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  • ネルソンス指揮ライプツイッヒ・ゲバントハウス管弦楽団のブルックナー4番

    ネルソンス指揮ライプツイッヒ・ゲバントハウス管弦楽団のブルックナー交響曲4番の演奏である。(2017年録音) 第一楽章。 開始早々ネルソンスのテインパニ加筆があった。滅多に楽譜をいじる人ではないので珍しい。123-124小節のテインパニで、119-120小節に合わせたもので...

  • ミヨンフム指揮東京フィルのベートーベン3番

    ミヨンフム指揮東京フィルのベートーベン交響曲3番『英雄』の演奏である。(2025・2・24) 基本的にはベーレンライター版の新しい楽譜をしているが、部分的には古いブライトコップ版を使用するといったものだった。面白い考え方の人であるらしい。ベーレンタイター版支持者なら、旧弊は...

  • アダム・フィッシャー指揮ザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団のモーツアルト36番

    アダム・フィッシャー指揮ザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団でモーツアルト交響曲36番「リンツ」の演奏である。(2024・7・28) ①アダム・フィッシャー指揮ザルツブルグ・モーツアルテウム管弦楽団(2024・7・28) ②アダム・フィッシャー指揮デンマーク室内管弦楽団(...

  • 最後に光ったアルノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団のベートーベン5番

    アルノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で、ベートーベン交響曲5番の演奏は1990年のライブ録音である。35年も前の演奏となる。 評論家の吉本隆明は小林秀雄の生誕百年記念号『新潮』に寄稿文をよせて、小林秀雄という人は「絶対に違うことを言いたかった」人と形容している。そ...

  • 沼尻竜典指揮神奈川フィルでシベリウス2番

    今夜のブラボーオーケストラは、沼尻竜典指揮神奈川フィルでシベリウス2番の演奏であった。(2025・2・28) 第四楽章。 練習番号Bの前7-4小節では、コリンズ版の金管増幅版ではなくて、低弦を強調した演奏になった。 沼尻竜典は、低弦の音階を強調していた。 プレトニョフ指揮東...

  • 謎の指揮者ヴァンアルペン指揮シンフォニア・ロッテルダムのモーツアルト39番

    ウィキペデアにも掲載されていない謎の指揮者コンラード・ヴァン・アルペン指揮シンフォニア・ロッテルダムの演奏でモーツアルトの交響曲39番の演奏である。(2023・2・24) ユーチューブで公開された演奏会である。CDに録音されていているそうである。 モダン楽器使用で、古楽器奏...

  • 追悼秋山和慶:何故秋山は近衛版を演奏したか

    秋山和慶の死去で、意外に各方面から追悼が多かった。各地のオーケストラやアマチュアから望まれて指揮したからに他ならない。遜色ない演奏に引き上げてくれるかけがいのないマエストロであった。その反面では近衛秀麿のような逸脱をしてみたい欲望があったのが、近衛版の演奏だろう。秋山和慶の...

  • アダム・フィッシャー指揮ベルリン放送交響楽団のマーラー5番

    返す返すもカルロス・クライバーの指揮で聞いてみたかったのがマーラーの5番だ。父エーリッヒ・クライバーは伝説的名演をやっているからだ。カルロス・クライバーに合った音楽であることは間違いがない。 意外だが、尾高忠明指揮大阪フィルの演奏が良く、アダム・フィッシャーの演奏に親和性を...

  • サイモン・ラトル指揮ヴェルビエ祝祭管弦楽団のマーラー3番

    サイモン・ラトル指揮ヴェルビエ祝祭管弦楽団の演奏でマーラーの交響曲3番の演奏である。 ヴェルビエ音楽祭といえば、日本の藤田真央が参加してにわかに有名になった次第である。むしろ世界の富豪が集まって提言する茶番劇として有名だが、意外にもトーマス・マンの『魔の山』の舞台となったサ...

  • ヤープ・ファン・ズヴェーデン指揮フランス放送フィルのマーラー1番

    オランダの指揮者ヤープ・ファン・ズヴェーデン指揮フランス放送フィルで、マーラー交響曲1番。(2023・11・17) やはり第三楽章ではアゴギーク奏法がなされていた。例のネスラー(1841-1890)のオペレッタ『ゼッキンゲンのトランペット吹き』の引用であり、マーラー自身の解...

  • ソフィエフ指揮NHK交響楽団のブラームス交響曲1番

    伝統的演奏を廃て、敢えて反伝統的に演奏した節が見える。至る所が実験的で、実験的過ぎた演奏だったといえよう。 第一楽章の冒頭のテインパニの連打もテンポが速すぎた感があった。伝統に深い親和性のあるコンマスの篠崎氏の最後の仕事としては、物足りない感は否めなかったか。 ソフィエフの...

  • 追悼秋山和慶:近衛版ベートーベン3番秋山和慶指揮日本センチュリー交響楽団(3)

    まず報告したいのは、メンゲルベルクと近衛秀麿の有名な第九フィナーレのテインパニのリタルランド(テンポを落とす)終結のことだ。メンゲルベルク(1940)と近衛秀麿(1968)の演奏で、どちらが先行かという問題がある。厄介なのは、メンゲルベルクのベートーベン・チクルス(1940...

  • 追悼秋山和慶:近衛版ベートーベン3番秋山和慶指揮大阪センチュリー交響楽団(2)

    第二楽章。 158小節の空白のテインパニでffの強烈な音が響いて度肝が抜かれる。 158小節は低弦の2分音符にff記号があるがテインパニは空白になっている。そこでこれを強調するわけで、テインパニに2分音符を加筆させてffで打たせている。 さらに、159,160小節でテインパ...

  • 追悼秋山和慶:近衛版ベートーベン3番秋山和慶指揮大阪センチュリー交響楽団(1)

    おしなべて近衛版編曲は立派で、ダイナミクスもアゴギークも大胆で、通常の秋山和慶の演奏では聞けないものがある。つまり使用すると通常をバージョン・アップすることになる。 近衛版『運命』が問題有りか。 その上で、今回は数少ない欠点だけをあげつらおう。というのも、9曲編曲しょうと思...

  • 三人の会(芥川也寸志・団伊玖磨・黛敏郎)その後

    俳優の芥川比呂志の出演した映画に、若手作曲家で弟の芥川也寸志も属する『三人の会』の発表会のチラシが演出で出されている。兄貴のちょっとした援護射撃といったところだ。 世間の評判に応えるべく芥川龍之介の遺児たちは、天才の父の息子らしく開花したといえばそれまでだが、その難しい期待...

  • 広上淳一指揮オーケストラ・アンサンブル金沢のベートーベン交響曲4番

    出色のベートーベン演奏であった。 広上淳一指揮オーケストラ・アンサンブル金沢のベートーベン交響曲4番(2024・9・17)。 テインパニのメリハリの利いた演奏は出色の出来であったといいたい。 第一楽章。 35小節のバイオリンのcresc.指定では、広上淳一は3つの音の真ん中...

  • ルイージ指揮NHK交響楽団のベートーベン交響曲9番

    ルイージ指揮NHK交響楽団のベートーベン交響曲9番は、2024・12・18に演奏された。ソリストは、ハンセン(S)、藤村実穂子(MS)、スケルトン(T)、トマソン(BsB)、新国立劇場合唱団。 ルイージの全曲低弦強調にまず驚かされた。N響との第九演奏は初回で、意気込みの強さ...

  • 小沢征爾指揮水戸室内管弦楽団のベートーベン1番

    小沢征爾のベートーベン交響曲1番は2017年1月の演奏で、81歳であった。 この人は前衛音楽と古典音楽の二面で才能を発揮した人で、評価はいずれかに分かれて評価されるのであるが、両面が甲乙別れ難い評価があった。そういう意味では特異な人であった。 小生などはボストン交響楽団の演...

  • カルロス・クライバーとヨゼフ・ホフマン

    伝説的指揮者カルロス・クライバーの練習風景を録画した貴重な記録である。父エーリッヒ・クライバーもヨハン・シュトラウスのスペシャリストだったが、その影響は残念ながら受けなかった。ベートーベンの『フィデリオ』はミスター・フィデリオと呼ばれた決定版の評価のあった男だったが、カルロ...

  • アルペジオ考バックハウスとヨゼフ・ホフマンのベト4番冒頭

    ヨゼフ・ホフマンのピアノ独奏で、ミトロプーロス指揮(ニューヨーク)フィルハーモニック交響楽団(1943・8・22)の録音です。面白いのは4番の演奏に入る前に、ヨゼフ・ホフマンはアルページオ(分散和音・音階練習)をしてから4番冒頭の演奏に入ります。ユーチューブ公開。前歴にバッ...

  • ベルリン・フィルのシェフ興亡史

    ベルリンがドイツ帝国の首府になる前は、ベルリンは地方のプロシア王国の地方都市だった。確かにビユロウの後のニキシュまではベルリン・フィルは任意団体に過ぎなかったようだ。 ドイツ帝国の首府を代表するオーケストラは同時にドイツ帝国を代表するオーケストラになったのは、フルトベングラ...

  • トム・クルーズの映画『ワルキューレ』とクナのワルキューレの騎行・グッドォール・飯守泰次郎

    クナッパーツブッシュ指揮ベルリン・フィルのワーグナー名曲集である。所収の『ワルキューレの騎行』はクナッパーツブッシュ指揮ベルリン・フィルで1928年1月録音である。発売当時はSPレーコード仕様であった。このSP原盤がトム・クルーズの映画に出てきます。如何にワーグナーの巨匠と...

  • ブルーノ・ヴァィル指揮ターフェルムジークのモーツアルト41番

    理論を主張する人だから、相当な癖の強い個性的な人かというと、演奏はいたって平凡だった。古楽器演奏の旗手は尖った人が多いが、古楽奏法としてはマイルドで通常のモダン・オーケストと変わりなかった。 ①ブルーノ・ヴァィル指揮ターフェルムジーク(2006年) ②ミナシー指揮ザルツブル...

  • アバドと村上春樹はたらこスパゲッティが大好きだった

    イタリア人指揮者のクラウディオ・アバド(1933-2014)は、日本でお馴染みの「たらこスパゲッティ」を食べたようである。そして大満足だった。おしなべて魚の食材を常用しているイタリア人には不都合はなくて、受け入れられる食材であったらしい。これにはロッシーニの『泥棒かささぎ』...

  • エッティンガー指揮東京フィルのブルックナー4番

    エッティンガー指揮東京フィルのブルックナー4番(2024・7・24)の演奏は、日本のオーケストラとしては結構なアゴギーク(伸縮)を多用した演奏だった。 とりわけ第二楽章にフルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル(1951)の影響がみられたのが特筆された。100小節の第一バイオ...

  • 移民の西尾幹二死し、移民のトランプ大統領当選す

    愛弟子の評論家柏原竜一は『柏原竜一のインテリジェンス』で、さる11月1日に89歳で死去した西尾幹二(1935-2024・11・1)の追悼コメントをする。左方の本棚横積みされた5冊、縦に並んだ3冊が『西尾幹二全集』だそうである。西尾幹二の時事評論の分野を継承した論客だ。彼の熱...

  • 国民民主党榛葉賀津也とテレビ東京の篠原キャップは因縁が深かった。

    上の左写真がテレビ東京の篠原キャップ。国民民主党の榛葉幹事長に質問すると、「やっと会えた」と大感激だった。二人は落語と講談が大好きなフェチだった。 「テレビ東京の篠原です」 「落語の好きな篠原キャップなの。あんたと会いたかったよ。5時間話したい」 「・・・」 「笑い屋の重藤...

  • ブロムシュテット指揮NHK交響楽団のブラームス4番

    ブロムシュテット指揮ゲバントハウス管弦楽団のブラームス4番(1998年)。生涯で指揮したブラームス4番の中で、最高峰の演奏がこの楽団だった。第一楽章のホルンはほとんど他声部に埋もれているが、彼はそんなホルンに活躍の場を提供し、ホルンの独壇場となった名演である。今夜のN響の演...

  • ブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団のブルックナー9番

    ブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団のブルックナー交響曲9番(2024・7・11)の演奏である。何と言っても遅いテンポにアゴギーク(伸縮)が加わると荘厳さが出て、第一楽章が名演であったろう。 68小節の管楽器の3つの4分音符がリテヌートが掛けられてテンポが落とされていた。...

  • プフィツナー指揮ベルリン・フィルのベートーベン8番(5)

    プフィツナー指揮ベルリン・フィルのベートーベン8番(1933年)ドレスデン・エディションの第四楽章です。 第四楽章にも、わずかながらドレスデン・エディションがある。47-59小節である。 興味深いのはドレスデン・エディションの運弓法とワインガルトナーの演奏のアゴギーク(伸縮...

  • プフィツナー指揮ベルリン・フィルのベートーベン8番(4)

    プフィツナー指揮ベルリン・フィルのベートーベン8番(1933年)ドレスデン・エディションの第三楽章です。 第三楽章。 第一バイオリンの4-6小節、楽譜は一弓の長いスラーが掛っている。 ドレスデン・エディションでは細かく分断する。 4小節は下弓で弾かせ、5小節で上弓に点じてc...

  • プフィツナー指揮ベルリン・フィルのベートーベン8番

    プフィツナー指揮ベルリン・フィル(1933年)のドレスデン・エディションのベートーベン8番です。第二楽章です。 第二楽章、プフィッツナーは10-15小節の第一バイオリンとチェロ・コントラバスに独特な運弓法をしている。 わざと難しい運弓法で弾かせている。 勝手に言わせてもらえ...

  • プフィツナー指揮ベルリン・フィルのベト8番(2)

    プフィツナー指揮ベルリン・フィル(1933年)のベートーベン交響曲8番第一楽章の続きです。 プフィツナーはドレスデン国立歌劇場管弦楽団に継承された独特の運弓法(ボーイング)で演奏しています。その続きは209-217小節の第一バイオリンです。 209小節は下弓で一小節を弾くの...

  • プフィッツナー指揮ベルリン・フィルのベートーベン8番ドレスデン・エディション版

    ナクソス盤のハンス・プフィツナー指揮ベルリン・フィル(1933年)のベートーベン3番&8番が現在現役盤。8番はプフィツナーの名演です。 プフィッツナー指揮ベルリン・フィル(1933年)の最大の魅力はドレスデン国立歌劇場管弦楽団のみに受け継がれた伝統奏法があり、プフィッツナー...

  • プフィッツナーと大町陽一郎のベートーベンの8番は最高峰

    プフィッツナー指揮ベルリン・フィルによるベートーベン3番のCD。(1933年録音)ここにベートーベン8番が組み合わせものがある。ベト8番のCDは組物しか復刻されていないので貴重盤である。すべて廃盤。 ここで大町陽一郎の最高傑作はーーと問われれば、ブラームスのハンガリー舞曲5...

  • クラシック音楽館のルイージ

    Eテレの『クラシック音楽館』は、ルイージの初稿版ブルックナー8番でした。音源は紹介済みだが、映像あり。 ルイージの初稿版8番はオーケストラの質が下がり、落ち目という感じ。人気も下降線か。 そういうことでは、ドレスデン・シュターツカペルレの音楽監督コーリン・デイビスの耳打ちな...

  • テイーレマン指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団音楽監督就任演奏会(2024・10・7)

    2024・9からテイーレマンはバレンボイムの後任として、ベルリン国立歌劇場管弦楽団の音楽監督に就任した。ということは、ベルリン・フィルの常任指揮者への就任の可能性は限りなく無に近くなった。現在のベルリン・フィルの常任指揮者の後任の芽が断たれたことになった。 バレンボイムも...

  • キム・ウンソン指揮サンフランシスコ・オペラの『ローエングリン』

    サンフランシスコ・オペラの音楽監督キム・ウンソンは『ローエングリン』の楽譜を持ちながら歌手に入りの確認をします。2023・10にキム・ウンソンが『ローエングリン』を上演した。そのドキュメントが出来た。(ユーチューブ公開) 実に能弁な英語でやり取りして、日本人はかなわない感が...

  • 吉田修一原作『国宝』とモデル歌舞伎役者

    映画『国宝』には出演者の相関図が出ている。原作の吉田修一『国宝』を理解するうえでこの上ない。 映画『国宝』の主人公花井喜久雄(吉沢亮)とライバル大垣俊介(横浜流星)だが、モデルは二代目坂田藤十郎だとすれば歌舞伎の名門の御曹司ということではなくて、坂田藤十郎の妻で宝塚歌劇の...

  • ゲルゲイ・マダラシュ指揮ノルウェー放送管弦楽団のチャイコ4番

    実は今夜はNHK交響楽団の定期演奏会でブロムシュテットが指揮しているのだが、高齢で事故もあり不測の事態に備えた代演指揮者がマダラシュで、今現在日本にいてブロムシュテットの指揮を見守っているのだという。 というわけで、マダラシュ(1984-)は今夜東京にいるのだが、自分の演奏...

  • アダム・フィッシャー指揮デンマーク室内管弦楽団のモーツアルト36番

    アダム・フィッシャーのアムステルダム・ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団時代は平凡な演奏だったが、今回の演奏は奇才だった。この演奏を披歴したら契約延期と一時代を確立したのだろう。 ①ラルフ・フォークト指揮ニュージランド交響楽団(1918・10・26) ②アダム・フィッシャー...

  • マケラ指揮オスロ・フィルのメンデルスゾーン3番

    マケラは秀才で良い所は漏らさず吸収した演奏であった。もはやこんな田舎のオーケストラで指揮するような存在ではなくなっている。ドダメルのニューヨーク・フィル、マケラのシカゴ交響楽団で、今後10年の黄金時代を構築することになるのだろう。とりわけ現在ピンチャー指揮ドイツ・カンマー・...

  • 江藤淳『閉ざされた言語空間』と川口クルド

    川口市内を走るトラックです。積載制限もクルド人にはおかまいなし。警察も取り締まらない。日本人だけが守れ。これが江藤淳『閉ざされた言語空間』のテーマです。 オキパイトジャパン(占領下の日本)はGHQの占領政策で、民主主義どころか共産主義のオブラートに包まれた政策で、様々な制限...

  • ルイージ指揮NHK交響楽団のベートーベン7番

    大変驚いたのはルイージのアプローチがズッカーマンの演奏と重なったことだ。東京フィルの演奏を聞いたわけでもなかろうが、驚きであった。いずれにしても名演でした。 ①ズッカーマン指揮東京フィルハーモニー(2023・5・7) ②ユロフスキ指揮ベルリン放送交響楽団(2019・3・26...

  • ルイージ指揮NHK交響楽団のブルックナー8番初稿版(1887)

    ルイージ指揮NHK交響楽団のブルックナー8番初稿版の演奏は、アゴギーク(伸縮)を抑えてダイナミクス(強弱)を志向したものだった。 ①ルイージ指揮ウィーン・トーンキュストラ管弦楽団(2022・8・19) ②ルイージ指揮NHK交響楽団(2024・9・15) 第三楽章のシンバル3...

  • ブルックナー交響曲8番初稿版と第二稿の決定的な違い

    今年はブルックナー生誕200年記念年、色々な趣向が見えますね。いよいよブルックナーの8番の初稿版がルイージ指揮N響でやった演奏が聞ける。 さて、一番気になるのが異稿問題です。手練手管の名匠が腐心して聞かせる名場面がそれでもあります。一般的な第二稿ノバーク版を使用しつつも、初...

  • 音楽学校を出ていない天才指揮者テイーレマン、ウィーン・フィルが特訓

    テイーレマンが注目されたのは、2001年バイロイト音楽祭で第九を指揮してかららしい。ここに登場するにはそれなりの評価の定着があるわけだが、しかしこれによって大指揮者の道が開かれたのは間違いないようだ。 2000年がウィーン・フィルの初登場であった。ウィーン・フィルの将来を嘱...

  • 小林秀雄と河上徹太郎最期の対談・魯山人の徳利

    名代の料亭福田家で愛玩されていた北大路魯山人作竹笹文徳利。小林秀雄は熱くないお燗で清酒を所望しました。小林秀雄と河上徹太郎最期の対談は、1979・7・24におこなわれた。河上徹太郎は77歳で、翌年1980年に78歳で死去した。小林秀雄は、それよりも3年長生きして、1983年...

  • テイーレマン指揮ドレスデン・シュターツカペルレのブルックナー2番

    テイーレマン指揮ドレスデン・シュターツカペルレのブルックナー2番がショートで紹介されている。ショートは『触り』の紹介が命で、僅か2分の内で思想を要約したり音楽を要約する。つまり2分で全部を紹介するわけである。 それでティーレマンのブルックナー2番の演奏を聞いたつもりになれる...

  • TBS落語研究会、さようなら京須偕充

    TBSの落語研究会の解説を担当していた京須は、9月15日(日)の出演をもって退任すると言う。御年82歳という。投稿を見ていたら、前任者は榎本滋民で数年を隔てて担当したという。それで先輩格の落語評論家榎本滋民を想い出した。2006-2024年、18年を担当した。格別蘊蓄のある...

  • サイモン・ラトルがやりたかったこと、モーツアルト39番

    ベルリン・フィルを辞任したサイモン・ラトルは、イギリスに帰国したがロンドンの生活が馴染めなくて、やはり音楽の国のドイツに帰って来ました。安住の地は格下のバイエルン放送交響楽団でした。ベルリン・フィルからみると数段下の格落ちのオーケストラでした。同じドイツのオーケストラなら、...

  • 藤岡幸夫指揮BBCフィルのブル3番のフィナーレの胸のすくような一打の考察

    藤岡幸夫指揮BBCフィルハモーニックのブルックナー交響曲3番の名演に接して、ブルックナー生誕200年記念年はブルックナー指揮者としての藤岡幸夫を発見したことではないかという気がする。 とりわけ第四楽章のコーダの盛り上げは、屈指の名指揮者の名演をも圧する出来で、余人の追従を許...

  • ブルックナー生誕200年記念日・師ショルティと藤岡幸夫と尾高忠明の影響

    9月4日はブルックナー(1824・9・4-1896)の生誕200年です。というわけで、今日はブルックナーを取り上げます。 最近日本の指揮者藤岡幸夫が28年前に演奏したブルックナーの交響曲3番が公開されて、改めてブルックナー指揮者の全体像が出現された。3番の演奏の中でも屈指の...

  • ブルックナー指揮者出現・藤岡幸夫指揮BBCフィルの3番

    藤岡幸夫はブルックナーの指揮は朝比奈隆の年齢になってからするということで、後回しにしてきたという。3番は1996年にBBCフィルハモーニックを指揮した演奏で、2024年8月にユーチュウブで公開された。 1996年藤岡幸夫34歳の演奏である。如何にも若気の至り、稚拙な恥ずかし...

  • バイロイト音楽祭を訪ずれた日本人(14)村上春樹

    ドイツの雑誌の依頼で2019年のバイロイト音楽祭の滞在記を書いた。それは同年の『文芸春秋』10月号に掲載された。蝶ネクタイをした村上春樹です。正装しないと劇場に入れないお約束に従った。ピアノの上にあがった村上春樹。これが妄想ですかね。 (13)村上春樹(1949-) 作家村...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(13)小泉純一郎

    (12)小泉純一郎(1942-) 言わずとも知れたわが国の首相だった人です。選挙区の郵便局長の横暴があり、郵政大臣として役人にソッポを向かれ、一日大臣室でオペラのCDを聞いて帰って行った。この恨みが郵政改革の宗旨返しになった。忍耐力・クラシック音楽好き等々、平均的日本人にな...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(12)相米慎二・林真理子

    1 (11)三枝成彰(1942-) 三枝成彰は日本を代表する作曲家である。最近でこそテレビ出演は疎遠になったが、テレビ・タレントとしても売れっ子であった。 この人も若山源蔵に劣らずバイロイト音楽祭訪問をやっている。少し変わっているのが、自主的...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(11)若山弦蔵

    (10)若山弦蔵(1932-2021) 若山源蔵といえばワーグナーを娯楽(エンターテイメント)に変えた人である。 それ以前は頭で聞いたり、知的アクセサリーであったりしたが、この人から単純にワーグナーは楽しめばいいじゃないかということになった。ワーグナーが楽しいなんて、考えら...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(10)武川寛海・福原信夫

    1985年バイロイト音楽祭『さまよえるオランダ人』のDVD。(グラムフォン)明らかに演出家クッファーのタイトルが中心にある。オペラは戦前では歌手中心であったが、戦後は指揮者が中心になった。バイロイト音楽祭もクナッパーツブッシュやカラヤンと言った指揮者が中心だったが、1980...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(9)宮沢縦一

    1962年バイロイト音楽祭でのクナッパーツブッシュ指揮『パルジファル』のCDである。(フィリップス盤)この年のパルジファル役にアメリカのテノール歌手ジェス・トーマスが歌うというので欧米の楽壇では大評判となった。余りの人気で吉田秀和は食指が動かされて、バイロイトに寄って観劇し...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(8)小林秀雄

    1963年はワーグナー(1813-1883)の生誕150年で没後80年の記念年であった。開催初日(7月23日)にそれを祝してベーム指揮バイロイト音楽祭管弦楽団でベートーベンの交響曲第9番が演奏された。そのCDである。この第九が演奏された後に小林秀雄はバイロイトに到着した。小...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(7)丸山真男

    1962年サヴァリッシュ指揮バイロイト音楽祭管弦楽団による『ローエンングリン』(フィリップス盤)。有名な政治学者丸山真男はバイロイト音楽祭を訪問してこれを観劇した。 (6)丸山真男(1915-1996) ワルターの『回想録』によればナチス時代のドイツは尊敬出来ない市民が跋扈...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(6)高木卓

    1960年バイロイト音楽祭のマゼール指揮の『ローエングリン』。弱冠30歳のアメリカ人指揮者の登場は話題になった。マゼールは『ローエングリン』第三幕前奏曲で省略と楽譜の修正をおこなうのであるが、この時はどうだったのだろうか。 (5)高木卓(1907-1974) 高木卓は母がバ...

  • バイロイト音楽祭訪問の日本人(5)大町陽一郎

    クナッパーツブッシュの1955年の『さまよえるオランダ人』。大町陽一郎はウィーンの下宿先でラジオの実況生放送で聴いていた。同時にソニーの井深大からプレゼントされたテープレコーダーで録音していた。50年間クナの演奏を知る唯一無二の資料になった。 (4)大町陽一郎(1931-2...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(4)吉田秀和

    1954年のフルトベングラーの「バイロイトの第九」CDです。8月9日にこの演奏の生体験をしているのが吉田秀和だった。「ベートーベンの第九を彼みたいにやった人はいない。そうして50年たった今、これまでお前の聴いたものの中で、一番第九らしい第九の演奏は、と聞かれたら、やっぱり、...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(3)属啓成

    カラヤンの1952年の『トリスタンとイゾルデ』のバイロイト演奏は古来より名演の評価が高く、海賊盤で知られた。オルフェオ盤で公式に市販が出たが、この演奏の咳払いの中に日本から訪問した属啓成がいた。 (2)属啓成(1902-1994) 枢軸国の日本であるから、第二次世界大戦中に...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(2)山田耕筰

    (1)山田耕筰(1886-1965) 作曲家山田耕筰は1910-12年ドイツ留学をした。詳細には1913年12月にベルリン駅を出発して、シベリア経由で1914年に帰国した。 その間山田耕筰はバイロイト音楽祭を訪れている。バイロイト音楽祭訪問の日本人第一号となった。当時は東京...

  • バイロイト音楽祭を訪れた日本人(1)前史・娘の夫の兄は東大講師で、息子ジークフリートが東京の家を訪問

    前史 幕末期の横浜外人居留地で、ペリー来航の従軍画家をしていたハイネが滞在していると、ロシアからアメリカに向かうバクーニンが1861年、燃料補給に横浜港に寄港して、偶然の再会が起きた。二人はドレスデン革命の闘士であった。革命に参加して失敗をして国外に亡命した。ハイネはアメリ...

  • ダイソーに化学肥料、ウクライナ戦争終結が間近か?

    ホームセンターから白い粒状の科学肥料の姿が無くなり、例の都市伝説が思い出されました。科学肥料はダイナマイトや爆薬の原料で、今だに爆弾を造るのに必要とされている。 そこで思い出されるのは、戦後まもなく起きた昭和電工事件です。芦田内閣が潰れたのではないか。私企業の単なる経済行為...

  • ゴールドベルク変奏曲秘話バッハとカントは会っていた

    1 カントはケーニスベルク大学の人気のある私講師だった。私講師とは大学から給料が払わられず、教室を貸すから聴講生の払う受講料が収入だというものだった。無給講師で出来高制というので、聴講生が多ければそれだけ収入となった。 もうこの頃から市...

  • グレン・グールドにも生母がいたロザリン・テューレック

    2024・7・30午後2時、NHKFMの『クラシックの庭』では、ロザリン・テューレックのバッハ『ゴールドベルク変奏曲』全曲が放送される。何とグレン・グールドは出汁に使われて、参考資料として部分演奏される。今回の主役はアメリカの女流ピアニストのロザリン・テューレックです。 そ...

  • サラステ指揮スウエーデン放送SOのブルックナー9番

    10年ひと昔というが、結構人は変貌するなというのが印象だ。変わらない自分がいながら日々変わる自分がいる。10年をまたいだサラステ58歳の9番の演奏と68歳の9番の演奏を聴き比べします。 ①サラステ指揮ケルンWDR交響楽団(2011・9・17) ②サラステ指揮スウエーデン放送...

  • ティーレマン指揮ベルリン・フィルのブルックナー習作・0番交響曲

    立て続けにマイナーポエット(群小作家の作品)を聞くと、頭がくらくらしますね。よほど才能の無い作家の作品が、やがて人を引き付けてゆく魅力を持ち始める。ブルックナーの弟子たちのシャルク以下の音楽家がいますが、彼らの作曲作品ですらもっとましな作品であったろう。彼らは自分に作曲の才...

  • ジョナサン・ノット指揮スイス・ロマンド管弦楽団のブルックナー2番

    ジョナサン・ノットが第四楽章の679小節で楽譜にはないリタルランドを掛ける派であることが判明した。 ブルックナーのスペシャリストにして伝統派のヨッフムは、この交響曲では演奏の伝統が確立されてないので、伝統的解釈が成立しないのである。つまりドイツ国内ではほとんど演奏されなかっ...

  • ヤノフスキ指揮ケルンWDR交響楽団のブルックナー5番

    第四楽章が名演だった。ヤノフスキ指揮のブルックナー交響曲5番では3種の演奏がある。どうゆう訳かNHK交響楽団の演奏が圧倒的な演奏になった。 ①ヤノフスキ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(2009・7) ②ヤノフスキ指揮NHK交響楽団(2014・4・12) ③ヤノフスキ指揮ケルン...

  • テイーレマン指揮ウィーン・フィルのベートーベンの『運命』

    来週のNHKFMはブルックナーの特集で、興味津々ですね。ジョナサン・ノットの2番(24・3・13)、テイーレマンの習作・0番(24・3・1)が、わずか3カ月前の本公演が聞けるのだ。 2番はブルックナーの誕生日(9月2日)の投稿の隠し玉で、或る箇所の演奏が同じだったらつまらな...

  • 石丸伸二・渋沢栄一=アンドロイド・『笑うマトリョーシカ』

    一万円札の渋沢栄一の故郷深谷に渋沢栄一記念館があり、そこに渋沢栄一のアンドロイドが設置されていて、今も生きているように動いたり話したりするアンドロイド(自動人形)が人気を集めている。それを寄付した人が地元出身の実業家のドトール羽鳥だという。 「あっ」と驚きました。ドトール羽...

  • 未曾有の悪解釈だが平服低頭して崇拝したいクレンペラーの『運命』

    昔『レコード芸術』にクレンペラーの熱心なフアンだという日本の少年がフアン・レターを送って、演奏会に招待されたら居眠りしていたというゴシップが紹介されていた。日本のNHK交響楽団に招聘されていたのだが、実現されていたら映像や録音が残り、一層親しみが出ていた巨匠であった。という...

  • なべやかん似の石丸伸二、ひょっとしたら自民党の救世主かも

    なべやかん似の石丸に石丸新党の構想があるという。広島1区からの出馬があるという。衆議院で雑巾がけを始めたら、10年は下済み生活。ドトール羽鳥は5000万円貸し付けたというが、首長なら当選したら直ぐ返してもらえるが、衆議院議員なら利益還元は不可能である。 でも自民党の新しい表...

  • ヤコブ・フルシャ指揮東京都交響楽団ブルックナー4番(コーストヴェット1878・1880年版)年

    2024・7・4(木)サントリーホールで開催される。聞きものは何といってもコーストヴェット版であろう。ブロムシュテットN響で紹介済みで珍しくもないが、今年はブルックナー生誕200年記念の行事の一環だ。 例によって都響はリハーサルの一部を紹介して、実演より一足先に聴ける。紹介...

  • ブリュッヘン亡き18世紀オーケストラのモーツアルト40番

    古楽器奏法の金字塔のブリュッヘン指揮18世紀オーケストラだが、ブリュッヘン亡き18世紀オーケストラ単独で11年ぶりの来日公演があった。指揮者無しでモーツアルトの交響曲40番が演奏された。(2024・3・11) 第一番の印象は角の取れたマイルドな演奏に様変わりしていたことだっ...

  • なべやかん似の石丸伸二の正体

    どこかで見た顔だ。たけし軍団のなべやかんだった。石丸伸二は、なべやかんほど好人物でないことが判明しました。京大卒の三菱銀行の銀行員で、銀行員といえば雨が止んでから「傘貸しましょうか」と客に傘を差し出す人種だ。初めから傘を貸す気がなく、営業トークで、傘を貸す気もないのに、傘を...

  • バイロイト音楽祭の祝祭管弦楽団はドレスデン国立歌劇場管弦楽団だった話

    オトマール・スイトナー(1922-2010)の息子イゴール・ハイツマンが監督をした『父の音楽―指揮者スイトナーの人生』は貴重なドキュメンタリーである。突如としてバイロイトの指揮者に登場したスイトナーは名声を得たが、その背景には孫ヴィラント・ワーグナーの遠大な野望があったよう...

  • 独創性の極みヨアン・マルヴィッツ指揮ベルリン・コンツエルトハウス管弦楽団のシューベルト8番

    いま女性指揮者の多さに驚ろかされるが、そのほとんどが異才の主で、その中でも群を抜く存在がヨアン・マルヴィッツ(1986-)であろう。3月には来日し読響を指揮したという。 演奏は2020・11・28で、もう4年前の演奏になるが、この演奏を越えた演奏はされていない。当代最高の演...

  • 世界三大学歴詐称事件、小池百合子・丸山真男・メルケル夫

    今都知事の小池百合子のエジプト大学卒業についての学歴詐称問題が議論されている。石井妙子・上田玲子・小島敏郎らが学歴詐称だと論じている。小島に至っては学生であった実体まで公表せよ、と前回の隠蔽工作の発案者がいう。(この人の論点が推移している。) かつて戦後最大の知識人丸山真男...

  • ジエームス・ブラウンに学んだ『ストップ』とMTTマーラー1番

    マイケル・テイルソン=トーマスは、ジャズは黒人の音楽という偏見に囚われていた。人種の坩堝といわれたアメリカは移民の国で、移民の文化が所属先と考えられていた。 ヨーロッパ音楽はよそ者で、ジャズが身内の音楽であることに気づいた時、ジャズの語法でヨーロッパ音楽を理解することを学ん...

  • 僕らはブーレーズを演奏していたが、ジェームズ・ブラウンを聞いていたんだ(ティルソン=トーマス)

    ジェームズ・ブラウンとマイケル・テイルソン=トーマスのスナップ写真 マイケル・テイルソン=トーマスは、生前のジェームス・ブラウン(1933-2006)をジョージア州の自宅に訪問して、インタービューをしている。 日本の俳優西田敏行さんの「ゲロッパ」の物まねは有名だ...

  • テイルソン=トーマス指揮サンフランシスコ響のマーラー2番(誕生80歳記念演奏会)なるか

    今年82歳のデ・ワールトは朝ベッドから起きられなくなって、この後オーケストラとのリハーサルが待ち構えていたが、突然引退を表明した。一進一退のバレンボイムは、それでも健康な時は指揮活動を続けるらしい。 2年前に突然の脳しゅようを発病したマイケル・テイルソン=トーマスは、小康状...

  • 渾身の解釈ロリン・マゼールのワーグナー『ローエングリン』第三幕前奏曲

    ロリン・マゼールは有り余る才能を持て余した天才指揮者だった。結局彼はこの世に何を残したのかと言えば、何も残さなかった。 しかし唯一無二の桁外れの才能を残さなかったわけでもなかった。@Symphony liveショート というユーチューブに残したワーグナー『ローエングリン』第...

  • クレンペラー演奏の驚異、双子の演奏1956年と1957年のベト7番

    クレンペラーは1951年春、ウィーン交響楽団で廉価盤レコードのVoXレーベルのために一連のレコード録音をしている。当時クレンペラーはフリーランスの指揮者で、先約がない限り、自由契約で指揮活動をしていた。 6月からウィーン交響楽団でギリシア公演旅行に参加している。前からあった...

  • オットー・クレンペラーのウィーン交響楽団時代(1951-1963)

    名匠アドルフ・ブッシュが10年近くウィーン交響楽団のコンサートマスターを勤めていた。他方同時代にはウィーン・フィルには伝説的なロゼーがコンサートマスターを勤めていた。トスカニーニが客演した時、ドビッシーの『海』を演奏したが、意に沿わない演奏をしたので放棄した指揮をした。終わ...

  • 立ち小便していた紫式部とテレビ大河ドラマ『光る君へ』

    NHKの日曜大河ドラマ『光る君へ』が、平安の最高権力者の藤原道長と『源氏物語』の作者紫式部とが恋愛していたというので、それだけを聞いて食わず嫌いになってしまった。ところが平安時代の日常生活が描かれていて、一応の時代考証が反映されていることで、急に興味が湧いてきた。 例えば真...

  • 2分30秒の名演バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管のブッルックナー3番

    ブルックナーの交響曲3番は60分かかる。それを2分30秒で紹介するというのがショートだ。@syphony-liveのショートが紹介しているのが、バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団の演奏だ。 これは確かにブルックナー交響曲3番の名演に違いない。バレンボイムはブルックナ...

  • ホーネック指揮チェコ・フィルのチャイコフスキー5番

    1-3楽章は空振りといったところか。第四楽章、狂気から生み出されたホーネックの独自な解釈が生まれた。 Poco piu animatoを狂気に満ちた熱情と解したホーネックは漫画的な速さでアッチェレラント(加速)で演奏した。 ホーネックは296-307小節まで、狂気的な速さで...

  • 装飾音符を演奏したリーニフ指揮プラハ・フィルハーモニアのモーツアルト38番

    オクサーナ・リーニフ(1978-)が楽譜にない装飾音符を演奏したことで古楽器派のモーツアルト指揮者であることが判明した。かつ大変な名演であった。 第一楽章。 121-123小節のホルンはf明記ながら、アンスネスとリーニフはこのfをそれ以上に強調していたところで、並みの指揮者...

  • ローカル色満載ポペルカ指揮プラハ放送響のドボ8番

    ペトル・ポペルカ(1986-)はウィーン響を解任されたエストラーダの後任になった人だ。余程の実力のある人と見たが、ローカル色満載でドボルザーク8番を指揮した。それはCD録音でよく聞く演奏とは異なって、異色な演奏となった。 小生はマンフレット・ホーネックを天才と崇めている信者...

  • エッシェンバッハ指揮NHK交響楽団のブルックナー7番

    今夜のN響ライブ放送の圧倒的な喝采に、躊躇せざるを得ないのであるが、エッシェンバッハ不調説を唱えたい。 第一楽章、199-122小節の金管の曖昧模糊なテンポの落とし方に賛成できかねた。 今回のエッシェンバッハのポコ・リタルランドは、奇しくもハイテインク指揮ウィーン・フィル(...

  • ヤノフスキ指揮NHK交響楽団のブラームス1番

    ヤノフスキのブラームス交響曲1番は、ドイツの正統派の演奏を披歴するというよりは、結構独自の解釈を前面に出したものであった。(2024・4・13) その最たるものは第一楽章のコーダに現れた。 495小節「メノ・・アレグロ」のホルンの強調は歴然としていた。楽譜はpだが、ヤノフス...

  • 独創的だったデュフレーヌ指揮東京フィルのベルリオーズ『幻想』交響曲

    女性新人指揮者のクロエ・デュフレーヌ(1991-)の『幻想』は独創的な響きが随所で聞こえた。東京フィルに初登場であるそうだ。 第一楽章、「夢・情熱」で、490小節。 490小節のテインパニは、楽譜は8分音符2つになっているが、フランスの伝統では4分音符1つで打つようである。...

  • 十代目市川団十郎(1882-1956)の謎を解く。富豪刑事・富豪同心・富豪歌舞伎役者

    華麗なる柳田国男の一族(長兄松岡鼎の再婚者が十代目団十郎の姉) 大正天皇の貞明皇后の前で松岡天才四兄弟に言及する人がいると、田舎に兄さんが一人いると松岡鼎(1860-1934)の名前を、貞明皇后が挙げたという逸話が残されている。この人の後妻が十代目市川団十郎の姉...

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