍曹、カール・シュトラッサー伍長の両名に、転属を命ずる。シュトラッサー...

  • ワルシャワの降伏

    一方、ブレスト・リトフスク要塞の西にあるポーランドの首都ワルシャワでは、ワルシャワ守備隊が頑強な抵抗を続けていた。9月16日からドイツ空軍はワルシャワ守備隊に対し、爆撃機で降伏を促すビラを投下し続けてきたが、ワルシャワ守備隊は一向に屈せず、徹底抗戦の構えを見せた。9月21日、一時停戦してワルシャワ市内から外国人約1,200人を退去させると、その4日後の9月25日午前8時、遂にドイツ軍によるワルシャワへの総攻撃が始...

  • 戦友との再会

    ブレストの街で、ドイツ軍とソビエト軍の将兵達が、戦勝パーティーで盛大に盛り上がっていた、その頃・・・レーダーは野戦病院のベッドに横たわりながら、今日も一日の終わりを感じていた。傷ももうすっかり癒えて、一人で歩けるようにもなった。とは言っても、散歩は病院の庭先までだが・・・今日も気晴らしに、これから夕暮れの庭先に出ようか、と考えていたところで、アルニムがにこやかに病室に入って来た。アルニム:「レーダーさ...

  • もうひとつの出逢い・・・

    独ソ間の協定により定められた勢力境界線に、ソビエト軍が次々と辿り着き始めた。イギリス、フランス両国に見捨てられ、ブレスト・リトフスク要塞の将兵は遂に降伏。9月22日、ブレストの街では、ドイツ軍のグデーリアン上級大将、ソビエト軍のクリヴォシェイン少将を観閲官として、戦勝祝賀パレードが行われた。独ソ間の協定により、この時をもってブレスト・リトフスク要塞は、ドイツ軍からソビエト軍に引き渡された。その後、あ...

  • ソビエト軍の参戦

    9月17日5時40分、東ではソビエト軍が、ポーランドへの侵攻を開始した。オーリガ・ストロエワ伍長は、1918年9月13日生まれの21歳。茶色い髪にグレーの瞳の、顔立ちの美しい女性である。ストロエワ達衛生兵もまた、『ZIS-5』野戦救急車に乗って、兵士たちと共に前線へと向かっていた。ストロエワの衛生兵部隊はミハイル・コヴァリョフ大将指揮の『白ロシア方面軍』に所属し、ブレストへと西進する戦闘部隊に随行する事になっていた。...

  • ブレスト市街戦

    9月13日夜、ドイツ軍の捜索隊が、早くもブレスト市内に辿り着いた。それに続いて9月14日、ドイツ軍戦車隊は、いよいよポーランド軍の要塞、ブレスト・リトフスク要塞へと迫った。砲兵隊が要塞郊外の市街地を砲撃し、市街地は煙に包まれていた。砲兵隊の攻撃準備射撃が終わると、戦車中隊長の上げた右腕が、振り降ろされた。ところが!突然、閃光が見えた。敵の発火光だ!市街地まで約500mまで近づいた所で、敵の対戦車砲が発砲して...

  • あるひとつの出逢い・・・

    レーダー:「やめろぉー、来るなぁー!」レーダーはポーランド兵に捕まっている。シュニーも、エルトマンもヴェンクもである。夜の闇の向こうに見える野戦用のテントの光の中、敵兵が何やらゴチャゴチャと話し合っているのが聞こえる。そのテントの中から、3人程敵兵が現れた。1人は将校、あとの2人は下士官のようである。そして将校が、レーダー達の方に向いて言った。将校:「貴様たちの軍の、編成と配置と作戦目標を教えてもらおう...

  • 奇襲!(2)

    レーダー:「こんな所で、馬なんている訳ねぇだろ。」レーダーが呆れた顔で問い質すが、ヴェンクはあくまでも馬の声を聴いたと言い張る。ヴェンク:「いえ、確かに聞こえたんですよ。ほら、またブルルルって・・・」耳をすましてみると、確かに馬の声が聞こえる。レーダー:「どっかこの辺に、厩舎でもあるのかな?」その時、いきなりどこかの砲班の兵が叫んだ!砲兵:「敵襲ー!ポーランド騎兵だー!」シュニー:「何をしてる!早く銃を取れ!...

  • 奇襲!(1)

    開戦から3日目・・・ドイツ軍はポーランド領内に、目覚ましい程の快進撃を続けていた、レーダー達の砲兵隊も、連日連夜の進撃に皆疲れ果てていた。エルトマン:「眠ぃなぁ・・・」ヴェンク:「眠いっすねぇ、エルトマン伍長・・・」エルトマンがいかにも眠そうな声でぼやくと、ヴェンクがそれに相槌を打つ。エルトマン:「これが演習だったら今頃、仮眠してる時間だもんなぁ・・・」エルトマンが更にぼやくと、レーダーがすかさず突っ込む。レーダ...

  • 『ファル・ヴァイス(白の件)』作戦発動!(3)

    赤いの髪にグリーンの瞳をした、ベレンガリア・アルニムは1919年3月13日生まれの20歳。まだドイツ赤十字の看護学校を卒業したばかりの、新米の看護婦である。・・・と言うよりは、この秋卒業予定だったのが、戦争が始まる事により1ヶ月繰り上げて卒業させられたのである。したがって、人間の血を見るのも、傷を見るのも、まだまだ慣れてはいない。負傷者の手当てをする度、その傷を見て目を背けるのであった。ゲッシェ:「あなた、怪...

  • 『ファル・ヴァイス(白の件)』作戦発動!(2)

    ドイツ東部の各飛行場では、戦闘機、爆撃機、駆逐機、様々な機種から成るドイツ空軍の航空部隊が、出撃の準備に入っていた。カール・シュトラッサー伍長は、1918年6月13日生まれの21歳。金色の髪にブルーの瞳をした、いかにもゲルマン民族といった感じの好青年である。フェドーア・フォン・ボック元帥の率いる『北部軍集団』に属する、ギュンター・フォン・クルーゲ大将指揮の『第4軍』は、ポメラニア方面からダンツィヒ回廊を越え...

  • 『ファル・ヴァイス(白の件)』作戦発動!(1)

    1939年9月1日午前4時45分、ドイツとポーランドの国境沿いで、ドイツ軍が遂にポーランド領内に侵攻を開始した。西の空から、数多くのドイツ空軍機が飛来しては東の空へと消えていき、野戦電話はけたたましくジリジリと鳴り続ける。シュニー:「全員、配置に着け!」班長のシュニー軍曹が、野戦電話の受話器を左手に持ち、レーダー達に射撃指揮班から流れてくる射撃諸元を伝える。シュニー:「装薬5、方向2638、射角342!」シュニーの射撃号...

  • 開戦前夜

    日付が変わり、8月26日となった。レーダーも、エルトマンも、ヴェンクも、皆がさっきまでは女の話で盛り上がっていたのに、今では皆、すっかり黙り込んでしまった・・・家族や恋人や親友の写真を眺めている者、手紙を書いている者・・・普段のバカ騒ぎ連中からは想像もつかないほど、皆おとなしい。シュニーもまた、砲脚の上に腰掛け、腕組みをして何か考え込んでいる・・・皆が初めて経験する戦争に、緊張しきっている。レーダー...

  • 夏の終わりに・・・

    青年:「父さん、母さん、じゃぁ行って来るよ!」父親:「おぅ、行って来い!」母親:「頑張って来るんだよ!」1937年春、4人の若者が、旅立ちの時を迎えた。ディートリヒ・レーダー、ドイツ陸軍に入隊。オーリガ・ストロジェワ、ソビエト陸軍に入隊。カール・シュトラッサー、ドイツ空軍に入隊。ベレンガリア・アルニム、ドイツ赤十字社に入社。それぞれ別々の出発点から始まったこの4人が、数年後、一つの点へと収束して行くので...

  • 第1部登場人物

    ディートリヒ・レーダー(Dietrich Röder)・・・ドイツ陸軍砲兵伍長。leFH18軽榴弾砲照準手。オーリガ・ストロジェワ(Olga Strozheva)・・・ソビエト陸軍衛生兵伍長。ZIS-5野戦救急車操縦手。カール・シュトラッサー(Karl Strasser)・・・ドイツ空軍航空兵伍長。Ju87B-2急降下爆撃機後部銃手。ベレンガリア・アルニム(Berengaria Arnim)・・・ドイツ赤十字社看護婦。バルツァー(Dirk Baltzer)・・・レーダーの上官。ドイツ陸軍砲兵...

  • 第1部序章

    第一次世界大戦も終わりに近い1918年11月4日、キール軍港での水兵の反乱を契機としてドイツ全土に革命が勃発!11月11日、およそ4年間続いた未曾有の大戦争・第一次世界大戦は、遂に『ドイツ帝国』の崩壊という形で終結を迎えた。1919年6月28日、ドイツはイギリス、フランス等連合国の提示する『ヴェルサイユ条約』に調印。しかし・・・この『ヴェルサイユ条約』こそが、20年後に勃発する第二次世界大戦の遠因となる、極めて危険な...

  • 第1部『ポーランド電撃戦』目次

    第1部序章第1部登場人物夏の終わりに・・・開戦前夜『ファル・ヴァイス(白の件)』作戦発動!(1)『ファル・ヴァイス(白の件)』作戦発動!(2)『ファル・ヴァイス(白の件)』作戦発動!(3)奇襲!(1)奇襲!(2)あるひとつの出逢い・・・ブレスト市街戦ソビエト軍の参戦もうひとつの出逢い・・・戦友との再会ワルシャワの降伏それぞれの道(1)それぞれの道(2)それぞれの道(3)...

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