アナウンスもなくご無沙汰してしまい、大変申し訳ありませんでした🙇♀️昨年末にぱったりと倒れてしまい、ようやく退院が叶いました。Amebaブログにも久方ぶりの…
信義(シンイ)のドラマと小説の世界を題材にした二次小説です。最終回のその後のウンスとヨンを妄想して綴っています。シンイの世界を愛するあなたと、想いを共有できたら嬉しいです♡
ソアさんの体調が思わしくない。人質として怪我を負わされた上、連日の馬車移動とくれば無理からぬ事だけれど。命に別状がないとはいえ、心理的にも物理的にも大きなスト…
「これはこれは。夜分遅くに何用か」案内された部屋に足を踏み入れた途端、室内に充満していた酒と白粉の匂いが鼻を突く。そこには華美な衣装や色味の強い化粧で盛装した…
「テマナ…此処がどこだか分からない訳じゃないだろう?」秘密組織である手裏房の隠れ家に、部外者を容易く引き入れられては困るのだと、私は肩で息をしている馴染みの青…
「駄目だ。どこにも隙がない」「どうする?姐さん。あれじゃあ、屋敷に近寄る事すら出来ないよ」ジホとシウルは途方に暮れた様子で、店先の椅子に腰を下ろした。町中に配…
皆様いかがお過ごしでしょうか。yme-meyです。更新が滞りがちでしたが、そろそろ本腰を入れてお話を展開させて行こうかと思っております。それに先立ちまして、避…
「止まれ、其処な小僧!」典医寺から走り出たおいらを呼び止めたのは、自然と聞いている方の背筋が伸びるような、芯の通った声だった。(急いで手裏房に知らせなきゃいけ…
ソアさんの額に滲む汗を拭い終わると、私は両手で自分の頭を抱え、ぐしゃぐしゃに掻き回した。「何が、知らぬ事とはいえ、よ。絶対確信犯じゃない!だって…」だってあの…
手当が終わると、私達はすぐにお屋敷の裏手に連れていかれ、そのまま馬車に押し込まれた。走り出してから随分と時間が経過したようだ。早朝にチェ家のお屋敷を出たはずが…
「キム・ウォンス様!キム・ウォンス様っ!リュ・ソアです、ここをお開け下さい!」切迫した声音と共に、入り口の扉を激しく叩く音がする。(ソアさん?なぜここに…)キ…
ウトウトと入眠しかけていた私の意識が、小さな物音を捉えて急速に覚醒した。生後半年を迎えようかという我が子は、一度寝付けば明け方まで目を覚ます事はない。今も暑い…
「ユ・ウンスです。往診に参りました」何度か呼びかけたけれど、家屋の中から返事は聞こえてこない。周囲も不自然なほど静まり返っている。(喘息の発作が起きたっていう…
医仙は隣を歩く薬員に眩しいほどの笑顔を振りまきながら、典医寺の入り口で待ち構えている俺の前に姿を現した。遠目からでも目を引く真っ赤な髪の色に、妹が咳き込みなが…
「急ぐなら一緒に乗った方が早いわ」私は嫌がるムジンさんを説き伏せ、馬車に引き入れた。典医寺で殴り掛かってきた時や、チェ家の門前で怒鳴っていた時の威勢の良さは無…
「ウンス様、支度はお済みですか?」閨室の外からファジャさんの声がして、私はぼんやりと見つめていた櫛から顔を上げた。「テマン様がお見えになりました」「今行きます…
隅にぽつりと明かりが灯された室内は程良い薄暗さで、俺は奥の壁を背にして結跏趺坐(けっかふざ)を組んだ。ヒョンウが扉の外に腰を下ろす気配を確かめて、静かに目を閉…
夜半を過ぎた頃。俺はチュンソクに警護を引き継ぎ、王様の寝所を後にした。あれほど騒々しかった宴もとうに果て、今では屋敷全体が糸を張り詰めたかのような沈黙(しじま…
茶を淹れ終わったドチ内官が寝所から退室するのを見届けて、俺は王様の対席に腰を下ろした。「予想以上に広大な屋敷であったな。其方達には苦労をかける」宿泊先を変更し…
天候にも恵まれ、初日の行幸啓は順調に進んだ。連年の豊作により、暮らしぶりに大きな変化は無いながらも、民の表情は一様に明るい。反元政策のもと、元国の衰退に乗じて…
皇宮に辿り着くと、出立の刻限までには多少の猶予があった。正門前には王様と王妃様がお乗りになる予定の馬車が一両。そして気の早い六衛の兵士がちらほらと見受けられる…
曇天のもと、凍て風が恨みがましい声をあげて、欅(けやき)の丘を渡っていく。俺は鬼剣を鞘から静かに引き抜いた。いつもは耳当たりよく聞こえる鞘走りの高音が、今日は…
外衣を羽織り、チェ・ヨンに手を引かれて総門まで見送りに出ると、そこにはチュホンの手綱を握るハクジュさんと、傍で目尻に皺を刻みながら微笑むファジャさんの姿があっ…
チェ・ヨンとの行為に少しは慣れてきたのか、筋肉痛は酷かったけれど、次の日に起き上がれないなんて事は無くなった。でも今回は股関節が上手く働かず、まるで砂浜を歩い…
金青の空が徐々に白さを増して、忘れがたい長夜に幕を引こうとしていた。目当ての物を探し当てた俺は、蔵の戸に施錠し直し母屋へ引き返した。閨室に足を踏み入れると、濡…
直近2ヶ月弱の間に14話、アメンバー限定の記事を掲載しております。その間一度も意思表示の無い方を、この度アメンバーより除名させて頂きました。『定期的なコメント…
避難所ブログ「夢の隠れ家」に、新しい記事を掲載致しました。先方のブログのアメンバーでいらっしゃる方は、下記のリンクより、新着記事をお楽しみ下さい。今回は試験的…
つきりと目の奥が痛んだ。気が付けば私は床に座り込んだまま、膝の辺りをぼんやりと眺めている。「あれ…?」顔を上げて辺りを見回すと、客間にはチェ・ヨンの姿しか見当…
蘇芳色の頭がゆらゆらと揺れている。俺が椅子を寄せて座り直すと、イムジャはこちらに凭れて小さな寝息を立て始めた。そんな俺達の様子を、アン・ジェが頬杖を突きながら…
客間で食器がぶつかる大きな音が鳴り響き、俺とイムジャは互いに顔を見合わせた。「もしかしてアン・ジェさん、倒れたんじゃ…」医員の性とでも言うべきか、張り詰めた面…
避難所に新しい記事を掲載致しました。あちらのアメンバーでいらっしゃる方は、下のリンクから最新話をお楽しみ下さい。https://ssecret.ameba.j…
男が今まさに口を付けようとした盃から、酒が銀糸のように流れ落ちた。「あ、あの…零れてますよ」「…あ!」遠慮がちなイムジャの声に、男は突然我に返り、大きく肩を跳…
私達はチュホンの背に揺られ、開京の町並みから一本外れた裏路地を、ゆっくりと進んでいた。何度かチェ・ヨンと一緒に他の馬に乗った事はあったけれど、その時と速度は同…
別館を新設しました。募集要項に従ってメッセージをお送りくださった方は、新しいブログへアメンバーの申請をお願いします。時間が経っても承認されない場合は、条件を満…
昨日は大変多くのお申し込みを頂きまして、ありがとうございます。中には「条件から外れるのは分かっているけれど、どうしても諦められず、メッセージを送ります」という…
いつもお話を読みに来て下さって、ありがとうございます。先日皆様にお伝えした「今後は大人向けの記事でなくとも、アメンバー限定記事に回される話数が多くなる予定です…
膝下から足首にかけて浅く差し込まれていた幾本もの鍼が、慎重な手つきで次々と抜かれていく。「医仙様、終わりましたよ。あっ!鍼を差し込んでいた箇所は…」「大丈夫。…
【少し直接的な表現があります】【原作の雰囲気を大切にされる 方にはお勧めできません】三日ぶりに皇宮へと帰還した俺は、現地を見取った結果を王様へと報告した後、息…
パタンという透かし建具の閉まる軽い音の後に、耳にしたくて堪らなかった声が続く。「貴女という人は。あのような所で一体何をしていらっしゃったのですか」「チェ・ヨン…
「おーい!ウンスヌナ!」聞き覚えのある呼び掛けに意識を引かれて、私は天日干ししていた生薬を取り込む手を止め、振り返った。作業中の薬員達の注目を一身に浴びながら…
いつも素人の綴る拙いお話を読みに来てくださって、本当にありがとうございます。yme-meyです。一般記事内での皆様へのお声掛けは久し振りですが、ぜひ最後までお…
「本当に宜しかったのですか」リュ・シフ侍医に気遣わしげな声音で尋ねられ、私は目を通していた診療録から顔を上げた。話し合いの結果、ソアさんは典医寺に残る事になり…
「今、この典医寺を辞めてはいけません。これは医仙としての命令です」私の言葉を受けて、ソアさんはしばらく呆然とした後、リュ・シフ侍医を縋るように見た。恐らくここ…
典医寺の片隅には大量の医学書が詰め込まれた本棚があり、私はその中から目的の物を探し出すのに夢中になっていた。「んー。これも違う。あ…これかな?」「何かお探しで…
行幸啓を四日後に控えた明け方、迂達赤兵営内の訓練場には、俺を含めた各組頭四名と大護軍が集っていた。禁軍の指揮官二名と共に現地に赴き、町と征路の様子を一通り見回…
『いいわ。そんなに気になるなら、迂達赤の子達にしたのと同じように診察してあげる』そう言って、イムジャは俺の手を取った。冷静に観察するだけで直ぐに逸らされる眼差…
扉の向こうから、チュンソクさんの控え目な声が聞こえる。「大護軍、医仙。大きな音が聞こえましたが、お二人とも平気ですか」慌ててチェ・ヨンの上から飛び退こうとした…
「さーて。脈を診ますね、チェ・ヨン大護軍」「しっかりと、務めを果たされませ」「イェー」ようやく邪魔な腕貫を取り去って、骨太な手首を暴き出した私は、チェ・ヨンの…
「あ…チェ・ヨンさん。お帰りなさい!」兵舎一階の大広間に足を踏み入れた俺を出迎えたのは、イムジャの朗らかな笑顔だった。予想外の出来事に、先程までのチェ尚宮との…
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アナウンスもなくご無沙汰してしまい、大変申し訳ありませんでした🙇♀️昨年末にぱったりと倒れてしまい、ようやく退院が叶いました。Amebaブログにも久方ぶりの…
大司憲(テサホン)の胸倉を掴みながら、俺は腰元の仕込み刀に手を掛けた。「喋らせる方法など、幾らでもある」その時ーー。「大護軍チェ・ヨン。その手を放すのだ」芯の…
ご無沙汰してしまって、本当に申し訳ありません。凄く久しぶりにAmebaにログインしました。不在の間にコメントを書き込んでくださった方々に、不義理を心よりお詫び…
通りを駆ける最中(さなか)、ふと奇妙な視線を感じた気がして、俺は周囲を見回した。「何かありましたか、大護軍」馬脚を早めて近付いて来たのは、迂達赤副隊長のチョモ…
ソアさんの体調が思わしくない。人質として怪我を負わされた上、連日の馬車移動とくれば無理からぬ事だけれど。命に別状がないとはいえ、心理的にも物理的にも大きなスト…
「これはこれは。夜分遅くに何用か」案内された部屋に足を踏み入れた途端、室内に充満していた酒と白粉の匂いが鼻を突く。そこには華美な衣装や色味の強い化粧で盛装した…
「テマナ…此処がどこだか分からない訳じゃないだろう?」秘密組織である手裏房の隠れ家に、部外者を容易く引き入れられては困るのだと、私は肩で息をしている馴染みの青…
「駄目だ。どこにも隙がない」「どうする?姐さん。あれじゃあ、屋敷に近寄る事すら出来ないよ」ジホとシウルは途方に暮れた様子で、店先の椅子に腰を下ろした。町中に配…
皆様いかがお過ごしでしょうか。yme-meyです。更新が滞りがちでしたが、そろそろ本腰を入れてお話を展開させて行こうかと思っております。それに先立ちまして、避…
「止まれ、其処な小僧!」典医寺から走り出たおいらを呼び止めたのは、自然と聞いている方の背筋が伸びるような、芯の通った声だった。(急いで手裏房に知らせなきゃいけ…
ソアさんの額に滲む汗を拭い終わると、私は両手で自分の頭を抱え、ぐしゃぐしゃに掻き回した。「何が、知らぬ事とはいえ、よ。絶対確信犯じゃない!だって…」だってあの…
手当が終わると、私達はすぐにお屋敷の裏手に連れていかれ、そのまま馬車に押し込まれた。走り出してから随分と時間が経過したようだ。早朝にチェ家のお屋敷を出たはずが…
「キム・ウォンス様!キム・ウォンス様っ!リュ・ソアです、ここをお開け下さい!」切迫した声音と共に、入り口の扉を激しく叩く音がする。(ソアさん?なぜここに…)キ…
ソアさんの体調が思わしくない。人質として怪我を負わされた上、連日の馬車移動とくれば無理からぬ事だけれど。命に別状がないとはいえ、心理的にも物理的にも大きなスト…
「これはこれは。夜分遅くに何用か」案内された部屋に足を踏み入れた途端、室内に充満していた酒と白粉の匂いが鼻を突く。そこには華美な衣装や色味の強い化粧で盛装した…
「テマナ…此処がどこだか分からない訳じゃないだろう?」秘密組織である手裏房の隠れ家に、部外者を容易く引き入れられては困るのだと、私は肩で息をしている馴染みの青…
「駄目だ。どこにも隙がない」「どうする?姐さん。あれじゃあ、屋敷に近寄る事すら出来ないよ」ジホとシウルは途方に暮れた様子で、店先の椅子に腰を下ろした。町中に配…
皆様いかがお過ごしでしょうか。yme-meyです。更新が滞りがちでしたが、そろそろ本腰を入れてお話を展開させて行こうかと思っております。それに先立ちまして、避…
「止まれ、其処な小僧!」典医寺から走り出たおいらを呼び止めたのは、自然と聞いている方の背筋が伸びるような、芯の通った声だった。(急いで手裏房に知らせなきゃいけ…
ソアさんの額に滲む汗を拭い終わると、私は両手で自分の頭を抱え、ぐしゃぐしゃに掻き回した。「何が、知らぬ事とはいえ、よ。絶対確信犯じゃない!だって…」だってあの…
手当が終わると、私達はすぐにお屋敷の裏手に連れていかれ、そのまま馬車に押し込まれた。走り出してから随分と時間が経過したようだ。早朝にチェ家のお屋敷を出たはずが…
「キム・ウォンス様!キム・ウォンス様っ!リュ・ソアです、ここをお開け下さい!」切迫した声音と共に、入り口の扉を激しく叩く音がする。(ソアさん?なぜここに…)キ…
ウトウトと入眠しかけていた私の意識が、小さな物音を捉えて急速に覚醒した。生後半年を迎えようかという我が子は、一度寝付けば明け方まで目を覚ます事はない。今も暑い…
「ユ・ウンスです。往診に参りました」何度か呼びかけたけれど、家屋の中から返事は聞こえてこない。周囲も不自然なほど静まり返っている。(喘息の発作が起きたっていう…
医仙は隣を歩く薬員に眩しいほどの笑顔を振りまきながら、典医寺の入り口で待ち構えている俺の前に姿を現した。遠目からでも目を引く真っ赤な髪の色に、妹が咳き込みなが…
「急ぐなら一緒に乗った方が早いわ」私は嫌がるムジンさんを説き伏せ、馬車に引き入れた。典医寺で殴り掛かってきた時や、チェ家の門前で怒鳴っていた時の威勢の良さは無…
「ウンス様、支度はお済みですか?」閨室の外からファジャさんの声がして、私はぼんやりと見つめていた櫛から顔を上げた。「テマン様がお見えになりました」「今行きます…
隅にぽつりと明かりが灯された室内は程良い薄暗さで、俺は奥の壁を背にして結跏趺坐(けっかふざ)を組んだ。ヒョンウが扉の外に腰を下ろす気配を確かめて、静かに目を閉…
夜半を過ぎた頃。俺はチュンソクに警護を引き継ぎ、王様の寝所を後にした。あれほど騒々しかった宴もとうに果て、今では屋敷全体が糸を張り詰めたかのような沈黙(しじま…