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書にいたる病 https://rukoo.hatenablog.com/

ものがたりジャンキーの主婦が今まで読んだなかで面白かった小説だけ紹介します。多少乱読気味。特に食べ物が出てくる小説が好きです。毎日更新がんばります。

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2021/04/22

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  • 『ことばの果実』長田弘 【感想・ネタバレなし】世界はまだ信じるにあたいするのだと。希代の詩人が遺した心洗うことばの果実たち。

    『ことばの果実』長田弘 【感想・ネタバレなし】世界はまだ信じるにあたいするのだと。希代の詩人が遺した心洗うことばの果実たち。

    今日読んだのは、長田弘『ことばの果実』です。 2015年5月に永眠された希代の詩人のエッセー集です。 「苺」「さくらんぼ」「甘夏」「白桃」「スイカ」…… タイトル通り、四季折々の果実が各章のタイトルになっていて、目次を見るだけで宝箱を覗くようにドキドキします。 四季を愛する穏やかなことばのなかに、ハッとするようなことばが効いていて、尊敬する恩師や祖父と縁側でしゃべっているような、のどかさと緊張感がほどよく混ざった心地よいエッセーです。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 世界への厳しい眼差しと人生への深い愛情 ミカン箱と愛しいものの大きさの相関 今回ご紹介し…

  • 『死にふさわしい罪』藤本ひとみ 【感想・ネタバレなし】天才的な数学系男子が挑む謎としたたかな大人たち

    『死にふさわしい罪』藤本ひとみ 【感想・ネタバレなし】天才的な数学系男子が挑む謎としたたかな大人たち

    今日読んだのは、藤本ひとみ『死にふさわしい罪』です。 歴史小説の大家というイメージがあったのですが、数学が得意な高校生が主人公のミステリということで、ちょっと気になって読んでみました。 ところどころ見え隠れするペダンティックな趣味と、決して善人ではないのに、憎めない登場人物が忘れられない一冊でした。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント ミステリとして読まない 能力豊かな友人たち 強かな大人たち 今回ご紹介した本はこちら 藤本ひとみの他のおすすめ作品 あらすじ 数学が得意な受験生・上杉和典は一族のクリスマスパーティーの準備のため叔父の別荘のある須磨にやってきた…

  • 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲』荻原規子 【感想・ネタバレなし】平将門の物語を蝦夷の少女の視線で再構築する。シリーズ第3巻。

    『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲』荻原規子 【感想・ネタバレなし】平将門の物語を蝦夷の少女の視線で再構築する。シリーズ第3巻。

    今日読んだのは、荻原規子『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』です。 八百万の神の一柱を名乗る白黒のパピヨン・”モノクロ”と同居する女子大生・美綾の生活を描いたファンタジーシリーズの第3巻です。 1巻2巻の感想はこちら↓ rukoo.hatenablog.com rukoo.hatenablog.com 美綾の学生生活が主だったこれまでと打って変わって、今作ではいきなり平安末期にタイムスリップします。 平将門という実在の人物の物語や歴史をファンタジーに再構築する手法は、これまで勾玉シリーズなどで見せてきた荻原規子の真骨頂といったところでしょう。 個人的には、この間、古川日出男訳の『平家…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第7回『厚物咲』中山義秀 【感想】骨の髄まで腐った老人が咲かせた美しい菊に透かし見る人生の艱難に抵抗した魂の秘密

    芥川賞を全作読んでみよう第7回『厚物咲』中山義秀 【感想】骨の髄まで腐った老人が咲かせた美しい菊に透かし見る人生の艱難に抵抗した魂の秘密

    芥川賞を全作読んでみよう第7回、中山義秀『厚物咲』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第七回芥川賞委員 第七回受賞作・候補作(昭和13年・1938年上半期) 受賞作『厚物咲』のあらすじ 感想 選評委員の評価 芥川賞には珍しい読後感 生き恥を晒し続けた老人の末路 人生の非情から咲いた厚物の菊の凄まじさ 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたもの、が対象となります…

  • 『時空犯』潮谷験 【感想・ネタバレなし】成功報酬1千万円。千回近くループし続ける”2018年6月1日”の謎を解け

    『時空犯』潮谷験 【感想・ネタバレなし】成功報酬1千万円。千回近くループし続ける”2018年6月1日”の謎を解け

    今日読んだのは、潮谷験『時空犯』です。 デビュー作でメフィスト賞受賞作の『スイッチ 悪意の実験』がとてもユニークで面白かったので、2作目も読んでみました。 ある1日がループするなかで、殺人が起きる、というSFミステリです。 この設定のミステリではお馴染みの、SF的ルールの中で、如何にフーダニットを実現させるか、という点が胆となります。 途方もない話から、するする犯人が絞られていく過程は、ミステリ好きにはたまらない快感でした。 あと、前作の時も思ったのですが、装幀がすごく綺麗ですよね。 これだけでも買う価値あると思います。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント …

  • 『原因において自由な物語』五十嵐律人 【感想・ネタバレなし】彼は誰が殺したのか、自由意志がもたらすある悲劇と夜明け

    『原因において自由な物語』五十嵐律人 【感想・ネタバレなし】彼は誰が殺したのか、自由意志がもたらすある悲劇と夜明け

    今日読んだのは、五十嵐律人『原因において自由な物語』です。 タイトルのカッコよさに惹かれて読みました。 法律用語の「原因において自由な行為」からきているらしいです。 弁護士でもある著者らしいタイトルだな、と思いました。 内容は、いじめ、自殺疑惑、ゴーストライター、とちょっと重いです。 また、著者の、弁護士であることと小説家であること双方のレゾンデートルが、物語の形に落とし込まれている点が興味深かったです。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 顔面偏差値といじめ 自由であることとは 今回ご紹介した本はこちら あらすじ 人気小説家の二階堂紡季は才能の枯渇に悩まさ…

  • 『ブラッド・ブラザー』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第4作。あふれる魅力と高い知能を持つ殺人鬼、それが僕の兄

    『ブラッド・ブラザー』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第4作。あふれる魅力と高い知能を持つ殺人鬼、それが僕の兄

    今日読んだのは、ジャック・カーリイ『ブラッド・ブラザー』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ4作目です。 前作『毒蛇の園』ではなりを潜めていた兄・ジェレミーが大活躍します。 また、本拠地モビール市を離れ、大都会ニューヨークに舞台がうつります。 緻密な伏線と南部の美しい風景描写が特徴だった1~3作目と対照的に、ダイナミックな展開と登場人物の内面に迫るストーリーで、海外ドラマのシーズン最終回っぽいドラマティックな作品でした。 これ1作というより、シリーズのファンに嬉しい一冊だと思います。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポ…

  • 『毒蛇の園』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第3作。謎めいた富豪一族の周囲に積み重なる死体の山とおぞましい秘密

    『毒蛇の園』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第3作。謎めいた富豪一族の周囲に積み重なる死体の山とおぞましい秘密

    今日読んだのは、ジャック・カーリイ『毒蛇の園』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ3作目です。 といっても、今作ではシリアルキラーに兄・ジェレミーは登場しませんでした~。 ただ、エンタメ小説としての完成度は、第1作『百番目の男』に迫るんじゃないかな?、と思いました。 むごい拷問痕の残る死体、殺されたジャーナリスト、医師の遺した謎めいた治療記録、黒い噂の絶えない富豪の一族、もつれる思惑……現代アメリカ版犬神家の一族!って感じでした。 読後、タイトルの意味が腑に落ちました。なるほど、これは確かに毒蛇の園……。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。…

  • 『デス・コレクターズ』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第2作。人間の底知れない欲望が招くおぞましい真相とは

    『デス・コレクターズ』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第2作。人間の底知れない欲望が招くおぞましい真相とは

    今日読んだのは、ジャック・カーリイ『デス・コレクターズ』です。 シリアルキラーを兄に持つ若き刑事・カーソン・ライダーの活躍を描いたシリーズ2作目です。 海外刑事ドラマを見ているかのような映像を感じさせる描写と、殺人鬼の兄に助言を求めに行く、というミステリ好きにはソワっとくる設定が魅力です。 30年前のある事件の真相が今になって牙を剥く、という構成が、大好きな海外ドラマ『コールド・ケース』を思わせてワクワクしました。 前作では狂気剝き出しだった兄・ジェレミーが見せるちょっと人間臭い一面も見どころです。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 前作からの変化 殺人鬼…

  • 『百番目の男』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第1作。暗闇で手探りする”百番目の男”が首なし死体の謎に挑む

    『百番目の男』ジャック・カーリイ 【感想・ネタバレなし】カーソン・ライダーシリーズ第1作。暗闇で手探りする”百番目の男”が首なし死体の謎に挑む

    今日読んだのは、ジャック・カーリイ『百番目の男』です。 若き刑事カーソン・ライダーの活躍を描いたクライム・サスペンスです。 恋愛あり、アクションあり、暗い過去あり、の息も尽かせぬスピード感に、巧みな伏線と思いもよらない(でもフェアな)真犯人と、サービス精神旺盛で密度の高いエンタメ小説でした。 読んでいると映像が脳内に自然と立ち上がってきて、まるで良く練られた海外ドラマを見ているかのようにスイスイ読めてしまいました。 舞台であるメキシコ湾に面した港湾都市・アラバマ州モビールの美しい風景描写も魅力の一つです。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 舞台・アラバマ州…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第6回『糞尿譚』火野葦平 【感想】あまりに衝撃的なテーマで庶民生活の哀歓と糞のような人間模様を丹精に描く

    芥川賞を全作読んでみよう第6回『糞尿譚』火野葦平 【感想】あまりに衝撃的なテーマで庶民生活の哀歓と糞のような人間模様を丹精に描く

    芥川賞を全作読んでみよう第6回、火野葦平『糞尿譚』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第六回芥川賞委員 第六回受賞作・候補作(昭和12年・1937年下半期) 受賞作『糞尿譚』のあらすじ 感想 タイトルの衝撃と内容の丁寧さのギャップ 糞のような人間たち 追い詰められた人間のおかしみ 戦争と文学 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたもの、が対象となります。 第六…

  • 『アールダーの方舟』周木律 【感想・ネタバレなし】三つの宗教が交錯する聖なる山で起きた不可解な殺人事件と壮大なる歴史ミステリー。人間存在の尊厳が問われる物語。

    『アールダーの方舟』周木律 【感想・ネタバレなし】三つの宗教が交錯する聖なる山で起きた不可解な殺人事件と壮大なる歴史ミステリー。人間存在の尊厳が問われる物語。

    今日読んだのは、周木律『アールダーの方舟』です。 キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、3つの宗教共通の聖なる山・アララト山、ノアの方舟が漂着した土地として知られる山を舞台とした歴史ミステリー、という触れ込みに惹かれ手に取りました。 宗教と神にまつわる溢れる知識量と、それが徒な衒学趣味に陥らないトリックの妙、巧妙に仕込まれた伏線、に、これは実は凄いミステリーなのでは?、と驚いてしまいました。 人間存在に尊厳を取り戻すよう呼びかける厳しい叱咤ともとれる著者のメッセージ性も明らかで、見事の一言でした。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント 巧妙な伏線 入り組んだ宗教構…

  • 『俗・偽恋愛小説家』森晶麿 【感想・ネタバレなし】恋愛童話に隠された秘密ふたたび。偽恋愛小説家・夢宮と担当編集・月子との関係にも変化が

    『俗・偽恋愛小説家』森晶麿 【感想・ネタバレなし】恋愛童話に隠された秘密ふたたび。偽恋愛小説家・夢宮と担当編集・月子との関係にも変化が

    今日読んだのは、森晶麿『俗・偽恋愛小説家』です。 底意地の悪いイケメン小説家・夢宮と新米編集者・月子のコンビが有名な恋愛童話になぞらえた事件を解決していく、というシリーズの第2作目になります。 ライトなストーリーと、キャラクターの魅力、モチーフのキャッチーさ、と三拍子揃っていて、ドラマ化とかしたら映えそうだな、と再び思いました。 あと恋愛要素もがっつりあるし(四拍子?)。 今作では、1作目ではもだもだしたまま終わった月子の恋に、新たな局面が見えて、ドキドキの展開でした。 友達の恋バナ聞いてみるみたいな若々しい気持ちにさせてくれました。 そして、相変わらず誰もが知ってるあの童話の新解釈も楽しめま…

  • 『偽恋愛小説家』森晶麿 【感想・ネタバレなし】あの恋愛童話に隠された秘密とは? シニカルな恋愛(?)小説家と新米編集者が挑む恋にまつわる難事件

    『偽恋愛小説家』森晶麿 【感想・ネタバレなし】あの恋愛童話に隠された秘密とは? シニカルな恋愛(?)小説家と新米編集者が挑む恋にまつわる難事件

    今日読んだのは、森晶麿『偽恋愛小説家』です。 華々しくデビューした恋愛小説家にニセモノ疑惑勃発!? 新米編集者の月子は疑惑の真偽を確かめようと奔走。 しかも、身の回りで次々、事件が起こるし、小説家・夢野の思わせぶりな態度も気になるし……。 という、ドラマにすると映えそうだな~、という恋愛ミステリ小説です。 それぞれの事件は、シンデレラや眠りの森の美女などの恋愛童話がモチーフとして登場し、恋愛(?)小説家の夢野が童話に隠された秘密と事件の謎を同時に解き明かしていきます。 あの童話に、こんな見方が!?と驚かせてくれるのが魅力です。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイ…

  • 『星に仄めかされて』多和田葉子 【感想・ネタバレなし】言語で繋がった人々は対話の果てに何を見るのか

    『星に仄めかされて』多和田葉子 【感想・ネタバレなし】言語で繋がった人々は対話の果てに何を見るのか

    今日読んだのは、多和田葉子『星に仄めかされて』です。 先日書評を書いた『地球にちりばめられて』の続編にあたります。 失われた母国の言語を話す人を探す女性・Hirukoを中心に、言語の無限の可能性によって繋がった仲間たちを描いた『地球にちりばめられて』に続き、Hirukoの同国人・susanooのいるコペンハーゲンの病院を目指すそれぞれの旅の様子が描かれます。 朗らかな読み心地だった第一部に対し、悪意、傲慢、無関心、支配欲など負の要素も散りばめられていて、ラストの対話劇などはかなりスリリングでした。 しかし、結末に悲愴さは無く、次の旅路への明るい予感を感じさせました。 それでは、あらすじと感想を…

  • 『地球にちりばめられて』多和田葉子 【感想・ネタバレなし】言語の可能性が仲間を繋ぐ、国からの解放を朗らかに謳いあげる冒険譚

    『地球にちりばめられて』多和田葉子 【感想・ネタバレなし】言語の可能性が仲間を繋ぐ、国からの解放を朗らかに謳いあげる冒険譚

    今日読んだのは、多和田葉子『地球にちりばめられて』です。 この著者は海外で高い評価を得ている、と聞いていたので、小心者の読者としては、気にはなるものの、なんか難しそう、と少々敬遠していました。 が!、最近、芥川賞の過去受賞作を順々に読み進めていることで、なんか変なモードに入っていて、とにかく何でも読んでみよう!、と遂に手に取りました。 この本を選んだ理由は、たまたま書店に並んでいたから、というのもあるのですが、最近読んだ、梨木香歩の『村田エフェンディ滞土録』で、国って一体なんなんだろう、という感傷に浸っていて、国を失った主人公が仲間とともに自分と同じ母語を話す者を探す旅に出る、という設定に惹か…

  • 芥川賞を全作読んでみよう第5回『暢気眼鏡 その他』尾崎一雄 【感想】底辺の貧乏生活を天真爛漫な若妻に寄せてサラサラと描く牧歌的な作品群

    芥川賞を全作読んでみよう第5回『暢気眼鏡 その他』尾崎一雄 【感想】底辺の貧乏生活を天真爛漫な若妻に寄せてサラサラと描く牧歌的な作品群

    芥川賞を全作読んでみよう第5回、尾崎一雄 『暢気眼鏡』をご紹介します。 芥川龍之介賞について 第五回芥川賞委員 第五回受賞作・候補作(昭和12年・1937年上半期) 受賞作『暢気眼鏡』のあらすじ 感想 貧乏を明るく描く 今後の期待に寄せて 今回ご紹介した本はこちら 芥川龍之介賞について 芥川龍之介賞とは、昭和10年(1935年)、文藝春秋の創業者・菊池寛によって制定された純文学における新人賞です。 受賞は年2回、上半期は、前年12月から5月までに発表されたものが対象、下半期は、6月から11月までに発表されたもの、が対象となります。 第五回芥川賞委員 谷崎潤一郎、山本有三、久米正雄、佐藤春夫、室…

  • 『たまごのはなし』しおたにまみこ 【感想・ネタバレなし】シュール?哲学?じわじわ刺さるちょっとひねくれた(?)たまごのはなし

    『たまごのはなし』しおたにまみこ 【感想・ネタバレなし】シュール?哲学?じわじわ刺さるちょっとひねくれた(?)たまごのはなし

    今日読んだのは、しおたにまみこ作の絵本『たまごのはなし』です。 緻密な鉛筆の線で描かれた独特の絵と、そのシュールで哲学的な内容にどんどん引き込まれます。 一見ひねくれてみえる”たまご”の行動が、よくよく考えてみると、本質をズバリと突いているようにも思えてきて、クスリと笑った後で、うーんと頭を捻らされる、いろんな意味でひねくれた大人向け絵本です。 ていうか、たまごがやたら偉そうで笑える。たまごのくせに。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント シニカルなユーモアとひねくれた本質 哲学的深み 今回ご紹介した本はこちら あらすじ やあ こんにちは。わたしは たまご。い…

  • 『沼地のある森を抜けて』梨木香歩 【感想・ネタバレなし】新しい命よ、解き放たれてあれ。壮大な命の旅路と震えるほどの孤独と自由、託された夢と可能性に心震える物語

    『沼地のある森を抜けて』梨木香歩 【感想・ネタバレなし】新しい命よ、解き放たれてあれ。壮大な命の旅路と震えるほどの孤独と自由、託された夢と可能性に心震える物語

    今日読んだのは、梨木香歩『沼地のある森を抜けて』です。 叔母から受け継いだ先祖伝来の「ぬか床」という庶民的(?)なスタートから、途中不一気に不穏な雰囲気になり、最終的に、命のはるかな旅路と新しい生命に託された可能性と夢が描かれるという、壮大で愛おしさに満ちた物語です。 近所のいつも通らない小道をふと通って見たら、いつのまにか遠い場所にさらわれ、翻弄されているうちに深い森に迷い込んだような、なかなかない読書体験でした。 命を産む、とは一体何なのか、長い間悩んでいたのですが、何かしらの救済が与えられたような、そんな気がします。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント…

  • 『村田エフェンディ滞土録』梨木香歩 【感想・ネタバレなし】国とは一体何なのか。かけがえのない友と青春の日々を綴るトルコ滞在記

    『村田エフェンディ滞土録』梨木香歩 【感想・ネタバレなし】国とは一体何なのか。かけがえのない友と青春の日々を綴るトルコ滞在記

    今日読んだのは、梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』です。 同著作の、『家守綺譚』『冬虫夏草』に登場するトルコ留学中の村田君が主人公です。 1899年、西洋と東洋の狭間の国・トルコに留学した村田君は、異教の友人らと議論したり、掘り出した遺跡に目を輝かせたり、鸚鵡の言動に振り回されたり、神様の喧嘩に巻き込まれたり、騒がしくも楽しい青春の日々を過ごします。 しかし背景には、不平等条約下にあった当時の日本や、跋扈する帝国主義の暗い影、いずれ訪れる戦争の予感がしのびよります。 異国の友とのきらめくような日々を描き、イスタンブールという西洋と東洋が混じる不可思議な土地、その歴史の一場面のなかに、国とは一体…

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