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米騒動 https://komesoudou.com/

創作BL小説を書いています。うっすらしたゆるBL/青春ブロマンス/たまにR18/美形×平凡/長編BL小説

はいじ
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2022/11/13

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  • 番外編14:旅のおわり!

    ------とある日の魔王城初代「おい、何だこれは」犬「すみません」初代「なんで四人分も飯が用意されてる?」犬「えっと、その…」初代「あいつらは、昨日出て行っただろうが」犬「…いつもの、癖で」初代「はぁっ。ったく」犬「…すみません。昼と夜に

  • 番外編13:勇者ヒスイは、ヘマの背中を見送った

    「俺はいいわ。俺の時間は止めなくていい」 そう、ヒスイは嫌そうな表情で自分を見つめてくる魔王に向かって、軽く言ってのけた。そんなヒスイに対し、ヘマはみるみるうちにその幼い顔を歪めていく。「な、なんで?」 クシャリと、顔の中央に皺が集まる。

  • 216:ジェローム・ボルカーの決断

    「俺は、分かってるんだ。この戦争に勝った後、広がった広大な領土を統治する事も、文化交流のなかったエルフを統治する事も、この侵略戦争を機に諸外国との関係性の変化に対応する事も……全てにおいて、俺は力不足だ」「ジェローム、そんなモノはやってみな

  • 215:ジェローム・ボルカーの苦悩

    真っ暗な世界の中で、ジェロームの五感を揺さぶるものがいくつかあった。 それは、隣から香ってくる出来立てのコーヒーの香りであったり、気づかわしげな様子で此方を見ているであろうハルヒコの特有の浅い息遣いであったり。 視界からの情報が一切遮断さ

  • 214:自問自答

    「は?」 俺の言葉に、目の前に座るジェロームの目が大きく見開かれた。 隣に座るエイダなんか、まるで洋画のような「ひゅう」と言う、絵に描いたような口笛を吹いている。まぁ、ほぼ口で言ってる感じだったけど。いや、出来ないならすんな。「……おい、お

  • 番外編12:二度と来ない明日(ヒスイ×ヘマ/初代×犬)

    ----続き苛立ちと葛藤から、初代様はしばらくの間、のたうち回っていたよ!初代「…わかった」ヒスイ「お?」ヘマ「ん?」初代「ヒーラー、お前の時間を止めてやる」ヘマ「どういう事?」初代「そのままの意味だ。お前の存在を“今”に縛る。そうれば、お

  • 番外編11:ヘマによるクリティカル!魔王様は動けない!(ヒスイ×ヘマ/初代×犬)

    ----続き!ヘマ「ちゅっ、ちゅっ!」ヒスイ「…あ。ヘマ、ちょっと待て」ヘマ「なに?どうしたの?あ!温かい場所を探しに行く?」ヒスイ「いや、まだ死に場所を探すには早い」ヘマ「そうなの?」ヒスイ「ああ。ヘマ、ちょっと一緒に来い」ヘマ「うん!イ

  • 213:俺の声、お前の声

    俺達の座ったソファ席は酷く年季が入っていた。きっと昔は濃い朱色だったのだろう。ただ、長い年月と共に摩耗したソレは、今では薄黒くなっており、赤色だった形跡は欠片も無い。 中央に一つだけ足のある壁から備え付けられた机も同様で、そこかしこに傷と

  • 212:格好良い声

    「おれ、ちゃんと……選ばれてたんだ」 そう、感嘆の溜息と共に漏れ出た言葉が、俺の耳の奥にゆったりと馴染んでいく。俺はちゃんとジェローム役に選ばれていたのだ。「えらばれる?」 俺の言葉に、ジェロームは訳が分からないとばかりに首を傾げてくる。ま

  • 番外編10:魔王様の渾身の!!(ヒスイ×ヘマ←サンゴ/初代×犬)

    引き続き【初代様には仲間が居ない!】とのコラボです。知らなくてもノリとテンションで読めます。今回は【初代様】過多です。≪人物紹介≫初代:俺様初代勇者(からの魔王)犬:従順な数代後の勇者(からの初代様の犬)※俺様と従順って事だけ念頭に入れて読

  • 番外編17:あられのゆめ(ゴウキ×あられ)

    in公園あられ「ゴウキー。ハラムさんが見たい。スマホ貸して―」ゴウキ「おう。ほら」ぽいあられ「ありがとー。えっと。パスワードは、ぜろはちさんいち***!」ゴウキ(あられ。毎回パスワードを口に出しながら押すんだよな。しかも声デケェし)あられ「

  • 番外編21:くんくん!これは初代様の匂いじゃない!(初代×犬)

    -----旅の途中カランカラン宿娘「いらっしゃいませ…っ!」初代「おい、犬。今日はこの宿に泊まるぞ」宿娘(めっちゃ!格好良い男来たーー!)犬「はい。わかりました。受付をしてきますので、お待ちください」初代「おう」宿娘「お泊りですか?」チラ犬

  • こぴ様

    こぴさん(2023年2月20メールを頂きました)こんにちは◎米騒動の管理人のはいじです!この度は……もう本当にステキなイラストをありがとうございました。寝る前にメールを見たのですが、そこから若干興奮して目が冴えました(本当です)さて、ここか

  • 幕間17:クリアデータ7 07:20

    「はぁっ」 画面いっぱいに映し出されたスチル画像に、栞は思わず感嘆の声を漏らした。「……ジェローム、貴方ってやっぱり格好良い。まさかこんなにすぐに貴方に再会する事になるなんて思いもしなかったわ」 言いながら、栞は一旦コントローラーを床に置い

  • 211:ジェロームと俺

    俺の声が聞こえる。「お前が指定してきた時間だろうに」「悪い悪い。腰の悪い田舎者が一緒だったんでな。つい」 チラと俺の方を振り返りながら、いつもの憎まれ口を叩くエイダ。ただ、そんな言葉に俺はもう反応しなかった。いや、出来なかったと言った方が

  • 210:世界の狭間、ばあちゃん家

    〇 喫茶店なんて、いつぶりだろうか。 エイダが誘うように開けてくれた扉の向こうからは、深みのあるコーヒー特有の芳香が漂ってきた。ただ、目の前には地下へと続く薄暗い階段が見える。光に照らされキラキラと輝いていたエイダの朱色の髪

  • 番外編14:茂木君!オフィス〇〇〇しよう!(茂木×大豆←十勝)

    ーーーー金曜日の昼休み十勝(こっちに異動して来てから、大豆と帰ってないな。昔はよく一緒に飲んで帰ったりしてたのに。今日、ちょうど金曜日だし誘ってみるか…でもなぁ)ガチャ大豆「茂木君、茂木君」茂木「なんですか?大豆先輩?」十勝「はぁ(いつも茂

  • 番外編9:ヒスイ、人生で一番幸せな一日(ヒスイ×ヘマ←?サンゴ/初代×犬)

    引き続き【初代様には仲間が居ない!】とのコラボです。知らなくてもノリとテンションで読めます。≪人物紹介≫初代:俺様初代勇者(からの魔王)犬:従順な数代後の勇者(からの初代様の犬)※俺様と従順って事だけ念頭に入れて読めば大丈夫です。「つわり」

  • 番外編8:いくら天才法術師でも(ヒスイ×ヘマ/初代×犬)

    ≪前書き≫ こちらのお喋りは【初代様には仲間が居ない!】というお話に登場するキャラが出てきます。知らなくてもノリとテンションで乗り切ればどうにかなると思います。一応キャラ説明。初代様:「ソードクエスト」における、最強の初代勇者。俺様。犬:「

  • 209:人間とエルフ

    「クリプラントが何であんなに頑なに国を閉じてるか分かるか?」「……何だよ、急に」「なぁ、何でだと思う?」 多くの人々が行きかう中央通りのような道を歩きながら、エイダは迷いなく歩を進める。俺はただそれに付いて行くだけだ。「エルフが……血を混じ

  • 208:リーガラントの首都

    〇 腰が痛い。「おーし、ここがリーガラントの首都だ。どうだ、クリプラントで生活してたお前にはビックリだろ?な?なぁ、おい。サートーシぃ?」「あ?あぁ、うん」 俺は隣で得意気な様子で手を広げて見せるエイダに、腰をさすりながら返

  • 番外編20:おい、犬。なんでチョコなんだ?(初代×犬)

    2023年バレンタイン記念お喋り-----再会した直後犬「あの。初代様」初代「あ?なんだ?」犬「あの、こちらをどうぞ」初代「なんだこりゃ」犬「ちょ、チョコレートです」初代「ンなもん見りゃ分かんだよ。何で急にチョコなんだよ。俺は用意しろなんて

  • 番外編16:ここに愛はない!でも美味しいはある!(ゴウキ×あられ)

    2023年バレンタイン記念お喋り----あー俺、板チョコを溶かしたモンがこの世で一番好きだわーあられ(ってゴウキは言ってたけど…でも、オレもゴウキに高いチョコを渡したい。やっぱり俺もゴバディを買おう。千円あるし、小さい1箱くらいは買えるはず

  • 番外編7:ヘマに治せないモノはない!(ヒスイ×ヘマ/???×??)

    ヘマが気持ちの悪そうな人に遭遇したよ!ヘマ「あの、大丈夫ですか?」ススヒスイ(おい!ヘマ!なに話しかけてんだ!逃げろ!ソイツは見た目はそうでもねぇが、中身はヤベェんだ!俺が死ぬ程負けて、やっと一太刀あびせられた相手だぞ!それに、ソイツを倒し

  • 番外編6:気持ち悪いのは誰?(ヒスイ×ヘマ/←?サンゴ)

    ヘマ「ぐず、イシ君。オレは気持ち悪いかな」スタスタヒスイ(気持ち悪くねぇなんかねぇよ)ヘマ「なになに?ちょっと気持ち悪い所もある?どっ、どんな所が?」ヒスイ(いや言ってねぇから!何でここにきて謎にすれ違ってんだよ!)ヘマ「うんうん。すぐにキ

  • いな様

    (2023年2月12日メールを頂きました)いなさんもう、朝からいなさんのメールを読ませて頂いて、本当に心がほっこりしました◎こちらこそ、私のお話を10年以上も前から、お話を読んでくださりありがとうございます。10年……なんだか途方もない時間

  • 207.5:サトシの性教育講座~テキストに頼るな~

    第4章 207.5:サトシの性教育講座~テキストに頼るな~ R18部分です。(18歳未満の方は下記リンクより207へ飛んでください) イーサとサトシがしっかりセックスをしています。ただエロ度はさほど高くはありません。 童貞(早漏)×童貞(

  • 207:一度のノックは、

    同じくらいイーサも好きになってしまった。「……っはぁ、っは」 俺は卑怯だ。そんな自分の卑怯さに、呼吸が少しずつ荒くなる。 こんなの、金弥の時と同じだ。金弥が寝ている俺にキスをする。仕方ないから、黙ってキスを受け入れてやる。俺の意思じゃない

  • 206:金弥とイーサ

    〇 「サトシ?」「っ!」 俺はすぐ近くで聞こえてきた金弥の声に、パチリと目を覚ました。あれ、ここは一体どこだろう。「……き、ん?」「サトシ、また寝ぼけているな?今、サトシの目の前に居るのは誰だ?」 そう言って、

  • 番外編5:ヘマ!サンゴと再会!そして、(ヒスイ×ヘマ)

    魔王城登城中!ヒスイ「おいっ!ヘマ!付いて来てるか!?」タタ!ヘマ「はーい!」タタ!ヒスイ(ヘマのヤツ、全然バテてねぇな。ほんと、ヤってる時もそうだが、意外と体力あるし最高かよ!っし!このまま一気に…っ!)ピタタタタ!(追い越し)ヘマ「あれ

  • 番外編7:あの頃とは違うものの

    前書き番外編7:あの頃とは違うものの(R18)敬太郎中学生編。一郎(28)×敬太郎(14)一郎は不安になると敬太郎を抱く。ストーリー皆無。ただヤってるだけ。なのに、エロ度は低め。転生でR18を書く試みの第1弾。「敬太郎、今日は泊まって行けよ

  • 番外編4:いざ!魔王城へ!(ヒスイ×ヘマ)

    ーーーー魔王城にて(低階層)ヘマ「魔王城の中って広いねぇ、イシ君」ヒスイ「ああ。魔王城はダンジョン攻略に時間がかかるからな(また、此処に来ちまった)」ヘマ「でも、イシ君は一回来た事があるから、きっと攻略は簡単だね!」ヒスイ「そう、だな(つー

  • 番外編3:ヘマは天才法術師(ヒスイ×ヘマ)

    ----魔王城直前の街にある宿屋(朝なのでヒスイは石です)ヒスイ(あ゛ー、クソ。あったま痛てぇな。昨日飲み過ぎちまった)※3口くらいしか飲んでないヘマ「…ふぁ、イシ君、おはよう」ゴソヒスイ(あぁ、はよ。ヘマ……っいてぇ)ヘマ「イシ君?」ヒス

  • 番外編2:歴代勇者の傾向(ヒスイ×ヘマ)

    -----魔王城に最も近いと呼ばれている街の酒場にてモブ「今回の勇者様はどうかね?魔王を倒せると思うか?」モブ「さぁな。けど感じは良かったよな」モブ「名前はなんつったか?」モブ「サンゴだ。仲間からも慕われてるみたいだったぞ」モブ「…でもなぁ

  • 205:毎年恒例の

    --------------------- 夏休み後半。お盆前日。 その日は、俺にとって毎年恒例の行事が待っている。『サトシ。またおばあちゃん家に行くの?なんで?』『なんでって、そりゃあお盆だし』『そんなの理由になってない』『……キン、お土

  • 204:旧友との再会

    ----------------------「では、これで一旦話し合いは終わりだ。各々解散してもらって構わない」 カナニの声がクリプラント王宮の一室に響く。それと同時に、それまで話し合いの体を保っていた場の空気が一気に緩む。 いや、あれを話

  • 番外編1:ヘマ、約束守れるよ!

    ≪前書き≫ ヘマとヒスイが二人で魔王城を目指して旅をしている途中のお話です。 R18となっております。 夜、夢中で互いの体を求め合い過ぎて、夜明けに気付かなかったヒスイ。 情事の途中で石に戻ったヒスイと、まだ体の熱を持て余したヘマの……自慰

  • 番外編15:ゴウキ、どこかで既視感(ゴウキ×あられ)

    ゴウキ「あー、クソ。コイツまた勝手に回復を…」あられ「ゴウキ、それなあに?ゲーム?」ゴウキ「ああ、今学校で流行ってて。友達がお前もやれって貸してくれた」あられ「えっちなゲーム?」ゴウキ「…違げぇわ(あられ。俺がする事、全部エロいと思ってんな

  • 203:イーサの不満

    「ダメです」「ええ、ダメですね。何を言ってるんですか。まったく」「お兄様?どこの国に、使者と一緒にノコノコ付いていく王様が居るの?もう少し考えて発言してちょうだい。ねぇ?ポルカ?」「私の世界では、ソラナが全部正しいわ」 イーサの提案が秒速で

  • 202:サトシの不安

    カナニ様、俺は全然大丈夫な気がしません。「エイダ。本当にお前に任せて大丈夫なんだろうな?」「大丈夫、大丈夫!さっきジェロームに伝書鳩を飛ばしといたから。そのうち『いつ会う?』って連絡が来るさ」「……はぁ」 俺は深い溜息を吐くカナニ様を前に

  • 201:ジェロームの興味

    「なんだと?」 ジェロームは見慣れた字で書かれた手紙を前に、酷く眉間に皺を寄せた。 今や、リーガラントにおいて「手紙」なんてモノは殆どみられない。そう、「紙」は形式的で儀礼的なモノにしか用いられなくなってしまった。 それこそ、開戦における勅

  • 番外編13:茂木君、石になれる?(茂木×大豆)

    番外編13:茂木君、石になれる?(茂木×大豆)-----会社の昼休みにて(今回下品です!)大豆「うーん」茂木「どうされたんですか?」大豆「えっと、昨日更新した新しいお話の内容で、ちょっと悩んでる事があって」茂木「あぁ、更新されてましたね。す

  • 番外編12:最終的に俺が一番なら…(茂木×大豆)

    大豆「まただ…」茂木「どうしたんですか?またご自分の書かれる作品が既存のモノと似通っている事を気にしていらっしゃるんですか?」大豆「ううん。今回は違うんだ…」茂木「じゃあどうされたんですか?」大豆「お気に入りに登録してたサイトが、いつの間に

  • 番外編19:お前に傷を残していいのは俺だけだ!(初代×犬)

    番外編19:お前に傷を残していいのは俺だけだ!(初代×犬)---再会して十年後くらい魔王城に侵入してきた勇者に、犬が怪我を負わせられたよ!初代「おい犬。なにあんな雑魚勇者に一発食らわせられてんだ。しっかりしろ」犬「す、すみません。でも、初代

  • 後書き

    読了お疲れ様でした。 2023年1月分の短編修行作品でした。 ちなみに此方、夫から「きりりく」(※)となっております。※キリリクとは? 古の個人創作サイトより伝えられし古代の言葉。キリ番リクエストの略。訪問者数のキリの良い数字に来訪者が当

  • 12:勇者ヒスイはイシになった。

    ヒスイは怒髪天を衝いていた。「バカかっ! お前! アレはもう使うなっつっただろうが!」「……だって、だって。イシ君に話したい事があったんだ」「だったら、夜まで待ってろ!どうせ夜は石化が解けるんだから!」「でも、すぐ言いたかった!」「あのな?

  • 11:ヒーラーのヘマは元気にした。

    「聖なる力の源よ! ここに来たれ! エターナル・リザレクション!」ヘマは高らかに叫んだ。ちょっと格好良いな、この台詞。なんて思いながら。「っ!」これ程にまで濃いマナの“気”を纏ったのは生まれて初めてだった。体が一気に重くなる。ヘマは詠唱を終

  • 10:勇者ヒスイは爆発した。

    これ程までに、自分が石である事を後悔した事があっただろうか。いや……ない!「うんうん! イシ君もそう思う? そうだよね、やっぱりイシ君は頭がいいよ!」(何バカ言ってんだ! ヘマ、テメェいい加減にしねぇとぶっ飛ばすぞ!)「ふふ、イシ君も気付い

  • 9:青年ヘマは躊躇いなく差し出した。

    ランプの光がユラリと揺れた。 今日もヘマは、今にも崩れそうな家でブツブツと魔術書へと向き合っていた。「これ、これさえあれば……」部屋の中は真夜中という事もあり、酷く薄暗い。夜空には満月が悠然と浮かんでいる為、カーテンを開ければ月明かりが差

  • 8:勇者ヒスイは出迎えた。

    (この家、ヤベェんじゃねぇか?)あれからどのくらいの年月が経っただろう。強風に軋む古い家屋に、ヒスイはそんな事を思った。今日は風が強い。季節的に疾風でも来ているのかもしれない。(ヘマ。お前が帰ってくる頃には、俺はこの家の下敷きになってるかも

  • 7:勇者ヒスイは見送った。

    とうとう、“その日”は来た。「イシ君! 今日はとうとう出発の日だよ! 心配しないで! 気を付けて行ってくるから!」(ダメだ! 行くな、ヘマ!)ヘマは十八歳になった。ヒスイが魔王討伐の旅に出たのと同じ年だ。結局、ヘマがヒスイの身長に届く事はな

  • 6:勇者ヒスイは黙って聞いてやった。

    (ヘマのヤツ、今日は遅せぇな)ヒスイは今日も黙って家の中に立っていた。窓の外から入り込む日の光は随分と濃いオレンジ色をしている。どうやら大分と日が傾いているようだ。(何かあったのか?)夕方になると、いつもヘマは転がるように家を飛び出していく

  • 5:少年ヘマは何度もあやまった。

    「あっ! みんな帰って来てる! サンゴは……あ、居た!」ヘマがイシを拾って六年が経った。ヘマは十六歳になっていた。子供の成長とは本当に早いモノで、身長は子供の頃より伸び、キンキンと高かった声も少しだけ落ち着いた。--------オレも大人に

  • 4:勇者ヒスイはウンザリした。

    (あー、早く死にてぇな)勇者ヒスイは百年間雨ざらしの生活を送ってきた。雨風どころか、犬のおしっこをかぶりながら過ごす日々。その長い年月は、ヒスイから元々備わっていた「自信」を磨耗させていくのに十分の時間だった。(俺、いつまでこんな風に生きな

  • 200:俺とイーサだけ

    「……違うよ、エイダ」 俺は王様然と構えるイーサを見つめながら、代わりに口を開いていた。それと同時に、それまで余裕ありげに構えていたイーサの表情が微かに崩れる。あぁ、これこれ。俺が良く知ってるイーサの顔だ。『サトシ!今日はあもを喋らせろ!』

  • 199:ネックレスを渡した理由

    ---------------------「で、そうこうしてるウチに、そこのステーブルの坊ちゃんが迎えに来てくれたんで、思ったより早く帰還出来たってワケだ。な?サ・ト・シ?」 いや、なんでこのタイミングで俺に話を振るんだよ。いつの間にか席か

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