プレトニョフ指揮東京フィル(ソロ松田華音)のショパンピアノ協奏曲1番。(2025・5・11) なるほどマルグリット・ロン(1874-1966)は2番しか弾かなかった理由が分かる気がする。 が、粗削りで欠点ばかりある1番、それでも魅力はある。全編ピアノ弾き語りの1番は、オーケ...
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2025年7月
プレトニョフ指揮東京フィルのショパン1番(プレトニョフ編曲版)
プレトニョフ指揮東京フィル(ソロ松田華音)のショパンピアノ協奏曲1番。(2025・5・11) なるほどマルグリット・ロン(1874-1966)は2番しか弾かなかった理由が分かる気がする。 が、粗削りで欠点ばかりある1番、それでも魅力はある。全編ピアノ弾き語りの1番は、オーケ...
クレジットには間違いなく小林秀雄がバイロイトで聞いた1963年の『ワルキューレ』の演奏です。いゃあここに小林秀雄がいるわけですね。 1963年、小林秀雄はバイロイト音楽祭を訪問している。この年のリング4部作はルドルフ・ケンペの指揮だった。 1963・8・23 ワーグナー前夜...
2025年7月
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プレトニョフ指揮東京フィル(ソロ松田華音)のショパンピアノ協奏曲1番。(2025・5・11) なるほどマルグリット・ロン(1874-1966)は2番しか弾かなかった理由が分かる気がする。 が、粗削りで欠点ばかりある1番、それでも魅力はある。全編ピアノ弾き語りの1番は、オーケ...
クレジットには間違いなく小林秀雄がバイロイトで聞いた1963年の『ワルキューレ』の演奏です。いゃあここに小林秀雄がいるわけですね。 1963年、小林秀雄はバイロイト音楽祭を訪問している。この年のリング4部作はルドルフ・ケンペの指揮だった。 1963・8・23 ワーグナー前夜...
飯守泰次郎指揮東京シティ・フィルのブルックナー交響曲4番(2023・4)。飯守泰次郎(1940-2023・8・15)の最後の演奏になるようである。 やはり名演は第四楽章ということになろう。 使用楽譜はノヴァーク版第二稿の通常版だが、76小節は伝統的なシンバルが加筆されて い...
落語家ファンからは名著の誉高く、落語家三遊亭円生の必須文献と高く評価されてきた。一人の落語家に百枚のレコード録音を企画完成させたことは今日でも偉業とされた。ソニーレコードの課長さんが本業であった。しかしソニーから発売される新譜のライナーノーツ(解説)の執筆依頼のため鎌倉の吉...
尾方貞子『満州事変』です。2・26事件の実体を解明したという代表作です。 実は長年この放送の再放送を望んでいましたが、遂に実現しました。 そこで何を待望していたかについて述べます。 緒方貞子はアメリカ留学しますが、そこで将来の学問の基礎を成したある本と出合いました。カルフォ...
2024年に、2025年6月のベルリン・フィルの定期演奏会への出演が決定された時、山田和樹はサンサーンスの交響曲3番をメインの曲にしたく、ベルリン・フィルに打診すると11年も演奏してないと言う返事がかえってきた。そして確信を得たという。「これに決定だ」と。 サンサーンスの交...
フランス文学者の斉藤磯雄さんの『斉藤磯雄著作集』です。 井上二葉さんは丸谷才一さんの本を好きで買って集めたのではなく、著者献呈で送られた献呈本であるらしいことが判明しました。つまり写真に見える本は著者の丸谷才一さんの署名がしてあるわけです。ワン・グレード・アップした本になり...
ピアニスト井上二葉さんの背後の本棚には丸谷才一の小説が並んでいます。丸谷才一フアンだったことがわかりますね。かなりヘビーなフアンです。 2025・6・8のEテレの『クラシック音楽館』は、ポペルカの紹介だったが、残念だった。その後が何と長老ピアニスト井上二葉(1930-)の紹...
サイド・ストーリー満載の人だが、よくわからない内にベートーベン交響曲全集が録音されて完成すると、まもなくライプツィッヒ・ゲバントハウス管弦楽団との仲が不和になって、ついに総監督の地位を辞任するに至った。その後アムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団やスカラ座の総監...
レオポルト・ハーガー指揮バイエルン放送交響楽団のブルックナー交響曲7番の演奏。(2022・4・1) ユーチューブ公開の演奏。やはり自前の録音(CD)を持たないと弱いのかな。古来よりレコードやCDを所有すると、物を所有しただけで演奏や名演を感じたものになるのは古来からの習性で...
レオポルト・ハーガー(1935-)といえばモーツアルトのスペシャリストとして有名である。今年なんと89歳で、2月には90歳記念演奏会が開催されたという。ウィーン古典派の音楽ハイドン・モーツアルト・ベートーベン・シューベルトの音楽の解釈によって知られているが、最晩年にいたって...
バレンボイムは引退を覚悟したが、まだまだ指揮活動は終わらない。同じ頃、ブロムシュテットがウィーン・フィルに92歳でデビューしたという。そればかりか高齢でも矍鑠として有名オーケストラに招かれている。もう油っけもなくなった無欲枯淡の境地に到達したが、元気な巨匠は彼くらいになると...
シュヒター指揮バンベルク交響楽団はウェーバー作曲歌劇『オベロン』序曲の演奏では、大層古い版の楽譜を使用して指揮しました。 210小節のフルートのパートはホルンの独奏が響く楽譜を演奏しました。 実は最近ではバレンボイム指揮イスラエル・フィルの演奏で、バレンボイムが試みていまし...
アダム・フィッシャー指揮WDR交響楽団によるモーツアルト交響曲39番第一楽章が終わると、アダム・フィッシャーは思わず「会心の演奏だ」と拳を振り上げて喜びました。それに誘われて、慣れた聴衆も思わず拍手してしまうと、「ちょっと待ってください」と言わんばかりに静止しました。(20...
ヨッフムと朝比奈隆は1990年代にベートーベンとブラームスの演奏では、時代を先導した旗手だった。楽譜の反復を全て実行するということが革新的であった時代であった。 ドイツ系では珍しく伝統的省略ではなく、楽譜の反復を実践する人だった。この演奏でも第一楽章は反復が実践されていた。...
ネルソンス指揮ライプツイッヒ・ゲバントハウス管弦楽団のブルックナー交響曲4番の演奏である。(2017年録音) 第一楽章。 開始早々ネルソンスのテインパニ加筆があった。滅多に楽譜をいじる人ではないので珍しい。123-124小節のテインパニで、119-120小節に合わせたもので...
ミヨンフム指揮東京フィルのベートーベン交響曲3番『英雄』の演奏である。(2025・2・24) 基本的にはベーレンライター版の新しい楽譜をしているが、部分的には古いブライトコップ版を使用するといったものだった。面白い考え方の人であるらしい。ベーレンタイター版支持者なら、旧弊は...
アダム・フィッシャー指揮ザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団でモーツアルト交響曲36番「リンツ」の演奏である。(2024・7・28) ①アダム・フィッシャー指揮ザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団(2024・7・28) ②アダム・フィッシャー指揮デンマーク室内管弦楽団(...
アルノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で、ベートーベン交響曲5番の演奏は1990年のライブ録音である。35年も前の演奏となる。 評論家の吉本隆明は小林秀雄の生誕百年記念号『新潮』に寄稿文をよせて、小林秀雄という人は「絶対に違うことを言いたかった」人と形容している。そ...
今夜のブラボーオーケストラは、沼尻竜典指揮神奈川フィルでシベリウス2番の演奏であった。(2025・2・28) 第四楽章。 練習番号Bの前7-4小節では、コリンズ版の金管増幅版ではなくて、低弦を強調した演奏になった。 沼尻竜典は、低弦の音階を強調していた。 プレトニョフ指揮東...
なべやかん似の石丸に石丸新党の構想があるという。広島1区からの出馬があるという。衆議院で雑巾がけを始めたら、10年は下済み生活。ドトール羽鳥は5000万円貸し付けたというが、首長なら当選したら直ぐ返してもらえるが、衆議院議員なら利益還元は不可能である。 でも自民党の新しい表...
2024・7・4(木)サントリーホールで開催される。聞きものは何といってもコーストヴェット版であろう。ブロムシュテットN響で紹介済みで珍しくもないが、今年はブルックナー生誕200年記念の行事の一環だ。 例によって都響はリハーサルの一部を紹介して、実演より一足先に聴ける。紹介...
古楽器奏法の金字塔のブリュッヘン指揮18世紀オーケストラだが、ブリュッヘン亡き18世紀オーケストラ単独で11年ぶりの来日公演があった。指揮者無しでモーツアルトの交響曲40番が演奏された。(2024・3・11) 第一番の印象は角の取れたマイルドな演奏に様変わりしていたことだっ...
どこかで見た顔だ。たけし軍団のなべやかんだった。石丸伸二は、なべやかんほど好人物でないことが判明しました。京大卒の三菱銀行の銀行員で、銀行員といえば雨が止んでから「傘貸しましょうか」と客に傘を差し出す人種だ。初めから傘を貸す気がなく、営業トークで、傘を貸す気もないのに、傘を...
オトマール・スイトナー(1922-2010)の息子イゴール・ハイツマンが監督をした『父の音楽―指揮者スイトナーの人生』は貴重なドキュメンタリーである。突如としてバイロイトの指揮者に登場したスイトナーは名声を得たが、その背景には孫ヴィラント・ワーグナーの遠大な野望があったよう...
いま女性指揮者の多さに驚ろかされるが、そのほとんどが異才の主で、その中でも群を抜く存在がヨアン・マルヴィッツ(1986-)であろう。3月には来日し読響を指揮したという。 演奏は2020・11・28で、もう4年前の演奏になるが、この演奏を越えた演奏はされていない。当代最高の演...
今都知事の小池百合子のエジプト大学卒業についての学歴詐称問題が議論されている。石井妙子・上田玲子・小島敏郎らが学歴詐称だと論じている。小島に至っては学生であった実体まで公表せよ、と前回の隠蔽工作の発案者がいう。(この人の論点が推移している。) かつて戦後最大の知識人丸山真男...
マイケル・テイルソン=トーマスは、ジャズは黒人の音楽という偏見に囚われていた。人種の坩堝といわれたアメリカは移民の国で、移民の文化が所属先と考えられていた。 ヨーロッパ音楽はよそ者で、ジャズが身内の音楽であることに気づいた時、ジャズの語法でヨーロッパ音楽を理解することを学ん...
ジェームズ・ブラウンとマイケル・テイルソン=トーマスのスナップ写真 マイケル・テイルソン=トーマスは、生前のジェームス・ブラウン(1933-2006)をジョージア州の自宅に訪問して、インタービューをしている。 日本の俳優西田敏行さんの「ゲロッパ」の物まねは有名だ...
今年82歳のデ・ワールトは朝ベッドから起きられなくなって、この後オーケストラとのリハーサルが待ち構えていたが、突然引退を表明した。一進一退のバレンボイムは、それでも健康な時は指揮活動を続けるらしい。 2年前に突然の脳しゅようを発病したマイケル・テイルソン=トーマスは、小康状...
ロリン・マゼールは有り余る才能を持て余した天才指揮者だった。結局彼はこの世に何を残したのかと言えば、何も残さなかった。 しかし唯一無二の桁外れの才能を残さなかったわけでもなかった。@Symphony liveショート というユーチューブに残したワーグナー『ローエングリン』第...
クレンペラーは1951年春、ウィーン交響楽団で廉価盤レコードのVoXレーベルのために一連のレコード録音をしている。当時クレンペラーはフリーランスの指揮者で、先約がない限り、自由契約で指揮活動をしていた。 6月からウィーン交響楽団でギリシア公演旅行に参加している。前からあった...
名匠アドルフ・ブッシュが10年近くウィーン交響楽団のコンサートマスターを勤めていた。他方同時代にはウィーン・フィルには伝説的なロゼーがコンサートマスターを勤めていた。トスカニーニが客演した時、ドビッシーの『海』を演奏したが、意に沿わない演奏をしたので放棄した指揮をした。終わ...
NHKの日曜大河ドラマ『光る君へ』が、平安の最高権力者の藤原道長と『源氏物語』の作者紫式部とが恋愛していたというので、それだけを聞いて食わず嫌いになってしまった。ところが平安時代の日常生活が描かれていて、一応の時代考証が反映されていることで、急に興味が湧いてきた。 例えば真...
ブルックナーの交響曲3番は60分かかる。それを2分30秒で紹介するというのがショートだ。@syphony-liveのショートが紹介しているのが、バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団の演奏だ。 これは確かにブルックナー交響曲3番の名演に違いない。バレンボイムはブルックナ...
1-3楽章は空振りといったところか。第四楽章、狂気から生み出されたホーネックの独自な解釈が生まれた。 Poco piu animatoを狂気に満ちた熱情と解したホーネックは漫画的な速さでアッチェレラント(加速)で演奏した。 ホーネックは296-307小節まで、狂気的な速さで...
オクサーナ・リーニフ(1978-)が楽譜にない装飾音符を演奏したことで古楽器派のモーツアルト指揮者であることが判明した。かつ大変な名演であった。 第一楽章。 121-123小節のホルンはf明記ながら、アンスネスとリーニフはこのfをそれ以上に強調していたところで、並みの指揮者...
ペトル・ポペルカ(1986-)はウィーン響を解任されたエストラーダの後任になった人だ。余程の実力のある人と見たが、ローカル色満載でドボルザーク8番を指揮した。それはCD録音でよく聞く演奏とは異なって、異色な演奏となった。 小生はマンフレット・ホーネックを天才と崇めている信者...
今夜のN響ライブ放送の圧倒的な喝采に、躊躇せざるを得ないのであるが、エッシェンバッハ不調説を唱えたい。 第一楽章、199-122小節の金管の曖昧模糊なテンポの落とし方に賛成できかねた。 今回のエッシェンバッハのポコ・リタルランドは、奇しくもハイテインク指揮ウィーン・フィル(...
ヤノフスキのブラームス交響曲1番は、ドイツの正統派の演奏を披歴するというよりは、結構独自の解釈を前面に出したものであった。(2024・4・13) その最たるものは第一楽章のコーダに現れた。 495小節「メノ・・アレグロ」のホルンの強調は歴然としていた。楽譜はpだが、ヤノフス...