chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
書にいたる病 https://rukoo.hatenablog.com/

ものがたりジャンキーの主婦が今まで読んだなかで面白かった小説だけ紹介します。多少乱読気味。特に食べ物が出てくる小説が好きです。毎日更新がんばります。

za
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2021/04/22

arrow_drop_down
  • 『ブラッド・ブラザー』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第4作。あふれる魅力と高い知能を持つ殺人鬼、それが僕の兄

    今日読んだのは、ジャック・カーリイ『ブラッド・ブラザー』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ4作目です。 前作『毒蛇の園』ではなりを潜めていた兄・ジェレミーが大活躍します。 また、本拠地モビール市を離れ、大都会ニューヨークに舞台がうつります。 緻密な伏線と南部の美しい風景描写が特徴だった1~3作目と対照的に、ダイナミックな展開と登場人物の内面に迫るストーリーで、海外ドラマのシーズン最終回っぽいドラマティックな作品でした。 これ1作というより、シリーズのファンに嬉しい一冊だと思います。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポ…

  • 『毒蛇の園』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第3作。謎めいた富豪一族の周囲に積み重なる死体の山とおぞましい秘密

    今日読んだのは、ジャック・カーリイ『毒蛇の園』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ3作目です。 といっても、今作ではシリアルキラーに兄・ジェレミーは登場しませんでした~。 ただ、エンタメ小説としての完成度は、第1作『百番目の男』に迫るんじゃないかな?、と思いました。 むごい拷問痕の残る死体、殺されたジャーナリスト、医師の遺した謎めいた治療記録、黒い噂の絶えない富豪の一族、もつれる思惑……現代アメリカ版犬神家の一族!って感じでした。 読後、タイトルの意味が腑に落ちました。なるほど、これは確かに毒蛇の園……。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。…

  • 『デス・コレクターズ』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第2作。人間の底知れない欲望が招くおぞましい真相とは

    今日読んだのは、ジャック・カーリイ『デス・コレクターズ』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ2作目です。 海外刑事ドラマを見ているかのような映像を感じさせる描写と、殺人鬼の兄に助言を求めに行く、というミステリ好きにはソワっとくる設定が魅力です。 30年前のある事件の真相が今になって牙を剥く、という構成が、大好きな海外ドラマ『コールド・ケース』を思わせてワクワクしました。 前作では狂気剝き出しだった兄・ジェレミーが見せるちょっと人間臭い一面も見どころです。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 前作からの変化 殺人鬼…

  • 『百番目の男』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第1作。暗闇で手探りする”百番目の男”が首なし死体の謎に挑む

    今日読んだのは、ジャック・カーリイ『百番目の男』です。 若き刑事カーソン・ライダーの活躍を描いたクライム・サスペンスです。 恋愛あり、アクションあり、暗い過去あり、の息も尽かせぬスピード感に、巧みな伏線と思いもよらない(でもフェアな)真犯人と、サービス精神旺盛で密度の高いエンタメ小説でした。 読んでいると映像が脳内に自然と立ち上がってきて、まるで良く練られた海外ドラマを見ているかのようにスイスイ読めてしまいました。 舞台であるメキシコ湾に面した港湾都市・アラバマ州モビールの美しい風景描写も魅力の一つです。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 舞台・アラバマ州…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第6回『糞尿譚』火野葦平 【感想】あまりに衝撃的なテーマで庶民生活の哀歓と糞のような人間模様を丹精に描く

    芥川賞を全作読んでみよう第6回、火野葦平『糞尿譚』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第六回芥川賞委員 第六回受賞作・候補作(昭和12年・1937年下半期) 受賞作『糞尿譚』のあらすじ 感想 タイトルの衝撃と内容の丁寧さのギャップ 糞のような人間たち 追い詰められた人間のおかしみ 戦争と文学 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたもの、が対象となります。 第六…

  • 『アールダーの方舟』周木律 【感想・ネタバレなし】三つの宗教が交錯する聖なる山で起きた不可解な殺人事件と壮大なる歴史ミステリー。人間存在の尊厳が問われる物語。

    今日読んだのは、周木律『アールダーの方舟』です。 キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、3つの宗教共通の聖なる山・アララト山、ノアの方舟が漂着した土地として知られる山を舞台とした歴史ミステリー、という触れ込みに惹かれ手に取りました。 宗教と神にまつわる溢れる知識量と、それが徒な衒学趣味に陥らないトリックの妙、巧妙に仕込まれた伏線、に、これは実は凄いミステリーなのでは?、と驚いてしまいました。 人間存在に尊厳を取り戻すよう呼びかける厳しい叱咤ともとれる著者のメッセージ性も明らかで、見事の一言でした。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 巧妙な伏線 入り組んだ宗教構…

  • 『俗・偽恋愛小説家』森晶麿 【感想・ネタバレなし】恋愛童話に隠された秘密ふたたび。偽恋愛小説家・夢宮と担当編集・月子との関係にも変化が

    今日読んだのは、森晶麿『俗・偽恋愛小説家』です。 底意地の悪いイケメン小説家・夢宮と新米編集者・月子のコンビが有名な恋愛童話になぞらえた事件を解決していく、というシリーズの第2作目になります。 ライトなストーリーと、キャラクターの魅力、モチーフのキャッチーさ、と三拍子揃っていて、ドラマ化とかしたら映えそうだな、と再び思いました。 あと恋愛要素もがっつりあるし(四拍子?)。 今作では、1作目ではもだもだしたまま終わった月子の恋に、新たな局面が見えて、ドキドキの展開でした。 友達の恋バナ聞いてみるみたいな若々しい気持ちにさせてくれました。 そして、相変わらず誰もが知ってるあの童話の新解釈も楽しめま…

  • 『偽恋愛小説家』森晶麿 【感想・ネタバレなし】あの恋愛童話に隠された秘密とは? シニカルな恋愛(?)小説家と新米編集者が挑む恋にまつわる難事件

    今日読んだのは、森晶麿『偽恋愛小説家』です。 華々しくデビューした恋愛小説家にニセモノ疑惑勃発!? 新米編集者の月子は疑惑の真偽を確かめようと奔走。 しかも、身の回りで次々、事件が起こるし、小説家・夢野の思わせぶりな態度も気になるし……。 という、ドラマにすると映えそうだな~、という恋愛ミステリ小説です。 それぞれの事件は、シンデレラや眠りの森の美女などの恋愛童話がモチーフとして登場し、恋愛(?)小説家の夢野が童話に隠された秘密と事件の謎を同時に解き明かしていきます。 あの童話に、こんな見方が!?と驚かせてくれるのが魅力です。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイ…

  • 『星に仄めかされて』多和田葉子 【感想・ネタバレなし】言語で繋がった人々は対話の果てに何を見るのか

    今日読んだのは、多和田葉子『星に仄めかされて』です。 先日書評を書いた『地球にちりばめられて』の続編にあたります。 失われた母国の言語を話す人を探す女性・Hirukoを中心に、言語の無限の可能性によって繋がった仲間たちを描いた『地球にちりばめられて』に続き、Hirukoの同国人・susanooのいるコペンハーゲンの病院を目指すそれぞれの旅の様子が描かれます。 朗らかな読み心地だった第一部に対し、悪意、傲慢、無関心、支配欲など負の要素も散りばめられていて、ラストの対話劇などはかなりスリリングでした。 しかし、結末に悲愴さは無く、次の旅路への明るい予感を感じさせました。 それでは、あらすじと感想を…

  • 『地球にちりばめられて』多和田葉子 【感想・ネタバレなし】言語の可能性が仲間を繋ぐ、国からの解放を朗らかに謳いあげる冒険譚

    今日読んだのは、多和田葉子『地球にちりばめられて』です。 この著者は海外で高い評価を得ている、と聞いていたので、小心者の読者としては、気にはなるものの、なんか難しそう、と少々敬遠していました。 が!、最近、芥川賞の過去受賞作を順々に読み進めていることで、なんか変なモードに入っていて、とにかく何でも読んでみよう!、と遂に手に取りました。 この本を選んだ理由は、たまたま書店に並んでいたから、というのもあるのですが、最近読んだ、梨木香歩の『村田エフェンディ滞土録』で、国って一体なんなんだろう、という感傷に浸っていて、国を失った主人公が仲間とともに自分と同じ母語を話す者を探す旅に出る、という設定に惹か…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第5回『暢気眼鏡 その他』尾崎一雄 【感想】底辺の貧乏生活を天真爛漫な若妻に寄せてサラサラと描く牧歌的な作品群

    芥川賞を全作読んでみよう第5回、尾崎一雄 『暢気眼鏡』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第五回芥川賞委員 第五回受賞作・候補作(昭和12年・1937年上半期) 受賞作『暢気眼鏡』のあらすじ 感想 貧乏を明るく描く 今後の期待に寄せて 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたもの、が対象となります。 第五回芥川賞委員 谷崎潤一郎、山本有三、久米正雄、佐藤春夫、室…

  • 『たまごのはなし』しおたにまみこ 【感想・ネタバレなし】シュール?哲学?じわじわ刺さるちょっとひねくれた(?)たまごのはなし

    今日読んだのは、しおたにまみこ作の絵本『たまごのはなし』です。 緻密な鉛筆の線で描かれた独特の絵と、そのシュールで哲学的な内容にどんどん引き込まれます。 一見ひねくれてみえる”たまご”の行動が、よくよく考えてみると、本質をズバリと突いているようにも思えてきて、クスリと笑った後で、うーんと頭を捻らされる、いろんな意味でひねくれた大人向け絵本です。 ていうか、たまごがやたら偉そうで笑える。たまごのくせに。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント シニカルなユーモアとひねくれた本質 哲学的深み 今回ご紹介した本はこちら あらすじ やあ こんにちは。わたしは たまご。い…

  • 『沼地のある森を抜けて』梨木香歩 【感想・ネタバレなし】新しい命よ、解き放たれてあれ。壮大な命の旅路と震えるほどの孤独と自由、託された夢と可能性に心震える物語

    今日読んだのは、梨木香歩『沼地のある森を抜けて』です。 叔母から受け継いだ先祖伝来の「ぬか床」という庶民的(?)なスタートから、途中不一気に不穏な雰囲気になり、最終的に、命のはるかな旅路と新しい生命に託された可能性と夢が描かれるという、壮大で愛おしさに満ちた物語です。 近所のいつも通らない小道をふと通って見たら、いつのまにか遠い場所にさらわれ、翻弄されているうちに深い森に迷い込んだような、なかなかない読書体験でした。 命を産む、とは一体何なのか、長い間悩んでいたのですが、何かしらの救済が与えられたような、そんな気がします。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント…

  • 『村田エフェンディ滞土録』梨木香歩 【感想・ネタバレなし】国とは一体何なのか。かけがえのない友と青春の日々を綴るトルコ滞在記

    今日読んだのは、梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』です。 同著作の、『家守綺譚』『冬虫夏草』に登場するトルコ留学中の村田君が主人公です。 1899年、西洋と東洋の狭間の国・トルコに留学した村田君は、異教の友人らと議論したり、掘り出した遺跡に目を輝かせたり、鸚鵡の言動に振り回されたり、神様の喧嘩に巻き込まれたり、騒がしくも楽しい青春の日々を過ごします。 しかし背景には、不平等条約下にあった当時の日本や、跋扈する帝国主義の暗い影、いずれ訪れる戦争の予感がしのびよります。 異国の友とのきらめくような日々を描き、イスタンブールという西洋と東洋が混じる不可思議な土地、その歴史の一場面のなかに、国とは一体…

  • 『冬虫夏草』梨木香歩 【感想・ネタバレなし】家へ、帰ろう

    今日読んだのは、梨木香歩『冬虫夏草』です。 巻頭に、 新進文士(かけだしものかき)綿貫征四郎君、疎水に近隣(ほどちか)き高堂(なきとも)の生家(いえ)が守(もり)を委託(まか)され、故(ため)に天地自然の気(りゅうやらおにやらかっぱやら)と数多(あまた)交遊(まじわ)りける日々(あれこれ)を、先般(さきごろ)家守奇譚なる一書に著述(あらわ)せり。其(そ)に引き続きて同君(わたぬき)に出来(まきおこり)たる諸椿事(ことども)を自記(しる)したるが本書也(なり)。謹言。 とある通り、同著者の『家守綺譚』の続編にあたります。 全書が、家守の名の通り、琵琶湖疎水のほど近きに立つ亡き友・高堂の生家の家守…

  • 『家守綺譚』梨木香歩 【感想・ネタバレなし】友よ、また会おう

    今日読んだのは、梨木香歩『家守綺譚』です。 読んだ後に心洗われるような心地がする話というのがあって、中勘助の『島守』なんかがそうなのですが、この『家守綺譚』はそれにとても近いと感じました。 時代は明治、巻頭には 左は、綿貫征四郎の著述せしもの とあり、湖で亡くなった友の実家の管理を任されることとなった”私”こと、書生の綿貫の徒然なる日記のような形式の文章となっています。 ”湖”とあるように舞台が滋賀県なので、滋賀に(細々と)地縁を持つ私には嬉しい話でした。 滋賀にお住いの方は、一層楽しめると思います。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 旧きもの残る時代に …

  • 『僕と『彼女』の首なし死体』白石かおる 【感想・ネタバレなし】冬の朝、僕は”彼女”の首を渋谷に置き去りにした。”彼女”の願いを叶えるために。

    今日読んだのは、白石かおる『僕と『彼女』の首なし死体』です。 第29回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作(2008年)です。 商社勤めのサラリーマンの”僕”が、女性の首を渋谷のハチ公前に置き去りにする、という衝撃的なシーンからはじまるミステリです。 ”今”を切り取ったドライな語り口や、つかみどころのない”僕”の性格、乾いた哀しみが吹き抜ける真相など、好きな人はとことんハマる世界観だな、と思いました。 ちなみに当時の大賞受賞作は、大門剛明『ディオニス死すべし』(刊行にあたり『雪冤』と改題)だったそうです。こちらもそのうち読んでみたい。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめ…

  • 『硝子のハンマー』貴志祐介 【感想・ネタバレなし】自称:防犯コンサルタント(本当は泥棒?)が挑む驚愕の密室トリック、防犯探偵榎本シリーズ第1作

    今日読んだのは、貴志祐介『硝子のハンマー』です。 自称:防犯コンサルタントで本職は泥棒?な榎本が密室に挑む榎本探偵シリーズの第1作目です。 泥棒が密室に挑むという斬新な設定も面白いですし、鍵や監視カメラに関する豊富なミニ知識も、へえ~、と感心されられっぱなしでした。 探偵役・榎本の食えないキャラクターもカッコいいですし、弁護士の青砥先生の熱血さもワトソン役として好感が持てます。 もちろん、アクロバティックなトリックにも、あっと言わされました。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 密室は難しい 泥棒と弁護士 遺族の応報感情、罪と罰 今回ご紹介した本はこちら シ…

  • 『エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ』荻原規子 【感想・ネタバレなし】思いやりと知性の在り方に思いをはせる夏。シリーズ第2巻。

    今日読んだのは、荻原規子『エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ』です。 八百万の神の一柱を名乗る白黒のパピヨン・”モノクロ”と同居する女子大生・美綾の生活を描いたファンタジーシリーズの第2巻です。 1巻の感想はこちら↓ rukoo.hatenablog.com 1巻では不安と期待に揺れる大学生活の春が描かれましたが、本書では季節は夏に移り、美綾は夏休み、祖母の家でモヤモヤしたままの自身の進路についてあれこれ考えます。 また、従弟の家庭教師(美女!)や美綾のストーカー?などまた変な人々に翻弄され、目が離せない一冊でした。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント…

  • 『エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード』荻原規子 【感想・ネタバレなし】大学の春、八百万の神を名乗る犬と出会った。不安と期待に揺れる新生活と幼い日々のほろ苦い後悔が交錯するちょっと不思議なファンタジー

    今日読んだのは、荻原規子『エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード』です。 今作は、八百万の神と名乗る犬(!?)と同居することになった女子大生という設定で、神との同居という非日常と大学生の生活という日常の描写、両方を楽しめると期待が膨らみます。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 八百万の神を名乗るパピヨン 人間が真に怖れているもの ほろ苦く幼い日々への懐古 今回ご紹介した本はこちら 次刊はこちら あらすじ 大学進学の春、美綾はイギリスと生活する両親と弟を見送り、実家で一人暮らしをすることに。選んだ進路が正しかったかモヤモヤする美綾のもとに、「自分は八百…

  • 『草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌II 』柴田よしき 【感想・ネタバレなし】高原のカフェの秋と冬。一筋縄ではいかない人生にもやがて春が来る

    今日読んだのは、柴田よしき『草原のコック・オー・ヴァン 高原カフェ日誌II』です。 こちらは、高原のカフェを舞台としたシリーズものの2作目にあたります。 1作目の感想はこちら rukoo.hatenablog.com 結婚に失敗し傷を負った主人公・奈穂は、東京から脱出し、リゾートブーム過ぎ去りし過疎の気配漂う百合が原高原に小さなカフェ「Son de vent」をオープンします。 自分のペースで少しずつ傷を癒していく奈穂と、彼女を取り巻く人々、美味しそうな料理と、ちょっぴりほろ苦い人生模様が交錯する、美味しい物語です。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 田舎…

  • 『揺籠のアディポクル』市川憂人 【感想・ネタバレなし】『ジェリーフィッシュは凍らない』作者が放つウイルスが蔓延する世界での切ないボーイミーツガールミステリ

    今日読んだのは、市川憂人『揺籠のアディポクル』です。 デビュー作『ジェリーフィッシュは凍らない』から続くマリア&漣シリーズは、その怜悧かつ精緻なトリックと個性豊かかつ的確なキャラクター描写で、大好きなミステリシリーズの一つなのですが、シリーズものが強いだけに、ノンシリーズの出来はどうなの??、と失礼ながらちょっとドキドキしながら手に取りました。 面白かったです! 完全に孤立した無菌病棟という舞台、未知の病気で収容されている少年少女、コロナ禍の今読むにふさわしい舞台設定に、ヒタヒタと迫るような恐怖や焦燥感、切ない余韻を残す真相、本格ミステリはこれだから面白い!と嬉しくなるような一冊でした。 それ…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、zaさんをフォローしませんか?

ハンドル名
zaさん
ブログタイトル
書にいたる病
フォロー
書にいたる病

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用