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マリの朗読と作詞作曲 https://blog.goo.ne.jp/uu55

65歳からシンガーソングライター。様々な人生の様々なシーンを切り取っての曲作り。CDアルバム収録曲と、古典・小説・詩の朗読を投稿。

マリ
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2021/08/28

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  • 父の故郷訪問記(7)最終回

     父の故郷訪問記(7)最終回50年前の思い出 シリーズものなのでまだの方は順に読んでね →父の故郷訪問記(1)→父の故郷訪問記(2)→父の故郷訪問記(3)→父の故郷訪問記(4)→父の故郷訪問記(5)→父の故郷訪問記(6)  おばあちゃん=父の19歳上の実姉寅四郎さん=おばあちゃんの四男 寅四郎家の黒電話の横に、町内の電話帳が置いてあった。見ると、名前と電話番号に並んで屋号の欄があった。屋号1ページに何軒も屋号が載っている。都会っ娘のわたしには珍しかった。思わずメモってしまうくらいに珍しかった。なかでも忘れられないのが、奉天屋満州ランプ屋三郎海軍 戦争中に住んでいた土地や生業が屋号になっていた。  そのほかにもどっこん水、初めて見たハマナス、かつて菩提寺に寄進した大灯篭、地獄に続く釜、胎内くぐり・・・、いろいろな...父の故郷訪問記(7)最終回

  • 父の故郷訪問記(6)

     父の故郷訪問記(6)50年前の思い出 シリーズものなのでまだの方は順に読んでね →父の故郷訪問記(1)→父の故郷訪問記(2)→父の故郷訪問記(3)→父の故郷訪問記(4)→父の故郷訪問記(5)   おばあちゃん=父の19歳上の実姉寅四郎さん=おばあちゃんの四男  寅四郎さんと父と三人で、近所の浜辺に出てみた。海沿いに暫く歩いて行くと河口にぶつかった。それはさほど大きくない川だった。指呼の間、とでもいうのか、両岸でしっかりと大声を出せば話ができそうなくらいの川幅で、護岸工事のない自然の姿のまま日本海へ注いでいる。そしてその水は水晶のように澄んで煌めいている。おばあちゃんによれば、あの川を昔はたくさんの鮭が「ごんごんごんごん上ってきた」という。「ごんごんごんごん」・・・わぉ、ぴったりな表現!   おばあちゃんと家の...父の故郷訪問記(6)

  • 父の故郷訪問記(5)

     父の故郷訪問記(5)50年前の思い出 シリーズものなのでまだの方は順に読んでね→父の故郷訪問記(1)→父の故郷訪問記(2)→父の故郷訪問記(3)→父の故郷訪問記(4) おばあちゃん=父の19歳上の実姉 おばあちゃんの嫁ぎ先の先祖の墓に案内された。師走の空は気持ちよく晴れ渡り、まだ雪もなく、古刹の墓地の一角は樹々の蔭に冷え冷えとしていた。その先祖の墓石というのは、長年の風雪で角が丸くなり苔むしていて、刻まれた文字は読み取りにくい。その前に立ち、ご先祖さんについてなにか話を聞かされたと思うが、内容はほとんど覚えていない。 父とおばあちゃんの会話を聞くともなく聞きながら、隣に建つこれまた古い墓石を何気なく見ていたら、「悲悩比丘尼」という5文字が目に飛びこんできた。いくつもの刻まれた戒名の中にさり気なく混じっている。...父の故郷訪問記(5)

  • 父の故郷訪問記(4)

     父の故郷訪問記(4)50年前の思い出 シリーズものなのでまだの方は順に読んでね →父の故郷訪問記(1)→父の故郷訪問記(2)→父の故郷訪問記(3) おばあちゃん=父の19歳上の実姉 おばあちゃんはお嫁入りの時、白無垢で家を出て婚家で赤い着物に着替えた。実家を出るときには一度死ぬという意味での白装束であり、到着した婚家では生まれ変わるという意味での赤い着物だという。   大正時代中頃の栄えていた旧家同士の婚姻である。しかも、長女が本家の長男に嫁ぐのである。あの広い座敷に大勢のお客を迎えての婚礼の宴は、どんなに盛大であったことか。おばあちゃん自身は、それについて何も語らなかったけれど。    父が新潟でもらった金梨地の漆器黒漆に金粉が散らされている美しい器。菓子鉢だろうか。 一辺が18㎝くらいで底が狭くなっている...父の故郷訪問記(4)

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