花より男子の二次小説。つかつくメインのオールCPです。
Re: notitle 35「もうマジで勘弁しろよ、お前ら」「そうだぞ。30過ぎて殴り合いの喧嘩なんてすんじゃねぇよ!ったく、久々すぎて司が凶暴なの忘れかけてたわ……」「ちょっと本気で殴り過ぎじゃない?司」俺と一番離れたソファに腰を下ろして、イテテと言いながら類は腹をさすっているが、肋骨を折るほど力は入れてないし、多少痣ができるくらいだろう。流石に顔は避けて、殴ったのは首から下だけにしてやったんだから感謝してほしい...
Re: notitle 34「おい、待てよ。類も司も何の話をしてるんだ?」「類?」あきらも総二郎も何の話をしているのか分からないということは、やはり類は誰にも彼女のことを話していないのだろう。「俺も初めはまさか司と彼女がマッチングして会ってたなんて知らなかったけどね。その話を聞いた時はびっくりした」「彼女から俺の話を聞いてるのか?」「聞いてる。だから俺は知ってるよ」「何を、知ってる?どこまで聞いた?」「お前の思...
Re: notitle 33『あなたの本当の名前は?』聞かれても話したくないことには話さなくて良い。そういう約束をした。もう彼女になら自分のことを話してもいいんじゃないかと思ったこともある。彼女には本当の自分を知ってもらいたい。でも自分が名乗ることで彼女の態度が変わってしまうことを恐れている。どうせいつかは終わる関係なんだから、そんなこと気にしなくて良いはずなのに、あきらや総二郎を見た時のような彼女の無表情で無...
Re: notitle 32「なんでお前らまでいるんだよ」「良いじゃねぇか、いても。今日は彼女と会ってたんだろ?」「今日はどんな話したの?」総二郎と類。なんでよりによって今日なんだ。こいつらの勘というか、タイミングには驚かされる。いや、それともあきらが何か言ったのか。そう思ってあきらを睨むと、「俺は何も言ってない!」と慌てて言うから、ソファで寛いでいた類と総二郎も何かあったのかと聞いてくる。「それがな、司のやつ...
Re: notitle 31「司」「なんだよ」「お前、俺が何時間待ったか知ってるか?」「んなもん知らねぇよ」あきらは、本当に待っていた。彼女の部屋で待つと決めた時にメールで帰っていいと送ったのに、勝手に残ってたのはあきらだ。それを恩着せがましく言われる筋合いはない。「ずっと彼女の部屋にいたのか?」「あ?」「彼女に荷物を渡して、そのあと」「いたら何だよ。早く車出せ。明日から出張だから早く帰りたいんだよ俺は」「ああ...
Re: notitle 30ふと目を覚したら外はもう真っ暗で、ベッド横の窓からは近くの街灯の明かりだけが、ぼんやり部屋を照らしていた。……ミドウさん、来たよね。あれ、夢じゃないよね?寝返りをうつと、ドアの隙間からリビングの明かりが差し込んでいるのが見えた。あれ?進が来たのかな?そう思って体を起こしてみたら昼間ほどのダルさはなく、熱も大分下がったように感じる。枕元のスマホを見ると、21:34の表示。「進?」部屋のドアを...
Re: notitle 29「……大丈夫か」「大丈夫、じゃない……ケホッ」「そう、だよな」「ごめんね、仕事いそがしいのに、約束だめにしちゃって」「気にすんな」「うん……」ミドウさん、怒ってない。声が、とても優しい。本当に心配してくれてるのが分かる。会えないと思ってた人に会えるって、こんなに嬉しいものだったっけ?「これ」そう言いながらミドウさんが差し出したビニール袋二つ。「こういう時どうしたらいいのか分からなくて、友人...
Re: notitle 28クシマが、風邪を引いたらしい。二週間前は彼女の都合で会えなかったから、明日は一ヶ月振りに会えると少し浮ついた気持ちになっていた。「ミドウ ジョウ」ではなく「道明寺 司」の姿で彼女と鉢合わせるアクシデントはあったものの、彼女といる時の、あの穏やかな時間は待ち遠しかった。クシマは、よく話す。俺からそんなに話題を振れないからか、それとも元々おしゃべりなのか。特に食べ物の話をしている...
Re: notitle 27一年で一番忙しいと言ってもいい6月が終わった。いつも多少の残業はあるけど、年末年始と年度末に年度始め、そして6月の株主総会の時はどうしても忙しくなる。休日出勤も基本的にはないけど、この時期は新人教育に株主総会の準備にと、やることが多く雑務も後回しになってしまう。主任と言えども、管理職ではない。だから上からも下からも頼りにされていると言えば良いのかもしれないけど、要は体の良い便利な存在な...
Re: notitle 26あたしとミドウさんの知り合い以上友人未満という微妙な関係は、それからも続いている。ミドウさんの仕事が忙しいのは相変わらずで、会うのは大体二週間に一回程度。そして、その都度どこかのお土産をくれる。日本は北海道から、仙台、金沢、大阪、名古屋、京都、沖縄。日本だけじゃなく、シンガポール、イタリア、フランス、イギリス、カナダ、オーストラリア。二週間の間に二~三ヶ所まとめて各地を回ることもある...
Re: notitle 25「おい、……じゃない。クシマ」「なに?」「何か話せよ」「ミドウさんは何かないの?」「馬鹿なこと言うな。女と面と向かって話すのが二回目の人間に無茶言うなよ」「……それもそうね」そうだった。さっきの自分の言動が恥ずかしくてチーズケーキを食べて誤魔化してたけど、ミドウさんから話題が出るとは思えない。「ん~、じゃあ仕事の話でもする?」「仕事?」「うん。ミドウさんは大手企業勤務ってプロフィールにあ...
Re: notitle 24「プロフィールにはタバコを吸うって書いてあったけど、ミドウさんてタバコの匂いがしないよね」「仕事中しか吸わないからな」「ミドウさんは、何かふんわり良い香りがする」「クシマは、何の匂いもしないな。他の女は甘ったるい奇妙な香りを撒き散らしてるのに」「き、奇妙な香り?ちょっと、どんな香りか分かんないけど、私は香水とか付けないから」「なんで付けない?」「食べ物の匂いが変わっちゃうもん」ああ、...
Re: notitle 23土曜日。朝から少しソワソワしていた。今日は午後からミドウさんに会う。どんな会話をしようか、そればかり考えている。ミドウさんは女性が苦手。それなら、あんまりボディラインの出るような服はやめておこうと、緑のタートルネックのセーターに、白のざっくりしたケーブル模様の入った大きめのカーディガンを羽織った。下はグレンチェックのワイドパンツ。靴は前回と同じ黒のショートブーツ。髪はハーフアップにし...
Re: notitle 22笑ってる?俺が?「いや、笑ってねぇけど」「いや、声を出して笑ってるわけじゃなくて、微笑む?そんな感じだったよな?!」あきらに同意を求めつつ、総二郎が驚いた顔で尚も俺の顔をジッと見ている。「何を考えてた?」「いや、別に……、あいつのパンケーキ食ってる顔が面白かったなと思い出して」「おい、そいつは仮面じゃなかったのか」「あぁ、それな。クシマを初めて見た時は仮面を付けてない女もいるんだと、び...
こんにちは、はらぺこ02です。明日から不定期更新にさせていただきます。私事で申し訳ないのですが、ついに我が家にも流行り病がやってきてしまいました。世間で流行り始めてから三年経ってますでしょうか。頑張って予防してましたが、上の子が通う小学校でもらってきたようで。5人家族のうち、3人が罹患。一番下の未就園児にうつった時点で隔離も何もなく。この一週間何とかやってきましたが、ほとんどパソコンを触る時間もなくて...
Re: notitle 21『クシマ ツキノ 20:32 こんばんは 』日本は夜。NYは朝。時差14時間。『二週間後の土曜日、大丈夫です。 一日空いてるので、時間はミドウさんが指定してください。』クシマに会える。会って彼女に聞きたいことがある。……いや、ちょっと待て。いくら聞きたいことがあったとして、どうしてそんなことを聞くのかと彼...
Re: notitle 20四人目。ミドウさん。「あ~、うん……」急に反応が悪くなったあたしに、花沢さんと進はメモを取るのに下を向いていた顔を上げて、あたしを見た。花沢さんの整った顔で見つめられると、ちょっとだけ緊張する。笑った顔も破壊力あるけど、無表情なのも、ね。「えっ。まさか姉ちゃん、その人のこと気に入ったの?!」「違う!そうじゃなくて、いや、う~ん……」ミドウさんのこと何て説明すれば良いのか。嘘ついても仕方な...
Re: notitle 19『ミドウ ジョウ 05:48 (Notitle) 』早朝の静かな部屋に、ピロンと鳴ったメールの着信音。……なに?いつも仕事の日は6時に起きてるけど、今日は日曜日だからゆっくり寝ようと思ってたのに、こんな早朝からメール?ミドウさん、今日もお仕事なのかしら。でも昨日の今日で本当にメールが来るとは思わなかった。タイトルも何もない。昨日...
Re: notitle 18「司様」「ミドウ ジョウ」から「道明寺 司」へ戻らなければ。「お前、どこかで見てただろ」「そうですね、美作さまと一緒に拝見しておりました」あきらも一緒かよ!あとで彼女と何を話していたのかと、あれこれ聞いてくるだろうと想像するだけで、ため息が出る。それに俺が誰かと会うということは、いくら変装していたとしても何が起こるか分からないところへ行くのに、誰も付いていないなんてことはない...
Re: notitle 17こうして彼女とアドレス交換をすることになったが、プライベートでアドレス交換なんて久しくしていない。それにしても彼女のアドレス『umano-shippo-makimaki-1228@……』ってなんだ?馬の尻尾?「馬の尻尾って何だ……?」「うふふ。何で馬の尻尾なのかしらね。あなたのアドレスも面白い。『sakuramochi_t_0131@……』って、なんで桜餅なの?甘い物が苦手なのに桜餅は好きなの?」「違う。友人がふざけて設定したのを、そ...
Re: notitle 16「あなたの体はあなたのものなの。それが家族でも友達でも初めて会った人でも、人の体は許可もなく勝手に触ったりしないものでしょ?」この言葉は、この女を信用するのに十分だった。この女がアプリを使って何をしようとしていたのか目的は分からないままだが、もうアプリを辞めて誰にも、俺とも会うつもりはないと言っていたから、すでに何かの目的が達成されたか、諦めたかなのだろう。それでも全ては信用してはい...
Re: notitle 15全く。話だけを聞けば、どこぞの金持ちの女嫌いのボンボンが、家族に勧められる結婚が嫌だからと友人と一緒になって、気まぐれにアプリを使ってその場しのぎの相手を見つけようとしてる感じだけど。もしかして、あの胡散臭い友人?がグルで近くで見てたりしてね。「期間限定で俺と付き合ってくれるなら、今言った店はもちろん、他にも行きたい店があるならどこでも連れて行ってやる。お前が結婚目的じゃないのにアプ...
Re: notitle 14「おい、クシマ ツキノ。俺と、付き合う気はあるか」「……はい?」急に何を言い出したの、この人。お互い何が目的か分からない状況で、あたしはアプリを辞めて二度と会うつもりはないって言ったよね?それなのに、付き合うって何?男女交際の、付き合う?「意味分かんない。お断り!」「お前に断られたら、俺はどこぞの見知らぬ女と無理矢理、結婚させられるかもしれない」ん?どういうこと?あたしと付き合えな...
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