私たちの社会は、異様なほどに面識の有無に拘泥する。面識のある無しで、他人への態度に違いが顕れるのは、洋の東西に関わらず普遍であろうが、私たちの社会では際立ってそれが強固であることをよく体験する。政治家なら、特に面識は大事だろう。故安倍首相は人一倍面識を大切にする人で、面識のあるなしで、極端に人への態度を変えていたように見えた。一期目のトランプ大統領就任に際して、真っ先に夫婦で祝意を伝えに渡米し、トランプ氏夫妻と面会したのは、まだ記憶に新しい。もちろんトランプ氏は大喜びで安倍氏夫妻を歓待した。安倍氏は幼児期から、極めて面識のある無しに拘る性質だったろうと推測できる。実際、元首に成った後の安倍氏は、主要各国の元首の面識を得ることを最優先にし、夫人同伴で各国を歴訪、ファーストレディ同士の交歓を含め、元首同士の面...面識というモノ