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冒険家・プロスキーヤーの三浦雄一郎、豪太によるアンチエイジング、 低酸素トレーニング、キッズキャンプ。登山ガイド・博士(体育学)の安藤真由子によるOUTDOOR塾。トレイルランナー宮﨑喜美乃による初心者向けのトレラン情報を発信。

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2021/08/19

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  • 最高のホスピタル

    2017年5月20日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 来年、ヒマラヤ山脈のチョオユー(標高8201㍍)に父の三浦雄一郎とともに挑む。そのトレーニングのため、つい先日までネパールのコンマラで合宿を張っていた。コンマラの意味は、コンマが雷鳥、ラが峠。雷鳥峠とはのどかな響きだが、同5400㍍に及ぶヒマラヤの一角のこと、実際はのどかどころではない。 今回の遠征は、峠の横にあるポカルデ氷河でスキーをするのが最終目標だった。父は今年の冬の国内合宿で不整脈のため歩くのがやっとという容体で、昨年のチュクンリ(同5500㍍)も登頂できず、最高到達地点が同4300㍍。今回の遠征も、同4400㍍

  • 山は快適に過ごそう

    2017年5月13日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 先月、新潟の神楽スキー場でシーズン終わりのスキーを楽しんだ。もう春だから寒くもあるまいと、薄手のトレーナーの上に春用の薄いウエアを着ただけの軽装で臨んだが、あいにくの雨。体はびしょびしょになり、寒さに体が震えた。 雨が降るほどの気温だから氷点下ではない。せいぜい気温は4度か5度だったろう。それでも身が震えるほどの寒さを感じた。ぬれているからだ。水は空気に比べて25倍の熱伝導率があり、水分は温度を体に伝えやすいのだ。同じ熱いのでも、乾燥した空気の中では100度のサウナにも耐えられるが、風呂は42度でも耐えがたい。冷たいのも同

  • 健康には筋肉が重要

    2017年5月6日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 先日、京都大学の森谷敏夫名誉教授と共同研究について話をする機会を得た。森谷先生は長年、EMS(エレクトリカル・マッスル・スティミュレーション)の研究を行っている。 EMSとは筋肉を外部の電気刺激によって動かし、筋力トレーニング効果を得るものである。当初は医療用やリハビリの効能のみを期待されていたが、やがて一般トレーニング器具として市場に出回るようになる。その過程で、効果の疑わしい製品も多く登場した。 森谷先生は、電気刺激の周波数に問題があると考えた。これらの製品の多くは周波数帯が 1000~5000ヘルツほどだった。実際

  • 登山・スキー 2つの体力

    2017年4月22日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 トレーニングのため、ネパールのコンマラ(標高5200㍍)に向かっている。コンマラはエベレストに続くクーンブ谷とイムジャ谷の間にある峠である。その上にきれいな氷河があり、父の雄一郎が50年前にエベレストを滑走した際にも、ここでトレーニングした。5年前、僕もコンマラの氷河を登った事がある。父が80歳でエベレストに登頂した前年のことで、高度順化の候補地としてこの地を訪れた。 来年に挑むチョオユー(同8201㍍)では山頂からスキーで滑走するため、事前に実践的な登山とスキーの経験が必要と考え、今回の遠征を組んだ。登山とスキー、両方の

  • 名選手育てた天然コブ

    2017年4月15日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 父の雄一郎と僕がベースとしている札幌・手稲山のスキー場、サッポロテイネ。父が代表を務めるスキースクールの本拠地がここにあり、僕も小学生の頃から通っている。 斜面変化に富み、初級者から上級者まで楽しめるため、札幌市民からも愛されている。昨年、スキー雑誌「ブラボースキー」が現役スキーヤーなどを対象に行ったアンケートで、総合1位にもなった。アンケートには斜面、コブ、パークの充実度、深雪、景色などの評価項目があって、サッポロテイネは特に北壁コースが急斜面とコブの項目で高い評価を得た。 北壁コースはサッポロテイネハイランドゾーン

  • 海の危険、山の危険

    2017年4月1日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 15年ほど前、海の魅力に取りつかれて静岡・熱海でダイビングのライセンスを取得した。あちらのダイビング店(現「ケイズリパブリック」)で、海にまつわるさまざまなことを僕に手取り足取り教えてくれたのがインストラクターの斎藤清昭さんだった。 首都圏から近い静岡は、沖縄と並んでこの国最大のダイビングスポットである。盛んであるがゆえに県内での事故発生率は実に全国の37%を占めている。県の観光産業としての役割も担っているダイビング業界はこの事態を重く見て、一般市民やダイビング関係者に対して、安全なダイビングと緊急時の対処についての啓蒙活

  • 自分の頭で考える

    2017年3月25日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 今月中旬、僕が理事長を務めるナスターレース協会の主催大会、ジャパンカップ(新潟県・苗場)とドリームグランプリ(北海道・天狗山)に行ってきた。 ナスターレースはタイムを競うアルペン競技にポイント換算を持ち込んだシステムだ。アルペンは大会ごとに諸条件、つまりコースも日時も天候もばらばらだから、タイムだけでは選手の実力がわかりづらい。そこで日本を代表する上位実力者を基準とした数値を割り出すことで実力を可視化する。異なるレースの出場者同士の力比べもできるというわけだ。 近年、ナスターレースは16歳以下の選手の育成に力を入れて

  • 「ゴッドファーザー」来日

    2017年3月11日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 2ヶ月ほど前、カナダの旧友マイク・ダグラスから電話がかかってきた。僕がスキーのモーグル選手だったころ、マイクもモーグルのカナダ代表選手として活躍していた。よく遠征先をともにし、彼の地元ウィスラーでは一緒にスキーをしたものだ。 今は二人とも競技を退いたが、スキーヤーとしての彼の業績が輝かしいものになったのは、むしろモーグル選手でなくなってからであった。1990年代後半、モーグルは競技の体裁を整えるにつれてルールが厳格になった。束縛を嫌う一部のフリースタイルスキーヤーは競技を離れ、自由な表現の場を探すようになる。マイクがスキ

  • 時計を巡る冒険

    2017年3月4日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 今年の初夏に行うデナリ山遠征のため岩手県の安比高原で合宿を行った。その帰り、盛岡にある時計製造の盛岡セイコー工業(以下盛岡セイコー)を視察した。ここ盛岡セイコーには高級メカニカルウオッチ製造部門と、日本製が世界で70%のシェアを占めると言われるクオーツ時計の製造部門がある。 興味を引かれたのはメカニカル、つまり機械式の時計。今の時計の主流を占める、電池と電子回路で動くクオーツに対して、歯車とぜんまいで動く時計である。 盛岡にこうした高級メカニカル時計の工場が置かれたのは精密機械にとって重要な、きれいな水があることが一つ。

  • スキーと音楽

    2017年2月25日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 今年1月、K2スキーのユーザーたちが北海道のニセコのスキー場で行われた試乗会に集まった。その特別ゲストとして、ピアニストである市川高嶺さんが参加してくれた。 パリ・エコールノルマル音楽院への留学経験のある彼女は、数々の国際的なコンクールで活躍した後、現在に至るまで海外の楽団を毎年招いてコンサートを催している。スキーの腕も一流だ。 僕たちが宿泊していたのは登山家の新谷暁生氏が経営する「ロッジ・ウッドペッカーズ」であった。そこにあるアップライトピアノに彼女は座り、僕たちだけのミニコンサートを開いてくれた。 ショパン作品の

  • 登山の予防医学、最新知見

    2017年2月18日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 昨年末、山本正嘉教授著「登山の運動生理学とトレーニング学」が発刊となった。山本教授の前著「登山の運動生理学百科」刊行から16年を隔てた、待望久しい一冊である。 前著は日本で始めて包括的に運動生理学の観点から登山を捉えた名著であった。今回の本はさらにデータを積み重ねて最新の知見を加えたもので、より具体的かつ実践的な仕上がりとなっている。 山本教授は鹿屋体育大学のスポーツトレーニング教育センター長として、学生を教えながら研究を進めている。研究室には6000㍍までの標高をシュミレートできる常圧低酸素室をはじめ登山の運動生理学

  • スキー場で放牧 一石二鳥

    2017年2月4日日経新聞夕刊に掲載されたものです。 毎年、長野県高山村にあるヤマボク・ワイルドスノーパークスキー場でスノーシューのイベントを行っている。ヤマボクは山田牧場の略で、夏季は牧場、冬期はスキー場を営んでいる。 標高が高く雪質もいいヤマボクは近ごろ、バックカントリースキー・スノーボードで注目されている。バックカントリーとはスキー場外、すなわち自然の雪山での滑走。牧草地特有の、障害物の少ない地形を利用して大きな斜面を存分に滑ることができる。なかでも、タコチコースと呼ばれるバックカントリーエリアは標高差800㍍、距離にして13キロに及ぶ日本屈指のロングランである。冬にこう

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