■小説「傾国のラヴァーズ」その55・気になる男
案の定、聖名はぐったりとソファーにもたれかかって座っていた。「俺がやるから休んでろよ。カフェオレの方がよくないか?」「あ、そうかも。お願いします」カフェオレをひと口飲むと聖名は、「矢野会長がとうとう上京してくるんだって。俺を説得するために」「え?いつ?」俺は覚悟していたはずなのに、言われると驚いた声をあげてしまった。「2週間後…ごめん、詳しいことは後で話すよ」そこまで言うと、すぐに聖名はその場で目をつぶって眠り始めた。俺は聖名の部屋から厚手の毛布を持ってきてかけてやった。一人で寝るのが嫌だったように見えたからだ。それで俺は彼のそばに座っていることにした新聞を広げるのもうるさいだろうと俺は、スマホでニュースをチェックすることにした。色々見ていくうちに、「与党のプリンス」とか「総理大臣候補」と書かれた、どこか...■小説「傾国のラヴァーズ」その55・気になる男
2023/05/24 18:41