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Mercury's:マクロ戦略投資ニュースレター https://www.mercurys-assets.com/

Mercury'sでは、平日の毎朝7:30にお届けするニュースレターを中心に、グローバルマクロ戦略等の資産運用に関するインサイトを発信しています。

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2023/03/17

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  • ドラッケンミラー氏:景気後退で銅や住宅市場、AIに投資機会が訪れる

    先週に引き続き、SOHN2023で行われたドラッケンミラー氏のインタビューの内容をお伝えします。今回は、ハードランディング後に何に投資をすべきかというテーマです。 毎朝メールで受け取る 銅(コモディティ) まず、最初にドラッケンミラー氏があげたのが銅です。銅の需要はもっとも逼迫しているといいます。 景気後退から回復するときには、コモディティの黄金期が訪れるだろう。銅は最も需給がタイトであり、私も勉強をしている。私は阿呆ではないし、景気サイクルで何が起こるかを知っているから、ハードランディングに向かっている現時点でポジションを持とうとは思わない。しかし、そこから回復するときには、電気自動車への動きや政府が後押しするであろうインフラストラクチャ法案の支出を考えると、銅価格が大きなリターンを得られないと考えるのは難しい。 S&P Globalの予想をみると、今後急速に銅の需要(青線)が伸びていくことが分かります。これに対して、棒グラフが供給の予測であり、左側が野心的な目標を達成した場合、右側が苦戦した場合を表しています。 なお、銅価格は過去に以下のように推移しています。 なお

  • カンファレンスボード:2023年2Qから米国実質GDPはマイナス入りする

    5月10日に全米産業審議会(カンファレンスボード)の最新GDP予想が公開されています。今回はそちらの内容をお伝えします。 毎朝メールで受け取る 第2四半期から実質GDPはマイナス入りする 最新のカンファレンスボードの予想では、第2四半期から年率換算した実質GDPは-0.6%とマイナス入りします。 第3四半期には-1.6%、第4四半期には-1.2%となるということで、第2四半期から米国経済の不調が始まり、それが続くことになります。これは先日、ドラッケンミラー氏が「すでに景気後退が始まっていてもおかしくない」という趣旨の発言をしたこととあわせて注目です。 * ドラッケンミラー氏:すでに景気後退が始まっている可能性もある 景気後退のタイミングは今年の第4四半期から2024年の第1四半期だとされているが、最近の逸話や銀行の問題を考えると、1年後に今年を振り返って、第2四半期から景気の悪化が始まっていたとしても驚かない。確信はないが、投資を生業にしているので、経済予測をせざるを得ない。 また、もうひとつ注目すべき点は在庫(Inventory change)でしょう。第2四半期か

  • 東京都物価指数(5月):日本のインフレ加速は継続中、長期金利は上昇へ

    2023年5月26日に発表された東京都物価指数によると、日本のインフレが加速を続けていることが確認されました。東京都物価指数の「総合」は前年比+3.5%と前回の+3.1%から減速しましたが、これはエネルギー価格の下落が要因であり、「エネルギー価格および生鮮食品を除く総合」では+3.9%と前回の+3.8%から加速しています。 毎朝メールで受け取る 2023年5月の東京都物価指数 東京都物価指数は、月前半の数値を用いて発表されるため、全国の消費者物価指数が発表される前に、インフレの傾向を先取りすることができます。 一番右の2023年5月の数字は以下のようになっています。 * 総合:+3.2%(前回比0.3ポイントの減速) * 生鮮食品を除く総合:+3.2%(前回比0.3ポイントの減速) * 生鮮食品及びエネルギーを除く総合:+3.9%(前回比0.1ポイントの加速) エネルギー価格が下がったため、インフレ率は「総合」と「生鮮食品を除く総合」について順調に低下しました。しかし、価格変動の激しい生鮮食品とエネルギーを除いたベースのインフレは加速していることがわかります。

  • ドラッケンミラー氏:リーマンショック以上の危機が起きても不思議ではない

    引き続き、ドラッケンミラー氏のSohn2023のインタビュー内容をお伝えします。今回はハードランディングのイメージについて話している部分をまとめています。 毎朝メールで受け取る ハードランディングの具体的なイメージ まず、ハードランディングとはどのような状況かと聞かれて、以下のように回答しています。 企業の利益が下がり、失業率は現在の3.4%から5%以上に上昇するだろう。経営破綻は、1880年以降で最も秩序のない経済状況のおかげで今はほとんど破綻がない。2008年と比べても全然低い。インフレかデフレかという点については非常に難しい。2年前はインフレ率が上昇することに確信があった。この前スタッフミーティングを行ったが、インフレ率8%という状況も想定できるし、デフレという状況も想定できると話した。それは回答としてはあまりに幅があるが。 企業利益の減少や失業率の上昇という一般的なハードランディングの定義までは良いとして、名目ベースでインフレとなるかデフレとなるかについては、予想が難しいとしています。 インフレ要因は、過去数年で行われた過剰な金融緩和 まず、インフレ的になりう

  • ドラッケンミラー氏:すでに景気後退が始まっている可能性もある

    ソロスのポンド売りの裏の立役者であったりと、伝説のマクロトレーダーであるドラッケンミラー氏のSohn2023のインタビューから、何回かに分けて内容をお届けしていきたいと思います。 毎朝メールで受け取る FEDの歴史上最悪の失策が資産バブルを引き起こした まず、ドラッケンミラー氏ほどの伝説のトレーダーでも、現在の状況は、過去で最も難しい局面だとしています。 45年間、経済予測をしなければいけない仕事をしてきたが、今はどう考えても一番難しい時期だ。巨大な金融緩和と急激な変化があった。新型コロナが色々と状況を変えた。新型コロナから脱出したモメンタムは本物か偽物か、持続的かそうでないか。それからウクライナの戦争があり、中国の経済再開がある。だから、今はそれほど経済予測に自信がない。 これは、過去にも別のインタビューで述べていた通りです。 * ドラッケンミラー氏:今はリスクを取るタイミングではない さて、目先の見通しが得にくいときほど、大局観を持つことが重要です。ドラッケンミラー氏は、過去500年の経済を研究したエドワード・チャンスラーの本に触れて、低金利が長く続いたあとには、

  • チューダー・ジョーンズ氏:債務上限問題後の株価ラリーを経て、3Qに景気後退へ

    1987年の株価大暴落「ブラックマンデー」を予測したり、2020年前半からのビットコイン投資を成功させたりと、著名なグローバルマクロ投資家として知られるポール・チューダー・ジョーンズ氏がCNBCに出演していたため、今回はその発言内容をお伝えします。 毎朝メールで受け取る 短期的には米国株は上昇余地がある まず、ポール・チューダー・ジョーンズ氏は、短期的には米国株には上昇余地があるとしています。 我々は債務上限問題に対する恐怖があるため、その問題が去れば、株式は少し上昇するだろうし、債券は少し下がるだろう。なぜならリスクプレミアムが無くなるからだ。それが最も短期の見通しだ。 債務上限問題というのは茶番に過ぎないので、(米国債のデフォルト等まで繋がらない限り)中長期でみると大した影響はなく、わざわざ取り上げたり・解説をするようなものでもありません。 しかし、茶番ではあるとはいえ、それがいくらかリスクプレミアムを持ち上げているのであれば、理論株価のバリュエーション時の割引率を上昇(= 株価を下落)させているはずです。ですから、セオリー通りに考えれば、債務上限問題が過ぎればリスク

  • 米国小売売上高は前年比マイナスに迫る水準で景気後退を示唆

    5月16日に発表された小売売上高は前年比+1.6%で、前年比マイナスに向かう勢いを見せました。過去には、小売売上高の前年比がマイナス入りする前後で景気後退が見られているため、いよいよ米国の景気後退は迫っているようにも見えます。 一方で、景気後退はある程度まで債券市場に織り込まれてしまっているため、今後は他のリターンの源泉を探してく必要もあるでしょう。 毎朝メールで受け取る アメリカの小売売上高は前年比マイナス水準に迫る 5月16日に発表された最新の小売売上高は前年比+1.6%でした。 この調子でいくと、早ければ第二四半期、遅くとも第三四半期には前年比でマイナスに陥るように思われます。 また、これはインフレ率が前年比+5.0%ある中での+1.6%であることにも注意が必要です。 もちろん、CPIにはサービス業など小売以外のさまざまな要素が含まれていますから、一概に比較することはできません。しかし、乱暴に計算してしまえば、小売売上高の+1.6%から、インフレ率の+5.0%を引くと、実質的な前年比は-3.4%となります。実質的にはマイナス成長に陥っている可能性は高そうです。

  • 日本の消費者物価指数は前年比+3.5%へとインフレ加速

    5月19日発表の国内消費者物価指数は前年比+3.5%で、国内のインフレが再加速していることを示しました。日本の金利には上昇圧力が働くこととなるでしょう。 毎朝メールで受け取る 日本の消費者物価指数(CPI)は前年比+3.5% 2023年5月19日に発表された国内の消費者物価指数(CPI)は、前年比+3.5%でした。前回の+3.2%からは0.3ポイントのインフレ加速となりました。 総務省の発表している元データも確認しておきましょう。 表の一番右にある4月分を見ると、以下のようになっています。 * 総合が+3.5%(前回から0.3ポイントの加速) * 生鮮食品を除く総合が+3.4%(前回から0.3ポイントの加速) * 生鮮食品及びエネルギーを除く総合が+4.1%(前回から0.3ポイントの加速) 3つすべての指標においてインフレ(消費者物価指数の前年比)が加速していることが分かります。 日本のインフレは再度加速基調へ 本ニュースレターでは何度もお伝えしている通り、今年に入ってインフレ率が抑えられていたのは、原油などのコモディティ価格が下落していたからです。 昨年

  • 日本はGDPデフレーターでもインフレ率2%に到達、日本の金利は上がる

    2023年5月17日に発表された国内GDPでは、GDPデフレーター(インフレ率)が前年比+2.0%となりました。これで、消費者物価指数に続いて、GDPデフレーターベースでも、日銀のインフレ目標である2%が達成されたことになります。 日本でもインフレが始まったことを受けて、今後、日本の長期金利はいくらか上昇すると思います。 毎朝メールで受け取る 日本のGDPは前期比年率+1.6% 日本のGDPは前期比+0.4%、年率換算すると+1.6%でした。 前期比年率+1.6%というのは、弱くはないものの、強い数字とも言い難いです。プラスではあるものの、微妙な数字だといえます。 GDPベースでもインフレ率は+2.0%へ また、今回最大の注目ポイントはついにGDPデフレーターが前年比で+2.0%となったことでしょう。インフレ率+2%というのは、日銀のインフレ目標だからです。 そもそも、消費者物価指数でみた日本のインフレ率は加速を続けており、本ニュースレターでも過去にお伝えしている通り、

  • ドラッケンミラー氏:AI関連のNVDIAやMicrosoft株を購入

    アメリカでは、大きな金額を動かしている投資家は四半期に一度、そのポジションを開示する必要があります。今回は世界的なグローバルマクロ投資家であるドラッケンミラー氏のポジションを見ていきたいと思います。 なお、ドラッケンミラー氏の経済の見立てについては、以下のニュースレターで紹介していますので、あわせてご覧ください。 * ドラッケンミラー氏:今はリスクを取るタイミングではない 2023年1QはAI関連銘柄に積極投資 ドラッケンミラー氏は、2023年1QはNVDIAとMicrosoftを買い増して、AI関連銘柄に積極投資していました。彼はネットでは株式ポジションはほぼ0であると発言しているため、同時に他の株式をショートしているものと思われます。 ショートポジションは開示対象ではないので、具体的な銘柄を見ることはできませんが、彼が経済がハードランディングするという見方をしていることからも、NYダウやラッセル2000などの景気に敏感な指数や個別銘柄をショートしているのではないかと考えられます。 NVDIAについては、35%ほど株数を増やして、ポートフォリオの9%程度を占めています

  • 国内企業物価指数は前年比+5.2%まで急減速

    日本の国内企業物価指数は前年比+5.2%であり、企業物価のインフレ率は前回の7.2%から大幅に減速しました。今回は軽めの内容となります。 毎朝メールで受け取る 国内企業物価指数は急減速した 予想の前年比+5.7%に対して+5.8%と0.1ポイント上回りましたが、前回の+7.2%からは1.5ポイントのインフレ減速となりました。 これは何度も書いてきた通り、原油などのコモディティ価格が下落していることが大きな要因です。 昨年の3月〜5月といえばウクライナ戦争が始まったことで原油や穀物の値段が大幅に上昇していた時期です。そのため、前年比はマイナスになりやすい環境が続いていました。 本ニュースレターでは、3月上旬に発表された東京都のCPIから、そうした兆候を読み取ったため、3月〜4月は米国債を中心にポジションを大きめにとっていました。(現在は縮小済み) * 東京都の消費者物価指数(2月)、全体はインフレ減速もコアコアは加速 インフレ率は前年比で見るため、昨年の原油価格が高かった分、今年の2月〜6月頃にかけては、エネルギー価格は大きなデフレ要因となります。エネルギー価格のデフ

  • 目先の投資戦略を再整理する

    本日は、少し早いですが6月以降の投資戦略について考えたいと思います。 毎朝メールで受け取る 3月〜5月相場のふり返り まず、まだ5月は終わっていませんが、3月〜5月の相場をふり返っておきましょう。 本ニュースレターでは、2月末に米国10年国債金利が4%近くなったことから、米国債の買い増しを行ったことをお伝えしました。 * 米国長期金利は4%近い水準、米国債の買い増しを開始 今回、米国長期金利が4%近い水準に達したということで、債券の買い増しを開始しました。 その後、3月には昨年ウクライナ戦争で原油価格が高騰していた反動で、今後数ヶ月はインフレ率が順調に低下する可能性が高いことから、金利低下の恩恵が受けられる債券をメインに、ポートフォリオのサイズを拡大するという判断を取りました。 * 米国のインフレは、エネルギーのデフレの恩恵を受けて減速する可能性がある 昨年3月に原油価格が110ドルといった水準をつけていたことを考えると、原油価格が80ドル程度のまま推移すれば、3月のエネルギー価格は前年比-27%程度になると考えられます。 * 2023年の3月〜5月相場はリ

  • 米国CPI:アメリカのインフレ率は4%台で横ばいへ

    2023年4月の米国消費者物価指数は前年比+4.9%で、コンセンサスの+5.0%を下回ったものの、インフレが下げ渋りを見せていることが分かりました。 引き続き、FEDは高金利を維持して、債券市場は景気後退を予想しているという状態が続くでしょう。 毎朝メールで受け取る 消費者物価指数は前年比+4.9%で横ばいへ 2023年4月の消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%でした。前回の+5.0%からは、0.1ポイントの減速となりました。 エネルギーと食品を除いたインフレ率は前年比+6%台が続いている エネルギー価格は-4.9%と前年比でデフレが続いています。 * 米国のインフレは、エネルギーのデフレの恩恵を受けて減速する可能性がある エネルギー価格のデフレが続いている中で、インフレ率が下げ渋りを見せているのは、エネルギーを除いたインフレ率が高止まりしているからです。 こちらの数字は、大きな景気後退でも起こらない限り、目先なかなか大幅に下がることは見込めないでしょう。 そうすると、インフレ自体は減速基調にあるので追加の利上げまでは必要なさそうだけれど、しばらくはFF

  • ガンドラック氏:FEDの予想する年末インフレ率3%は実現できず、インフレは高止まりする

    引き続き、FOMC後のガンドラック氏のCNBCインタビューの内容をお送りしたいと思います。 * ガンドラック氏:投資家は景気後退に備えて米国債を買うべき インフレは簡単に収まらない まず、ガンドラック氏は、この先インフレ率が順調に減速することはないと指摘しています。 パウエル議長が「インフレーションは以前考えていたいたほど早く減速しないかもしれない」と言ったのは興味深かった。覚えているだろうか、(FEDの予想する)ドットプロットは年末にインフレ率が3%程度に下がると予想していた。私にはそれが実現するとは思えない。そして、(会見では)パウエル議長もその予想にもはや自信を持っていないように聞こえた。 これはガンドラック氏が以前から指摘していることで、彼は年初の時点からインフレは前年比+4%程度で下げ止まると予想していました。 * ガンドラック氏:景気後退で金利が下がり、インフレ率は4%で下げ止まる いま、消費者物価指数は4月に発表された3月の数値が+5.0%程度であり、5月10日に発表される4月の数値も+5.0%と横ばいが予想されています。 * 前年比+4%台まで減

  • 4月の米国雇用は強く、高金利の維持が必要

    少し遅くなりましたが、2023年5月5日に発表された米国雇用統計では、まだ雇用が強いことが示されました。 前回の3月雇用統計がほっと一息つける内容だったとすると、今回はまた「やはりインフレは油断ならない」と感じさせる内容となっています。 * 無難な3月米雇用統計:失業率の上昇は見られず、賃金インフレは順調に減速 毎朝メールで受け取る 予想を大きく上回った4月の米国雇用統計 まず、失業率は3.4%でした。前回の3.5%から0.1ポイント低下しました。 非農業部門の雇用者数は、前年比で2.6%増で、ほぼ前回と同じでした。推移をみると、雇用ペースは緩やかに減速しているものの、新型コロナ前と比べると、まだまだ強い水準にあることが分かります。 賃金インフレは4%台 賃金の伸び率は前年比4.4%増で、前回から0.1ポイント加速しました。 こちらも少し長期でみると緩やかに減速していますが、新型コロナ前の水準には程遠いことが分かります。 目先は高金利の維持が必要 雇用が強いこと自体は、本来悪いことではありません。 しかし、現在のインフレ環境においては「まだ雇用が強いのだ

  • ガンドラック氏:投資家は景気後退に備えて米国債を買うべき

    先日のFOMCを受けて、CNBCの番組に出演したガンドラック氏は投資家は景気後退に備えて米国債を買うべきだという意見を述べました。 毎朝メールで受け取る FEDは白紙の態度を示した 今回のFEDの感想を聞かれたガンドラック氏は、以下のように回答しました。 とても柔軟な態度を示した。債券市場は、そうしたFEDが次回のFOMCの見通しを示さないという態度を予想していた。それは債券市場が価格に織り込んできたことと全く一致している。 FEDはインフレを抑えるために、インフレ率よりも高い水準にFF金利をなんとか持ってきました。あとはこれを維持して様子を見てみようということで、この先については、現時点では何も作戦があるわけではないということです。 これは、以下のニュースレターにも書いた通りです。 * 5月FOMCでは0.25%の利上げを実施、FF金利はインフレ率を上回った 続いて、ガンドラック氏は、どちらかというと鷹派だったとコメントしました。 いくらか鷹派のトーンが見え隠れしていた。インフレ率2%をターゲットとすることからは決して離れないという断固たる姿勢を見せた。彼(パウ

  • レイ・ダリオ氏:信用収縮による債券売りが金利上昇かハイパーインフレを招く

    レイ・ダリオ氏がModern Wisdom 620の動画に出演していたので、その中からポイントをお伝えします。 レイ・ダリオ氏の経済見通しは、たびたび紹介してきており、今回も内容としては変わりませんが、少し丁寧に解説されているため、参考になれば幸いです。 毎朝メールで受け取る 多くの企業がバランスシートを毀損している そもそもシリコンバレー銀行で何があったかは、過去に以下のニュースレターでも解説していますが、改めてレイ・ダリオ氏の言葉も読んでおきましょう。 * シリコンバレー銀行が経営破綻、米国債金利は低下へ レイ・ダリオ氏の説明は、以下の通りです。 シリコンバレー銀行の件をみると、それは彼ら特有の問題ではなく、世界中で起こっている問題だ。銀行が預金を受けて、預金金利よりも高い金利のあった米国債をたくさん買った。次に、預金金利が上がり、米国債の価格が下がった。そして経営が破綻した。 次に、レイ・ダリオ氏は、地銀以外にも多くの企業がバランスシートの問題を抱えていることを指摘しています。 それは銀行だけでなく、保険会社や世界中で同じことが起こっている。ヨーロッパでも起

  • 5月FOMCでは0.25%の利上げを実施、FF金利はインフレ率を上回った

    5月3日のFOMCでは、0.25%の利上げが実施され、FF金利は5.00~5.25%になりました。これはコンセンサス通りでした。これによって、FF金利はついにインフレ率(CPI)を上回る水準となりました。 毎朝メールで受け取る FF金利はインフレ率(CPI)を上回った さて、FF金利が5.00%〜5.25%になったということが何を意味するかというと、それはFF金利がインフレ率(CPI)を上回ったことを意味します。 振り返っておくと、前回のCPIが前年比+4.98%とぎりぎりで+4%台でしたから、今回のFF金利5.00%〜5.25%というのは、それを上回る水準だというわけです。 * 前年比+4%台まで減速した米国CPIと市場参加者の読み間違い 以下のニュースレターでも見たように、1970年代の高インフレを終わらせたポール・ボルカー議長のFEDも、景気後退時を除いて、常にFF金利をCPIよりも上の水準に持っていくことを徹底していました。つまり、今のFF金利を維持できる限り、

  • 2023年5月上旬現在、検討しうる3つの投資アイデア

    最近は、ポートフォリオのサイズを小さくして様子見をしていることは、すでに何度もお伝えしてきた通りです。 この様子見はまだしばらく続くと思いますが、何か相場でトレードしていないと気が済まない方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は待機資金の一部を使ってポジションを取ることを検討しうるアイデア候補を3つほど書いてみたいと思います。 なお、現時点(2023年5月3日時点)では、筆者自身はまだいずれのポジションも取っていませんし、今後取るかどうかも決めていません。あくまでもアイデアだということでお読みいただければと思います。 毎朝メールで受け取る 日本債券のショート まずは、日本の金利上昇にかけるトレードアイデアが考えられます。日本のインフレが続けば、いずれ日本でも金利を上げざるを得ないでしょうし、黒田総裁も退任したため金融政策の見直しが行われる確率も上がっているためです。 このアイデアについては、4月下旬の以下のニュースレターで触れました。 * 国内CPI:日本の長期金利上昇には投資妙味があるか 日本の金利上昇からリターンを得るのにどのようなポジションが良いかを、上の

  • 4月のISM製造業景況指数はスタグフレーション的な再加速

    5月1日に発表された2023年4月のISM製造業景況指数は、雇用や価格インフレの影響で再加速しました。一方で、注文や在庫は減少しており、企業活動は縮小されていることが分かりました。 毎朝メールで受け取る 再加速した4月のISM製造業景況指数 2023年4月のISM製造業景況指数は、予想の46.7を上回る47.1でした。前回の46.3からは0.8ポイントの増加となりました。 とはいえ、相変わらず、50を下回っていますし、下落トレンドにあることに変わりはありません。また、前回同様に依然として新型コロナ前後の水準にあります。全体として、景気が強いというわけでは決してありません。 * ISM製造業景況感指数は新型コロナ前後の水準まで後退している 雇用と価格インフレによる再加速 続いて、内訳を見ておきましょう。 前月からみると、雇用(Employment)が+3.3ポイントで50.2と再び50の水準を超えています。それから、価格(Prices)も+4.0ポイントで53.2と50を超えています。 一方で、注文残(Backlog of Orders)や在庫残(Inventor

  • ドラッケンミラー氏:今はリスクを取るタイミングではない

    ポンド売りでイギリス銀行に勝利した男として知られるジョージ・ソロス氏のファンドで、投資アイデアを練って実務を担当していたのが、スタンレー・ドラッケンミラー氏です。 そんなスタンレー・ドラッケンミラー氏は、現在は自身の個人資産を運用しているだけで、資産運用業の第一線を退いているため、メディア露出は多くありません。しかし今回、NBIMのカンファレンスに出演しており、最新の見通しを知ることができました。そこで、今回はその内容をお届けしたいと思います。 毎朝メールで受け取る チャンスボールがなければバットを振るべきではない まず、現在の状況は過去に見たことがなく、先行きの予想が難しいことを打ち明けています。 金融経済環境の先行きを予想するのは非常に不透明だ。私は、投資を45年行っているし、経済史をたくさん勉強したが、金利ゼロの状況が11年も続き、あらゆる資産クラスがバブルな中で、12ヶ月の間に5%も利上げがされた、今のような状況は見たことがない。私のように、歴史から今後のありうるシナリオを考えるスタイルの人間にとっては難しい時期だ。 その上で、どのような運用をすべきかと訊かれると

  • 米国GDP(2023年1Q)は民間企業の投資が急減速

    今回は、4月27日に発表された2023年1Qの米国GDPを見ていきます。 毎朝メールで受け取る 米国GDPは+1.1%で予想を下回った 4月27日に発表された米国GDPは、前期比の年率換算で約+1.1%でした。 前回が+2.6%なので、1.5ポイントの低下となりました。全体としても長期で右肩下がりの減速トレンドが続いていることが分かります。 以下、詳しく内訳を見ていきましょう。 個人消費は堅調 個人消費は前期比年率で+3.7%と好調でした。 個人消費は再加速しており、2023年1Qの米国消費者には消費余力がまだあったことが分かります。 思い返せば、消費者関連の指標は比較的強いデータが続いていました。 例えば、雇用は2023年1Qを通じて堅調でした。失業率は低い水準で推移しており、賃金も上昇速度は減速しているものの、前年比+4%台の水準で時給が上がっていました。 * 無難な3月米雇用統計:失業率の上昇は見られず、賃金インフレは順調に減速 * 米国雇用統計は労働市場がまだ堅調であることを示した また、物価のインフレ率は3月にはぎりぎり4%台まで減速して、時給

  • 1980年代インフレ終息時の、景気後退、金利低下、ドル安、株価を振り返る

    1970年代のインフレが終息した1980年代前半に何が起こったかを時系列に並べ直して、整理してみました。今回は、この内容をニュースレターでお届けした上で、現在の状況についても整理します。 毎朝メールで受け取る 銀行融資の増加がピークを迎える:1979年9月 まず、1979年9月に銀行融資の増加速度がピークを超えました。 この頃、長期金利が10%に到達しており、金利の上昇を受けて、急激に融資が減速していたことが分かります。 失業率の上昇(1回目):1980年1月 銀行融資の減速を受けて、4ヶ月後の1980年1月に景気後退に突入しました。 このとき、株価は少し遅れて1980年3月にピークをつけて下落に転じています。 一般的に株価は景気後退を先取りして下落するため、これは少し珍しい動きともいえます。この背景には、実質GDPが1980年1Qまで前期比年率プラス圏で推移していたことが考えられるでしょう。 失業率は上昇していたものの、インフレもまだピークをつけておらず、実質ベースでもGDPは高く、ぎりぎりまで景況感はそこまで悪くなかったのだと思います。 しかし、その後、失業

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