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「傾国のラヴァーズ」 https://blog.goo.ne.jp/saeki123

ボディーガードの翔真は、訳あり過ぎる美青年社長・聖名(せな)の警護をすることになるが… (1行更新?の日もあるかも…😅)

愛田莉久
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2022/11/19

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  • ■小説「傾国のラヴァーズ」その55・気になる男

    案の定、聖名はぐったりとソファーにもたれかかって座っていた。「俺がやるから休んでろよ。カフェオレの方がよくないか?」「あ、そうかも。お願いします」カフェオレをひと口飲むと聖名は、「矢野会長がとうとう上京してくるんだって。俺を説得するために」「え?いつ?」俺は覚悟していたはずなのに、言われると驚いた声をあげてしまった。「2週間後…ごめん、詳しいことは後で話すよ」そこまで言うと、すぐに聖名はその場で目をつぶって眠り始めた。俺は聖名の部屋から厚手の毛布を持ってきてかけてやった。一人で寝るのが嫌だったように見えたからだ。それで俺は彼のそばに座っていることにした新聞を広げるのもうるさいだろうと俺は、スマホでニュースをチェックすることにした。色々見ていくうちに、「与党のプリンス」とか「総理大臣候補」と書かれた、どこか...■小説「傾国のラヴァーズ」その55・気になる男

  • ●小説「傾国のラヴァーズ」その54・聖名はフリー?

    「俺がいるからこの1ヶ月は遊びに来ないんだろうなって思ってた」「でもさ、オレに付き合ってる人間がいたら、最初から一緒に先輩に守ってもらうと思わない?」「そういやそうだな」と何気なく返事をしてから、俺ははっとした。「でもびっくりした。聖名がフリーだなんて…」「うーん、大学に入って2年くらいから、起業の準備を始めたら付き合う暇なんてなくなって自然消滅…って、やっぱり縁がないってことだよね」「そうだな…」俺が次の話に困っているとテーブルの上の聖名の携帯が鳴った。「あれ?横浜のおじさんだ。もしもし…」聖名の育ての父の矢野氏なのだろう。聖名は動くのが辛いだろうと、俺はコーヒーカップと携帯を持って自分の部屋へいったん引き上げた。…部屋の中で俺は身構えていた。聖名に用事を言われたらいつも以上に早く動きたかったからだ。そ...●小説「傾国のラヴァーズ」その54・聖名はフリー?

  • ★小説「傾国のラヴァーズ」その53・運命の相手が欲しい

    聖名は、「そうか…運命の出会いか…」と言うとグラノーラを口に運んで黙り込んだ。俺の口は勝手に質問していた「聖名はどうなの?」しまった、と思って俺は慌てて謝った。聖名は前を向いて一瞬困っていたようだったが、「いやセンパイが話してくれたからいいんだけど、そうだな、そう言われれば、告白されたからなんとなく付き合っただけだったな…」そしてうつむくと、「確かに運命の相手は欲しいね」そこで俺はまた何を思ったか「えっ?今いないの?」と尋ねてしまった。「いないよ付き合ってる相手なんて。気がつかなかった?」★小説「傾国のラヴァーズ」その53・運命の相手が欲しい

  • ◆小説「傾国のラヴァーズ」その52・白紙の恋愛経験

    「とにかく大丈夫だよ。俺はやり方知らないから」すると聖名は目を丸くして、それからなぜか気を取り直したように、「それじゃあオレが女の子だったら危なかったの?」そう言いながらも実はグラノーラの方に夢中のようだ。「いやそれも無理。その俺は女の子の扱いも経験ないから分からないし」わざわざ言うのも変なものだが。しかし聖名はびっくりして、「えっ?どういうこと?」さっきも言ったろ俺はそういうの興味ないって「うーん…」聖名は何だか困っていた「それって先輩は全く恋愛に興味ないってこと?それとも運命の出会いみたいなのがあったら付き合いたいってこと?」と言ってから、立ち入ったことを訊いてごめんと真剣に謝ってきた。「いやいいよ。あまり考えたことなかったけどカップルとか見ても他人事なんだよな。こんな俺でも告白されたことは何回かあっ...◆小説「傾国のラヴァーズ」その52・白紙の恋愛経験

  • ■小説「傾国のラヴァーズ」その51・センパイならいいかも

    聖名が無表情なのが怖かった。でも俺はどうにか、「あ、グラノーラな。今用意するよ」すると、聖名はわずかな笑みをたたえて、「先輩も一緒に食べない?朝飯まだでしょ?」聖名の気遣いに甘えて、俺も相伴することになった。しかし、いつもと違い俺の横に聖名は座ったので表情は横からしか見えない。聖名はそのまま正面を向いたままで、「先輩ごめんね。とっさのことで先輩ってわからなくて。わかってたらあんなに騒がなかったんだけど」そして重い口を開き始めた。「…実は大学生の頃襲われかけた経験があって」予想が当たって俺は黙り込むしかなかった。友達の知り合いの家で飲んで、酔ったみんなは潰れた聖名のことを忘れて帰ってしまい、その家の主と二人きりになったところを襲われたという。「まあ、抵抗しきれるかなとは思ったんだけど、友達が偶然忘れ物を取り...■小説「傾国のラヴァーズ」その51・センパイならいいかも

  • ●小説「傾国のラヴァーズ」その50・聖名の部屋にて

    「違うんだその様子を確認しに来ただけで…」聖名はベッドの上ですっかり怯えている。「そんな、変なことしようとしたわけじゃないんだ。俺そういうの興味ないし、男性にも興味ないし…」「…」「ごめん。呼吸しているか、確認していただけなんだ」「はあ?」一瞬2人とも沈黙で見つめあったが、「とにかくセンパイ、俺の部屋で寝ないで。ちょっとここは出て」「ごめんな。体温は…「自分で測りますから!」俺はパニックのまま聖名の部屋を出た。どうしよう…盗難の疑いをかけられても、会社にも迷惑がかかるし…次に俺が気づいたのはあの端正な顔立ちの聖名に、男に襲われた体験があったらどうしようということだった。それで、気の強い聖名が驚く以上に怯えてたのだとしたら…自分が信頼を失う以上に、聖名を傷つけたかもしれないということの方が心配だった。どうし...●小説「傾国のラヴァーズ」その50・聖名の部屋にて

  • ★小説「傾国のラヴァーズ」その49・襲ってなんかいない

    起こさないように小さくドアをノックして部屋に入ると聖名はまだ寝ていた。しかし俺の悲しい癖で、ベッドの脇にしゃがみ込んで聖名がきちんと呼吸をしているかを確認せずにはいられなかった。俺の親代わりの祖父は自宅で亡くなったのだが、その第一報は、慌てふためいた祖母からの電話だった。ーおじいちゃんが息をしていないみたいなんだよ…あれは高校1年の夏で、試験の最終日が終わって帰宅する途中の道すがらだった。携帯を、とり落としそうになった。あんなにショックなことはなかった。退院してきたばかりだったのに…その後のことはあまり覚えていない。しかしその後は亡き父の弟である叔父さんたちが全部取り仕切ってくれたので、何も問題はなかった。それで俺は寝ている身内を見かけるたびにちゃんと呼吸しているのか確認せずにはいられなくなったのだ。もち...★小説「傾国のラヴァーズ」その49・襲ってなんかいない

  • ◆小説「傾国のラヴァーズ」その48・聖名の携帯

    聖名にスポーツドリンクのボトルを渡してやると、ひと口ふた口飲んだ後、俺に返してきた。「大丈夫か?」「うん。おいしい…ありがとう…」そこで俺は気付いた。「夜中に何かあったのか?嫌がらせの電話とか…」夜中にこの部屋で起こったことは俺には分からない。「それはないよ。でも明日は商談だから午前は休むことにする」そして専務の高橋さんに電話すると言い出したが、サイドテーブルにあったはずの携帯がないと言う。「枕の下にでもあるんじゃない?寝る直前まで見てて床に落としたとか」俺はしゃがみ込んでベッドの下を見てやりながら何だか悔しいとでも言うような気持ちがこみ上げてくるのを感じていた。聖名がベッドの中で電話やメールする相手って…「あったあった」俺が拾い上げて渡すと聖名が礼を言いつつも微妙な顔をしたのはなぜだったのだろう。そして...◆小説「傾国のラヴァーズ」その48・聖名の携帯

  • ■小説「傾国のラヴァーズ」その47・聖名のタキさん?

    しかし、返事はない。仕方なく、俺はもう一回ノックをしたが、返事がない。やむなく、失礼します、と言ってドアを開けた。部屋に入ってみると、聖名はベッドにもぐりこんでいて、羽根布団を頭まですっぽりとかぶってもぞもぞしていた。「聖名、大丈夫?具合悪いの?」すると聖名は布団から顔だけ出して、「うーんゆうべ眠れなくて、湯冷めもしたのかな。なんか気分が悪い…」「午後から出社とかできないの?あと思い切って休むとか」「そうだね…」と、聖名は考えていたが、「センパイ、スポーツドリンク持ってきてもらっていい?水も飲めなくて…」それは大変だと、俺が冷蔵庫の奥からスポーツドリンクのボトルを持ってくると、聖名は眠っていた。しかし、なぜかはっきりと、「…タキさん!…」と寝言で叫んだのだ。たきさん?悪いが俺は少し笑ってしまった。新規事業...■小説「傾国のラヴァーズ」その47・聖名のタキさん?

  • ●小説「傾国のラヴァーズ」その46・聖名が起きてこない

    電話が終わると聖名はコーヒーを入れてくれて、「ごめん。でも助かった。ありがとう」「いや、こちらこそごめん。矢野さんっていうと、聖名の味方か会長の味方かわからなくなっちゃって」そっかごめんねと言って聖名は育ての母であるおばさんのことを再度説明してくれた。「おばさんは単に非通知設定を解除するのを忘れてたみたい。センパイに住んでもらうのはおじさんにしか話していなかったから…」そこまで言うと聖名は何か言葉を選びながら、「センパイ、大丈夫?湯冷めとかしてない?」なーんだ、それであんなに必死でジェスチャーを送っていたのか…俺はクスッと笑ってしまった「なんだよ、俺はすごく心配してたのに。こっちが余計な心配させたから」「あーごめんごめん。ジェスチャーを送ってくれる聖名がすごく可愛かったから…」可愛いはさすがにまずかったか...●小説「傾国のラヴァーズ」その46・聖名が起きてこない

  • ★(小説「傾国のラヴァーズ」)作者・愛田莉久よりお知らせ

    いつも小説をお読みいただきましてありがとうございます。作者の愛田莉久です。今日は珍しく午前中の更新となっております。これからも時間帯まちまちのアップとなりそうですが、よろしくお願いいたします。また、閲覧者さまの利便性向上のため、小説のタイトルの前に◆などのマークをつけることにしました。よろしかったらしおりの代わりにご利用ください。また、更新情報はツィッターでもご確認いただけます。作者のつぶやきも結構ひそんでますので、こちらもよろしかったらご利用ください。それでは今後ともよろしくお付き合いくださいませ。★(小説「傾国のラヴァーズ」)作者・愛田莉久よりお知らせ

  • ◆小説「傾国のラヴァーズ」その45・聖名のジェスチャー

    無言電話にこんなに緊張したことはなかった。しかし、聖名以外の人間が聖名のそばにいることをわからせてやろうと、もう一回言った。「もしもし」すると、中年の女性の声で、ーあの、鈴崎さんの携帯ではないですか?「はい、鈴崎は弊社の社長ですが」するとびっくりすることを言われた。ー私、聖名の叔母の矢野と申します。聖名に代わっていただけませんか?「おばさん?矢野さんですか?」俺が驚いていると聖名はまた慌ててそれを引き取った。「もしもしおばさん?非通知だったからわからなくって…」楽しそうに話しながら聖名は俺をちらっと見て何事かジェスチャーを送ってくる。結構必死だ。あーなるほど。上半身にも服を着ろってことか。聖名はこんな時もきちっとしてるな…◆小説「傾国のラヴァーズ」その45・聖名のジェスチャー

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その44・聖名の笑顔

    聖名の笑顔はリラックスしていたので俺は安心して冷蔵庫に食材を入れ始めた。久しぶりの知人との商談は長電話になった。それで夕食は俺が適当作ったのだが、聖名は美味しいと言ってくれた。しかし、そんな事よりも商談のことばかり楽しそうに話していた。と、そこで何かを思い出したように、「そういえば土曜日ってセンパイは、休み?」「いや、この部屋で勤務だよ。あなたが行くところならどこへでもお供しますよ」それでさっきの電話の主のもとへ行きたいと言われた。「もちろん、いいですよ」それを聞いた聖名の、ぱあっと広がった笑顔はいつも以上に輝いて見えた。こっちまで幸せな気分になった。しかし、俺がいつも通り手早くシャワーを浴び終えて服を着ていると、洗面所のドアの向こうで聖名があたふたしているようなのが伝わってきた。「聖名!どうした!」急い...小説「傾国のラヴァーズ」その44・聖名の笑顔

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その43・聖名のセンパイ

    高橋さんとしては、心配していた怪しい事件でもあったのかと気になったのだろう。俺は安心してもらおうと、「ゆうべは2人で動画を見て楽しんでいたんです」高橋さんはほっとした表情を浮かべ、「そうなんだ。でも何かあったら絶対に教えてね」「わかりました」帰りは約束した通り、スーパーに寄って帰った。俺が住み込んだことで聖名の家でかかる経費は、全て聖名持ちということになってはいる。でも「センパイ」としては何だか申し訳ないので、聖名には辞退されたが、今回はせめてもと、お菓子とノンアルコールビールを買った。「この前の動画鑑賞が楽しかったからさ」チョコレートを選んでいた聖名は、一瞬驚いた様子で俺を見たが、「心霊動画はまだまだあるから楽しみにしてね」と、笑顔を見せてくれた。嬉しかった。…いかん。どうも聖名の前では「センパイ」気分...小説「傾国のラヴァーズ」その43・聖名のセンパイ

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その42・眠そうな二人

    …聖名は天を仰ぐと、てことはやっぱり一緒じゃなきゃだめか、と口をへの字にして悩む。そしてその横顔はちょっとやつれている。でも2人暮らしには耐えてもらうしかないし、ここまで怪しい人物の接触がないのは幸いだったのだ。(そういえば会社のない土曜日曜はどうすればいいんだろう…)(ゆうべはあんなにはしゃいでいたのにな)「じゃあ仕方ない。2人で行こう」聖名の決断を聞いて、俺はふと気づいた。「もしかして何か用事があったの?デートとかそれだったら…」「いやオレ今誰とも付き合ってないし」何だかすごい勢いだったので、びっくりしてしまったが、返って怪しいと思い、それにショックを受けている自分にも驚く。「それでは買い出しは一緒にということで、よろしく」俺も何か言ってやりたくなって、「トイレにもついてった方がいいですか?」すると聖...小説「傾国のラヴァーズ」その42・眠そうな二人

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その41・俺がいる意味

    おはよう、という声は重なった。ちょうど聖名がこっちを向いてくれたからだ。「センパイ、悪いけど今朝はグラノーラで許して」「いいけど、指示があれば、俺作るよ」「じゃあグラノーラで」「わかりました」二人で布団を片付けると、グラノーラに牛乳をかけて食べた。ヨーグルトもおいしいのだが、聖名はまた無言だ。やっと、「センパイ、悪いけど今日、買い出しとかダメ?」「いいけど、何買うの?」「食料」「ああ、ついてくよ」「いや、そうじゃなくてオレ一人で」何を言ってるんだ。昨日の夜以来、聖名は変だ。(結構俺、心霊話聞きたかったのに…)「聖名、それだと警護ができないだろ?」「あー、そういえばそうだった。センパイはそのためにここに来たんだった…」小説「傾国のラヴァーズ」その41・俺がいる意味

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その40・朝はけだるくて

    聖名の変化に戸惑いつつも、俺はいつも通り、部屋着で布団に入った。聖名の方も部屋着だ。布団に入ると意外にも聖名は俺には背を向けて灯りを消すと無言だった。あれ?合宿を提案してきたのはお前の方だったよな?(疲れて、話すのが面倒になったのかな)不思議なことに、俺の視線を感じて身を固くしたようにも見えて、俺は声をかけるのもやめ、俺の方も迷惑にならないように彼に背を向け、眠りについた。…気がつけば、朝だった。トイレの付き添いには起こされなかったようだ。隣を見ると、もう聖名の布団は畳まれていた。驚いて辺りを見まわすと、聖名はキッチンの丸椅子に座り、あらぬ方を見てぼーっとしていた。何と声をかけたものか迷った。やっぱり二人暮らしは憂うつなのかな、とまた思えたからだ。小説「傾国のラヴァーズ」その40・朝はけだるくて

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