届かない手紙と、夢と現実と、狂おしいくらい黒いジャムのような闇の日記。
前略。 略すこともないのだけれど、前置きにするような言葉も見当たらないから。 そして、きみがこの手紙を読むことはおそらくないと思うから。 東京できみに「さようなら」と言ってから、たぶんもう10年くらい経つんじゃなかったっけ。もちろんぼくは色んな思いがありすぎて、あの日、ほんとうはきちんと「さようなら」なんて言えなかった。 誰かとの日々は、特別な誰かとの親密な日々は、それが終わってしまった日を境に、なにか途方もなく遥か彼方を目的地にして走りだした獣のように、それまでの色や匂いや感触や、そういうものを連れて、すごい速さで走り去ってゆく。 その獣が背中にのせられるものは、身に纏えるものは、そんなにた…
人間が野生の犬と対等に戦うには、天下の業物妖刀村正が必要な話。
今ぼくの住んでいる地域には、野犬がいる。 野良犬ではなく、あくまでも野犬だと思う。 野良犬と野犬がどのように違うのか、その厳密な区分に関しては詳しく知らないが、野良犬というのは人間に飼われていたが後に主人を失ったり捨てられたりした元ペットで、一方野犬というのはもともとは捨てられたペットだった点では野良犬と同じだとは思うが、その後に野生化して繁殖した犬たちではないのだろうか、たぶん。 いずれにせよ、このエリアには野に放たれた人間に飼われていない犬がウヨウヨいる。 この地に移住してきて初めて野犬の群れに遭遇し、なおかつ吠え立てられ威嚇された際には、それが深夜だったということもあるのだが、なかなか面…
長く鋭い爪で引き裂かれた彼女の右顔と、凶悪な殺虫兵器サボタージュ日記。
2021年4月にはじめた、このぼくのウェブログ『狒々門の奥の入江のむじな島にて。』であるが、約5ヶ月経過した今、圧倒的に記事を書くのをサボっている。 4、5、6月は月に約10記事ほど書いていたが、7月に至っては1記事のみ、そして8月に入り、これがやっと2記事目である。 まあ厳密に言えばあえてサボっているわけではないのだが、客観的に見るとそういう体になっているのだろう。 さて、「サボる」って言葉がフランス語のサボタージュ(sabotage)を語源とした造語だということは、知ってる人は知っていると思う。詳細をここに綴るのは面倒くさいので割愛するが、「ディスる」とか「ダブる」とか「コピる」とか「デブ…
飛行機墜落事故から生還した女子サッカーチームを描いたサイコロジカル・ホラー、Showtimeのドラマシリーズ『イエロージャケッツ』(Yellowjackets)。
Showtimeのドラマシリーズ『イエロージャケッツ』 2021年11月14日にShowtimeにてプレミアとなるドラマシリーズ『イエロージャケッツ』(Yellowjackets)がすごくに気なるので取り上げてみたい。 pic.twitter.com/ceTMbUN6Py — Yellowjackets on SHOWTIME (@yellowjackets96) August 24, 2021 Showtimeって? ちなみにShowtime(ショウタイム)とは、1976年に開局したアメリカ合衆国のテレビ局であり、バイアコムCBSの傘下でもある。 Showtimeのドラマシリーズ『デクスター…
それは夢でも現実でもない、ニール・ブロムカンプ監督『デモニック』(Demonic)のデジタルな十字架を掲げたポスター・ヴィジュアル公開!
『デモニック』のポスター・ヴィジュアル解禁! 『第9地区』(District 9)、『エリジウム』(Elysium )、そして『チャッピー』(Chappie)などで知られる南アフリカ出身のニール・ブロムカンプ監督による最新作『デモニック』(Demonic)。 当ウェブログでは何度も何度も本作品に関する話題を取り上げているが、ついにそのポスター・ヴィジュアルが解禁となったので再び取り上げてみたい。 第9地区 クリストファー・ジョンソン ソフビフィギュア /District 9 Mini Epics Christopher Johnson vinyl figure [並行輸入品] Weta Wor…
盲目の男は善か悪か?ロド・サヤゲス監督『ドント・ブリーズ 2』(Don't Breathe 2)のオフィシャル・トレーラーが公開!
『ドント・ブリーズ 2』のオフィシャル・トレーラーが公開! 昨日の記事で取り上げたように、ウルグアイ出身のロド・サヤゲス(Rodo Sayagues)初監督作品である『ドンド・ブリーズ 2』(Don't Breathe 2)のオフィシャル・トレーラーがソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)より公開された。 基本的にぼくは、観たい映画の予告編というものは、本編を観るまで極力観ない主義であり、本作品に関しても冒頭部分だけちょこっと観てやめようと思っていたのだが、なかなかクオリティーの高いテンポ良い予告編だったため、結局最後まで見てしまった…
最恐の盲目男再び、ロド・サヤゲス監督『ドント・ブリーズ 2』(Don't Breathe 2)のトレーラー映像が本日公開予定!
『ドント・ブリーズ』の続編がついに公開 リブート版『死霊のはらわた』(Evil Dead)や『蜘蛛の巣を払う女』(The Girl in the Spider's Web)で知られるウルグアイ出身のフェデ・アルバレス(Fede Álvarez)監督によるスリラー映画『ドント・ブリーズ』(Don't Breathe)の続編『ドント・ブリーズ 2』(Don't Breathe 2)が、2021年8月13日についに公開となる。 Fuck yeah, he’s back. #DontBreathe2 pic.twitter.com/l5lyde6stz — Fede Alvarez (@fedalva…
「なんで、結婚しないの?」 ミドリは、濁った池に向けて手のひらに掴めるだけの無数の小石を投げ入れて、それから、その小石の群れがおそらくは池の底に届いたくらいの間を置いてから、ぼくの左手に少しだけ触れて、ぼくの方は向かずにそう言った。 その池のどこからかはわからないが、数匹のウシガエルがゴウゴウと鳴きはじめ、時々周囲を自動車が走り抜ける音が聞こえた。 ぼくは、水面に描かれた小石たちの軌跡たる淡い輪を見つめながら、ミドリの問いに答えるべきかどうか迷っていた。その輪は本当に淡いもので、ぼくの迷いに足る時間を与える間もなく、水底の小石の群れを追うようにして、シュンと音を立ててすぐにおそらくは水の中へ消…
砂浜で虐待を受けている小瘡魚と、海の底にある龍宮の主たる瘡魚王謁見日記。
海のすぐ近くに移り住んでから十ヶ月が経とうとしている。 移住を決めるまで、まさか自分が海の近くで暮らすことになるとは思ってもみなかったが、もし海の近くに住んだらやってみたいことがあった。 海で魚を釣ってきて、捌いて、毎日の晩酌のツマミにすること。 それが現実になる日がやってきた。 よし、釣りをするぞ。 移住してすぐに一番安そうな初心者向け釣り竿セットをAmazonで購入し、とある日に海に出かけて日がな一日釣りをしてみた。 【最新版】釣りセット 2.1m 釣り竿セット 日本語入門ガイド付き カーボンロード スピニングリール 52点釣り餌 釣りフックセット 釣り糸 収納袋付き 海釣り 川釣り 淡水…
バトルアクスを掲げるガウェイン卿、デヴィッド・ロウリー監督『ザ・グリーン・ナイト(The Green Knight)』の新たなポスター・ヴィジュアルが登場!
A24配給による映画『ザ・グリーン・ナイト』 2021年7月30日より、A24によって公開が予定されているデヴィッド・ロウリー(David Lowery)監督の『ザ・グリーン・ナイト』(The Green Knight)。この記事を書いている現段階ではおそらく邦題はまだ未定だと思うのだけれど、もしかしたら『ガウェイン卿と緑の騎士』とか、そんな風になるかもしれない。 本作品に関しての詳細は以下の記事を御覧いただきたい。 A24とは? 「A24」とは、映画やテレビ番組製作、そして配給などを専門とするアメリカ合衆国のインディペンデント系エンターテインメント企業であり、設立は2012年8月20日、拠点…
ディアトロフたちはウェンディゴに出会い、一句残して消え去った日記。
ずいぶん昔、とある俳句の会に所属していて、毎週5句とか6句とか俳句を書いていた。 提出した句は、会員すべての人の持ち点により採点され選句が行われて、その週の大賞作品みたいなものが選ばれた。 確か一度だけ大賞をとった記憶があるが、それがどんな句だったか、もう忘れてしまった。 あれから長い時間が過ぎ去って、ふと気がつくと俳句なんてまったく詠んでいないなあと、ぼんやり思いながら窓辺で鼻くそをほじりながら海を眺める。 さっき、「ディアトロフ峠事件」についての記事を書き終えて投稿したんだけれど、その中でイエティの話に少し触れた。 イエティというのは、多くの人が知っているようにヒマラヤ山脈に出没するという…
ロシアで起こった史上最恐にして謎多き遭難事件、「ディアトロフ峠事件(Dyatlov Pass incident)」とはいかなるものか?
ディアトロフ峠事件とは 1959年2月2日、旧ソビエト社会主義共和国連邦領にあるウラル山脈北部のホラート・シャフイル山(Холат-Сяхыл、Kholat Syakhl)東斜面で、スノートレッキングをしていた男女9人が不可解な死を遂げる。 死に山: 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相 作者:ドニー・アイカー 河出書房新社 Amazon 当時の調査で発見されたのは、内側から切り裂かれたかのようなメンバーが設営したと思しきテントの痕跡、摂氏マイナス30度という極寒の中にして裸足や半裸の状態でテントの周囲に散乱する遺体、遺体に争った形跡は見られなかったが、遺体の中には頭蓋骨を骨折し…
聞けウィリアム・シェイクスピアよ、それでもぼくはそうめんを後悔するぞ日記。
昨日、大量にいただいたビワを果実酒にするために、街まで往復30キロ歩いて果実酒用の瓶とホワイトリカーと氷砂糖を買いに出かける。 【兵庫県淡路島産】無農薬 うまいびわ 枇杷 大きさお任せ 化粧箱入 1箱 約1kg 808青果店 Amazon 東洋佐々木ガラス 果実酒瓶 4000ml 日本製 5号 I-71804-R-A-JAN 東洋佐々木ガラス Amazon 中日本氷糖 国産原料 ロック 1kg 中日本氷糖 Amazon サントリー ホワイトリカー 果実酒用 紙パック [ 焼酎 35度 1800ml ] サントリースピリッツ Amazon そのついでにスーパーによると、そうめんが売っていた。 し…
映画『インディ・ジョーンズ (Indiana Jones)』シリーズの第5作目が始動、来週からイギリスで撮影が開始される!?
映画『インディ・ジョーンズ』シリーズ第5弾ついに始動! 映画/エンターテインメント情報のオンラインマガジンである「DEADLINE」によれば、あの名高き映画『インディ・ジョーンズ』(Indiana Jones)シリーズ最新作である第5作目の撮影が、来週からイギリスで開始されるとのことである。 More research into: weights of artefacts, quality of porters, self-destruct mechanisms, the whereabouts of competitors. pic.twitter.com/YMm3Ci1V — Indian…
ニール・ブロムカンプ監督のSF/スーパーナチュラルホラー映画『デモニック(Demonic)』、ついに公式予告編映像が解禁!!
ニール・ブロムカンプ監督最新作『デモニック』 『第9地区』(District 9)、『チャッピー』(Chappie)、『エリジウム』(Elysium)などを手掛けた南アフリカ出身のニール・ブロムカンプ(Neill Blomkamp)監督最新作として話題を集めているSFスーパーナチュラルホラー映画『デモニック』(Demonic)。 District 9 [Blu-ray] Mandla Gaduka Amazon 【Amazon.co.jp先行販売】CHAPPIE / チャッピー アンレイテッド・バージョン スチールブック仕様(初回限定版)[Blu-ray] シャールト・コプリー Amazon …
現在、21時48分。 30分ほど前に家の中でちょっと恐ろしいことがあったのだけれど、たったひとりで家にいるぼくには誰にも話せないから、ひっそりとここに記す。 ぼくの今住んでいる家は借家で、2階建てのかなり大きな一軒家であり、とある限界集落にある20年間まったく人が住んでいなかったという物件、ボロボロの上級と言える。 ここにもう八ヶ月住んでいるので、もちろん住めないことはないのだが、「住めない人には住めない」というレベルだと思う。行政を通じて探し当てた物件で、内見の際、担当者は「ここで大丈夫ですか・・・? 私は住めないと思いますが・・・」と言っていた。そもそも、担当者が「ここは住めないだろ」と思…
ニール・ブロムカンプ監督のスーパーナチュラルホラー映画『デモニック(Demonic)』最新映像、公式予告編は明日公開だよ!
ニール・ブロムカンプ監督の最新作『デモニック(Demonic)』 先日、このウェブログでも取り上げたニール・ブロムカンプ(Neill Blomkamp)監督による最新作、スーパーナチュラルホラー映画『デモニック(Demonic)』。 物語は、数十年の間、母との深い溝と確執を抱える若い女性が主人公のようで、彼女の持つスーパーナチュラルな力はその溝の根底に関係しているようなのだが、その秘密が明らかにされた時、彼女が恐ろしい悪魔を解き放ってしまう、というようなものらしい。 キャストとして、カーリー・ポープ(Carly Pope)、クリス・ウィリアム・マーティン(Chris William Marti…
ピーター・ワッツ原作による現代ハードSF小説の映像化、ダニル・クリヴォルチコ監督短編作品『ブラインドサイト(Blindsight)』。
現代ハードSF小説の最高到達点『ブラインドサイト』 カナダ(アルバータ州カルガリー出身)のSF作家であり海洋哺乳類の生物学者であるピーター・ワッツ(Peter Watts)。彼の日本での著者初刊行書籍となる長編作品『ブラインドサイト』(Blindsight)は、2014年に星雲賞海外長編部門を受賞し、早川書房の発行する『SFが読みたい! 2014年版』で「ベストSF2013 海外篇」第2位に選ばれている。 またフランス・ロシアなど6ヶ国でも7つの賞を受賞している。 ブラインドサイト〈上〉 (創元SF文庫) 作者:ピーター ワッツ 発売日: 2013/10/31 メディア: 文庫 ブラインドサイ…
じゃあドラゴンボールのフィギュア集めっか!『ドラゴンボール』フィギュア収集のすゝめ。- 孫悟空青年期 〜 サイヤ人来襲 -
前回までのあらすじ ゴミ屋敷清掃作業用の長手袋を買いに、友人の車に乗って街に買い物に繰り出したぼくは、「セブンイレブン」という名のコンビニエンス・ストアで『ドラゴンボール』一番くじが売られている光景を目にする。その時、ふとかつてのフィギュア収集癖という持病が疼きはじめ、『ドラゴンボール』フィギュア収集を検討しだすのであった。 というわけで、前回は「株式会社BANDAI SPIRITS」(BANDAI SPIRITS CO., LTD.)からリリースされている『ドラゴンボール』フィギュアの、主に孫悟空少年時代とピッコロ大魔王復活あたりまでを見てきたので、今回は孫悟空が青年期へ突入してからサイヤ人…
ぼくがこの僻地に移住してきた理由は、とある求人に採用されたからだった。 まず最初に言っておこう。 その求人元がとんでもないブラックで、とんだクソ野郎で、研修という名目で一ヶ月間、ほとんど休みも給料も無いまま過酷な労働をさせられた挙げ句に、「やっぱり、いらないから」と言って即日で解雇された。 「給料を払わなくてもいいなら働いてもいいけど」と、そんなようなことを言われた。 バカか!? もう一度言っておこう、大切なことは二度言うことにしている、ぼくの人生史上稀に見るクソ野郎だった。 その仕事のために、わざわざ、精神的にも金銭的にも大きな負担を乗り越えて、移住してきたのだ。移住ってさ、なかなか凄まじい…
神龍(シェンロン)かポルンガにお願いしてすべてを手に入れたい!『ドラゴンボール』フィギュア収集のすゝめ。
セブンイレブンの『ドラゴンボール』一番くじ 昨日、友人の車に乗せてもらって作業用のゴム手袋を買いに街まで買い物に出た際に、久しぶりにセブンイレブンなるコンビニエンス・ストアに立ち寄ると、『ドラゴンボール』の一番くじを売っているのが目に止まった。正確には『ドラゴンボール VS オムニバスZ』らしいが。 /店舗検索ページ公開しました🔍一番くじ ドラゴンボール VSオムニバスZ\お近くの取り扱い店舗はこちら🔍https://t.co/QTKvTSlFixドラゴンボールZ・超を中心にドラゴンボールファンの胸に残るシーンを集めた、全てのドラゴンボールファンのための一番くじ!詳細👉https://t.co…
ゼブラ柄のレディーから頂いた半分皮のむけたバナナは、少しやる気のない味がした日記。
昨日は予定外に早朝から近所の人の用事の電話で起こされ目を覚まし、その30分後にまた別の近所の知り合いから大ぶりのアジを二匹と真鯛と、なんだか既成品のチャーシューの凍ったやつを頂き、魚たちは昨日捕れたやつだそうで、けれどまだ何の下処理もしていなかったので(やれやれ)そのまま家に戻って魚を捌きだしたら玄関を激しく叩く音がして、最初の電話の近所の人の娘らしき人(初対面)が電話の用件を済ませるために今から出かけるから早く用意してと半ば無理矢理に家から連れ出されそうになったので、五分待ってくれと言って下処理途中のアジとタイをひとまずゴミ用のでかいビニール袋にぶち込んで冷蔵庫に叩き込み、髪の毛もグシャグシ…
アーサー王伝説『ガウェイン卿と緑の騎士』の映像化、デヴィッド・ロウリー監督による『ザ・グリーン・ナイト(The Green Knight)』。
作者不詳のアーサー王物語『ガウェイン卿と緑の騎士』 アーサー王物語あるいはアーサー王伝説の中の一つに、『ガウェイン卿と緑の騎士』 (Sir Gawain and the Green Knight) というものがある。 これは14世紀後半に書かれたとされる中世アーサー王物語の一つであり、古英詩における韻律法(主に語頭の子音を合わせて調子を作り出す頭韻)で書かれている韻文で、合計で101連、全2530行に渡る物語である。 本作品の作者は不詳とされているが、同作品の唯一現存する原典『MS Cotton Nero A.X.』という写本内に収録されている『真珠』(Pearl)、『忍耐』(Patience…
『エイリアン』マニアックのルイス・ノストロモと、スペインのバルセロナにある「エイリアン博物館」 がすごい!
一番好きな映画はなんですか? 「ぼくは映画が好きだ。」と公言していると、時々こんな質問を受けることがある。 「今まで観た映画の中で一番好きな映画はなんですか?」 この質問に対してぼくがなんと答えるかと言えば、本当に映画が好きな人はお気付きのように、これは圧倒的な愚問であって、一番なんてものは選べないのである。だからこう答える。 「好きな映画はたくさんあるので、一番なんてものは選べないよ、バカか。」 まあ初対面の人に「バカ」なんて言うと場合によってはぶん殴られるかもしれないので基本的にバカとは言わないが、「きみ、それは愚問だよ。」とは言うかもしれない。 というわけで、今日は好きな映画の話をしよう…
ビーフィータージンと、遙かなる薄桃色をしたオールナイトあるいはミラージ徹夜日記。
最後に徹夜をしたのは、たぶんちょうど一年くらい前だと記憶している。 その頃勤めていた会社の仕事で、通常業務に加えてぼくはプロモーション系の映像制作をしていたのだけれど、様々な業務が折り重なって依頼され、しかもそういうことをまともにスケジューリングやらマネージメントできる人材がその会社には皆無で、しかしぼく自身は自らの業務管理を常にしっかりおさえているので、「スケジュール的に無理だよ。」と散々念をおしたのだけれど、みんなアホなので何を言っても理解せず、アホみたいな量の仕事を振られて徹夜をするはめになった。 某所の藍染職人のプロモーション映像と、デジモンとのコラボレーションの広告動画を並行して黙々…
生肉と大剣とスコッチを携えて、大猿コロナと戦うロリコンハイランダー日記。
おうち時間、いろんなことをしているけれど、おうちじゃない時間として、きょうも往復30キロ歩いて、買い物に行ってきた。 ぼくの住む地域は、パンデミックとはほとんど無縁の隔絶された僻地にあるため、そして人もほとんどいないため、感染の危機なんてものは通常考えられないのだけれど、こんな時期でさえ、県外からこの地に魚釣りに来るアホどもが大勢いて、そんなやつらだからマナーも極めて悪く、老人ばかりのこの地域に万が一にも質の悪いウイルスが蔓延でもしたら、この地域の老人たちが死に絶えるかもしれないなんてことは、考えてもいないのだろうな。港には「ウイルス蔓延の恐れがあるため立ち入りを禁ずる」との立て札が設置された…
陰謀的に消去される妹の名前と運転技術、それは初歩的なことだよ、ワトソンくん日記。
今朝、目が覚める前に、つまり朝起きる前までに、長い夢をみていた。 眠っている間に見る夢のほとんどは、基本的にはその内容をすっかり忘れてしまう。いや、すっかり忘れてしまうことのない場合もあるけれど。ほぼ完全に覚えていることもあれば、半分くらい覚えていること、ほんの少しだけ覚えていること、まったく覚えていないこともある、そんな風だ。 ただし、目が覚めた瞬間は、おおよそほとんどの内容を覚えているんだけれど、目覚めて、トイレに行って、歯を磨いて、いろいろ動いてさ、その諸々のうちに夢の記憶は、圧倒的な速さで、ザッ!ザッ!ザッ!っとでも音をたてるかのごとく、消え去ってしまうことが甚だ多い。 それはある意味…
鹿と人間のハイブリッド少年ガスはこの世の謎の答えを求めて旅に出る、Netflixの海外テレビドラマシリーズ『スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年』予告編公開。
DCコッミクス原作のNetflix海外ドラマシリーズ『スイート・トゥース: 鹿の角を持つ少年』 カナダの漫画家でアーティストでもあるジェフ・レミア(Jeff Lemire)によるアメリカンコミック『スイート・トゥース(Sweet Tooth)』を原作としたNetflixの海外テレビドラマシリーズ『スイート・トゥース: 鹿の角を持つ少年(Sweet Tooth)』。 Here I am with Sweet Tooth’s two other dads @OrvilleIV and @Mickle_Jim pic.twitter.com/1D0DeIL5qT — Jeff Lemire (@Je…
ニール・ブロムカンプ最新作のスーパーナチュラルホラー映画、『デモニック(Demonic)』のメイキング映像が公開!
ニール・ブロムカンプ最新作『デモニック(Demonic)』 南アフリカ出身の映画監督であり脚本家のニール・ブロムカンプ(Neill Blomkamp)、『第9地区(District 9)』や『エリジウム(Elysium )』で知られる彼は、2015年製作の『チャッピー(Chappie)』 以後、長編映画を手掛けていなかったのだが、ついにその最新作の公開が予定されている。 作品のタイトルは『デモニック(Demonic)』で、そのジャンルはスーパーナチュラルなホラー映画だとのこと。 Demonic . #ifcmidnight #demonicmovie pic.twitter.com/kw05K…
「サコンタロウ」とは何者か?山口県長門市油谷の向津具半島にある「サコンタロウの墓」の謎。
サコンタロウの墓 山口県長門市の油谷にある向津具半島には、「サコンタロウの墓」と呼ばれる古い五輪塔群が存在する場所がある。 「サコンタロウの墓」と呼ばれる五輪塔群 このサコンタロウの墓、いろいろ初っ端から謎多きこと甚だしいが、ちなみにこの場所はかつて「迫田(さこた)」という地名で呼ばれた場所であり、明らかにこのサコンタロウという名前との関係性が伺えるが、それだけでは満腹には程遠いので、さらなる考察にしばしお付き合い願いたい。 サコンタロウの墓は、ここにあるよ。 サコンタロウって誰? サコンタロウの墓というくらいなので、そのまま直球だがサコンタロウという人物が死んだ後に供養として建てられた五輪塔…
山口県長門市の油谷にある聖域、「猿神森(サルガミノモリ)」を探しにゆこう!【其の弐】そして伝説へ。
猿神森の奥へ 『防長地下上申』の「大津郡河原村諸事由来覚書」に記された「猿神森」を探し求めて、河原浦というエリアでフィールドワークを開始したぼくの前に突然現れた古老モリアーティ(仮名)氏。そしてなんと彼は、偶然かあるいは必然かわからないが、猿神森を有する土地の所有者であった。 そしてぼくは、モリアーティ氏に誘われて、猿神森へと足を踏み入れることになった。 ここまでが、前回のお話である。 ※前回の詳細に関しては以下を御覧いただきたい。 モリアーティ「ここからずっと上に登ってゆけます。そしてこの先に、私の家の鎮守様があるのです。」 そう言いながら、モリアーティ氏は緩やかな坂道を森の奥へと進んでゆく…
山口県長門市の油谷にある聖域、「猿神森(サルガミノモリ)」を探しにゆこう!【其の壱】河原浦と鎮守様のこと。
『防長地下上申』に記された「猿神森」 防長両国諸郡の各村落から萩藩府の絵図方頭人である井上武兵衛宛に提出された「地下図」「明細絵図」などの村勢概要、いわゆる村明細書を編纂した一連の文書群『防長地下上申(ぼうちょうぢげじょうしん)』の中の「大津郡河原村諸事由来覚書」によれば、大津郡河原村の「河原浦」という場所には「猿神森(サルガミノモリ)」という森があり、その森はかつて殺されて祟りをなした猿を神として崇め奉った場所だとの記述が残されている。 森数之事 一河内森 西坂根ニ有 一河内森 東坂根ニ有 一大歳森 石原ニ有 一貴布祢森 同所ニ有 一水神森 せうふニ有 一猿神森 河原浦ニ有 右森之内、猿神森…
山口県長門市の油谷にある聖域、「猿神森(サルガミノモリ)」とはなにか?
山口県長門市油谷にある「猿神森」という場所 山口県長門市の油谷湾に浮かぶ小島「手長島」の名前の由来がテナガザルにあるという仮説を受け(まあ勝手な異端説ではあるが・・・、)、この地方の“猿”に関する事柄を調べていたところ、『防長地下上申(ぼうちょうぢげじょうしん)』における「大津郡河原村諸事由来覚書」中にある以下ような行が目に止まった。 ※「手長島」の詳細については以下の記事を参照していただきたい。 ※『防長地下上申』の詳細については以下の記事を参照していただきたい。 森数之事 一河内森 西坂根ニ有 一河内森 東坂根ニ有 一大歳森 石原ニ有 一貴布祢森 同所ニ有 一水神森 せうふニ有 一猿神森 …
山口県長門市の油谷湾に浮かぶ「手長島」は、伝説の「長臂国」なのか?
山口県長門市の油谷湾に浮かぶ「手長島」 山口県長門市の油谷湾には「手長島」という名前の小島が浮かんでいる。 山口県長門市の油谷湾に浮かぶ「手長島」 読み方としては「てながじま」あるいは「てながしま」であろうか。『防長地下上申(ぼうちょうぢげじょうしん)』によれば、以下のようにある。 ※『防長地下上申』の詳細については以下の記事を参照していただきたい。 一手長島 大浦海境久原沖ニ有 但此島潮干ニは瀬手のやうニ丑寅未申ニ長ク流レ候故手長島と申伝候、先大津郡早り之時は此島ニて雨請仕候、二尊院・長泉寺・能満寺申請仕来り候得は雨度々降り申候、夫故弁才天・二尊院先住てんげんの之仕申込候、其印ニ松向津より植…
山口県の北西部にある天然の良港たる油谷湾と、それを形成する向津具(ムカツク)という奇妙な音を持つ半島の名前の由来。
山口県北西部にある油谷湾 日本海の南西部、山口県北西部に、「油谷湾(ゆやわん)」と呼ばれる湾がある。 山口県長門市にある油谷湾 湾口の幅は約4km、奥行きは約10km、最大水深は約40m、北側にある向津具(むかつく)半島よって形作られた湾であり、東西方向に伸び、西側に開けている。 なんで「むかつく」っていう名前なの? この“むかつく”という奇妙な名前を持つ、油谷湾を形成する向津具半島は、山口県長門市にある日本海に突出する半島であり、突端部の「川尻岬」は本州最西北端地点でもある。 「向津具」という名前の由来に関してだが、勤子内親王(きんし/いそこないしんのう)の求めに応じた源順(みなもとのしたご…
ウェブログタイトル『狒々門の奥の入江のむじな島にて。』についての考察【其ノ壱】「天人」と「ひょん」のこと。
『狒々門の奥の入江のむじな島にて。』とは 日本の中国地方のとある場所に、古くから「狒々門(ヒヒモン)」と呼ばれている一対の自然巨石柱があり(一説には自然石ではなく人工的なものだとも言われているが)、その奥にある海に突き出た半島の入江にポツンと浮かぶ「むじな島」という小島の辺りでは、しばしば天人(テンニン)らしきものと、それが連れて歩く山のように大きな猿の如きものが目にされている。ぼくはひょんなことから、そのむじな島を臨む土地で暮らしはじめることになり、その初日に、天人らしきものと大きな猿の如きものを目撃する。 「狒々門の奥の入江のむじな島辺にて、大猿の如きものを連れた天人らしきもの磯へ上がるを…
狒々門の奥の入江のむじな島にて、ぼくはウェブログを書きはじめます。
嗚呼、遥か彼方の懐かしき東京よ。 東京を離れて、様々な土地をさまよい歩きはじめてから、約八年という歳月が過ぎ去った。 ちなみにぼくは東京の出身ではないのだけれど、いろいろな事情があり、東京で暮らしていた時間が長かったのだ。だからなんだか東京という所は、少し特別な場所に、結果的にだけれど、そうなってしまった。 そして、繰り返してみるが、東京を離れて、他の土地に何かを求めて、おそらくはあてもなく歩き出して、八年。 その行程や時間、長いんだか短いんだか、もはやよくわからないが、その間におそらくぼくはたくさんのものを目にして、聞いて、知って、嗅いで、あるいは食べて、笑って泣いて怒って、何度か恋もしてそ…
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