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「傾国のラヴァーズ」 https://blog.goo.ne.jp/saeki123

ボディーガードの翔真は、訳あり過ぎる美青年社長・聖名(せな)の警護をすることになるが… (1行更新?の日もあるかも…😅)

愛田莉久
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2022/11/19

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  • 小説「傾国のラヴァーズ」その39・リビング合宿

    聖名は俺にしがみついたままになっていた。その手を優しくほどきながら俺は、「いやあ、こんなに面白いとは思わなかった。また一緒に見たいな」「でしょでしょ、って、もうこんな時間なのか…」と、寂しそうに言うと、「ねえセンパイ、今夜はこのリビングで合宿しない?」「合宿?どういうこと?」「せっかくだから、さっきの心霊について語り合うの。オレ、来客用の布団出してくるから」俺はそんなに気がすすまなかったが、まあこんなのもいいかなと思ってOKした。そして、二人分の布団の用意を手伝った。本当に合宿という感じで、聖名の怖がりの原点でも聞けるのかとなぜかワクワクしてしまったが、いつしか彼からは笑顔が消えているのに気づいた。小説「傾国のラヴァーズ」その39・リビング合宿

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その38・聖名は小首を傾げて誘う

    それにしても聖名は怖がりだ。まあ、個人差だから、怖がる基準はまちまちだろうけど…照れくさそうに俺から離れた聖名は、ビールをひと口飲むと、もう次の動画を見ようとしている。「次は何見るの?」「せっかく先輩がいて1人じゃないから、続いてまた心霊モノ見ようかなって」俺は必死で笑いをこらえた。「いやあんなに怖がってるのになぜ見るの?」「いや大好きだから」まあ現実逃避にはいいのかも…でもテーブルの上のビールの缶をひっくり返しそうになりながら大騒ぎになるのはどうなんだろう。「ホラー映画も好きなの?」「いやああいう作り物はダメで」「そうだよね。それに時間も長いし」「そうですよね」聖名は適当に相槌を打つと、「さあ次もおすすめの…」俺は何だかからかいたくなって、「一人でトイレに行けますか?」すると聖名も負けじと(?)「ついて...小説「傾国のラヴァーズ」その38・聖名は小首を傾げて誘う

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その37・聖名の悲鳴?

    そして、画面の中では、丑三つ時、廃村の中にあるという廃校に二人が入っていき…ーリュウ君、何かねえ、すぐの教室の前に女の人が見えるの…ー女の子?ーううん、違うの。大人の女の人。ー大人?隣の聖名を見ると、いつしかクッションは捨てていて、怯えた表情でもう腰が引けている。すると動画の中では、霊の声が…音とテロップで…〈…あそんでいって…〉「!!!」聖名が俺の腕にしがみついてきた。霊よりも、聖名がしがみついてきたことの方に俺はびっくりした。ー音声アプリ使ってみようか…こんばんは。リュウといいます。今日はみなさんとお話し出来ないかと…〈死ね〉〈帰れ〉〈やめてください〉アプリの音声が暗い画面の中で赤い文字でも表示される。「アプリ使ってるけど、機械の声だけど、霊の言葉なの!怖い~」聖名はしがみついたまま、俺の胸に顔を埋め...小説「傾国のラヴァーズ」その37・聖名の悲鳴?

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その36・聖名は両方好き?

    すると今度は聖名が笑ってしまい、「いやこれは前座。大人のメインはこれからだよ。さあセンパイ、ここに座って」言われるがままに俺は彼の横に座った。「大人のメイン」という言葉が少し気になったが…彼は無言のまま、猫の動画を途中で終わらせ、手慣れた様子で、テレビで検索画面からお目当ての動画を見つけ出した。すぐに動画は表示されたが…黒い画面に赤い文字で、〈警告〉〈閲覧注意〉〈不思議な現象が起こります〉…とか書いてある…つまり、心霊動画のチャンネルだったのだ。俺には選択権がなかった。「センパイ、ほんとに面白いんです。おすすめです。センパイは怖いの苦手?」「見たことがないからわからないけど…そんなに苦手ではないと思う」「よかったあ」…ってことは、彼は実は怖がりなのか?「これは〈ホラージャパンTV〉っていうチャンネルで、リ...小説「傾国のラヴァーズ」その36・聖名は両方好き?

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その35・聖名と動画ナイト

    彼の方は車の中では無表情だったが駐車場から社長室までのわずかな距離、何気なく様子を伺うと口元の笑みこそかみ殺していたものの、目はキラキラしていて、見ているこっちまで嬉しくなるような表情だった。商談がまとまったのが本当に嬉しかったのだろう。その後は、社長たちは軽く残業だったので、俺もパソコンを開きつつ、月曜日の彼の失踪の理由を聞き出すにはどうすればいいか悩んでいた。約束通り、その夜は動画ナイトだった。風呂からあがると、暗くしたリビングのソファの上で、聖名がくつろいでいた。テレビには、可愛いネコが映っている。聖名は笑顔で、「センパイ、ノンアルでよかった?」テーブルにはビールやスナック菓子が置いてあったが…「部屋暗くして見るの?」「うん。雰囲気出したいじゃん」俺は吹き出してしまった。「ネコの動画に雰囲気?」小説「傾国のラヴァーズ」その35・聖名と動画ナイト

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その34・どうした、聖名?

    俺が開けるより早く聖名はドアを開け、「先輩シャワーどうぞ。あっ、LINE忘れた。ごめん」珍しくぶっきらぼうな感じだった何かあったのかなと、心配になったが、俺は普通にありがとうと返してすぐにシャワーを浴びに行った。上がる時に風呂の掃除もして浴室から出ると、リビングには明かりはついていたが彼はいなかった。「おやすみなさい」のメモだけ。何だか寂しかったので俺も下におやすみなさいと書いておいた。次の朝、そういえば、リビングのテーブルには例の紙はなかった。無事、聖名よりも早く起きられた訳だが…今度から取りあえずは、起床時間を決めておいてもらおうと思った…そこに聖名が起きてきて二人で朝食の準備を始めたが、妙に彼の表情は険しかった。そして、テレビをを見ながらの朝食。番組は、難しい経済番組だ。そして、聖名の口数は少ない。...小説「傾国のラヴァーズ」その34・どうした、聖名?

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その33・聖名のカニ

    彼の横顔は何だか冷ややかだった「あと、お願いしたいのは、家の固定電話の電話番」「家の固定電話は廃止できないの?」一人暮らしになってからずっと携帯だけなので、俺はピンと来なかったのだ。「うん会社始めた時、自分の家を事務所にしてたから、電話も家のを会社の電話として名刺やホームページで宣伝していた時期があったんだ。それでたくさんのお客さんに出会ったんだ」それから2、3年も経っているが、この固定電話への連絡は今でもあるという「最近はごくたまにしか来ないけれど、それでも人脈が広がっていい面があるからやめたくないんだ。それなのに…その…例の変な電話が混ざってきて…」「わかったそれは全部俺が出て必要なものだけ取り次ぐよ」「それ聞いたらほっとした。センパイ、ありがとう」と、いつしかカニをむくのに夢中になっていたらしい聖名...小説「傾国のラヴァーズ」その33・聖名のカニ

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その32・聖名って呼ぶ…よ

    フルートグラスにゴールドのスパークリングワインが注がれ、無数の泡が立ち上っていた。そのグラスをカチャ、とぶつけて2人で乾杯した。しかし俺は一口飲んだ途端、不安だけではなくなぜかワクワクし始めていた。「ありがとうございます俺一人なのに着任祝いまでしていただいて」すると彼の表情は少し曇り、「いやそうなんですけど、そういうことになるのかもしれないですが、俺としてはその、初めてのルームメイトなわけじゃん。海原輩が。それを喜んでいるってこともわかってください」と、応えてくれる彼は、口元が何だか照れくさそうだった。俺の方もそれを見てなんだか照れてしまい、よくわからない複雑な気持ちになった。「鈴ちゃん、ごめん。実は俺にもそういう気持ちがあります。」なぜかその言葉に彼は固まってしまったようだった。それを見て俺も固まってし...小説「傾国のラヴァーズ」その32・聖名って呼ぶ…よ

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その31・消えない空白

    俺は嬉しくなって、「ワインですか。いいですね。でも平日なのに大丈夫ですか?」ノンアルコールではないのも気になったが、中止になるのが嫌で、それは言わなかった。「うん。ていうか海原センパイの歓迎会っていうことで。自宅で悪いけど」一瞬は喜んだが…思えば昨日のあの空白は、何だったのかと思うとまだモヤモヤするが、「じゃあお言葉に甘えてお願いします!」…ワインはキラキラ輝くスパークリングワインだった。さらに料理も俺の目から見てかなりのごちそうだ。「すごいなあ」俺が何気なく言うと、彼も何事もなく、「このために昨日少し買い出ししたから」と言う。俺はフリーズしてしまった。「それで雲隠れしていたのか?」「それについては本当にごめんなさい。そして食料買い出しに行ったのは日曜日。記憶違い」日曜はまだ俺の常駐が決まってなかったはず...小説「傾国のラヴァーズ」その31・消えない空白

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その30・聖名ちゃんとワイン?

    「困った電話の時は、スピーカーにするから、近くで相手に聞こえるように何か話してほしい。オレのこの問題を知っているかよわい女性じゃなくて男性が、常にオレのそばにいることをさりげなくアピールできると思うから」「わかりました」そこまで一気に語ると彼は少し安心したようで、「他にもいろいろ出てくると思うけど、その都度相談するよ」その日の彼は一日中社内でおとなしくしていた。財務会計に関する本や社内の財務資料をゆっくりと読み込んでいるようだった。実は俺の方は高橋さんからメールで、ではあったがきつく、彼から目を離すなと言われていた。それで、ということらしく、お昼は高橋さんが近所の弁当屋さんで3人分唐揚げ弁当を買ってきてくれた。よっぽど彼を外に出したくなかったのだろう。しかしその日は社長室は早めに上がった。車の中で彼はよう...小説「傾国のラヴァーズ」その30・聖名ちゃんとワイン?

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その29・微妙なセンパイ

    彼は視線を落としたまま、「冷蔵庫からイチゴのヨーグルト2つ出してもらえる?」トーストなんかと色々並べて、2人で朝食の食卓に向かった。「いただきまーす」2人で手を合わせて、まず俺はコーヒーを一口飲んだ。天気も良さそうで、気はつかうが、なかなか幸せな気分だった。「センパイ、勝手にパンにしちゃったけどよかったかなあ?苦手なものとか、昨日のうちに訊いておけばよかったね。ごめん」まだ俺の目を見てくれないなあ…「いや、特に好き嫌いもないし、朝食はパンの方が好きなんで、助かります」するとようやく、彼はいたずらっ子のように笑いながら俺を見つめて、「センパイ~敬語も禁止にしようよ~。どうせ会社でいっぱい使えるんだし」「そ、そうだな」俺のうろたえぶりにようやく彼は俺の目を見て笑ってくれた。本当は昨日の顛末を尋ねるべきなのだろ...小説「傾国のラヴァーズ」その29・微妙なセンパイ

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その28・シャワーは済ませた?

    そして彼は、「ごめんね、それじゃおやすみなさい」と、自室に引き上げていった。風邪薬とか…と、俺はその背中に問いかけたが、彼は振り向かず、大丈夫だから、とドアを閉めた。俺は何だか悪いなと思いながらも、シャワーを使わせてもらうのも仕事のうち、と割り切ってバスルームに向かった。髪も乾かし終わり、リビングまでやってくると、部屋着姿の彼がぼーっとソファに座っていた。「大家さん、どうしました?」すると彼は思わず苦笑しながら、「い、いや、センパイにおやすみなさいをきちんと言いたかったから待ってた」センパイか、今度は俺が笑ってしまった。彼も笑顔になって、「じゃぁおやすみなさい」「おやすみなさい。温かくして寝てください」次の朝は…いつもより1時間早く目が覚めて、鳴る前のスマホのアラームを解除することができた。この広いベッド...小説「傾国のラヴァーズ」その28・シャワーは済ませた?

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その27・ルームメイト?

    すると彼は、「こっちこそとんでもない。ややこしい仕事を頼んじゃったから、せめて自分の部屋ではゆっくり休んでほしかったんだ」「でも…」「大丈夫だよ。でもそんなに遠慮するなら白状しちゃうけど、これ、知り合いの家具屋さんがドタキャンされて困ってたベッドなんだ。人助け、ベッド助けと思って使ってやって」と、彼は微笑む。ようやく明るい彼が戻ってきたと、俺は内心ほっとして、「では社長、ありがたく使わせていただきます」スーツ姿のままでよかった、と思いながら、俺はぺこりと頭を下げた。すると彼は、「この部屋では、プライベートでは、その、社長、っていうのやめようよ」「じゃあ何て…大家さんとか?」彼は吹き出したが笑いをこらえて、「鈴崎でいいよ、海原。きっとオレはジムか何かのあんたの後輩で、ルームメイトになったんだ」その後はざっく...小説「傾国のラヴァーズ」その27・ルームメイト?

  • 小説「傾国のラヴァーズ」その26・まだ慣れぬ彼

    俺は冗談めかして、「担当が僕に決まって、すみません」「あ、ああ、そんなことは…」笑ってはくれず、それどころか彼は挙動不審ぽかった。それでも、「気に入ってもらえるかわからないけど、いちおう最低限の家具は用意したから」「すみません。わざわざありがとうございます」…部屋に着いて俺はびっくりした。俺の部屋は例の一番広い部屋だったからだ。そして家具はどれも新品。パソコン用の机と椅子は人間工学に基づいたもののようだし、あとは本棚とかサイドテーブルとか…落ち着いたデザインだがどれも高そうだ…しかし何より驚いたのは、ベッドがキングサイズの立派なものだったことだ。マホガニーのヘッドボードの、これまたシンプルなデザインだがこれも高そうで恐縮してしまう。何と言ったらいいか俺が困っていると、彼は、「ごめんね。急だったから、これし...小説「傾国のラヴァーズ」その26・まだ慣れぬ彼

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