カンブルラン/読響
カンブルランが読響に帰ってきて定期演奏会を振った。すばらしいプログラムだ。忘れられない演奏会になった。1曲目はメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲。当夜のプログラムが真夏の夜の幻想で、その開始を告げる曲だ。弦楽器の歯切れのよい音が飛び交う。そこにホルンやチューバの不穏な音がかぶる。真夏の夜の森の世界だ。 読響はアルブレヒト、スクロヴァチェフスキ、カンブルランと続いた常任指揮者の時代が黄金時代だった。それらの3人はそれぞれの持ち味を読響に付加した。ではカンブルランが読響に付加したものは何だろう。それは音色の引き出しの多さではないだろうか。それらの引き出しが今も読響に残っていることが感じられる。…
2025/07/09 11:38