No.5-014 Don't Be Scared (章末)
「もう終わりだなんて思うなよ?」ヤスが真剣な表情を向けた。 僕は、いつまでも歌っているトニィを遠目に見ながら 『例え目の前に壁が立ちはだかっても、僕等は決して負けはしない』 そんな歌の意味を噛みしめた―― ★ ★ ★ 清水の舞台から京都の街を一望していると、マークがサングラスを外し眩しそうに呟いた。 「ウォルターに見せたかったな……」 あれからカナダの更生施設に入ったウォルターは身体はすっかり回復したものの、依存を断ち切るための治療は続いているそうだ。 でも、その施設で出会った10歳も年下の看護師さんとステディな仲になり、ボランティア活動に力を入れて充実した日々を過ごしているという。 「そのほ…
2024/04/14 21:02