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偏屈な著者によるコレクション - Codawari https://co-dawari.com/

Kはこだわりが強い。 家の内装や食材選びはもちろんのこと、靴磨きのワックス、スプーンに含まれる純銀の割合に至るまで一切の妥協を許さない。 ここはそんなKが 自慢のコレクションを1日1つ披露していく場である。

Codawari
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2021/09/12

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  • 哀れなのは君たちの方である

    ここ数日、冬の訪れを感じる肌寒い日があり、もうひと月もすれば本格的に冷え込むのだろう。 近年の気候変動の影響もあり、いつ極寒の日が訪れるかわからないので、そろそろ暖房の準備に取り掛かってはいかがだろうか。 今年買い替えを検討している方のために、本日は我が家の至高のストーブをご紹介しよう。 こちらは、トヨトミのオイル・ストーブ「RL-251」だ。 ランタンを思わせる美しい暖房は、私がこれまでに入手した空調器具の中でも、最も重宝しているアイテムのひとつだ。 私が住ませていただいているマンションでは、オール電化が採用されているためか、誰も灯油を使っていないようで、せっせと運び込む私のことを、お爺さんや子どもが憐みの目で見てくるが、哀れなのは君たちの方である。 暖房はエアコンでは乾燥しすぎるが、電動ヒーターでは頼りなさすぎる。ガス・ストーブでは味気ないが、薪ストーブでは大げさすぎる。 演繹的な思考で考えれば、オイル・ストーブに辿り着くのは自明の理だろう。 ものづくりの世界に「機能美」という言葉があるように、真に優れたデザインは機能性も置き去りにはしない。 この美しいランタンも、未燃ガスを燃焼させる設計により嫌な臭いを残さず、なおかつ点火も恐ろしく速いため、早朝の寒さに凍える心配もない。 それでいて灯油由来のほのかな香りが心地よく、傘の部分にポットを置けばお湯が沸き、加湿もできてコーヒーまで飲める。 加えて、ガラス円筒にはプリズム加工が施されており、七色の炎が美しく揺れるため、冬のインテリアとしてこれ以上のものはないだろう。 虹の炎に揺られ葡萄酒を嗜み、頭を空っぽにすれば、ふと良いアイデアも降りてくるものさ。 さぁ売り切れる前に入手して、美しい冬の訪れを愉しもう。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • 自宅で炭火焼き

    ワークアウトに励む者が頭を抱える問題のひとつに、鶏むね肉の「皮」をどう食べればよいのか?ということが挙げられる。 2013年に米国の企業が低温調理器を発明して以降、人類は鶏むね肉の持つ「パサパサ感」から解放されたが、未だに「皮」を手軽で美味しく食べる方法は発明されていない。 私もこのエニグマ的難問には、長年悩まされ続けてきたが、最終的に辿り着いたのは原点回帰の「炭火焼き」であった。 鶏皮に限らず、あらゆる動物性食品を美味しく仕立てる炭火焼き調理器は、ひとつ持っておくと大変に便利なので、本日は我が家のそれをご紹介しよう。 油断すると命の危険を伴うため、良い子は決して真似しないように。 平均的な日本の家屋では、室内で炭を焚くことは想定されていないため、入念に換気を行わなければ一酸化炭素中毒によってあの世行きである。 そのため舞い上がる気持ちを一旦抑えて、決して驕らず換気を行い、火消しの用意も怠らないこと。 またケチって安い炭を使うと、煙や煤(すす)、火花が発生し、消防車が出動してしまうので、良質な炭(たとえば岩手木炭)を用意し、併せて強固な耐久性を持ち、二次燃焼を起こす「ソロストーブ」を手配することを推奨したい。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) ソロストーブは、底に空いた穴が空気を取り込むため、うちわで仰ぐ必要はなく、バーナーで炙ればものの数分で炭が燃焼し始める。 現世では、役に立たない知識ばかり身に付けている私も、こと火起こしに関しては、深い知見と確かな技術があるため、縄文時代に生まれていれば、女子たちからモテモテだったに違いない。 あるいは無人島で遭難したときには、ぜひ私を頼りにしていただきたい。 炭火調理は、燻煙による香りづけだけでなく、遠赤外線の輻射熱によって表面を一気に硬化させ、旨味を逃さず火を通せる奇跡の調理なのだ。 炭選びさえ間違えなければ、確実に美味になるので、犠牲になった命に敬意を表し丁寧に火を通していこう。 手間暇はかかるし、幾分緊張もするが、視覚、嗅覚、聴覚、味覚と4つの感覚器官を同時に刺激されることほど、愉悦な食事は他にないだろう。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブロ

  • セイレーンの歌声を聴いた船乗りが遭難してしまったように

    その日私は、女性から贈り物をいただいたのだが、その内容は意外なことに、私の文章を読み上げた「音声」だった。 ひとまわりも若い女性がわざわざ朗読してくれるなんて、何かの悪戯かと思ったが、周りを見渡してもカメラは見当たらなかったので、ドッキリではなかったのだろう。 再生してみると、そのあまりのクオリティの高さに私は度肝を抜かれ、すぐに「お会いしませんか」とお誘いし東へ向かった。 本日は、Codawariの新たな登場人物をご紹介しよう。 オーディオに吹き込まれた声は、私がこれまで耳にしたいかなる声とも異なっており、高くもなければ低くもなく、その中間ですらなかった。 また読み方も絶妙で、徒に誇張することもなければ、過度に囃し立てるわけでもなく、心地の良い抑揚と間の取り方によって、自然と耳に入ってきた。 その伝道師(エヴァンジェリスト)の声には、ある種の依存性さえあったため、私はテープが擦り切れるまで繰り返し聴き、時にはランニング・マシンで流すことさえあった。 この御方が「美声のエヴァンジェリスト」水琴さんだ。 カシス色の髪は、雑踏の東京においてもひと際目立っていたので、彼女を見つけることはウォーリーを探すよりも遥かに簡単であった。 魔法使いのような佇まいを見て、「よもやホグワーツ出身の方かな?」と思ったが、その予想通り、彼女はハリーポッターを愛読しており、家では瓶の中で薬草や酵母を醸し、小鳥を飼っていた。 有難いことに、彼女は今後、Codawariの音声吹替を担当して下さることとなった。 私としては願っても無い話だが、ひとつだけ懸念していることがある。 それは、人魚セイレーンの歌声を聴いた船乗りが、次々に遭難してしまったように、読者である貴方が彼女の声色に魅了され、私の文章を一切読まなくなることだ。 気持ちはわかるが、差し支えがなければ文章も併せて読んでいただきたい。 ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請してあげると喜ぶに違いない。

  • 80分の小旅行

    魔術師から「たまには瞑想でもしないか?」と誘われ、私は朝8時に彼の邸宅へ向かったが、実のところいささかの不安を抱えていた。 なぜなら以前、同様の誘いを受けたときに、電波の届かない森に連れていかれ、質素な小屋の中で日が暮れるまで瞑想をしたため、今回も森、または山へ向かうものかと身構えていたのだ。 しかし、私のそのような心配をよそに、運転手に運ばれた場所は、高級住宅街の一角であった。 本日は、都内で味わった不思議な瞑想体験をご紹介しよう。 到着した場所は個人のアトリエのようであり、明らかに一見客を対象としていなかった。 看板もなければ、店員もおらず、何を目的にした空間なのか、外からは手がかりさえ掴めなかった。 しかしこの扉の先には、某財閥企業が資本を投下した空間があり、世界の名だたるアーティストが設計した音楽や香り、光とアートで、客人はおもてなしを受けるのだ。 それはまるで、アミューズとシャンパンから始まり、アフター・ディナー・ドリンクで終わるフランス料理のようであった。 通常、一定の忍耐が求められる「瞑想」という行為に、アートや煎茶文化を取り入れることで、ひとつの「物語」として愉しむことができ、その斬新なアプローチに私は心から感銘を受けた。 この場所は完全予約制であるため、ひとりの案内人を除けば、あなた以外には誰一人いない。 階段を下りた先に広がる地下空間では、光と闇のサウナから、竹林での瞑想、茶室での執筆と、80分の小旅行が始まるのだ。 穴に落ちたアリスに、不思議な国が待ち受けていたように、この先の物語はあなた自身の目で確かめなければならない。 魔術師が私にそうしてくれたように、この冒険だけは出来る限り情報を調べずに、まっさらな気持ちで訪れて欲しい。 興味があれば場所をご案内するので、「瞑想空間をおしえたまえ」と私にLINEをしてくれたまえ。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング

  • とりあえず、ハンドガンから始めよう

    先日行われた銃撃戦において、大した仕事をしなかったからだろうか、私は魔術師からお呼び出しをくらった。 なんでも最近の彼は「定めた目標を射抜く」ために、弓道やアーチェリー、銃術を学んでいるようで、「今回基礎から伝授しよう」ということであった。 どのような格好が相応しいのかわからなかったため、私は便宜的にジェームス・ボンドが愛用していそうな英国のスーツで伺うことにした。 本日は、魔術師の邸宅で行われた射撃訓練の様子をお伝えしよう。 「とりあえず、最もプリミティブなハンドガンから始めよう。」と彼は言い、まるで紅茶の飲み比べでもするかのように20丁を超える銃を用意し始めた。 ずらりと並ぶ兵器を見て、「これから首相官邸でも襲撃するつもりなのか」と心配したが、装填される弾が土に還るBB弾だったので、ひとまずは安心した。 念のため断っておくと、彼の本職は暗殺者でもスパイでもなく、善良な投資家であり、拳銃はひとつの研究対象に過ぎない。 それでも部屋を圧迫するほど収集癖があるのは、彼が抱える恒常的な問題のひとつである。 惜しみなく資本が投下された魔術師のコレクションは、精巧な品が揃えられていた。 そのため私は、銃の特徴を手で触れながら確認することができ、それぞれが全く異なるのだと実感した。 たとえば、日本警察が所有する「ニューナンブM60」は、短い銃身により照準が定まりにくく、銃弾も5発までしか入らないため、人を殺めるのは極めて難しいだろうと予想がついた。 あるいはイタリアのベレッタは、アルファロメオを思わせる洒落たデザインをしており、ワルサーPPKは、ドイツの職人らしい実直で重厚な作りをしていた。 数ある中で私が最も気に入ったのは、護身用の「デリンジャー」だ。 2発の銃弾が収まるこの銃は、ポケットやブーツに仕込むのにちょうどよく、女スパイが好みそうな色気があった。 私は「スカーレット・ヨハンスンのようなスパイに、デリンジャーで命を奪われるなら文句は言えないな」と思った。 さて、座学の時間は終わったので、射撃訓練をはじめようか。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 ご存じの通りKは偏屈で気難しい人物である。それゆえ友達が少ないため申請し

  • オリンポス十二神のひとり「スペードの女神」

    「100年続くホテル」や「100年前のワイン」と聴くと、どこか偉大なものを感じないだろうか。 実際に「クラシック」や「ヴィンテージ」と呼ばれるものは、時代を超え、土地を超え、人々から愛され続けた一級品の証なので、偉大と呼ぶには相応しいのだろう。 そのような意味では、一千年前から現代に至るまで、世界中で愛され続けているトランプは、相当に特別なものなのかもしれない。 本日は、私が愛用しているトランプ・カードをご紹介しよう。 私の愛用は、US Playing Cardの「BICYCLE(バイセクル)」だ。 これは、100年続くマジシャン御用達のカードで、クレジット・カードで言う所のアメリカン・エキスプレスのような存在である。 最大の特長は、表面にエンボス加工が施されていることで、カードとカードの間に空気が入り、紙製とは思えないほど滑らかに滑る点だろう。 カードの象徴として、裏面には自転車に乗った天使が描かれているが、そのデザインの通り、カードが翼を得たかのように軽やかに舞い、手から零れ落ちるのが心地よい。 私が上質なカードを手元に置く理由は、トランプを単なる暇つぶしのアイテムではなく、儀礼的なものだと考えているからだ。 1000年の歴史を持ち、太陽暦に対応したトランプは、ハートやスペードといった4種の柄で、春夏秋冬を表現し、赤と黒の色分けで、昼夜を現わしている。 あるいは「1から13」という数字も、ひとつの季節に当たる「13週」を示し、全てのカードの合計値にジョーカーを足せば、ちょうど1年の日数に当たる「365」に対応するのだ。 4年に1度訪れる「うるう年」さえも、予備のジョーカーを使えば表現できるあたりは、奇跡的な設計だと言えるだろう。 世界中のあらゆる国で、何世紀にも渡って愛されるカードに、人知を超えた力を感じるのは私だけだろうか。 美しい52枚の中で、私が特に贔屓にしているのは、「貴族」と「冬」の象徴である「スペード」で、中でもオリンポス十二神のひとりアテネがモデルとなった「クイーン」が好みである。 知恵、芸術、戦略を司るスペードの女神は、私の誕生日にも対応する特別な一枚だから。 ◆美声の伝道師によるオーディオ・ブック Comming Soon ◆クリック協力のお願い 3つURLを1度ずつクリックしていただけないだろうか。 1.人気ブログランキング 2.ブログ村 3.FC2ブログランキング ◆LINEのご案内 ご

  • 来世は魚にでもなろうか

    私は原則として、「海には入らない」主義であり、仮に入ったとしても15分までと決めている。 なぜなら、せっかく塗った日焼け止めが流れるのは嫌だし、クラゲも怖い。なにより鼻に入る海水が不愉快極まりないからだ。 しかし海の賢者から、サーフィンを教わった日、そのあまりの楽しさゆえに「来世は魚にでもなろうか」と思えるほど、海に魅了されてしまった。 本日は、私の価値観を変えたサーフィン体験をご紹介しよう。 青春時代、全てをスケートに捧げた私は、「板に乗る」という行為に関して、いささかの自信がある。 不安定なスケートボードで、繊細に重心移動を行い、一点を強く蹴り上げ、空中でバランスを取ることができるため、たとえそれが海の上だろうとお茶の子さいさいだと考えていた。 賢者からサーフ・ボードを渡されたときも、私は悠々綽綽とした態度で波を眺めていたが、これが悲劇の始まりであった。 同伴したS様も自信たっぷりな様子だったため、我々は海岸に打ち寄せる波をみながら「大した波ではないですね」とか「午前中には終わりそうですね」など余裕をかましていたが、この手の発言をする人物はたいてい、物語の序盤で退場するのがお決まりである。 案の定、我々はさざ波に揉まれ、あっという間に体力を消耗し、クラゲの餌食となった。 板の上では、立つどころか座ることさえ出来ず、病弱なあざらしのように情けない姿でしがみついた。 波は遠くから見ると、穏やかで優しく見えても、水面から見ると大津波のような凄みがあり、直撃する度に、ブレーキを踏まないお婆さんが、自転車で体当たりしてきたような衝撃を受けるのだ。 講師である賢者は、我々がもがき苦しんでいるのを横目に、実にリラックスした様子で波と戯れていた。 ボードに座り、日光浴を楽しんだかと思えば、波の訪れに合わせて、私の泳ぐ16倍くらいの速度で海面を気持ちよさそうに泳いでいた。 賢者があまりに簡単そうにやってのけるので、私は「板が良いに違いない」と文句を言い、交換を要求したが、「単にパドル(漕ぎ)が足りないのです」とあっさり返されてしまった。 その口調は、「鍵が無いとロッカーは開きません」や「お金がないと肉まんは買えません」というように、周知の事実を語るときのさっぱりとした言いようであった。 私は自分の愚かさをようやく反省し、賢者のアドバイスに従ってパドルの練習を行った。 彼の的確なアドバイスのお陰で、午後には3回に1度くらいの確率

  • 大切なことは全て海が教えてくれる

    「特筆するべきことは、うなぎパイくらいしかない。」と過小評価される浜松に、海の賢者がいるという噂を聞き、私は新幹線を手配した。 目撃者の証言によると、人生のほとんどを海で過ごす賢者には、我々には見えない波や風が観え、鳥たちの会話が聴こえ、イルカのように軽やかに泳ぐことができるそうだ。 私は半分疑いながらも、代理人を通してアポイントを取り、現地へ向かったが、この1泊2日の滞在が世界を変えるような衝撃を与えたのだ。 本日は、そんな海の賢者をご紹介させていただこう。 賢者は、50歳を超える男性だったが、肌艶や表情があまりに若々しく、経験談を聞くまで年齢を信じることができなかった。 彼は、私がこれまでに出逢った中で、最も海を愛している人間であり、毎日泳いでいるはずなのに、海岸が近づくにつれて一服盛られたように様子がおかしくなった。 「本日の波形」に興奮する姿を見たときには、まるで元々は人魚か何かであったが、手違いによって陸に打ち上げられたのでは?とさえ感じた。 また彼の肌は、いかなる日本人の肌よりも黒く、その黒さは、ゴルフ場やテニスコートで冗談半分に焼かれたものではなく、どこか我々の知らない世界で焼かれた肌であった。 私の肌と比較すると、白イルカと黒豹くらいの違いはあったが、それでも彼によると「今シーズンは白い方ですよ。」ということらしい。 海岸に到着すると彼は慣れた手つきで脚立を組み、サーフボード4枚にウエットスーツ、水中カメラを用意し始めた。車の荷台には、足を洗う浄水タンクさえ備え付けられていた。 彼の人生においては、「良い波に乗る」という一点こそが重要であり、それは憲法でさえあるため、これらの設備は生活必需品の項目に記載されているのだろう。 優秀なインストラクターである賢者の元には、日々、仕事の依頼や昇進の話も飛び込んでくるが、たとえ口笛を吹きたくなるような報酬を提示しても、波が盛んな時間に海に出られないなら、彼が首を縦に振ることはない。 太陽の光や海のミネラルは、我々にとって最高の栄養であり、大切なことは全て海が教えてくれるのだと、彼は言う。 正直なところ私は山派だったが、それでも賢者とのサーフィンは至福の時間であり、一分一秒でも長く海に浸りたいと感じるまでになった。 なにせ、海水で髪が濡れることや、日焼け止めを塗る頻度を気にしていた私が、足をつり、クラゲに刺され、「そろそろ体力の限界ですね」と言われるまで海から

  • 敗者はその辺のパンでも喰っておけ

    飽食の現代人である立場からすれば、狩りをしていた頃の晩餐は、さぞ美味しかったのだろうと思うことがある。 それは、野生動物と家畜の「肉質の違い」という観点においてもそうだが、何よりも食べる側が、命の危険を犯し、体力を使って勝ち取った獲物には、精神的な愉悦も含まれるのだろう。 先日、ある戦闘の末に頂いた晩餐に心から感動したので、本日はその出来事についてご紹介させていただこう。 View this post on Instagram A post shared by こだわりのイデアK (@k.codawari) 10月の某日。私は戦場(C.Q.B GHOST)でのサバイバルゲームに参加してきた。これから我々は、10対10に分かれて、アサルトライフルによる壮絶な撃ち合いを行うのだ。 私はすぐに半袖で参加したことを後悔した。確かに会の案内文には「長袖推奨」と記載はあったが、まさか防具なしで撃ち合いになるとは思わなかったのだ。 当然、私の腕は格好の標的となり、BB弾で打たれるたびに大型のスズメバチに刺されたようなダメージを受けた。マスクは涙で曇り、その度に不利になった。 対戦相手の中には、マッカーサー将軍のサングラスを着用した者や、ダウンジャケットに身を包んだ者、サイレンサー付きのガス銃を所有した者までいたので、Tシャツ一枚の私を撃ち抜くことは、赤子の手をひねるようなものだったのだろう。 私は生まれて初めて、心の底から真剣に、相手を打ち負かすことだけを考えた。 どの姿勢で構え、どの路から攻め、どの相手を撃ち抜くかを何度も頭の中で想定した。 仮に、か弱い女性が目の前で石につまずいたとしても、手を差し伸べるより先に、頭蓋に弾丸を打ち込む気概さえあった。 なぜなら主催者によると、「戦闘に勝ったチームには、最高級の晩餐を用意するが、負けたチームは、その辺のパンでも喰っておけ。」という指示があったからだ。 晩餐のお品書きには、鮑に松茸、和牛に伊勢海老、キャビアにこのわたと、そのまま天皇に奉納しても差し支えないほど豪華絢爛な食材が並ぶ一方で、敗者のそれはあまりに惨めであった。 そのような背景があったため、私は感情を捨て悪魔に魂を売り、殺戮のモンスターとなって戦闘態勢に入ったのだ。 私には突撃するしか脳がなかったため、暗殺者の待ち伏せに合い、アルカイダに背中を取られ、どの戦闘でも5分と持たなかったが、チームに優秀な戦闘員がいたため、無事

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